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小林 和容; 鳥養 祐二*; 齋藤 真貴子; Alimov, V. Kh.*; 宮 直之; 池田 佳隆
Fusion Science and Technology, 67(2), p.428 - 431, 2015/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)JT-60Uは、20年間の重水素実験の後、解体が開始された。解体では、真空容器中のトリチウムの保持量が安全上重要な問題の一つである。そこで、真空容器として用いられたインコネル625中のトリチウムの挙動を把握することは、非常に重要である。本報告では、室温中でインコネル625からトリチウムは、1年間連続的に放出されることを明らかにした。また、約1年間でほとんどのトリチウムが放出され、その化学形は、HTOであることを明らかにした。これらデータをもとに今後は、JT-60Uで用いられた真空容器を使用し、トリチウムの挙動に関する研究を進める。
西山 友和; 三代 康彦; 岡野 文範; 笹島 唯之; 市毛 尚志; 神永 敦嗣; 宮 直之; 助川 篤彦; 池田 佳隆; 逆井 章
JAEA-Technology 2014-006, 30 Pages, 2014/03
臨界プラズマ試験装置(JT-60)では、超伝導コイルを用いるJT-60SAに改修するため、JT-60本体装置及び周辺設備を解体した。JT-60の解体品のほとんどが放射化物であり、大型構造物を除いた約1,100トン、約11,500点の解体品については、輸送用コンテナを利用した保管容器及び密閉容器と呼ばれる専用容器に収納し放射化物保管設備に保管した。これらの放射化物の運搬及び保管においては、1点毎に放射線障害防止法に定められた測定や記録などの管理が必要である。約11,500点にも及ぶ大量の放射化物の管理を確実に実施し、効率よく保管容器等に収納保管するために、バーコードタグ等を用いた管理方法や収納作業手順等を構築し収納保管作業を実施した。本報告書では、放射化物としてJT-60解体品を保管容器及び密閉容器に収納し、放射化物保管設備に保管する、一連の収納保管管理作業について報告する。
助川 篤彦; 宮 直之; 及川 晃
Proceedings of 19th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-19) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/10
超伝導トカマク核融合試験装置の建設に向け、解体中の臨界プラズマ試験装置(JT-60U)で使用された構造材とコンポーネント材の誘導放射能を計算及び測定により評価した。それら材料における誘導放射能のうち、最も高い誘導放射能を有する材料はステンレスで、主要核種はステンレス中のCoである。JT-60U真空容器の第一壁台座として使用しているステンレス316材は、約35トンである。解体に伴う放射化物の取り扱いにおいて、金属中の放射性核種の評価は重要であり、解体に伴う放射化物は、放射線障害防止法による放射化物の取り扱いに関する基準に従って、JT-60施設内の管理区域にて保管する。
西山 友和; 岡野 文範; 三代 康彦; 久保 博孝; 宮 直之; 及川 晃; 笹島 唯之; 逆井 章
平成22年度熊本大学総合技術研究会報告集(CD-ROM), 5 Pages, 2011/03
臨界プラズマ試験装置(JT-60)において、超伝導コイルを用いたトカマク装置(JT-60SA)に改修するため、主要設備の解体作業を進めている。本体装置が設置されている本体室や組立室などの設備機器及び構造物は、重水素プラズマによる核融合反応により発生した中性子(2.45MeV)により放射化している。解体した機器及び部品は、収納保管計画に基づき指定された収納保管施設に保管する。JT-60SAで再使用しない放射化した大量の解体品(再利用品)は、クリアランス制度を活用するまでの間、国際規格貨物コンテナを用いた保管容器などに収納し、収納保管施設に保管する必要がある。そのため、将来においてもそれぞれの再利用品の情報を特定できるように、再利用品タグや保管管理システムを用いた収納保管管理方法を構築した。また、効率的に再利用品の情報を収集できるように収納作業要領を作成した。これにより現在まで作業工程通り順調に解体作業が進行している。
松川 誠; 菊池 満; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 林 孝夫; 東島 智; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井手 俊介; 石田 真一; et al.
