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三又 秀行*; 谷 啓二*; 筒井 広明*; 飛田 健次; 飯尾 俊二*; 嶋田 隆一*
Plasma and Fusion Research (Internet), 4, p.008_1 - 008_8, 2009/04
トカマクのリップル磁場中におけるアルファ粒子について、軌道追跡モンテカルロコードを用いて拡散係数のエネルギー依存性を調べた。拡散係数はリップル共鳴エネルギーから少し離れた高エネルギー及び低エネルギー側で増長され、ちょうど共鳴エネルギーと重なるところでは極小値を持つ、いわばM字型の依存性を持つことが明らかになった。リップル共鳴はバナナ粒子の歳差運動とリップルの位置が同じ位相で重なるために生ずるもので、粒子軌道のトロイダル角とポロイダル角の位相空間上に生ずるアイランド構造がこのような拡散係数のM字型の依存性を引き起こしている。このようなリップル共鳴拡散は核融合反応で生成したアルファ粒子の減速過程において顕著になると考えられる。
下村 浩司*; 竹永 秀信; 筒井 広明*; 三又 秀行*; 飯尾 俊二*; 三浦 幸俊; 谷 啓二; 久保 博孝; 坂本 宜照; 平塚 一; et al.
Fusion Engineering and Design, 82(5-14), p.953 - 960, 2007/10
被引用回数:3 パーセンタイル:25.51(Nuclear Science & Technology)燃焼プラズマの制御性を明らかにするために、JT-60Uにおいて自己加熱模擬用と外部加熱模擬用の2つのNBグループを用いた燃焼制御模擬実験を行った。自己加熱模擬用では、中性子発生率に比例して加熱パワーを入射した。外部加熱模擬用では、蓄積エネルギー帰還制御を適用した。ELMy Hモード及び負磁気シアプラズマとも、自己加熱模擬用NBパワーが増加した場合には、外部加熱模擬用NBパワーが減少することにより蓄積エネルギーは一定に維持された。しかしながら、負磁気シアプラズマでは、ELMy Hモードプラズマと比べて外部加熱模擬用NBパワーの変動は大きく、制御裕度を大きくとる必要がある。両プラズマでの違いの原因を明らかにするために、非定常輸送解析コードTOPICSに燃焼制御模擬ロジックを組み込んだ。実験データから評価された実効的な粒子拡散係数と熱拡散係数を用いて計算を行った結果、負磁気シアプラズマで外部加熱模擬用NBパワーの振動が大きくなることは再現できなかった。また、熱拡散係数が温度依存性を持つと仮定した場合でも、外部加熱模擬用NBパワーの振動が大きくなることは観測されなかった。拡散係数の違い及びその温度依存性では両プラズマでの実験結果の違いを説明できないと考えられる。
二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
都筑 和泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; Bakhtiari, M.*; 小川 宏明; 栗田 源一; 武智 学; 河西 敏; 佐藤 正泰; 川島 寿人; et al.
Nuclear Fusion, 46(11), p.966 - 971, 2006/11
被引用回数:16 パーセンタイル:48.35(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、発電実証炉のブランケット構造材の有力候補である低放射化フェライト鋼のプラズマへの適用性を調べる「先進材料プラズマ試験」を段階的に進めてきた。核融合原型炉では壁安定化効果を利用して規格化ベータ3.55.5程度のプラズマを生成することが想定されているため、フェライト鋼のような強磁性体壁をプラズマに近づけた時のMHD安定化への影響を評価することは応用上重要である。そこで、壁とプラズマとの距離を変え、安定化効果を調べる実験を行った。まずプラズマの位置,圧力をより正確に評価するための平衡計算コードの改良を行った。改良後のコードを実験と比較し、良い一致が見られた。そのうえでプラズマを壁に近づける実験を行い、プラズマ小半径で規格化した壁との距離が1.3程度の範囲までフェライト鋼壁と高規格化ベータプラズマが共存し得ることを実証した。また、壁との距離以外の条件が共通しているデータセットを抽出し、壁に近い配位の方が(1)限界が上昇する、(2)コラプスに至る時定数が長くなるなど、壁安定化効果の存在を示唆するデータが得られた。
菊池 満; 玉井 広史; 松川 誠; 藤田 隆明; 高瀬 雄一*; 櫻井 真治; 木津 要; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S29 - S38, 2006/03
被引用回数:13 パーセンタイル:41.76(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置(NCT)計画は、大学における成果を取り込みつつJT-60Uに引き続き先進トカマクを進めるための国内計画である。NCTのミッションは発電実証プラントに向けて高ベータ定常運転を実現するとともに、ITERへの貢献を図ることである。高ベータ定常運転を実現するために、装置のアスペクト比,形状制御性,抵抗性壁モードの帰還制御性,電流分布と圧力分布の制御性の機動性と自由度を追求した。
土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
都筑 和泰*; 木村 晴行; 草間 義紀; 佐藤 正泰; 川島 寿人; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 上原 和也; 栗田 源一; et al.
