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大森 俊造
産業と電気, (629), p.1 - 2, 2005/02
JT-60プラズマ実験においてはパルス的に大電力を使うため、商用幹線に電圧及び周波数変動の影響を与えないようにシステムに工夫が施されている。大きいはずみ車効果を有する縦軸型電動発電機に回転エネルギ-を蓄え、それを利用して発電する。その電力は変圧器により降圧しサイリスタ変換器またはダイオ-ド整流器により直流に変換してJT-60トロイダル磁場コイル,ポロイダル磁場コイルへ大電流を給電し、プラズマの発生・維持,形状制御を行っている。プラズマ加熱装置へは交流を給電している。このような電源システムの運転保守に従事してまた著者にとって、特に電気保安上の貢献が大きかったものは、以下の通りである。(1)電動発電機細密点検,(2)電動発電機セルビウス装置絶縁劣化対策,(3)電動発電機の中性点接地抵器の加熱現象の対策、以上の経験を総括して電気を取り扱う関係者に役立つ情報を紹介する。
細金 延幸; 二宮 博正; 松川 誠; 安東 俊郎; 閨谷 譲; 堀池 寛*; 櫻井 真治; 正木 圭; 山本 正弘; 児玉 幸三; et al.
Fusion Science and Technology (JT-60 Special Issue), 42(2-3), p.368 - 385, 2002/09
被引用回数:2 パーセンタイル:17.03(Nuclear Science & Technology)本論文ではJT-60U装置及びコイル電源の開発とこれまでの運転経験についてレビューする。JT-60Uは高プラズマ電流,大体積プラズマ,高非円形プラズマを得るため、当初のJT-60装置から大型化された装置である。改造においては、トロイダル磁場コイルの内側の全ての構成機器が新しく製作された。さらに、ダイバータタイルには炭素材の化学スパッタリングを低減するためボロン変換CFC材が使用された。後には、当初の開ダイバータに代わって、NBI用クライオ排気パネルをダイバータ排気装置に用いた排気装置付の半閉ダイバータを設置した。これらの構成機器の開発に導入されたさまざまな技術や工夫,及びそれらの運転経験は、将来のトカマク装置の設計のための貴重なデータを提供するものである。一方、JT-60Uの運転に影響を与えた主要な故障についても述べる。さらに、重水素を燃料に使用するトカマク装置の保守の重要な課題として、容器内作業者の被ばくを抑えるための方策についても紹介する。
大森 栄和; 松川 誠; 大森 俊造; 寺門 恒久; 岡野 潤; 野田 政明*
NIFS-MEMO-36, p.358 - 361, 2002/06
大型核融合実験装置JT-60は、数年以内に運転を終了し、その後大規模な改修作業を行う予定である。新しい装置の磁場コイルには超伝導コイルが使用され、その構成や定格も現在の装置とは大幅に異なるため、これに電力を供給するコイル電源設備も新しい装置にあわせた改造が行われる。コイル電源設備の改造にあたっては、機器のすべてを新規に製作するのではなく、既存の機器を最大限再利用する手法を採る。このため、改修が行われる数年の間、それらの機器を健全な状態に維持し、改修後の運転においても十分な機能と信頼性を得られるよう保管しなければならない。保管にあたっては、機器を健全に保つことも当然ながら、経済性も考慮する必要がある。今回、これらのことを念頭に置き、今までの運転実績などを踏まえた上での保管の方法などについて計画したので、トロイダル磁場コイル電源を例に取り報告する。
松川 誠; 石田 真一; 逆井 章; 栗田 源一; 三浦 友史; 寺門 恒久; 大森 栄和; 大森 俊造; 岡野 潤; 島田 勝弘; et al.
