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渡辺 裕一*; 村松 健; 及川 哲邦
Nuclear Engineering and Design, 235(23), p.2495 - 2512, 2005/12
被引用回数:2 パーセンタイル:17.6(Nuclear Science & Technology)原子炉の地震起因事象の確率論的安全評価(地震PSA)に資するため、我が国のBWR残留熱除去系用の複数の支持枠付縦置U字管型熱交換器の地震時耐力を評価した。耐力中央値は4個の熱交換器から選定した代表例について詳細モデルによる時刻歴応答解析を行って評価し、知識不足による不確実さに関する対数標準偏差(LSD)は、応答への影響の大きいアンカーボルトの直径,熱交換器重量,熱交換器重心位置の3つのパラメータのばらつきを考慮して評価した。対象とした熱交換器の支配的損傷モードは支持脚アンカーボルトの主として剪断力による損傷であった。設置床での最大床応答加速度で表した耐力中央値は4,180Gal(4.3g)、ランダム性による不確実さに対応するLSDは物性値のばらつきにより0.11、知識不足による不確実さに対するLSDはばらつき要因として考慮する設計変数の範囲に応じて0.21から0.53となった。
内山 智曜; 及川 哲邦; 近藤 雅明; 渡辺 裕一*; 田村 一雄*
JAERI-Data/Code 2002-011, 205 Pages, 2002/03
本報告書は、地震に対する原子力発電所の確率論的安全評価(PSA)におけるタスクの1つであるシステム信頼性解析を目的として原研で開発してきた地震時システム信頼性解析コードSECOM2の使用手引としてまとめたものである。SECOM2コードには、炉心損傷または任意の頂上事象の発生条件を表すフォールトツリーとそれを構成する機器等の耐力や応答に関する情報、地震危険度曲線等を入力として、応答係数法に基づいた地震動レベルごとの機器損傷確率やシステム機能喪失確率の計算,当該サイトでの地震危険度曲線を組み合わせた事故シーケンスの発生頻度や炉心損傷頻度の計算,さまざまな指標を用いた重要度評価,不確実さ解析,応答及び耐力の相関性を考慮した炉心損傷頻度の評価等を行う機能がある。本報告書では、これらSECOM2の機能について計算方法を示し、各機能を用いる際の具体的な使用方法について説明する。
横林 正雄; 及川 哲邦; 村松 健
日本原子力学会和文論文誌, 1(1), p.95 - 105, 2002/03
原子力発電所の地震に対する確率論的安全評価(PSA)で使用するために、運転員のヒューマンエラー確率(HEP)モデルとその適用例を報告する。このモデルでは、運転員のストレスや地震動レベルの影響を考慮して、HEPは、地震動がないときは内的事象と同じとし、地震動レベルの増加に伴って線形に増加し、ある地震動レベル以降は一定とするリミテッドランプモデルで表した。適用例として、外部電源喪失による事故シーケンスで必要となるさまざまな運転員操作を短期と中長期に分けて、関連する振動台実験の調査結果や既存の人間信頼性解析手法を用いて、各操作のHEPモデルのパラメータを決定し、地震時のヒューマンエラーが炉心損傷頻度に及ぼす影響を推定した。この適用例では、ヒューマンエラーの影響は小さいとの結果が得られるとともに、ここに示すモデル化手法は、地震時のさまざまな運転操作の重要性を分析するうえで有用であることが示唆された。
及川 哲邦; 福島 誠一郎*; 高瀬 英和*; 内山 智曜*; 村松 健
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 8 Pages, 2001/08
原研では、軽水炉モデルプラントの地震に関する確率論的安全評価(PSA)を実施してきたが、その主要な支配因子となった起因事象としての外部電源喪失は、開閉所の碍子類も含めた碍管付き起動変圧器の損傷で引き起こされると仮定し、外部送電線網の影響は考慮しなかった。1995年兵庫県南部地震の際には、変電所等で、多くの変圧器、遮断器の震害事例が報告されている。そこで、これら震害事例をもとに、変圧器、遮断機、断路器、送電鉄塔のような、主要な設備・機器のフラジリティ・パラメータを評価し、外部送電線網の地震時信頼性を評価した。さらに、これら外部送電線網の地震時信頼性も考慮して、軽水炉モデルプラントの炉心損傷頻度を再評価した。その結果、外部送電線網の地震時信頼性が炉心損傷頻度に及ぼす影響はさほど大きくはないことがわかった。