Fusion Science and Technology, 49(2), p.197 - 208, 2006/02
被引用回数:11 パーセンタイル:60.27(Nuclear Science & Technology)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケット構造材の有力候補である。しかし、強磁性体であるため、プラズマの生成,制御,閉じ込め,安定性等に悪影響を与えることが懸念されていた。また、酸素不純物の吸蔵量が大きいことから、プラズマ中に不純物を放出することも懸念された。JFT-2Mでは段階的にフェライト鋼を導入して適合性試験を進めた。その最終段階では、真空容器内壁の全面にフェライト鋼を設置して実験を行った。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であり、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。また、高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも原型炉の運転領域に相当する規格化ベータ3.5程度のプラズマが生成できることを実証した。壁に近づけると不安定性の成長速度が遅くなることを示し、フェライト鋼壁が非磁性導体壁と同様の壁安定化効果を持つことを示した。低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されなかった。以上のように、フェライト鋼の原型炉への適用に対し見通しを与える結果が得られた。
玉井 広史; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤田 隆明; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; 細金 延幸; 市村 真*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1676 - 1683, 2005/12
被引用回数:15 パーセンタイル:45.53(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の設計研究をまとめた。装置の設計は、プラズマのアスペクト比と形状制御性に関して自由度を広く確保できることが求められている。これは、ITERと平行して研究を進めるとともに、定常高ベータプラズマ運転についての科学的なデータベースをDEMOへ提供する観点から重要である。この目標に合致するように、プラズマのアスペクト比と形状の自由度の確保について、これまで比較的困難であったダイバータ排気性能との両立が図られるように装置設計を行った。この装置設計に基づいて、閉じ込め,安定性,電流駆動,ダイバータプラズマ等の物理性能を評価し、主目的である定常高ベータプラズマを実現するための制御方法を検討した。
武井 奈帆子; 中村 幸治; 筒井 広明*; 芳野 隆治; 河野 康則; 小関 隆久; 飛田 健次; 飯尾 俊二*; 嶋田 隆一*; Jardin, S. C.*
Plasma Physics and Controlled Fusion, 46(12), p.1815 - 1830, 2004/12
被引用回数:3 パーセンタイル:9.99(Physics, Fluids & Plasmas)ディスラプション直前の熱消滅の際、正磁気シアプラズマではプラズマ電流分布の急激な平坦化により電流の正スパイク現象が発生する。一方、もともとの内部インダクタンスが小さい負磁気シアプラズマでは、電流分布の平坦化により内部インダクダンスが増加し、負のスパイクが発生するとされている。また、熱消滅時の急激な圧力低下によるプラズマの内向き移動によっても常に正スパイク現象が発生するとされているが、JT-60Uではこれらの解釈に反するさまざまなスパイク現象が観測されるなど、熱消滅時のプラズマ電流挙動は未だ統一的に理解されていない。本研究では、正及び負磁気シアプラズマで観測されている電流スパイク現象の発生機構を調べるため、プラズマと真空容器との電磁相互作用を含めた磁気流体シミュレーションを行った。その結果、熱消滅時の急激な圧力低下に伴うプラズマの内向き移動により真空容器表面に渦電流が誘起され、これによりプラズマ電流重心の大半径位置が小さい場合は電流が増加し、電流重心の大半径位置が大きい場合には反対に減少し得ることを初めて指摘した。また、負磁気シアプラズマにおいても、電流分布の平坦化によりさらに内部インダクタンスが下がり正スパイク現象が発生し得ることを示し、電流スパイク現象の機構について統一的な解釈を与えた。
