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山川 光稀*; 森谷 寛*; 猿田 正明*; 飯場 正紀*; 西田 明美; 川田 学; 飯垣 和彦
Transactions of the 27th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT 27) (Internet), 10 Pages, 2024/03
原子力施設の地震に対する損傷確率(フラジリティ)評価手法の精度向上に資するため、三次元耐震解析手法の高精度化を目的とし、研究開発を進めている。2019年からは、原子力規制庁と原子力機構との共同研究の一環として、原子力機構の施設である高温工学試験研究炉(HTTR)を対象とし、地盤や建屋の床だけでなく壁にも加速度計を多数設置するとともに、自然地震と人工波に対する多点同時観測が可能な大規模観測システムを構築し、観測データを活用した原子力施設の三次元耐震解析手法の精度向上及び妥当性確認に取り組んでいる。本論文では、大規模観測システムによって得られた地震観測記録の概要を示すとともに、地震観測記録を用いて建屋の卓越振動数及び変形モード等を求め、建屋の全体応答に関する振動特性を分析して得られた知見を示す。これまでに、約2年間で震度1以上の地震を約60回観測するとともに、東西方向と南北方向の外壁及び内壁の振動特性を分析し、それぞれ異なる卓越振動数を有することや、建屋中央部のオペフロ上の空間を囲む壁及びオペフロ屋根の振動が建屋全体の振動に大きく影響していることなどの三次元耐震解析手法の高度化に資する知見が得られている。
山川 光稀*; 猿田 正明*; 森谷 寛*; 山崎 宏晃*; 西田 明美; 川田 学; 飯垣 和彦
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 6 Pages, 2021/08
中越沖地震や東北地方太平洋沖地震等、近年大規模地震が多く発生し、原子力施設の耐震評価は重要課題となっている。原子力施設の耐震評価をより高い精度で行うためには、原子炉建屋の局部応答を考慮して施設内の機器への入力を精緻に評価する必要がある。このため、近年では原子炉建屋の現実的な局部応答を評価可能な、3次元有限要素モデルが耐震評価へ活用されつつある。原子炉建屋の3次元有限要素モデルについては、柏崎刈羽原子力発電所を対象として2007年新潟県中越沖地震の観測記録を用いたベンチマーク解析なども行われている。しかしながら、その結果は解析者によって異なり、3次元モデルを用いた地震応答解析手法はまだ確立されていないのが現状である。原子炉建屋の壁や床の局部応答評価など、3次元有限要素モデルの精度を向上させるためには、地震観測記録を活用したモデルの妥当性確認が重要となる。本研究では、原子炉建屋の固有振動数や固有モードなどの基本的な応答特性を分析するとともに、地震動の強さの違いによる応答特性への影響評価を行い、原子炉建屋の地震時挙動を明らかにする。これらの分析を通して、原子炉建屋の固有振動数と地震動の強さとの関係を定量的に評価する。さらに、原子炉建屋の回転変位と固有モードに対応する建屋変形に起因する変位の比を比較する。
吉本 政弘; 山川 恵美*; 竹田 修; 山本 風海; 原田 寛之; Saha, P. K.; 岡部 晃大; 金正 倫計
Proceedings of 12th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.938 - 943, 2015/09
J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)では、大強度ビームを実現するために荷電変換フォイルを用いたH-荷電変換ビーム多重入射を採用している。そのため、荷電変換フォイルとビームとの相互作用は避けようがなく、入射部フォイル周辺の残留線量が最も高くなっている。これまでの詳細な残留線量の分布測定とPHITSによるシミュレーション結果から荷電変換フォイルからの2次粒子(陽子及び中性子)がフォイル周辺の放射化の主な原因であることが分かった。また、リニアックから入射されたH粒子が荷電変換フォイルに到達する前に残留ガス等によりH粒子に変換されたことによるビームロスも局所的に強い放射化を生じさせる原因であることも明らかになった。本発表では、残留線量の詳細な分布測定とシミュレーション結果から、RCS入射部における放射化の状況と原因について報告する。
