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國分 祐司; 中田 陽; 瀬谷 夏美; 永岡 美佳; 小池 優子; 久保田 智大; 平尾 萌; 吉井 秀樹*; 大谷 和義*; 檜山 佳典*; et al.
JAEA-Review 2023-052, 118 Pages, 2024/03
本報告書は、原子力規制関係法令を受けた「再処理施設保安規定」、「核燃料物質使用施設保安規定」、「放射線障害予防規程」、「放射線保安規則」及び茨城県等との「原子力施設周辺の安全確保及び環境保全に関する協定書」、「水質汚濁防止法」並びに「茨城県条例」に基づき、令和4年4月1日から令和5年3月31日までの期間に日本原子力研究開発機構核燃料サイクル工学研究所から環境へ放出した放射性排水の放出管理結果をとりまとめたものである。再処理施設、プルトニウム燃料開発施設をはじめとする各施設からの放射性液体廃棄物は、濃度及び放出量ともに保安規定及び協定書等に定められた基準値を十分に下回った。
小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.871 - 876, 2023/11
J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50usの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。また、今後実施予定である3/4スケール(90kV, 40kA)での動作性能を確認するにあたり、超高圧試験回路の検討を行った。
杉田 萌; 高柳 智弘; 植野 智晶*; 小野 礼人; 堀野 光喜*; 金正 倫計; 小栗 英知; 山本 風海
Proceedings of 20th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.519 - 522, 2023/11
J-PARC RCSでは、ペイント入射のビーム軌道偏向にペイントバンプ電磁石を用いている。ペイントバンプ電磁石用の電源は、IGBT制御のチョッパ回路で構成され、指令電流と指令電圧のパターンにより、ビーム軌道を時間変化させる出力電流波形(ペイントパターン)を作成することができる。ビーム軌道の制御精度は、指令電流と出力電流の波形の形状差(出力電流偏差)で決まる。現在のペイントパターン調整では、電源制御の応答関数に応じてパターンを調整するソフトを用いたうえで手動調整を行い、要求精度を達成している。しかし、この調整に1時間程度を要しており、更なる調整時間の短縮を行いたい。また、より最適な調整方法によりビームロスの低減を実現するために、従来の要求より10倍精密な出力電流偏差を実現したい。高精度なペイントパターンの作成には、負荷側のインピーダンスの解析モデルが必要になるが、時間変化する非線形のペイントパターンにおいてはインピーダンスが変化するため、解析モデルの構築は非常に困難である。機械学習では、負荷の解析モデルを構築せずとも学習によって非線形な応答を高速かつ高精度で得ることが可能である。機械学習を用いて台形波の出力パターン調整を行ったところ、学習を重ねることで立ち上り直後のリンギングを抑制した出力パターンの作成に成功した。本発表ではシステムの現状と今後の展望について報告する。
常盤 欣文; 酒井 宏典; 神戸 振作; Opletal, P.; 山本 悦嗣; 木俣 基*; 淡路 智*; 佐々木 孝彦*; 柳瀬 陽一*; 芳賀 芳範; et al.