都筑 和泰; 篠原 孝司; 神谷 健作; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 栗田 源一; Bakhtiari, M.; 小川 宏明; 星野 克道; 河西 敏; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(1), p.721 - 725, 2004/08
被引用回数:7 パーセンタイル:45.11(Materials Science, Multidisciplinary)低放射化フェライト鋼は核融合原型炉のブランケットの有力な候補材料であるが、強磁性体であり不純物の吸蔵量も大きいことから高性能プラズマとの共存性の実証が不可欠である。JFT-2Mにおいては、原研炉のブランケット壁を模擬するため、真空容器の内壁全面にフェライト鋼を設置し、適合性試験を行っている。プラズマ生成,制御に関しては、フェライト鋼によって生成される磁場が、外部磁場の10%程度であることを示し、トカマクプラズマが既存の制御系で生成可能であることを示した。さらに、原型炉においても、制御に対する影響はJFT-2Mと同程度と予測されることを示した。また、原型炉で想定されている高規格化ベータプラズマに対する適合性を調べる実験を行い、フェライト鋼壁の存在下でも壁無しの安定化限界に近い、規格化ベータ3.3程度のプラズマが生成できることを実証した。この配位をベースにしてプラズマを全体的に弱磁場側の壁に近付けたところ、ディスラプション直前のモードの成長速度が壁の時定数程度(数ms)まで低減した。これは壁安定化効果の存在を示唆する。その他、低ベータでのロックトモード,Hモード遷移等にも悪影響は観測されておらず、フェライト鋼の原型炉への適用に対し、明るい見通しを与える結果が得られた。
玉井 広史; 松川 誠; 栗田 源一; 林 伸彦; 浦田 一宏*; 三浦 友史; 木津 要; 土屋 勝彦; 森岡 篤彦; 工藤 祐介; et al.
Plasma Science and Technology, 6(1), p.2141 - 2150, 2004/02
被引用回数:2 パーセンタイル:6.49(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60定常高ベータ化計画(JT-60改修計画)の最重要課題は高ベータ,臨界クラスのパラメータを持つ高性能プラズマの100秒程度以上の維持を実証することである。このため、高ベータプラズマを達成するためのプラズマパラメータや運転シナリオ,制御手法の検討を行うとともに、超伝導磁場コイルの要素技術の開発を始め、放射線遮蔽や真空容器等の設計検討及び試験開発を行い、その成立性を確認した。本発表は、以上の物理・工学設計と試験開発の進捗状況を詳述する。
武井 奈帆子; 中村 幸治; 河野 康則; 筒井 広明*; 小関 隆久; 飛田 健次; 杉原 正芳; 飯尾 俊二*; 嶋田 隆一*; Jardin, S. C.*
Europhysics Conference Abstracts, 28G, 4 Pages, 2004/00
核融合炉の成立性にとって重要な課題の1つである、炉心級高ベータプラズマのディスラプション緩和の観点から、内部輸送障壁(ITB)を持つ高ベータ負磁気シアプラズマにおけるディスラプション挙動の解明が必要である。本研究では、ITBにより閉じ込め改善された領域が突如として消失するプラズマ崩壊現象を明らかにするために、JT-60Uの高ベータ負磁気シア及び正磁気シアプラズマについて、ITBで大幅に閉じ込め改善された領域がディスラプションによって崩壊する過程を、自発電流と整合する内部輸送障壁を模擬した物理モデルを組み込んだシミュレーションにより模擬した。その結果、ITBの崩壊直後には、ITBのあった領域の自発電流が急減し、それに伴い誘導電場が急増するが、誘導電流及びq分布にはほとんど変化が見られないことがわかった。このように、計測技術上困難なため全く不明であった崩壊プラズマ内部の電流密度や電場分布の物理諸量について、詳細な変動分布構造を初めて明らかにした。また、JT-60Uの高性能負磁気シア放電のディスラプションにおいて観測されている、速い電流消滅現象の背景機構について議論した。
武井 奈帆子; 中村 幸治; 河野 康則; 筒井 広明*; 小関 隆久; 飛田 健次; 杉原 正芳; 飯尾 俊二*; 嶋田 隆一*; Jardin, S. C.*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.6, p.554 - 557, 2004/00