山川 正; 武田 聖司; 木村 英雄; 兵頭 浩*
JAEA-Research 2007-040, 21 Pages, 2007/03
放射性廃棄物の地層処分では、人間社会への核種移行を評価することが安全性を評価するうえで重要である。本研究では日本列島における第四紀火山地域以外の地域(非火山地域)の変動の一つとして地温を取り上げ、その空間的な特徴を調査した。比較的データの豊富な第四紀火山地域の火山影響範囲の特定とその地温特徴を確認後、日本列島全域より第四紀火山地域を除外し、非火山地域での地温特徴の空間分布を整理した。その結果、第四紀火山地域の火山影響範囲は火山中心より約24kmまでと判断でき、それ以遠の地域、すなわち非火山地域における温泉の泉温と深度の関係が明らかとなった。これよると、非火山地域の一般的な地温勾配は約16C/kmであり、従来の非火山地域における平均的な地温勾配といわれる20C/kmより有意に低い値を示した。地温勾配の頻度分布から判断すると、日本列島の地温勾配異常域は10地域に限られ、これらの地域を別にすると、地温勾配に含まれる標準偏差は温度の不確実性を内包することがわかる。
山川 正; 宗像 雅広; 木村 英雄; 兵頭 浩*
JAEA-Research 2007-039, 26 Pages, 2007/03
放射性廃棄物の地層処分では、人間社会への核種移行を評価することが安全性を評価するうえで重要である。本研究では既往データを利用して、広域地下水流動の及ぶ範囲いわゆる広域地下水流動範囲を設定する方法について検討することを目的とした。対象地区は、広域地下水流動に及ぼす複雑な要因の少ない阿武隈山地都路地区を選定した。地理情報システムを利用して、おもに地表関連データから推定できる広域地下水流動範囲の設定を行った。その結果、都路村水盆における広域地下水流動範囲は、従来それを取り囲む尾根によって境されるとされてきたが、ポテンシャル流や断裂の存在を考慮すると、大滝根山及び常葉町水盆北部を含む地域に拡張されると理解すべきであることがわかった。
福田 祐仁; 赤羽 温; 青山 誠; 林 由紀雄; 本間 隆之; 井上 典洋*; 神門 正城; 金沢 修平; 桐山 博光; 近藤 修司; et al.
Physics Letters A, 363(2-3), p.130 - 135, 2007/02
高強度レーザー励起航跡場による電子加速は、レーザープラズマ加速器の原理検証や極短パルスX線源開発にとって重要な役割を果たしている。最近、準単色の電子発生が報告され注目を浴びているが、電子注入過程のコントロールによる準単色電子のエネルギー制御と安定化が今後の研究課題となっている。本研究では、強光子場中でのクラスター媒質を用いた電子加速実験を行い、レーザープラズマ加速におけるクラスターの役割について調べた。その結果、クラスター媒質を用いて初めて、指向性を有する相対論電子の発生に成功した(最大エネルギー=58MeV)。電子エネルギー分布は、温度の異なる2つの成分から構成されている。2D-PICシミュレーションによる解析から、高エネルギー成分を構成する電子は、レーザー光との相互作用によってクラスターから生成した電子が、レーザー光に注入され、その後、レーザー光によって直接加速されて生成したものであることが明らかとなった。
福田 祐仁; 岸本 泰明; 正木 知宏*; 山川 考一
Physical Review A, 73(3), p.031201_1 - 031201_4, 2006/03