Physical Review B, 108(14), p.144502_1 - 144502_5, 2023/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Materials Science, Multidisciplinary)-軸磁場下で-軸方向の電流を用いて測定することで、スピン3重項超伝導体UTeにおけるボルテックスダイナミクスを研究しました。驚くべきことに、超伝導状態の深部で、島状の臨界電流の低い領域を発見しました。この現象は、ボルテックスのピンニングが弱まった結果と考えられます。特筆すべきは、この領域が最近提案された中間磁場の超伝導相と一致していることです。我々は、中間磁場超伝導状態において非特異的なボルテックスが存在する可能性を検討しました。この中間状態では、複数の超伝導成分が混合するためボルテックスの中心部で超伝導の秩序パラメータが完全に消えない可能性があり、それがピニングが弱まる原因になっている可能性があります。
石橋 篤; 舛井 健司; 後藤 雄一; 山本 昌彦; 田口 茂郎; 石川 知志*; 石川 智哉*
日本保全学会第19回学術講演会要旨集, p.18 - 21, 2023/08
原子力機構東海再処理施設では、高放射性試料の分析のためのインナーボックス型のホットセル(分析セルライン)を1980年に設置以降、約40年の長期にわたり運用してきた。分析セルラインの運用にあたっては、定期的な点検保守により設備を健全な状態に維持するとともに、分析セルライン本体及びその付属設備について、様々な改良、改善を実施することで性能の向上を図ってきた。本稿では、これらの取り組みについて概説する。
菖蒲田 義博; 原田 寛之; Saha, P. K.; 高柳 智弘; 田村 文彦; 富樫 智人; 渡辺 泰広; 山本 風海; 山本 昌亘
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(5), p.053501_1 - 053501_45, 2023/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.02(Physics, Nuclear)大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3GeVシンクロトロン(RCS)では、ビームを出射させるキッカー電磁石のインピーダンスがビームの不安定性を励起することが理論的に予測されてきた。しかしながら、物質・生命科学実験施設に供給されるビームは大きいエミッタンスを持つので、1MWの大強度ビームであっても適切なマシーンパラメタを選べば、ビームの不安定化を抑制することができる。一方で、メインリングに供給されるビームは、小さいエミッタンスを持つので、キッカーのインピーダンスの低減が必須である。そこで、ダイオードと抵抗器を用いたデバイスを使うキッカーインピーダンスを抑制する方式を提案し、その抑制効果を実証した。しかし、J-PARC RCSは25Hzの繰り返し周波数で連続動作させる必要があり、実用化のためには、耐熱性の高い特殊なダイオードを開発する必要があった。この課題を解決するため、本研究において連続運転に耐えうる抵抗付きダイオードを開発した。これにより小さいエミッタンスを持つ大強度のビームの不安定性も抑制できることを実証することができた。またシミュレーションにより、この方式で少なくとも5MWのビーム運転にも利用できることを明らかにした。
小野 礼人; 高柳 智弘; 杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計
JAEA-Technology 2022-036, 31 Pages, 2023/03
日本原子力研究開発機構(以下、「原子力機構」)は、原子力科学研究所の大強度陽子加速器施設(J-PARC)など、多くの研究施設を有している。これらの施設には、電力を扱う受電設備や電源装置等多くの電気設備が設置されている。しかし、製造されてから半世紀以上の年月を経ている設備があり、これらの設備において、製造当時は優れた性質を有することから使用されていた材料等が、現在では有害物質として定められ、廃棄をする場合には特別な管理を必要とするものが存在する。その一つとして、ポリ塩化ビフェニル(PCB)があげられる。PCBは、熱に対して安定であり、電気絶縁性が高く耐薬品性に優れている。そのため、非常に幅広い分野に用いられた。しかし、PCBが難分解性の性状を有し、かつ、人の健康及び生活環境に係る被害を生じるおそれがある物質であることがわかり、国は「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法(平成13年法律第65号、略称:PCB特別措置法)」を制定した。原子力機構おいて、令和4年4月に高濃度PCB廃棄物の該当品が新たに見つかる事象が発生したことを受け、令和4年6月に高濃度PCB廃棄物の掘り起こし再調査を実施した。現在は、低濃度PCB廃棄物について、掘り起こし調査を進めているところである。しかしながら、PCB廃棄物の新たな発見は、PCB使用されている可能性が高い設備や装置の見極めが非常に難しいことを示している。PCBは、変圧器やコンデンサ等の絶縁油に使用されている場合が多い。特にコンデンサは、使う材料や構造などによりサイズや形状が異なるなど多くの種類があり、見た目の判断だけではコンデンサであることを見逃してしまう可能がある。そのため、対象とした設備の仕様の理解と、外観検査からも該当品を見つけ出す知見と能力が調査担当者に要求される。本報告書では、PCB廃棄物の掘り起こし調査で実施した電源装置の分解調査作業の事例を基に、PCB廃棄物を外観検査で見つけ出すために必要な知見を紹介する。さらに、コンデンサを見つけた場合は、使用していない状態であっても充電されている可能性を認識し、焼損、感電、火災につながる危険性と取り扱い時に注意すべき点を報告する。
小野 礼人; 高柳 智弘; 不破 康裕; 篠崎 信一; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 杉田 萌; 山本 風海; 金正 倫計; 生駒 直弥*; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.395 - 399, 2023/01
J-PARCでは、直線型加速器の加速用高周波を増幅する真空管型高周波増幅器(クライストロン)電源の短絡保護装置(クローバー装置)に水銀整流器(イグナイトロン)を用いている。イグナイトロンは、世界的に使用が制限されている水銀を使用しており、将来的に製造中止が見込まれる。そこで、大電力半導体素子(MOSゲートサイリスタ)を用いたクライストロン短絡保護用の半導体クローバー装置を開発している。基板1枚当たり、3kV, 40kA, 50sの動作出力を実現するオーバル型基板モジュールを製作した。120kVの高電圧を想定した各基板モジュールへの制御電源供給は、基板ごとに高圧トランスが必要となり、トランスの設置場所や部分放電(コロナ放電)を考慮する必要がある。本機器では、高圧トランスを用いず、各基板モジュール1枚に分担充電される電圧(3kV)から高圧DCDCコンバータで制御電源を作り出す自己給電方式を採用した。この基板モジュール20枚を20直列で接続し、既設機器(120kV, 40kA)の電圧に対して1/2スケール(60kV, 40kA)での動作性能を確認することができた。その出力試験結果について報告する。
高柳 智弘; 小野 礼人; 不破 康裕; 篠崎 信一; 堀野 光喜*; 植野 智晶*; 杉田 萌; 山本 風海; 小栗 英知; 金正 倫計; et al.