村松 健; 廣瀬 次郎*; 及川 哲邦; 近藤 雅明
Proceedings of 15th KAIF/JAERI Annual Meeting, p.229 - 238, 2000/00
原研では、原子力発電所の地震起因事象に関する確率論的安全評価(地震PSA)の手法を開発し、軽水炉モデルプラントへの適用により、この手法が安全にとって重要な機器損傷や事故シナリオ等を同定するうえで有用であることを示してきた。そして現在は、この手法を地震リスクの一層の低減や耐震設計の高度化に活用するための研究を進めている。本論文では、耐震設計への応用として実施している、確率論的地震危険度評価の設計用想定地震設定への応用及び第四紀層地盤立地の安全性への影響検討における地震PSAの応用について、現状を紹介する。前者では、地震危険度への寄与度から支配地震を同定する手法として亀田・石川の方法等を実サイトに適用して実用上の課題を検討し、後者では地盤損傷の確率論的評価により手法の有用性について見通しを得た。
及川 哲邦; 村松 健; 笠原 健夫*; 川又 和彦*; 諸田 秀嗣*
Proceedings of 5th International Conference on Probabilistic Safety Assessment and Management (PSAM-5), p.2119 - 2125, 2000/00
原研では、地震リスクマネジメント策の1つとして、地震に対する確率論的安全評価(PSA)から得られる結果や知見を利用した地震条件下での原子力発電所の運転員を支援するシステムの概念について検討している。大地震時には、複数の起因事象や緩和系機器の損傷の同時発生等の異常な状況が発生し、運転員は、高いストレス条件にさらされる可能性がある。地震時運転員支援システムでは、気象庁からの地震に関する情報やプラントで発生した状況等を集約表示して、プラント状態の診断を支援するとともに、地震PSAの結果等を用いて優先順位付けした安全停止パスに基づく停止操作に関するガイド等を表示することにより、プラントの安全停止をより確実にするものである。本論文では、これまで実施してきた安全停止パスの優先順位付けの考え方と集約表示すべき情報とその表示法についての検討結果について紹介する。
及川 哲邦; 近藤 雅明; 渡辺 裕一*; 白石 巌*; 廣瀬 次郎*; 村松 健
Proc. of Int. Topical Meeting on Probabilistic Safety Assessment (PSA'99), 1, p.77 - 84, 1999/00
本論文では、原研で実施したBWRモデルプラントの地震時確率論的安全評価(PSA)の結果と知見をまとめている。起因事象では外部電源喪失が、事故シーケンスとしては崩壊熱除去機能喪失及び全交流電源喪失シーケンスが、システムとしては非常機器冷却系のようなサポート系の喪失が支配的であるとの結果となった。また原研で新たに開発した手法により相関性が炉心損傷頻度(CDF)に及ぼす影響を検討した結果、米国の先行研究で指摘されている程には大きくない可能性が示唆された。原研の地震PSA手法はリスク上重要な因子の理解に有効であること、しかしCDFの絶対値を意思決定に使用するには、さらなるデータの改善が必要なこと等が知見として得られた。さらに、新たに提案した重要度指標による解析等によれば、地震危険度の不確実さが重要度評価に及ぼす影響は小さく、リスク上重要な因子の摘出が可能との方向性が示された。
渡邉 憲夫; 及川 哲邦; 平野 雅司
JAERI-Data/Code 98-023, 488 Pages, 1998/09
国際原子力事象尺度(INES)は、原子力発電所等の原子力施設において事故・故障等(原子力事象)が発生した場合に、迅速かつ分かり易い情報を提供し、原子力関係者と、マスコミ及び公衆の間での情報交換に役立てることを目的とした事象報告システムであり、IAEAとOECD/NEAによって運営されている。INESには、加盟各国で発生した事故・故障事例が報告されるが、各事例ごとに、事故の重要度指標として共通した「尺度」を付けることとなっている。この尺度は、安全上重要ではない事象に対するレベル0から、広範囲に及ぶ健康・環境影響を伴う重大な事故に対するレベル7までを包含する。本報告書では、INES情報の幅広い利用に供するよう、これまでに科学技術庁を経由して入手した約430件のINES情報についての和訳情報をまとめた。併せて、INES情報の理解の助けとするため、INESの基本的考え方や適用範囲等について簡単に記述した。