被引用回数:35 パーセンタイル:79.37プラズマの緩和過程、及び、イオン化過程を考慮した粒子コードを用いて、高強度レーザーとクラスターとの相互作用並びに構造形成プロセスの詳細を調べた。これまでに指摘されていたレーザー誘起電場の発生に加え、印加レーザー強度を超える2極性電場の生成、及び、外部/内部シースの形成が、クラスターの爆発崩壊過程に深く関与していることを明らかにした。すなわち、電子エネルギー分布には、衝突緩和,シース電場の影響によるディップ構造が観測され、イオンエネルギー分布と密度分布には2極性電場の影響による二重構造が観測された。
桐山 博光; 山川 考一; 影山 進人*; 宮島 博文*; 菅 博文*; 吉田 英次*; 中塚 正大*
Japanese Journal of Applied Physics, Part 1, 44(10), p.7464 - 7471, 2005/10
被引用回数:2 パーセンタイル:9.27(Physics, Applied)高平均出力・高繰り返しチタンサファイアレーザーの小型化,高効率化を目的として半導体レーザー(LD)励起Nd:YAGレーザーMOPA(Master-Oscillator-Power-Amplifier)システムの開発を行った。本システムは、低い入力エネルギーで高いエネルギー抽出効率を達成するため、レーザービームが励起領域を6回通過できる多重パス増幅方式を採用している。高ビーム品質の増幅を行うためにジグザグスラブ型増幅器で、さらにファラデーローテーター及びSBS位相共役鏡を用いて、それぞれ熱複屈折効果と熱レンズ効果を保証できる構成としている。また、高い変換効率で第二高調波光を発生させるために、非線形光学定数の大きいKTP結晶を採用した。本システムの動作試験を1kHzの高繰り返しで行った。平均のLD入力パワー2.6kWにおいて362Wの高平均出力(1064-nm)を達成した。1500の増幅度並びに14%の光-光変換効率を得た。また、波長変換試験において222Wの入力パワーに対して132Wの高平均第二高調波出力光(532-nm)が60%の高い変換効率で得られた。
神門 正城; 益田 伸一; Zhidkov, A.*; 山崎 淳; 小瀧 秀行; 近藤 修司; 本間 隆之*; 金沢 修平; 中島 一久; 林 由紀雄; et al.
Physical Review E, 71(1), p.015403_1 - 015403_4, 2005/01
被引用回数:33 パーセンタイル:77.19(Physics, Fluids & Plasmas)現在まででは最短のパルス幅(23fs)で相対論的な高出力(20TW)のレーザーを、不足密度プラズマ中に強く集光する実験を行った。プラズマ密度が10cmの領域で、MeVを越えるエネルギーの電子の発生を確認した。このMeV電子は、2温度分布をしており、シミュレーションの結果から、波の破砕機構の違いから生じていると考えられる。高温部の電子は、レーザーのプリパルスにより作られるプラズマ密度のキャビティー部での速い入射により形成され、パルス幅はフェムト秒であり、一方、低温部の電子は相対論的強度による波の破壊により加速されたもので、ピコ秒のパルス幅を持つことがわかった。
桐山 博光; 山川 考一; 永井 亨; 影山 進人*; 宮島 博文*; 菅 博文*; 吉田 英次*; 中塚 正大*
Optics Letters, 28(18), p.1671 - 1673, 2003/09
被引用回数:29 パーセンタイル:73.95(Optics)高平均出力・高繰り返しチタンサファイアレーザーの小型化,高効率化を目的として半導体レーザー(LD)励起Nd:YAGレーザーMOPA(Master-Oscillator-Power-Amplifier)システムの開発を行った。本システムは、低い入力エネルギーで高いエネルギー抽出効率を達成するため、レーザービームが励起領域を6回通過できる多重パス増幅方式を採用している。高ビーム品質の増幅を行うためにジグザグスラブ型増幅器で、さらにファラデーローテーター及びSBS位相共役鏡を用いて、それぞれ熱複屈折効果と熱レンズ効果を補償できる構成としている。また、高い変換効率で第二高調波光を発生させるために、非線形光学定数の大きいKTP結晶を採用した。本システムの動作試験を1kHzの高繰り返し率で行った。平均のLD入力パワー2.6kWにおいて362Wの高平均出力(1064-nm)を達成した。1500の増幅度並びに14%の光-光変換効率を得た。また、波長変換試験において222Wの入力パワーに対して132Wの高平均第二高調波出力光(532-nm)が60%の高い変換効率で得られた。