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.242 - 246, 2023/01
J-PARCでは、放電管のサイラトロンを用いたビーム取り出し用キッカー電磁石電源を代替する半導体短パルススイッチ電源、および既設のクライストロン電源システムを小型化・省電力化する半導体長パルス電源の高度化を進めている。キッカー用半導体スイッチ電源においては、誘導電圧重畳回路(LTD)方式を採用した40kV/2kA/1.2sの実機仕様のユニット電源を製作し、必要な性能を確認した。そこで、本電源のメンテナンス性の向上と更なる安定化を目的とし、絶縁油を使わず、絶縁体構造のみでコロナ放電を抑制する高耐圧絶縁筒碍子の製作を進めている。また、クライストロン用半導体パルス電源においては、MARX方式を採用し、8kV/60A/830sの矩形パルス出力用主回路ユニットと、矩形波電流の一様性を10%から1%に改善する800V/60Aの補正回路ユニットを製作した。さらに、本MARX電源用に2.2kV/2.4kWの高耐圧SiCインバータ充電器を製作し、組み合わせ試験による特性評価を進めている。発表では各試験の評価結果と、パルス電源の半導体化について今後の展望を報告する。
藤田 奈津子; 三宅 正恭; 松原 章浩*; 石井 正博*; 渡邊 隆広; 神野 智史; 西尾 智博*; 小川 由美; 山本 悠介; 木村 健二; et al.
第23回AMSシンポジウム報告集, p.1 - 4, 2022/12
日本原子力研究開発機構東濃地科学センター土岐地球年代学研究所には加速器質量分析装置(AMS)が3台あり、実試料測定用に2台、炭素-14測定用超小型AMSの開発に向けた試験装置が1台ある。JAEA-AMS-TONO-5MVではルーチン測定をしている4核種に加えて、地下水の年代測定に有用な塩素-36の測定に向けた技術開発や硫黄除去方法の検討を実施している。炭素-14測定用超小型AMSは、イオンチャネリングを利用したAMSの同質量分子の分別を実施するための装置であり、2022年度中の炭素-14測定を目指して実証試験中である。またAMSで測定を行うための試料前処理の研究開発として、炭素-14測定における微少量試料の前処理法やその測定方法の検討、塩素-36測定のための前処理方法の検討などを実施している。発表では、それぞれの研究開発状況を報告する。
高柳 智弘; 杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 小野 礼人; 山本 風海; 金正 倫計
IEEE Transactions on Applied Superconductivity, 32(6), p.4101405_1 - 4101405_5, 2022/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0(Engineering, Electrical & Electronic)パルス電磁石を高精度に設計するためには、励磁するパルスパターン形状に依存して発生する渦電流の効果を正確に確認する必要がある。渦電流の効果の違いによってコイルに流れる電流分布は変わるため、その結果、磁場分布の変動やコイルの発熱にも影響を与える。J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器(RCS)用の新型バンプマグネットを用いて評価試験を実施した。台形型のパルスパターンを用いて励磁し、磁場が変化するパターンの立ち上がり部と磁場の時間変化が無いフラットトップ部で磁場分布が異なることを磁場測定で確認し、励磁パターンと磁場分布の時間変化の関係性を明らかにした。これらの結果を使用することで、磁場分布の影響を受ける入射ビームの軌道制御に対しても高精度なコントロールが可能となり、また、励磁パターンのパルスの時間幅、発熱対策、且つ、コイル形状の最適化も可能になった。ここでは、実施した試験の結果、評価・検証の結果を紹介する。
山本 風海; 金正 倫計; 林 直樹; Saha, P. K.; 田村 文彦; 山本 昌亘; 谷 教夫; 高柳 智弘; 神谷 潤一郎; 菖蒲田 義博; et al.