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1106 - 1110, 2001/03
JT-60装置において定常化研究をより一層進展させるためには、プラズマ電流駆動時間をいかに長時間化するかが重要である。ところが、現在の電源システムはプラズマ電流駆動時間5秒を基本に設計製作されていることから、長時間化を実現するためには改造する必要がある。本文では、等価矩形波通電時間が約40秒の現トロイダル磁場コイル電源をサイリスタ変換器化して再構成し、新プロイダル磁場コイル電源のベース電圧電源とする改造案を提案する。そして、ほかの交直変換器を短時間のの補助電源として活用すれば、新規製作が必要な変換器がほとんど不要であることを示す。また、運転に必要な交流電源は、プラズマ電流4MAを100秒程度維持し、追加熱を40MW-10秒とするならば加熱用発電機1台で、10MW-100秒とするならばトロイダル用発電器1台で十分な見通しであることを示す。
大森 俊造; 日下 誠*
JAERI-Tech 97-025, 20 Pages, 1997/07
大型核融合装置JT-60の加熱用発電設備の電動発電機セルビウス装置に使用されているFRP(繊維強化プラスチック)電気絶縁材の絶縁性能劣化について、その原因究明と対策を実施した。絶縁性能の劣化したFRPの表面には、X線光電子分光法等による分析から、CaCl,Ca(NO)等の潮解性物質の存在が確認された。絶縁性能の劣化は、これら潮解性物質が湿度の高い時に水分を吸収するためと結論付けられる。なお、これらの潮解性物質は、冷却のために取り込んだ外気中に含まれる酸性物質がFRP表面に付着・侵入し、FRPの充填剤である炭酸カルシウムと反応して生成されたものと推定できる。また酸性物質の発生源も確認した。この対策としてカルシウムを含まないポリエステル系のFRP絶縁材に交換し、電気絶縁性能の健全性確保を図った。
大森 俊造; 日下 誠*
技術研究会報告 (文部省国立天文台・電気通信大学), p.111 - 114, 1997/03
加熱用電動発電機の加速制御には、セルビウス装置が使用されている。セルビウス装置の電気絶縁材は、FRPが使用されている。平成2年にセルビウス装置の点検を行ったところ、絶縁抵抗が0.4M(湿度91%)と低かった。原因は塩害であり、対策としてリアクトル冷却ファンの直接屋外吸気をやめて屋内吸気方式に改造した。しかし、その後も絶縁抵抗が低下し続け、平成6年に0.8Mと管理目標値の1Mを下回った。そのため、FRPの表面汚染物質の光電子分光分析を行った。その結果、CaCl、CaNO、CaSOが検出された。このことからFRPに添加されているカルシウムと空気中の酸性物質とが反応して、これらの吸湿性化合物が生成され、高湿度時に絶縁が劣化することが判明した。また環境分析により酸性物質の発生源も確認した。対策として、カルシウムの含まないポリエステル系のFRP絶縁材に更新した。
松川 達哉; 大森 憲一郎; 高橋 春次; 大森 俊造; 寺門 恒久; 柳生 純一; 大森 栄和; 宮地 謙吾; 竹下 明*; 池田 幸治; et al.
Fusion Technology 1988, p.1444 - 1448, 1989/00
昨年度、JT-60の実験領域の拡大、つまり、リミター運転時あるいはダイバータ運転時におけるプラズマ電流の最大値がそれぞれ3.2MA、2.7MAに変更されたことに伴い、JT-60電源設備の改造が行われた。その主な内容としては、10kAの増設電源によるQ電源の増力、ディスラプション時に誘起される電流による応力から本体コイルを保護するために設置したVコイルの外部インダクタンス、あるいは、Vコイル電流とMコイル電流を組み合わせた二次元のインターロック、その他Fコイル電源及びTコイル電源の増力などがあげられる。本発表はこれらの改造内容と改造後の運転実績について報告するものである。
松川 達哉; 大森 憲一郎; 高橋 春次; 大森 俊造; 寺門 恒久; 柳生 純一; 大森 栄和; 宮地 謙吾; 竹下 明*; 池田 幸治; et al.