浦川 啓*; 長谷川 正幸*; 山川 純次*; 舟越 賢一*; 内海 渉
High Pressure Research, 22(2), p.491 - 494, 2002/01
被引用回数:4 パーセンタイル:34.65(Physics, Multidisciplinary)16-20GPa, 300-1350Kの圧力温度範囲における硫化鉄の相関係を放射光ビームライン設置の大容量高温高圧発生装置を用いたその場X線回折実験により決定した。Feiらによる予想とは異なり、NiAs構造の硫化鉄が少なくとも18GPaまでその安定領域を持つことがわかった。NiAs相と六方晶相の相境界が直線的であると仮定すると、この2相と液相との3重点は、39.5GPa, 2300K付近であると予想される。
増田 純男; 梅木 博之; 内藤 守正; 清水 和彦; 宮原 要; 山川 稔
Waste Management 99 (WM99), 0 Pages, 1999/00
地層処分研究開発の第2次取りまとめについて、昨年9月に公表した第1ドラフトの内容をもとにこれまでの進捗状況と今後の展開を紹介する。
山川 正*; 柴田 芳彰*
JNC TJ7420 2004-002, 63 Pages, 1988/01
高レベル放射性廃棄物地層処分のための地質環境データの収集に資することを目的として、航空写真およびランドサット画像の判読・解析を実施した。対象地域は愛媛県のほぼ全域と高知県西部から成る面積約8,200km2の範囲である。本資料は、PNC ZJ4257 88-001Vol.2の一部(個人情報)をマスキングしたものである。
門馬 忠彦*; 柴田 芳彰*; 山川 正*
JNC TJ7420 2001-008, 77 Pages, 1987/06
高レベル放射性廃棄物地層処分のため広域調査対象地域の選定を目的として,航空写真及びランドサット画像の判読・解析を実施した。判読・解析作業では写真及び画像上で認められる地質特性・地質構造特性・地質特性について詳細に検討し,地質ユニットの識別・分類を行い,それらの結果を5万分の1あるいは20万分の1の図幅ごとにまとめた。地質構造特性については,さらにローズダイヤグラム及び密度図を作成した。
門馬 忠彦*; 柴田 芳彰*; 山川 正*; 北沢 修二郎*; 小野寺 政勝*; 長峰 崇*
PNC TJ4257 87-001, 75 Pages, 1987/01
高レベル放射性廃棄物地層処分のための広域調査対象地域の選定を目的として、航空写真及びランドサット画像の判読・解析を実施した。対象地域は阿武隈山地、八溝山地及び北部関東平野を含む面積約10,700平方キロメートルの範囲であり、使用したデータは20万分の1ランドサットTM画像3シーンと、4万分の1白黒航空写真845枚である。判読・解析は、地質特性、地質構造特性、地形特性について実施し、それらの結果を5万分の1あるいは20万分の1の図幅ごとにまとめた。地質構造特性については、さらにローズダイヤグラム及び密度図を作成した。判読・解析の結果は、既存の地質図等との比較検討により、予察図として十分満足できる情報及び精度を有しており、地質及び地質構造(特に断裂)に対する今後の調査に極めて有効なデータとなるものと評価された。この判読・解析結果に基づいて、現地概査による調査要素の摘出及び適正地区の選定を行った。
井上 達也; 岩間 次男*; 樋口 真一*; 山川 正剛*; 福田 嘉男*
日立評論, 71(10), 1005 Pages,
高速増殖炉もんじゅ発電所1次主冷却系中間熱交換器は、1次主冷却系機器の中で重要な機器であり、原子炉で発生した熱を1次ナトリウムを通じ、2次ナトリウムに伝達するたて型無液面平行向流型、交換熱量238MWの大型熱交換器である。中間熱交換器は、材料のクリープ温度で運転され高温ナトリウムによる熱衝撃条件のもとで使用されるため、熱応力の緩和対策が、また、性能確保の面から機器内での均一な流動分布を得るために、各部に構造上の配慮が必要である。このため、綿密な計画のもとに、伝熱・流動、材料、構造強度、製作技術などの開発を進めてきた。中間熱交換器は本年6月、7月に相次いで工場完成し現地に据付けられた。この機会に開発された技術並びに製品の紹介を行うものである。