Fusion Engineering and Design, 83(7-9), p.795 - 803, 2008/12
被引用回数:17 パーセンタイル:72.86(Nuclear Science & Technology)JT-60SAは、日欧の幅広いアプローチの下で建設する完全超伝導トカマク装置で、ITERや原型炉への貢献を目指している。2007年の両極の国会批准後、実質的には既に建設段階に移行している。JT-60SAは、既存の建屋,電源,プラズマ加熱装置,計測装置などの、JT-60U設備の最大限の有効利用が前提であり、完全に新作する主たる機器は本体装置のみである。最大プラズマは電流5.5MAで、プラズマ主半径3.06m,アスペクト比2.65,非円形度1.76,三確度0.36である。最大プラズマ加熱入力41MW,プラズマ電流のフラットトップ時間は100秒間である。本論文では、トカマク装置本体だけでなく、プラズマ加熱装置や遠隔保守装置の設計などについても言及するとともに、EUとの技術的な議論を踏まえて行った超伝導導体に関する最近の設計変更案などを紹介し、装置の全体像を明らかにする。
正木 圭; 田辺 哲朗*; 広畑 優子*; 大矢 恭久*; 柴原 孝宏*; 林 孝夫; 杉山 一慶*; 新井 貴; 奥野 健二*; 宮 直之
Nuclear Fusion, 47(11), p.1577 - 1582, 2007/11
被引用回数:14 パーセンタイル:45.18(Physics, Fluids & Plasmas)本研究では、炉内の水素同位体残留量の定量評価及び残留過程を明らかにすることを目的として、従来のダイバータ領域に加え、第一壁及びプラズマから影の部分における炭素の損耗/再堆積分布及び水素同位体蓄積分布を評価した。真空容器内全体でプラズマ対向壁を観察した結果、おもに外側ダイバータ及び上部第一壁が損耗領域であり、内側ダイバータ及び内側第一壁が堆積領域であった。トロイダル方向の対称性を仮定したダイバータ領域全体の損耗/再堆積量は損耗量0.34kg、再堆積量(ダスト含む)0.55kgであり、この差0.21kgが第一壁領域の損耗が寄与していると考えられる。また、最も厚い再堆積層(内側ダイバータ)に蓄積された水素同位体蓄積濃度を評価した結果、(H+D)/C0.02であった。真空容器ベーキング温度を150Cに下げた運転後、プラズマから影の部分であるダイバータ下部を調べた結果、約2mの堆積層があり(H+D)/Cが約0.8と高いことがわかった。しかし、この領域における炭素堆積率は、810 atoms/sとタイル表面の炭素堆積率(610 atoms/s)と比較すると約一桁小さい値であった。
芝間 祐介; 新井 貴; 三代 康彦; 沢井 友次; 櫻井 真治; 正木 圭; 鈴木 優; 實川 資朗; 宮 直之
Fusion Engineering and Design, 82(15-24), p.2462 - 2470, 2007/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)臨界プラズマ試験装置JT-60におけるトロイダル磁場のリップル低減に用いるフェライト鋼製タイルの構造設計と機械及び真空特性について報告する。8Cr-2W-0.2V系フェライト鋼板を製造し、機械特性,真空特性を評価することにより設計条件の妥当性を確認した。引張強度は、耐力,強度ともに室温において偏差の少ないことを確認した。また、運転温度である15C, 300Cにおいて十分な強度を有することを確認した。200Cに昇温後の真空特性を評価した。その結果、市販のステンレス鋼と同程度の真空特性を有するものの、JT-60の真空容器内材料の基準値をわずかに上回ることがわかった。しかし、実際の運転温度は300Cであること,残留放出ガスが燃料である水素であることを考慮すると、容器内への適用が可能であると判断した。
中畑 俊彦*; 吉河 朗*; 小柳津 誠*; 大矢 恭久*; 石本 祐樹*; 木津 要; 柳生 純一; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 宮 直之; et al.
