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坂井 章浩; 黒澤 亮平; 原 弘典*; 仲田 久和; 天澤 弘也; 有川 眞伸*; 坂本 義昭
JAEA-Technology 2013-039, 228 Pages, 2014/02
日本原子力研究開発機構は、研究施設等廃棄物のコンクリートピット及びトレンチ埋設処分施設の立地基準及び手順の策定を進めている。この立地基準の技術的根拠とするため、旧原子力安全委員会が示した基本的立地条件を踏まえ、地質や水理などの管理期間終了後の安全評価に影響を与える様々な環境条件について、統計的な手法により安全評価の感度解析を実施した。その結果、想定した全ての評価経路で、概念設計における埋設施設の仕様、または追加の人工バリアを施工する対応により、97.5%以上の計算ケースについてめやす線量(10Sv/y)以下とできる結果が得られた。これより、基本的立地条件の地質や水理等の埋設施設の安全評価に影響を及ぼす項目については、埋設施設の設計により合理的に対応が可能であると考えられる。また、埋設事業所の規模に係る立地条件を検討するため、埋設施設の操業中の安全評価において、埋設施設等の配置及び形状毎に、各施設からの直接線及びスカイシャイン線による敷地境界での線量を評価した結果、概念設計の施設仕様で各施設から敷地境界まで120m以上離れていれば、敷地境界でめやす線量(50Sv/y)以下となる結果が得られた。
仲田 久和; 天澤 弘也; 坂井 章浩; 有川 眞伸; 坂本 義昭
JAEA-Technology 2011-023, 54 Pages, 2011/08
埋設事業推進センターでは、研究施設等廃棄物の浅地中処分施設として人工バリアを設置する処分施設(コンクリートピット型)と人工バリアを設置しない処分施設(トレンチ型)の設置を計画している。現行の放射性廃棄物の埋設にかかわる法令等においては、これらの施設の設置及び運用の基準について、廃棄物の処理及び清掃に関する法律に規定される基準の一部が準用されており、コンクリートピット型埋設処分施設は、廃掃法における遮断型最終処分場の基準の一部が、トレンチ型埋設処分施設は、廃掃法における安定型最終処分場の基準が参考とされ、施設形態も類似しているといえる。一方、トレンチ型処分施設の対象となる極低レベル放射性廃棄物の一部には、安定型最終処分場での処分対象以外に分類される廃棄物も含まれていると推定され、そのような廃棄物の処分に際しては、廃掃法における管理型最終処分場へ処分することが適切と考えられる。現在、放射性廃棄物の埋設処分施設では、管理型最終処分場における遮水工にかかわる基準は規定なされていないため、当該施設基準で求められる遮水工をトレンチ処分施設に設置するための検討を実施した。
高野 仁*; 有川 眞伸*; 坂本 浩*
PNC TJ4308 88-001, 186 Pages, 1988/04
高レベル放射性核廃棄物の地層処分システムにおいて、緩衝材として利用が検討されているベントナイトの長期にわたる変質挙動を把握するために文献調査を行い、さまざまな熱的、化学的環境下でのベントナイトの変質性状を抽出した。また、国内の主要なべントナイト鉱床について、イライト変質に関するナチュラルアナログ研究を実施するために必要な地質資料を収集し、研究対象としての可否を検討した。一般にベントナイトは続成作用や熱水変質によりイライト化すると考えられており、またこの他にも、風化環境下でのカオリン鉱物化や海水との反応による海緑石化、熱水変質による緑泥石化等が認められていることが明かとなった。このなかで、特にベントナイトのイライト化については次の様にまとめられる。ベントナイトの変質は、ベントナイトを構成しているモンモリロナイトがイライトとの混合層鉱物を形成する変化であり、これには、主として温度とK/SUP+イオンの存在および時間の3つの要素が係わっている。イライトとの混合層鉱物は、200度C以上の高温では数カ月程度で形成され、100度C前後の温度では数百万年を要するとした研究事列が多い。しかし、温度と変質時間の相互の関係については明確でない。国内のベントナイト鉱床においては、いずれの鉱床もイライト化が認められず、高品位のベントナイトが保存されている。このことは、むしろベントナイトが変質しない条件を考察するためのナチュラルアナログ研究対象となることを示している。今後実施すべき調査の一つとして、熱履歴の明確なフィールドにおけるベントナイトを対象とし、温度と変質時間を明かにするためのナチュラルアナログ研究が揚げられる。