及川 哲邦; 村松 健; 野元 洋一*; 早川 裕*
Probabilistic Safety Assessment and Management, 4, p.2701 - 2706, 1998/00
火山国である日本では、原子力施設等への火山活動によるリスクが十分小さいことを確認したり、影響評価結果によってはリスクマネージメント策を検討することは重要である。原研では、火山活動に対する確率論的安全評価(PSA)手法を開発すべきか判断するためにスクリーニング法を開発している。火山に関する文献の調査結果をもとに、原子力施設で生じ得る被害、最大影響範囲等を考慮し、スクリーニング対象として火砕流、泥流、火砕物の降下を選定した。火山活動に対するスクリーニング法は、原子力施設周辺の火山のリストアップと噴火記録の調査のステップと、地形的要因や噴火発生頻度評価等による、火砕流、泥流、火砕物の降下に対するスクリーニングのステップとからなる。我が国では既存原子力施設は火山から十分離れているが、幾つかの立地点を選定し、スクリーニング法の適用性を確認する計画である。
横林 正雄; 及川 哲邦; 村松 健
Probabilistic Safety Assessment and Management, 3, p.1901 - 1906, 1998/00
本報告は、地震時のヒューマンエラーが炉心損傷頻度に及ぼす影響について検討した結果である。検討の方法としては先ず地震を考慮しない内的事象としてのドミナントシーケンスの一つである外部電源喪失におけるヒューマンエラー確率(HEP)をASEP法により評価し、次に地震時のHEPを地震動中活動と地震動後活動に分けて評価し、前者には振動台実験等の結果を参考にし、後者では機器損傷などから運転員が高ストレス等厳しい状況下で活動するとして評価した。これらの評価したHEPを外部電源喪失を起因事象とするシーケンスに適用した解析例を基にヒューマンエラーが地震時の炉心損傷頻度に及ぼす影響が有意であることを定量的に示した。
及川 哲邦; 近藤 雅明; 水野 義信*; 渡辺 裕一*; 福岡 博*; 村松 健
Reliab. Eng. Syst. Saf., 62(3), p.251 - 271, 1998/00
被引用回数:11 パーセンタイル:51.2(Engineering, Industrial)原研で開発している地震PSAのためのシステム信頼性解析コード、SECOM-2では、地震時の機器損傷確率の計算、ミニマルカットセット(MCS)の導出、システムの条件付故障確率の計算、地震ハザードを組み合わせた事故シーケンスの発生頻度や炉心損傷頻度の計算、感度解析、様々な指標を用いた重要度評価、不確実さ解析等を行う機能がある。まず、原研では地震下における炉心損傷事故のモデルとして、全ての起因事象による炉心損傷を1つのシステムモデルで表した総合フォールトツリー(FT)を用いている。このような総合FTを用いることにより、システム機能喪失、炉心損傷等の条件付き確率の点推定値曲線を地震動レベルの関数として求めることができる。ここで、点推定の計算には、厳密解が得られるBAM法を採用している。また、地震PSAで重要とされている、機器損傷の相関の取り扱い方法として、新たにモンテカルロ法に基づいた解析機能を組み込んでいるため、MCS間の機器損傷の相関を考慮できる他、従来のMCS法で採用されている上限近似を行うことなく、厳密解に近い計算結果を得ることができる。
渡辺 裕一*; 及川 哲邦; 村松 健
20th CNS Nuclear Simulation Symposium, p.1 - 10, 1997/00
地震に関する確率論的安全評価(PSA)を実施する上で機器応答の相関性を考慮することは、重要な課題とされている。機器応答の相関は、機器損傷の積と和の発生確率に影響を与えるが、従来の手法では、積に対する影響のみを考慮するか、和への影響も考慮した場合には完全相関に限定して解析がなされてきた。本研究では、モンテカルロ法により、フォールト・ツリーを直接定量化する手法を開発し、部分相関の場合を含めて、相関が機器損傷の積だけでなく和に与える影響も考慮して、システム機能喪失確率を計算することを可能とした。この手法により、BWRの残留熱除去系のシステム機能喪失確率を求めた。この結果、機器応答の相関は機器損傷の和の発生確率に影響を与え、この影響を無視するとシステム機能喪失確率を過大評価する場合があることがわかり、本手法の有用性が示された。