核融合炉の成立性にとって重要な課題の1つである、炉心級高ベータプラズマのディスラプション緩和の観点から、内部輸送障壁(ITB)を持つ高ベータ負磁気シアプラズマにおけるディスラプション挙動の解明が必要である。本研究では、高ベータ負磁気シアプラズマについて、ITBで大幅に閉じ込め改善された領域がディスラプションによって崩壊する過程をTSCシミュレーションにより模擬した。その結果、ITBの崩壊直後には、ITBのあった領域の自発電流が急減し、それに伴い誘導電場が急増するが、誘導電流及びq分布にはほとんど変化が見られないことがわかった。このような、ITB崩壊による自発電流の消滅,誘導電場の成長及び拡散機構,それに伴う誘導電流分布の変化など、プラズマ内部の分布構造の詳細を明らかにした。また、JT-60Uの高性能負磁気シア放電のディスラプションにおいて観測されている、速い電流消滅現象の背景機構について議論した。
都筑 和泰; 木村 晴行; 川島 寿人; 佐藤 正泰; 神谷 健作; 篠原 孝司; 小川 宏明; 星野 克道; Bakhtiari, M.; 河西 敏; et al.
Nuclear Fusion, 43(10), p.1288 - 1293, 2003/10
被引用回数:39 パーセンタイル:74.23(Physics, Fluids & Plasmas)JFT-2Mでは、原型炉のブランケット構造材料の候補である低放射化フェライト鋼とプラズマとの適合性を調べる実験を進めてきている。昨年度にはフェライト鋼内壁を真空容器内に全面的に設置する作業を行い、今年度より実験を開始している。プラズマ生成,制御は問題なく行われ、金属不純物の放出も検出限界以下であった。改善閉じ込め(Hモード)も実現され、そのしきいパワーもこれまでと同等であった。プラズマ安定性に関してもこれまでの所悪影響は観測されておらず、規格化が3を超える放電との共存性も示された。高速イオンのリップル損失に関しても顕著な低減が実証された。以上のように、フェライト鋼の悪影響は小さく、有望な結果を得ている。JFT-2Mでは、その他にも先進的、基礎的な研究を行っている。先進的粒子供給手法であるコンパクトトロイド(CT)入射実験においては、再現性よくプラズマ中へ入射が行われ、CT入射に伴う密度の急上昇が初めて明確に観測された。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Chujo, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
原型炉の経済性と環境適合性のさらなる向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉と同様に強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御を持ち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。JT-60の既存設備を最大限活用し、新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現を目指し、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という重要課題に取り組むことができるよう設計を行った。
石田 真一; 阿部 勝憲*; 安藤 晃*; Cho, T.*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 後藤 誠一*; 花田 和明*; 畑山 明聖*; 日野 友明*; et al.
Nuclear Fusion, 43(7), p.606 - 613, 2003/07
被引用回数:33 パーセンタイル:69.14(Physics, Fluids & Plasmas)原型炉の実現に向けて経済性と環境適合性の向上を図るため、大学等との連携協力によりJT-60を超伝導トカマクへ改修する計画を推進している。目的は、原型炉で想定されているように、強磁性体である低放射化フェライト鋼をプラズマの近くに設置して、高ベータで自発電流割合が高く、高度なダイバータ熱粒子制御をもち、ディスラプション頻度の少ない定常運転を実現することである。新たに導入する超伝導トロイダル及びポロイダル磁場コイルを用いて、主半径2.8m,プラズマ電流4MA,トロイダル磁場3.8Tの高非円形かつ高三角度配位のシングルヌル・プラズマの100秒運転を行う。既存のJT-60設備を最大限に生かし、原型炉の設計例から設定された高い達成目標の実現に向けて、高ベータプラズマ制御,高性能・高自発電流プラズマ制御,ダイバータ熱粒子制御、及びフェライト鋼のプラズマ適合性の実証という克服すべき課題に取り組むための設計を行った。
中村 幸治; 筒井 広明*; 武井 奈帆子*; 坂本 宜照; 藤田 隆明; 杉原 正芳; 小関 隆久; 飛田 健次; 小西 哲之; 飯尾 俊二*; et al.