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1170 - 1174, 2007/08
被引用回数:3 パーセンタイル:25.51(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにて行われているボロニゼーションを模擬し、静岡大学のP-CVDにて膜調整を行った高純度ボロン膜に対して飽和量の重水素を照射した後、加熱とSIMS測定を繰り返し行い、膜中に捕捉された水素同位体放出過程に関する以下の知見を得た。重水素脱離を支配する要素は試料温度である。第1期、すなわち573K以下では、B-D-B結合からの重水素の脱離が支配的であり、その温度領域においては、拡散が律速過程であった。573Kを上回ると、重水素はBD結合からおもに脱離し、その温度領域においては、再結合が律速過程であった。BD結合として捕捉された重水素の実効的な再結合定数は等温加熱実験によって算出した。
林 孝夫; 杉山 一慶*; Krieger, K.*; Mayer, M.*; Alimov, V. Kh.*; 田辺 哲朗*; 正木 圭; 宮 直之
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.904 - 909, 2007/06
被引用回数:11 パーセンタイル:61.1(Materials Science, Multidisciplinary)D(He, p)He核反応分析法を用いてJT-60Uタイルを分析した。最も重水素濃度が高かったのは外側ドームウィングの排気スロット近傍であり、深さ16mまでの重水素の面密度は2.510 D/mであった。ここではミクロンオーダーの堆積層がタイル表面に観察されており、共堆積により多量の重水素量が蓄積したと考えられる。また中性粒子ビーム入射加熱(NBI)に起因する重水素が外側ドームウィングやドームトップタイルに高粒子束で入射し、重水素蓄積に寄与していると考えられる。深さ分布については約2.5mにD/C0.05の緩やかなピークがあった。これは大気解放前にプラズマ対向壁からトリチウムを除去するための軽水素放電により表面近傍の重水素が軽水素に置換したためである。一方、第一壁領域では最も重水素量の多いところで1.010 D/mであった。
上田 良夫*; 福本 正勝*; 西川 雅弘*; 田辺 哲朗*; 宮 直之; 新井 貴; 正木 圭; 石本 祐樹*; 都筑 和泰*; 朝倉 伸幸
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.66 - 71, 2007/06
被引用回数:10 パーセンタイル:58.16(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uの外側ダイバータ部分に、タングステンをコーティングしたCFCグラファイトタイルを13枚設置し、タングステンタイルの健全性や損耗されたタングステンの輸送・再堆積特性を調べた。タングステンの再堆積分布については、EDXやXPSを用いて測定を行った。タングステンタイルには最大6MW/mの熱負荷が加わったが、特に目立った損傷は観測されなかった。Wタイルに隣接したCFCグラファイトタイル上には、タングステンが損耗・電離後、磁力線に沿って移動して堆積した厚い堆積層が局所的に存在した。また、タングステンタイルと同じセクションにおけるタングステンのポロイダル方向の再堆積分布を調べたところ、内側ダイバータストライク点近傍と外側ウイング下部に多くの堆積が見られた。これらの分布を、Cの再堆積分布と比較したところ、内側ダイバータではほぼ同様の分布を観測したが、ドームの内側ウイングと外側ウイングでは、異なった堆積傾向が見られた。
広畑 優子*; 田辺 哲朗*; 大矢 恭久*; 奥野 健二*; 正木 圭; 宮 直之; JT-60Uチーム
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.854 - 861, 2007/06
被引用回数:11 パーセンタイル:61.1(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uの両側排気方式ダイバータ領域における炭素堆積・損耗及び水素同位体の保持特性について走査型顕微鏡,昇温脱離法,二次イオン質量分析計,イメージングプレート法及び燃焼法を用いて測定した。その結果を以下にまとめる。(1)JT-60Uのダイバータ領域ではおもに内側ダイバータ及び外側ドームウィングタイルで炭素堆積が見られ、外側ダイバータタイルでは損耗していた。(2)ダイバータタイルのプラズマ対向面のH+Dの保持量は堆積層の厚さに比例して増加した。その水素濃度(H+D)/Cは約0.02であり、片側排気の内側ダイバータタイルやJT-60とほぼ同程度であり、JETやほかの低温で運転されている装置(0.40.1)よりも小さかった。(3)外側ドームウィングタイルの排気口に面しているタイル上には厚い再堆積層が存在していた。しかし、その濃度は大きく見積もっても0.13であった。(4)H+D保持量のポロイダル側面の分布は外側ドームウィングの排気口に面している以外は少なかった。(5)H+D保持量のトロイダル側面の分布は、面によって約2倍の違いがあったが、堆積膜の膜厚によって強く影響を受けていた。