Fusion Technology 1988, p.1444 - 1448, 1989/00
JT-60電源設備は1985年に運転を開始した。その後プラズマ実験の要求を満足させるため、JT-60の休止期間中、幾つかの改造を行った。特に1987年には、プラズマ電流がリミタ配位で3.2MA、磁気リミタ配位で2.7MAを達成するため、JT-60電源の出力を、サイリスタ変換器の増強等で増やした。この論文では、これ迄のJT-60電源の改造及び運転経験について述べる。更に1988年現在における電源設備の現状について述べる。
福田 健; 大森 俊造
日本原子力学会誌, 17(4), p.177 - 185, 1975/04
セラミックス材料への核分裂ヨウ素の化学吸着を利用して、その娘核種のキセノンを親核種から高温で分離する、新しい、乾式の分離法について研究した。種々な材料(アルミナ、マグネシア、酸化カルシウム、二酸化ウラン、黒鉛、ステンレス鋼(type304)および銀)について、吸着されたヨウ素が壊変して生成するキセノンの離脱挙動を調べ、最高の離脱率を示したアルミナをヨウ素吸着材とする分離装置を製作し、これによってIからXeおよびXeをその生成直後に分離した。その場合の分離収率および生成キセノンの離脱所要時間について検討し、共に満足すべきものであることを確認した。Iの分岐比とXeの半減期を測定した。その結果、Iの、Xeへの分岐比=15.00.8%、Xeの半減期=15.290.05minの値を得た。
福田 健; 大森 俊造
JAERI-M 5946, 24 Pages, 1975/01
ヨウ素蒸気による腐食に伴うステンレス鋼試料の重量減少を温度500C~1000C、ヨウ素蒸気圧0.05~0.5mmHgの範囲で熱天秤を用いて測定した。腐食初期の重量減少速度は、700C以下の温度で試料の溶体化処理や表面処理に大きく影響される。溶体化処理した試料の場合には誘導期間があるが、これは核分裂片照射、重イオン照射あるいは機械研磨により短縮または消失し、ある場合には腐食が加速された。腐食初期に続いて定常的重量減少領域が表われる。この領域の重量減少速度は、試料の諸処理にあまり依存しないこと、700C以上ではほぼヨウ素蒸気圧に比例すること、AISI316鋼では約800Cで、AISI304鋼では約750Cで最大となること、また700C以下ではAISI304鋼の場合の方がAISI316鋼の場合より大きいが、800C以上では差がほとんどないことなどを見出した。700C以下では試料表面に腐食生成物層が存在することを観察した。以上の結果に基づき、腐食過程について考察した。また、揮発した腐食生成物の、温度こう配管における析出挙動についても調べた。
半田 宗男; 山岸 滋; 福田 健; 柴 是行; 高橋 良寿; 谷藤 隆昭; 大森 俊造; 伊藤 昭憲
Journal of Nuclear Science and Technology, 11(9), p.387 - 394, 1974/09
被引用回数:2インパイルループを用いて、8~230ppmの水分を含むヘリウム気流中での焼結炭化ウランペレットからの核分裂ガスの放出速度を、160~1000Cの温度範囲について測定した。非常に複雑な放出挙動が観測された。核分裂ガスの放出メカニズムについて、放出の壊変定数依存症をもとに推定した。その結果、照射下における短寿命核分裂ガスの放出は、擬反跳メカニズムで支配され、核分裂ガスの寿命が長くなるにつれて反応に伴う放出およびノックアウトメカニズムによる放出の寄与が増大することがわかった。また炉停止後における放出は、反応に伴う放出で支配されていることがわかった。全放出にしめる反応に伴う放出の割合は、ヘリウムスイープガス中の水分濃度のみでなく、反応で蓄積された反応生成物の量にも依存した。観測された600CにおけるXeの異常に大きい放出についても検討した。
柴 是行; 半田 宗男; 山岸 滋; 福田 健; 高橋 良寿; 谷藤 隆昭; 大森 俊造; 近藤 昭憲*
JAERI-M 5511, 40 Pages, 1974/01