山川 稔; 梅木 博之; 増田 純男; 内藤 守正
Waste Management '97, ,
平成9年3月2日から6日にかけて,米国アリゾナ州ツ-ソンで開催される,アリゾナ州立大学及び米国原子力学会主催"Waste Management'97"において,標記タイトルで,事業団がこれまで進めてきた地層処分研究から得られた経験をもとに,今後の進め方に反映できる利点,課題などを紹介する。
山川 光稀*; 猿田 正明*; 森谷 寛*; 山崎 宏晃*; 西田 明美; 川田 学; 飯垣 和彦
no journal, ,
本研究は、原子力施設の耐震評価モデルのさらなる精度向上に資するため、原子炉建家(以下、建家)で観測された地震観測記録をもとに建家の3次元挙動を把握し、建家の3次元有限要素モデルの構築及び妥当性確認を行うことを目的とする。本発表では、建家の地震時挙動を把握するための基礎データを取得することを目標とし、HTTR建家の既存地震観測記録を用いて、モデル作成に係わる建家の応答特性を分析することで得られた知見を述べる。(その2)では、(その1)で示した手順及び方法等を踏まえ、HTTR建家の卓越振動数及び対応する振動モードを整理し、地震の大きさを建家1階の最大応答加速度で3区分して分析した結果を示す。具体的には、建家・地盤間の相互作用効果が大きい1次振動モードの卓越振動数は地震の最大加速度が大きいほど低くなる傾向が顕著となる等、地震観測記録の分析結果から得られた知見を述べる。
福田 祐仁; 山川 考一; 西山 博*; 正木 知宏*; 森林 健悟; 岸本 泰明*
no journal, ,
高強度レーザーとクラスターの相互作用は、短パルスX線源,核融合反応による中性子源,粒子加速等の応用面からさまざまな研究がなされている。われわれは、高強度パルスレーザーとアルゴンクラスターとの相互作用について、イオン化過程を考慮した粒子シミュレーションを行っており、これまでに、クラスター表面の分極電場によるイオン化の促進について報告してきた。今回は、パルス長が20fsでピーク強度が8.510W/cm(a=2.0)のレーザー光を半径48nmのアルゴンクラスターに照射する粒子シミュレーションを行い、クラスターから放射される内殻励起X線を評価した。粒子コードによるシミュレーション結果をもとにして、1s-2pの内殻励起状態に対するレート方程式を解いてX線スペクトルを評価した。その結果、この強度では、O, C, N, F-likeのスペクトル強度が大きいことがわかった。また、酸素(O)-likeイオンからの光子は、クラスターの中心から約20nm離れた位置で最も多く放出されていることが確認できた。また、波長の短いX線ほど、クラスターの中心付近から放出されていることがわかった。
福田 祐仁; 赤羽 温; 青山 誠; 林 由紀雄; 本間 隆之; 神門 正城; 金沢 修平; 桐山 博光; 近藤 修司; 小瀧 秀行; et al.
no journal, ,
高強度レーザー励起航跡場による電子加速は、レーザープラズマ加速器の原理検証や極短パルスX線源開発にとって重要な役割を果たしている。最近、準単色の電子発生が報告され注目を浴びているが、電子注入過程のコントロールによる準単色電子のエネルギー制御と安定化が今後の研究課題となっている。本研究では、強光子場中でのクラスター媒質を用いた電子加速実験を行い、レーザープラズマ加速におけるクラスターの役割について調べた。その結果、クラスター媒質を用いて初めて、指向性を有する相対論電子の発生に成功した(最大エネルギー=58MeV)。電子エネルギー分布は、温度の異なる2つの成分から構成されている。2D-PICシミュレーションによる解析から、高エネルギー成分を構成する電子は、レーザー光との相互作用によってクラスターから生成した電子が、レーザー光に注入され、その後、レーザー光によって直接加速されて生成したものであることが明らかとなった。