Europhysics Conference Abstracts, 27A, 4 Pages, 2003/00
先進運転シナリオの有力なトカマク配位である負磁気シア・プラズマの放電立上げと長時間維持のための制御モデルを構築する観点から、TSCコードに内部輸送障壁(ITB)で発生する自発電流モデルを組み込み、そのシミュレーション機能を拡張した。ITBの強さと幅はプラズマ圧力分布の関数形をあらかじめ指定し、ITB脚の位置を、常にモニターした磁気シア反転の規格化半径()に応じて連動させた。まず、高い割合の自発電流で駆動されたJT-60U負磁気シア・プラズマについて、その典型的な電流立上げ実験の様子をほぼ完全な実配位のシミュレーションによって再現し、ITBと自発電流の数値モデルの妥当性を検証した。高ベータ化を図るうえで、ITB規格化半径を可能な限り拡大(0.5)させることが求められるが、負磁気シア・プラズマでは、誘導電流がプラズマ中心部へ浸透したり非誘導的な自発電流や外部駆動電流の分布に応じて電流分布が大きく変化する。このため、ITBの領域拡大に関する外部制御の方法を調べた。また、将来の核融合炉では超電導コイルの交流損失を低減する技術的な制約があるため、現在JT-60Uで行われている0.6MA/s程度の電流立上げ速度をできる限り遅くしつつ(0.2MA/s),低領域に導くMHD的にも安定なプラズマ立上げシナリオを探った。さらに、シミュレーションによる電流や電場の詳細分布を示し、ITBの構造や磁気シア反転位置などの条件によってはプラズマ電流立上げの際、電流ホールが形成されることを示した。
武井 奈帆子; 小関 隆久; Smolyakov, A. I.*; 諫山 明彦; 林 伸彦; 飯尾 俊二*; 嶋田 隆一*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.5, p.386 - 389, 2002/00
高プラズマにおいてプラズマ性能を制限する要因として重要視されている新古典テアリングモード(NTM)の発生機構を解明するうえで重要であるプラズマ回転と圧力勾配を考慮したイオン分極電流モデルの検証と評価をJT-60Uの実験データを用いて行った。解析を行った放電において、NTMなしの放電ではトロイダル回転の効果によりイオン分極電流項がモードの安定化に効いており、NTMありの放電においては逆に不安定化されていることがわかった。この結果より、回転を考慮したイオン分極モデルは実験結果を矛盾しないことがわかった。
西谷 健夫; 嶋田 隆一*
プラズマ・核融合学会誌, 71(3), p.212 - 213, 1995/03
プラズマ・核融合学会誌の小特集「TFTRのDT実験」の序論として、実験の概要を述べる。TFTRでは、1993年12月よりトリチウムを使用した実験を開始した。JETでも1991年に、トリチウム混合比が約11%の実験を行ったが、D:T=1:1の本格的DT実験はTFTRが世界最初である。これまでに核融合出力10.7MW、核融合利得Q~0.3を達成した。DTプラズマの閉じ込めは、DDプラズマに比べて予想以上に良いという明るい結果が得られている。一方、実験開始以来使用したトリチウムは20万Ciに達しているが、際立った事故なしに実験が遂行されてきている。
松崎 誼; 大森 憲一郎; 嶋田 隆一; 南 圭次*; 山崎 長治*; 尾崎 章*; 川島 秀一*
Proc. of 1990 Int. Power Electronics Conf., p.139 - 143, 1990/00
トカマクにおけるプラズマ電流の突然の遮蔽(プラズマディスラプション)を回避・制御する事において、必要な開発項目は大容量でかつ高速でスイッチングするインバータ電源である。JFT-2Mでの実験を想定して、500V、1500A、10~20kHzのスイッチング速度を持つインバータ電源を2スタック製作した。1スタックは単相電圧形フルブリッジ回路で3台並列接続である。素子は最近開発された大容量、高速のスイッチング特性を持つ自己消弧形素子IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用した。この素子の定格は1000V、300Aであり、IGBT素子単体の定格として最大級のものである。このインバータ電源の制御は、最大20kHzの搬送周波数をもつPWM(Pulse Wide Modulation)制御で行った。この電源は製作を終え、試験を行い、良好な結果を得た。