JRR-3に設置されていたFGRLは、その所期の目的を達成し、昭和48年8月に撤去された。本レポートはこの撤去作業のあらましをまとめたものである。まず、所内外の安全審査、撤去後の使用前検査などの諸手続きや撤去作業の進め方の基本方針について述べる。つづいて、プラグ本体など強放射性物質を含む炉内装置を撤去するためのコフィン類の設計・製作、その収納・保管廃棄の手順などについて述べる。強放射線下の作業を含む炉外装置撤去に関しては、解体方針や作業上留意した事項などにふれ、最後に、放射線被ぱく線量の評価でしめくくる。なお、プラグ本体の生成放射能、コフィン類のしゃへい計算、プラグ本体収納時の被ぱく線量など主要な計算式とその結果を付録とした。
福田 健; 大森 俊造; 山岸 滋
Journal of Nuclear Science and Technology, 10(4), p.242 - 249, 1973/04
核分裂反跳により天然黒鉛に捕獲されたX,XおよびXの、照射後、1000Cでの等温加熱時における放出挙動が調べられた。実験は20分照射後、比較的短時間冷却した後開始され、この状態では、試料中に先行核種のヨウ素の方が各ゼノンよりも多い割合で存在し、実験進行に伴い、照射下等温加熱時の物合と同様、試料中の欠陥に捕獲されたヨウ素の壊変により生成されたゼノンが試料から放出される。1000Cにおいてヨウ素の壊変により生成された1個のゼノン原子が試料外に放出される確率が、時間を凾数として実験的に定められ、この確率をもとにして計算した結果は上記の実験におけるゼノンの放出挙動をよく説明した。ゼノンの放出は、壊変によりヨウ素がゼノンに変ると欠陥から逃れるに必要な活性化エネルギーが約10Kcal/mol低下することにより起こると推測された。壊変に伴ってゼノンに与えられる反跳エネルギーの、ゼノン放出への寄与について検討が行われた。
柴 是行; 半田 宗男; 山岸 滋; 福田 健; 高橋 良寿; 谷藤 隆昭; 大森 俊造; 伊藤 昭憲
Journal of Nuclear Materials, 48(3), p.253 - 263, 1973/03
FGRLを用いて250~930Cの比較的低温における照射下のUOからのFPガス放出速度を測定し、その機構について研究した。実測された放出速度のうち試料ホルダからの放出分を補正し、UOからの真の放出速度を算出した。またノックアウト機構による放出速度も実測した。その結果は従来の通説とは異なり、(特に短寿命核種の場合には)ノックアウトが主な放出機構でないことを明らかにした。低温照射下での放出挙動をよく説明するために、新しく擬反跳(pseudo-recoil)機構を提案した。
柴 是行; 山岸 滋; 福田 健; 高橋 良寿; 谷藤 隆昭; 大森 俊造; ホンダムネオ*
J.Nucl.Energy, 26, p.333 - 348, 1972/00
被引用回数:5抄録なし
柴 是行; 半田 宗男; 山岸 滋; 福田 健; 高橋 良寿; 谷藤 隆昭; 大森 俊造; 近藤 昭憲*
日本原子力学会誌, 14(7), p.331 - 336, 1972/00
核分裂ガス拡散ループ(Fission Gas Release Loop)は,Heガススイープ型ループでJRR-3に設置されている.炉内装置は,VC-3実験孔に挿入されており内筒と外筒から成っている。内筒の先端には,照射試料を装填した照射試料部が溶接されている。熟中性予束は6I0n/cm・sec,試料表面の最高温度は1,000,最大燃料装荷量は天然ウランに換算して100gである。外筒はジャケットタイプのもので,その中を1次冷却水が42l/minで流れている。炉外装置は,地下のループテスト室に設置されており,スイープガスの純化装置,流量調節装置およびサンプリング装置,F.P.ガス捕集装置,熟交換器,制御盤および放射能測定器などから成っている。
亀本 雄一郎; 柴 是行; 花田 磨砂也; 山岸 滋; 福田 健; Y.タカハシ*; 谷藤 隆昭; 大森 俊造
Journal of Nuclear Materials, 36, p.153 - 160, 1970/00
被引用回数:4抄録なし