傍島 眞; 及川 哲邦; 近藤 雅明; 水野 義信*; 村松 健; 蛯沢 勝三
10th Pacific Basin Nuclear Conf. (10-PBNC), 1, p.629 - 636, 1996/00
原子炉の炉心損傷に至り得る外的事象のうち、我が国で重要と考えられる地震について、PSA手法の研究と開発を実施し、炉心損傷に至る機器損傷の頻度を評価する手法を確立した。当初は比較的単純なモデルにより、BWRに適用し、得られた理解をモデルの改良に反映し、設計条件等の影響因子を特定した。炉心損傷頻度まで求めるコードによる計算から、交流電源の機器の耐力すなわち機能維持が、炉心損傷に大きな影響を及ぼすことが認識された。ディーゼル発電機は構成要素の総体としての耐力で破損が決定付けられ、軸受の損傷が代表的モードとなることなどが明らかになった。他の機器についても個別の方法で耐力評価を行っており、地震ハザードの不確実性を小さくし、地震PSAの利用、免振への応用などを通じて原子炉の安全向上を図って行く。
及川 哲邦; 平野 雅司; 傍島 眞; 佐藤 猛*; 佐藤 一男*
IAEA-CN-61/2, 0, 14 Pages, 1995/00
本論文は、原子力安全委員会の活動を中心に、我が国における原子力施設の運転安全に関する活動の概要を紹介するものである。原子力安全委員会の運転安全に関する活動は、大きく以下の3つに分類される。(1)国内原子力施設で発生した故障等の再発防止策が妥当なものかを審議している。(2)国内外の原子力施設で発生した事象から、一般的な安全問題についての検討をしている。TMI-2号炉事故については、得られた教訓を指針にまとめた。(3)毎年原子力安全白書を発行し、その1989年版では、「原子力発電所における故障等とその教訓の反映」を重要課題とし、今後重要となる経年劣化について研究の重要性を指摘した。原子力安全委員会は、これらの活動を通して、得られた教訓を日本の原子力施設のさらなる安全確保に反映している。
及川 哲邦; 渡邉 憲夫; 平野 雅司
IAEA-CN-61/31, 0, 15 Pages, 1995/00
本論文は、日本の軽水炉で発生した異常事象の発生頻度をカテゴリー別に評価し、主な異常事象の発生頻度を米国と比較したものである。日本の軽水炉で発生した異常事象を通産省が編集している「原子力発電所運転管理年報」から拾い出し、PWR94件、BWR188件を評価対象とした。これら評価対象事象を米国のカテゴリーに分類し、運転管理年報に記載された発電時間(1993年3月31日現在で、PWRで155.8炉年、BWRで178.9炉年)を用いてカテゴリー別の発生頻度を評価した。代表的な異常事象の発生頻度を日本と米国で比較すると、概ね米国の数分の1から20分の1となっていた。日本では蒸気発生器伝熱管漏洩下での運転が認められていないため、その発生頻度が米国より高くなっている。日本と米国で発生頻度を比較する際には異常事象の報告基準とプラクティスが異なっていることに注意すべきである。
村松 健; 蛯沢 勝三; 松本 潔; 及川 哲邦; 近藤 雅明; 福岡 博*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, Vol. 3, 0, p.1333 - 1340, 1995/00
原研では確率論的安全評価(PSA)に関する研究の一環として地震起因事象に関するPSA(地震PSA)の手法の開発、改良を行なっている。本研究の最新の成果から、以下の事項を報告する。地震危険度評価については、断層モデルに基づく機構論的な地震動予測式の開発を進めており、震源及び波動伝播の地域特性を考慮するために観測地震動を用いて特性パラメータを定めた。建屋の損傷確率評価については、建屋応答の非線形性を考慮した解析により損傷確率を評価した。機器の損傷確率評価については、振動試験データに基づいて非常用ディーゼル発電機の耐力評価を行なった。システム信頼性解析の分野では、地震起因炉心損傷頻度評価用コードSECOM-2を用いた感度解析により、応答の相関性を考慮した場合の炉心損傷頻度への影響を評価した。
及川 哲邦; 村松 健; 笠原 健夫*
