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高橋 真哉; 坂本 綾子; 佐藤 修正*; 加藤 友彦*; 田畑 哲之*; 田中 淳
Plant Physiology, 138(2), p.870 - 881, 2005/06
被引用回数:50 パーセンタイル:72.25(Plant Sciences)植物はDNA変異原の曝露により生じるDNA損傷の影響を回避するために、さまざまな機構を備えている。DNA損傷乗り越え複製(TLS)はその一つである。近年、誤りがちなDNA損傷乗り越え複製(error-prone TLS)にかかわる、DNAポリメラーゼのサブユニットのシロイヌナズナホモログ()の遺伝子破壊系統rev3が単離,解析され、植物でもerror-prone TLSの存在が示唆された。本研究では、error-prone TLSで機能していると予想される、シロイヌナズナ, 遺伝子の遺伝子破壊系統(, )の単離,解析を行い、植物のerror-prone TLSについてより詳細な解析を試みた。は、UV-B, DNA架橋剤に対して感受性を示し、株のDNA変異原に対する感受性と傾向が似ていた。一方では長期間のUV-B, DNA架橋剤に対して感受性を示した。この結果は, が程度の違いはあるがDNA変異原によって誘導された各種DNA損傷の回避に関与していることを強く示唆しており、植物にも他の生物と同様のerror-prone TLSが存在すると考えられた。
高橋 真哉*; 坂本 綾子; 清水 喜久雄*; 佐藤 修正*; 加藤 友彦*; 田中 淳
no journal, ,
植物はその生育・生存のために太陽光を必要とするが、太陽光には生物に悪影響を及ぼす紫外線(UV-B)をも含んでいる。UV-B照射は生物体に対してシクロブタン型ピリミジン二量体などのDNA損傷を引き起こし、DNA複製を阻害するなど重篤な障害を与える。植物はUV-Bによる影響から身を守るために幾つもの防御機構を備えており、DNA損傷の修復機構はその一つである。本研究ではTLSで機能するとの遺伝子破壊系統の単離,解析を行い、さらにについて生化学的解析を行った。まず、白色光に弱いUV-Bを付加した長期間の照射条件下で, , を生育させたときの生育阻害について観察したところ、いずれの変異体も野生型と比較してほぼ同程度に地上部の生育阻害が見られた。とは、UV-B照射下での植物の生育に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。次に、AtREV1タンパク質がDNA損傷乗り越えを行うかどうかをみるために、大腸菌過剰発現系を用いてAtREV1組み換えタンパク質を作成し活性測定を行った。G, A, T, Cを含む鋳型DNAを使用し、dGTP, dATP, dTTP, dCTPを基質としてprimer extension法により活性測定を行った。その結果すべての鋳型DNAに対してCの挿入活性が見られた。これらの結果は、AtREV1がデオキシシチジル酸トランスフェラーゼ活性を持つことを示している。今後これらについてさらに研究を進めていくことで、植物のUV-B耐性機構の解明をより一層進むことが期待される。
越智 康太郎; 佐々木 美雪; 石田 睦司*; 佐藤 友彦*; 濱本 昌一郎*; 西村 拓*; 眞田 幸尚
no journal, ,
2011年の福島第一原子力発電所(Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, FDNPP)事故により、大量の放射性セシウムが大気中に放出された。文部科学省は、事故による環境への影響を評価するために、FDNPP周辺で空間線量率の測定を行ってきた。しかし、除染が行われ、事故から6年が経過したにも関わらず、依然としてFDNPP近傍のエリアでは、空間線量率が高いままである。この結果は、効率的な除染方法の提案が喫緊の課題であることを示している。土壌中放射性セシウムの深度分布に関する情報は、効率的な除染のために重要である。多くの場合、土壌中放射性セシウムの深度分布を把握するのは、土壌試料の採取及び測定という観点から煩雑である。放射線監視技術開発グループでは、広範囲の汚染されたエリアの空間線量率分布を迅速にモニタリングする手法として、無人ヘリコプターやマルチコプター(ドローン)などの無人機を用いた放射線計測技術を開発してきた。本発表では、土壌中放射性セシウムの深度分布を、無人放射線測定により得られた 線スペクトル上の特徴から推定する方法について報告する。