Journal of Nuclear Science and Technology, 59(9), p.1174 - 1205, 2022/09
被引用回数:5 パーセンタイル:87.42(Nuclear Science & Technology)J-PARC 3GeVシンクロトロン(RCS)は、最大1MWの大強度ビームを25Hzという早い繰り返しで中性子実験及び下流の主リングシンクロトロンに供給することを目的に設計された。2007年の加速器調整運転開始以降、RCSではビーム試験を通じて加速器の設計性能が満たされているかの確認を進め、必要に応じてより安定に運転するための改善を行ってきた。その結果として、近年RCSは1MWのビーム出力で連続運転を行うことが可能となり、共用運転に向けた最後の課題の抽出と対策の検討が進められている。本論文ではRCSの設計方針と実際の性能、および改善点について議論する。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
加藤 篤志; 山本 智彦; 安藤 将人; 近澤 佳隆; 村上 久友*; 大山 一弘*; 金子 文彰*; 日暮 浩一*; Chanteclair, F.*; Chenaud, M.-S.*; et al.
EPJ Nuclear Sciences & Technologies (Internet), 8, p.11_1 - 11_10, 2022/06
本稿はナトリウム冷却炉のプラントシステムに採用する技術について、仏国のアストリッド炉等を基にして日仏の技術仕様共通化を検討し、共通プラントの構築に係る検討の成果をまとめている。特に地震条件の違いに対応した原子炉構造設計では、日本側で採用している高周波設計を日仏で共有し、適応を試みている。その他、蒸気発生器、崩壊熱除去システム、燃料取り扱いシステム、および格納容器の仕様共通化の検討を紹介する。
小野 礼人; 高柳 智弘; 杉田 萌; 植野 智晶*; 堀野 光喜*; 山本 風海; 金正 倫計
JAEA-Technology 2021-044, 53 Pages, 2022/03
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の3GeVシンクロトロン加速器には、1MWの大強度ビームを生成するために開発された電磁石用の電源装置が多数配置されている。これらの電源装置は、陽子ビームの軌道制御の要求に合わせて専用に開発されており、多種多様な出力波形の形式、定格仕様、更には異なる筐体のサイズや電源回路で構成されている。J-PARCは、運転を開始してから10年が経過し、経年劣化を原因とする故障から部品の交換や機器の更新の必要性が生じている。それら機器のトラブルを未然に防ぐことが出来れば、ユーザーの利用時間を計画通り確保でき、成果の最大化に資するとともに、さらには加速器を運用する運転員への負担を軽減することができる。メンテナンスとは、機器を正常な状態に保つことであり、メンテナンスによって故障個所や経年劣化部分を早期に発見して整備することにより、機器の寿命を延ばすことが可能である。本報告書では、電磁石電源グループで実施しているメンテナンス作業の事例を基に、メンテナンス時に必要な手続き、資格等が必要な作業とその注意点、作業を安全に行うための手順書、リスクアセスメントといった資料の作成方法等について報告する。
正木 信男*; 加藤 亨二*; 山本 智彦; 宮川 高行*; 藤田 聡*; 岡村 茂樹*
日本建築学会技術報告集, 28(68), p.81 - 84, 2022/02
高速炉等の新型炉では機器の耐震性を確保するため、厚肉積層ゴムの採用が検討されているが、厚肉積層ゴムのもつ柔らかな上下剛性は、経年によるゴム物性の変化とクリープに大きく影響されると考える。われわれはゴム物性の変化を考慮できるクリープ評価方法を検討しているが、参照すべき実大かつ実環境下の長期クリープ特性がない。本報告では、厚肉積層ゴムの新たなクリープ評価方法を検討するための第1段階として、この形式の初めての建物である1966年に竣工した厚肉積層ゴム支持の英国防振建物の測定データを集約し厚肉積層ゴムの約47年間のクリープ特性推定の試みについて述べる。
深谷 裕司; 植田 祥平; 山本 智彦; 近澤 佳隆; Yan, X.