The 3rd JSME/ASME Joint Int. Conf. on Nuclear Engineering, Vol. 3, 0, p.1341 - 1348, 1995/00
原研では、受動的安全機能を採用した一体型加圧水炉SPWR(System-Integrated PWR)の概念設計研究を行っているが、その技術成立性の評価、設計の弱点の洗い出しに確率論的安全評価(PSA)を実施している。SPWRのPSAは、2段階に分けて行った。第一段階PSAでは、SPWRのプラントの概要の把握、設計の弱点の洗い出しのため、3つの起因事象についてのみ評価を行った。この第一段階PSAの結果も参考として、設計者グループは、水張り式格納容器、静的格納容器水冷却系の採用といった設計変更を行った。第二段階PSAではこれらの設計変更を考慮すると共に、故障モード影響解析等から洗い出された全ての起因事象を対象に、事故進展図を作成してイベントツリーを作成し、炉心損傷発生頻度を定量化した。また、静的システムの信頼性及び設計代替案に関する感度解析を実施した。その結果、炉心損傷発生頻度に静的システムの信頼性はあまり大きな影響のないこと、設計代替案として非安全系の高圧注入系を追加することが炉心損傷発生頻度の低減に最も有効であることが分かった。
及川 哲邦; 村松 健; 岩村 公道; 笠原 健夫*; 水野 義信*; 三村 裕一*
第6回確率論的安全評価 (PSA)に関する国内シンポジウム論文集 (IAE-9206), p.204 - 209, 1993/01
原研では、受動的安全機能を採用した一体型加圧水炉SPWR(System-integrated PWR)の概念設計研究を行っているが、その技術成立性の評価、設計の弱点の洗い出しに確率論的安全評価(PSA)を実施している。SPWRのような基本設計段階にあるプラントへのPSAの適用をフレームワークPSAと名づけ、2年計画で行っている。フレームワークPSA手法の特徴は、起因事象の同定では既存PSAで取り上げられた起因事象も参考としながら新設計の系統には故障モード影響解析を行ったこと、事故進展図を作成して事故進展の検討を行ったこと、定量化では既存炉と同様なシステムについて既存PSAの値を参考とし新設計の機器の故障率を設定する等の方法を用いたことである。本報告では、1年目のフレームワークPSAで得られた成果の概要を紹介するとともに、現在実施中の2年目の計画を述べる。
渡邉 憲夫; 平野 雅司; 及川 哲邦
JAERI-M 91-143, 173 Pages, 1991/09
本報告書では、原子炉停止時における崩壊熱除去機能の喪失に関する事例の分析結果を報告する。収集した事例は、PWRが206件(対称期間:1976年~1990年)、BWRが48件(同:1985年~1990年)である。事例収集にあたっては、米国の設置者事象報告(LER)やOECD/NEAの事象報告システム(IRS)等を参照した。米国PWRで発生した197件の事象を分析した結果、原子炉停止時に崩壊熱除去機能が喪失した事例の多くは、(1)余熱除去系(RHR)ポンプの吸込/隔離弁の閉止、(2)水抜き運転状態時のRHRポンプの空気巻き込み、(3)RHRポンプの駆動力喪失、のいずれかが直接的な原因となっている。また、その背後にある根本原因を分析すると、手順書の不備や運転員/作業員の誤操作等の人為的な要因が支配的となっている。一方、米国BWRで発生した48件の事象については、運転員/作業員の誤操作に起因する吸込/隔離弁の閉止によるものが最も多い。
及川 哲邦; 樋川 道弘*; 樋口 澄則*; 佐々木 忍
JAERI-M 89-044, 346 Pages, 1989/04
日本原子力研究所、リスク評価解析研究室では、確率論的安全性評価に用いられる機器故障率データを公開された文献から収集すると共に、信頼性解析の便宜のために計算機用の故障率データベースとその検索システム、RECORDを開発してきた。収集した故障率データの表わし方が文献によって異なっているので、故障率データを統一したデータベースで表現するために、機器分類、故障モード、文献名、故障率の単位、故障率を表示している統計パラメータ等をコード化した。これらのコードを用いて、これまでに約35の文献から約11500点の故障率を故障率データベースに登録した。本報告書では、システム解析者の便宜のために機器故障率データベースに登録された故障率を一括して示すと共に、故障率データベースのデータ構造と本故障率集の使用法を示す。