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北辻 章浩; 奥垣 智彦*; 糟野 潤*; 久保田 宏紀*; 前田 耕治*; 木村 貴海; 吉田 善行; 木原 壯林*
Journal of Chemical Thermodynamics, 43(6), p.844 - 851, 2011/06
被引用回数:8 パーセンタイル:30.28(Thermodynamics)液々分配法とイオン移動ボルタンメトリーにより、5価及び6価アクチニルイオンの水相/有機相間移動標準ギブスエネルギーを決定した。ニトロベンゼン, 1,2-ジクロロエタン,ベンゾニトリル,アセトフェノン、及び2-ニトロフェニルオクチルエーテルを有機溶媒として用いた。有機溶媒の種類によらず、U(VI), Np(VI), Pu(VI)のイオン移動ギブスエネルギーはほぼ一致し、Mg(II)よりも少し大きい値であった。Np(V)のイオン移動ギブスエネルギーは他の一価イオンに比べて非常に大きな値を示した。アクチニルイオンのイオン移動ギブズエネルギーの溶媒に対する依存性は、プロトンイオンやMg(II)のそれと類似していた。3価及び4価アクチノイドイオンについてもイオン移動ギブスエネルギーの検討を行った。
奥垣 智彦*; 北辻 章浩; 糟野 潤*; 吉住 明日香*; 久保田 宏紀*; 芝藤 弥生*; 前田 耕治*; 吉田 善行; 木原 壯林*
Journal of Electroanalytical Chemistry, 629(1-2), p.50 - 56, 2009/04
水相と有機相間に電位差を印加することによりイオンを水相から有機相へ移動させる反応に立脚した、高性能な電気化学溶媒抽出法を開発した。多孔質のテフロンチューブ,銀線及び白金線などから構成される電解セルを製作して用いた。電解によるイオンの移動は迅速であり、ビス-ジフェニルフォスフィニルエタンを含む1,2-ジクロロエタンを有機相に用いたとき、水相中のウラニルイオンの99%以上を電解セルの滞在時間である40秒で有機相に抽出できた。アクチノイドやランタノイド,Sr, Csイオンの電解抽出について詳細を調べた。アクチノイドイオンの酸化状態を調整するためにカラム電極によるフロー電解法を組合せ、アクチノイドの逐次分離を試みた。
上原 章寛*; 糟野 潤*; 奥垣 智彦*; 北辻 章浩; 白井 理*; 吉田 善行; 木原 壯林*
Journal of Electroanalytical Chemistry, 604(2), p.115 - 124, 2007/06
キレート抽出における金属イオンの水溶液と有機溶液間の分配比を、イオンの液々界面イオン移動標準ギブズエネルギー,金属イオンとキレート試薬との錯生成定数,キレート試薬の酸解離定数といった物理化学的定数を用いて評価した。これらの定数は、液々界面イオン移動ボルタンメトリーや、水銀電極を用いるストリッピングボルタンメトリーなどの電気化学的な方法と酸塩基滴定により求めた。テノイルトリフルオロアセトンやピラゾロンなどのキレート試薬によるCuの1,2-ジクロロエタン溶媒への抽出について、理論的に導き出した金属イオンの分配比が、抽出実験により求めた分配比と一致することを確認した。これにより、キレート抽出における金属イオンの分配比をこれらの定数を用いて予測できることを示した。
久保田 宏紀*; 北辻 章浩; 奥垣 智彦*; 木村 貴海; 吉田 善行; 木原 壯林*
no journal, ,
溶媒抽出による分離法開発に深くかかわる、二液相界面での標準イオン移動ギブズエネルギー(G)を、各種酸化状態のアクチノイドイオンについて調べた。Gの決定はイオン分配法によった。有機相には、nitrobenzene, 1,2-dichloroethane, chloroform, acetophenone, benzonitrile, o-nitrophenyl octyl etherの6種類の有機溶媒を用いた。いずれの有機溶媒を用いた場合でも6価U,Np,PuイオンのGはほぼ等しい値をとり、6価アクチノイドイオンの類似性が見られた。また、6価アクチノイドイオンのGは、いずれの溶媒についてもHのそれの2.12.6倍の範囲であり、有機溶媒の違いによる差が小さい。このような傾向は、他の酸化状態のアクチノイドイオンについても観測された。
北辻 章浩; 奥垣 智彦*; 糟野 潤*; 前田 耕治*; 木村 貴海; 吉田 善行; 木原 壯林*
no journal, ,
水相と有機相間に電位差を印加して、イオンに水相から有機相への移動エネルギーを与えることにより移動させる電解抽出分離法の開発を進めており、これまでに迅速かつ高精度にイオン移動を実現できる流液系迅速電解イオン移動セル(FECRIT)を開発し、各種金属イオンの迅速かつ高選択的な電解抽出分離の可能性を調べてきた。アクチノイドと選択的に錯生成する中性配位子を用いたU, Np及びPuの電解抽出分離法について調べた結果、BDPPMを中性配位子として1,2-ジクロロエタンに加えたときの各種酸化状態のアクチノイドイオンの界面移動電位は、6価イオンが最も負電位であり、次いで4価,3価の順で移動波を観測した。一方、5価イオンは極めて親水性であり、移動電位は電位窓内に観測できなかった。また、BDPPEを用いると6価イオンに対し高い選択性が得られた。これらの結果に基づくと、迅速全電解可能なカラム電極電解法でAnイオンの酸化状態を調整しながらFECRITで電解抽出することによりU(VI), Np(IV), Pu(IV)を逐次分離できる。