芦川 直子*; 木津 要; 柳生 純一; 中畑 俊彦*; 信太 祐二; 西村 清彦*; 吉河 朗*; 石本 祐樹*; 大矢 恭久*; 奥野 健二*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.1352 - 1357, 2007/06
被引用回数:10 パーセンタイル:58.16(Materials Science, Multidisciplinary)LHD真空容器内で主放電6081ショット,ボロニゼイション3回に曝された。ステンレス(SS316)サンプル、及び同様にJT-60U真空容器ポート内で主放電1896ショット,ボロニゼイション2回に曝された。SS316サンプル表面の元素分布状態をX線光電子分光装置(XPS)を用いて分析し、LHDとJT-60Uの結果を比較した。(1)LHDでは最表面において炭素が20%,酸素が45%であり、それ以降基板界面に至るまで80%のボロン膜が保持されている。JT-60Uでは最表面において炭素が60%であり、その後55%程度のボロン膜が保持されている。このようにLHDと比較するとJT-60Uでは壁材による堆積層が顕著である。(2)JT-60Uでのボロン膜上の堆積層はトーラス方向に非均一であり、C1s及びO1sのXPSスペクトルピークシフトの結果においても場所により異なる傾向を示す。これはトーラス方向の酸素捕捉能力が非均一であることを示唆している。(3)ボロン膜厚は、LHDではグロー電極の位置に依存するが、JT-60Uではそのような傾向は見受けられなかった。理由の一つとして炭素による堆積層がトーラス方向に非均一であることが考えられる。(4)ボロン膜の厚みは実験サイクル中十分に保持されているため、ボロン化壁による酸素軽減効果はおもにボロン膜の最表面の特性に起因すると考えられる。
杉山 一慶*; 林 孝夫; Krieger, K.*; Mayer, M.*; 正木 圭; 宮 直之; 田辺 哲朗*
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.949 - 954, 2007/06
被引用回数:10 パーセンタイル:58.16(Materials Science, Multidisciplinary)プラズマ対向壁中へのトリチウムを含む水素同位体の蓄積は、ITER等次世代炉の第一壁設計において重要な課題となる。JT-60Uでは動作ガスとして軽水素(H),重水素(D)を用いていることから、本研究ではJT-60Uプラズマ対向壁タイル中に蓄積されたH, Dの水素同位体蓄積に関する知見を得ることを目的として分析研究を実施した。分析はJT-60Uの第一壁サンプルタイルをドイツのマックスプランク研究所に運んで実施した。高エネルギーHeビームを用いた反跳粒子検出法により、タイル試料の表面層(2m)のH, Dの深さ分布及び定量分析を行った。プラズマ対向表面の深さ分布を見ると、表面近傍(1m)は主としてHが蓄積されており、Dがそれより少し深い部分より蓄積量が増加することが観測された。これはJT-60Uにおいて表面のトリチウム除去のために真空容器解放前(すなわち試料の取り出し直前)に実施されるH放電により、ごく表面にて、DとHとの同位体置換を生じた結果を示している。
助川 篤彦; 及川 晃; 宮 直之; 藤田 隆明
Proceedings of 15th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-15) (CD-ROM), 6 Pages, 2007/04
一つの規定されたクリアランスレベルによりJT-60U核融合試験装置の重水素実験後の低レベル廃棄物量を評価した。JT-60U装置は、建屋内に設置された真空容器やコイルを含む主要機器,中性粒子入射加熱装置や高周波加熱装置,計測装置で構成されている。JT-60U装置の構造物は、銅,ステンレス鋼,炭素鋼,高マンガン鋼,インコネル鋼,フェライト鋼,鉛からなる。その構造物の総重量は、約6400トンになる。放射線輸送計算は1次元ANISNコードで実施した。また、放射化計算にはACT-4コードを使用した。構造物の総重量のうち、約50トンのステンレス鋼が、JT-60U装置の真空容器の第一壁の台座に使用されている。放射化物となるステンレス鋼は38.7Bq/gとなり、低レベル廃棄物の管理において、放射化量に占める割合が最も多い。IAEA RS-G-1.7で示されているクリアランスレベルが適用されると、ステンレス鋼中のCo(半減期5.27年)の放射化レベルがクリアランスレベル未満となるまでには約45年要する。
正木 圭; 田辺 哲朗*; 広畑 優子*; 大矢 恭久*; 柴原 孝宏*; 林 孝夫; 杉山 一慶*; 新井 貴; 奥野 健二*; 宮 直之
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
本研究では、炉内の水素同位体残留量の定量評価及び残留過程を明らかにすることを目的として、従来のダイバータ領域に加え、第一壁及びプラズマから影の部分における炭素の損耗/再堆積分布及び水素同位体蓄積分布を評価した。真空容器内全体でプラズマ対向壁を観察した結果、おもに外側ダイバータ及び上部第一壁が損耗領域であり、内側ダイバータ及び内側第一壁が堆積領域であった。トロイダル方向の対称性を仮定したダイバータ領域全体の損耗/再堆積量は損耗量0.34kg、再堆積量(ダスト含む)0.55kgであり、この差0.21kgが第一壁領域の損耗が寄与していると考えられる。また、最も厚い再堆積層(内側ダイバータ)に蓄積された水素同位体蓄積濃度を評価した結果、(H+D)/C0.02であった。真空容器ベーキング温度を150Cに下げた運転後、プラズマから影の部分であるダイバータ下部を調べた結果、約2mの堆積層があり(H+D)/Cが約0.8と高いことがわかった。しかし、この領域における炭素堆積率は、810atoms/sとタイル表面の炭素堆積率(610atoms/s)と比較すると約一桁小さい値であった。