Nuclear Technology, 208(2), p.335 - 346, 2022/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)原子力廃棄物に関して総量管理の観点から有害度が制限された場合、許容できる原子力発電所の発電容量が制限されることになる。総量管理を達成する代替案として分離・変換による有害度低減を提案する。具体的には、Sr-Csを核変換することにより、逆に発電容量を増加することができる。同時に、加速器駆動核変換システム(ADS)による処分シナリオで300年必要とされる冷却期間を50年に低減することが可能である。最後に、このシナリオでは、Li(d,xn)反応中性子源を用いた重陽子加速器による核変換により、エネルギーバランス及びコストの面でも成立することが分かった。
畠山 望*; 三浦 隆治*; 宮本 直人*; 宮本 明*; 荒 邦章; 下山 一仁; 加藤 篤志; 山本 智彦
Journal of Computer Chemistry, Japan, 21(2), p.61 - 62, 2022/00
Na冷却高速炉の冷却系において、蒸気発生器伝熱管破損に伴う水リーク発生時のNa水反応で生成される水素、ならびに通常運転時に伝熱管から透過する水素の存在形態に着目して、理論計算により水素挙動を推定した。
加藤 千明; 山岸 功; 佐藤 智徳; 山本 正弘*
材料と環境, 70(12), p.441 - 447, 2021/12
ゼオライト粒子は福島第一原子力発電所(1F)の汚染水の浄化のためのセシウム吸着塔内で用いられている。使用後のセシウム吸着塔は敷地内で保管されているが、ステンレス鋼製胴部の局部腐食が懸念された。この腐食リスクに対し、線による影響データを照射下電気化学試験装置で取得した。また、内溶液の変化状態を実規模サイズのモックアップ試験装置で検討した。それらの結果から、過酸化水素による電位の上昇がゼオライト粒子の存在で防ぐことができ、塩化物イオンの濃化もそれほど生じないことを明らかにし、局部腐食が相当に小さく抑えられることを示した。
仲野谷 孝充; 神谷 潤一郎; 吉本 政弘; 高柳 智弘; 谷 教夫; 古徳 博文*; 堀野 光喜*; 柳橋 享*; 竹田 修*; 山本 風海
JAEA-Technology 2021-019, 105 Pages, 2021/11
J-PARC 3GeVシンクロトロン加速器ではビーム出力の増強に伴い、ビーム入射部付近では放射化による機器の表面線量と空間線量率が年々増加している。一方でビーム入射部には人の手によるメンテナンスが欠かせない機器が多数存在しており、作業者の被ばく低減が重要な課題であった。そのため、本加速器施設を管理するJ-PARCセンター加速器ディビジョン加速器第二セクションにおいて、作業者の被ばく低減のための遮蔽体設置を目的としたワーキンググループ「入射部タスクフォース」を設立し、遮蔽体の構造や設置方法等について検討を重ねてきた。結果、ビーム入射部の構造を一部更新し、必要な際に容易に取付けが可能な非常設型の遮蔽体を設置することとした。そして、2020年夏期メンテナンス期間に遮蔽体の設置に必要な更新作業を実施し、遮蔽体の設置を行った。更新作業は高線量下で長期間に渡るため、作業員の被ばく量を抑えることが重要な課題であった。このため、事前に入念に作業計画と作業手順を作成し、作業期間中も様々な被ばく低減対策と個々の被ばく管理を行った。これにより、作業者の被ばく線量を管理目標値以下に抑えることができた。本作業の実施により、ビーム入射部に取付け取外し可能な遮蔽体を設置できるようになった。この遮蔽体により入射部近傍での作業時の被ばく線量の低減に寄与できることが確認できた。夏期メンテナンス期間中のほぼすべてで入射部を占有する大規模な作業となったが、今後の保守作業における被ばく抑制のためには非常に有意義な作業であったと考えられる。