木村 晴行; 犬竹 正明*; 菊池 満; 小川 雄一*; 鎌田 裕; 小関 隆久; 内藤 磨; 高瀬 雄一*; 井手 俊介; 長崎 百伸*; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 83(1), p.81 - 93, 2007/01
JT-60公募型研究協力(以下、共同研究)は平成11年度から開始され、特に、平成15年1月にJT-60がトカマク国内共同研究の中核装置に位置づけられて以来、共同企画・共同研究の運営体制の構築とともに、研究課題数,研究協力者数が顕著に増加した。共同研究の成果の発表件数はJT-60全体の20-30%を占める。ブートストラップ電流による中心ソレノイド無し運転,電子サイクロトロン波によるMHD不安定性制御,プラズマ・壁相互作用,先進レーザー技術のプラズマ計測への応用,トカマクとヘリカルの比較研究などに、顕著な成果が上がっている。これらJT-60共同研究の全体像につき解説する。
信太 祐二; 正木 圭; 新井 貴; 逆井 章; 宮 直之; 田辺 哲朗*
Europhysics Conference Abstracts (CD-ROM), 31F, 4 Pages, 2007/00
国際熱核融合実験炉(ITER)では、ダイバータ部に炭素材料が使用される。炭素材料はプラズマとの相互作用により損耗されやすく、損耗された炭素は真空容器内に堆積し再堆積層を形成する。堆積層には水素同位体が保持されやすく、燃料として用いられるトリチウムが多量に蓄積することが予測される。したがって、炉内の安全性や材料寿命の予測といった観点から、炭素不純物の輸送・再堆積機構の解明が必須である。そこでJT-60Uにおいて、損耗で発生する炭素不純物を模擬するCを炭素同位体ガス(CHガス)の形で外側ダイバータの一箇所からスクレイプオフ層に導入する実験を行い、トレーサーであるCが輸送によって壁表面に再堆積する分布を調べた。この結果、外側ダイバータ部で発生した炭素がプラズマ流によって下流側に輸送されること、プライベート領域では炭素が上流側から飛来すること、プラズマに当たらない場所にも中性粒子として飛来し堆積が起こること等、炭素輸送に関する新たな知見を得ることができた。また、プライベート領域を輸送され内側ダイバータ部に堆積する可能性が示唆された。
工藤 祐介; 沢井 友次; 櫻井 真治; 正木 圭; 鈴木 優; 笹島 唯之; 林 孝夫; 高橋 龍吉*; 本田 正男; 實川 資朗; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49(96), p.S297 - S301, 2006/12
JT-60Uでは、大体積運転においてプラズマ加熱の低下,プラズマ対向機器への熱負荷の増大を引き起こすトロイダル磁場のリップル損失を低減するため、フェライト鋼製タイルの導入を図った。JT-60Uでは重水素運転であるため、中性子発生量が低いことから、フェライト鋼として、F82Hの放射化元素の含有成分の制限を緩めた8Cr-2W-0.2V鋼を製作した。製造されたフェライト鋼は焼戻しマルテンサイト構造を示し、十分な、磁気,機械特性であった。鋼板の飽和磁化は573Kで1.7Tであり、予想より低かったものの、JT-60Uの運転では十分有効であることが計算により確認された。8-9Crフェライト鋼の飽和磁化に対する材料条件を調べることは、フェライト鋼を炉内構造物として使用する将来の核融合装置において重要である。
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
木津 要; 柳生 純一; 石本 祐樹*; 仲野 友英; 都筑 和泰*; 宮 直之; 芦川 直子*; 西村 清彦*; 相良 明男*
Annual Report of National Institute for Fusion Science; April 2005 - March 2006, P. 65, 2006/11
核融合科学研究所の大型ヘリカル装置(LHD)では、近年、金属壁へのヘリウム(He)蓄積を避けるために、Heグロー放電(He-GDC)ばかりでなく、Neグロー放電(Ne-GDC)も積極的に行っている。そこで、ヘリウムより大きな原子番号を持つ希ガスを用いたグロー放電のボロナイゼーション壁に対する影響を調査した。静岡大学でボロナイゼーションした試料(Si, F82H)をLHDのHe-及びAr-GDCに6時間,12時間(Arは6.5及び13時間)さらす前後でSIMS深さ分析を行ったところ、Heグローでは最大24nm程度しかボロン膜は損耗しなかったが、Arグローの場合は、6.5時間では平均150nm、13時間では平均190nmの膜厚の減少が観測された。LHDのグロー放電の条件では、ArとHeによる物理スパッタは同程度であるが、今回両者で大きな差異が出たことは、ArとHeグロー放電では電流密度の分布が異なり、局所的に大きなスパッタリングが起こっていることを示している。