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高橋 真*; 有賀 哲也*; 寺岡 有殿
電気学会論文誌,A, 136(7), p.462 - 463, 2016/07
Oxygen translational energy effects on initial oxidation processes and saturation coverage of O at a Ru(0001) surface were investigated using supersonic O molecular beams and synchrotron radiation photoemission spectroscopic techniques. The change of surface core level spectrum of Ru 3d by irradiation of O beams with high translational energy indicates occurrence of collision-induced oxygen migration at the oxidized Ru(0001) surface. We suggest that such collision-induced migration provides suitable sites for dissociative adsorption of O, resulting in higher O coverage at the Ru(0001) surface.
高橋 真*; 八田 振一郎*; 吉越 章隆; 寺岡 有殿; 有賀 哲也*
Surface Science, 603(1), p.221 - 225, 2009/01
被引用回数:4 パーセンタイル:21.31(Chemistry, Physical)4H-SiC(0001)-()R30表面の初期酸化ダイナミクスが高分解能X線光電子分光と超音速分子線を用いて研究された。清浄な4H-SiC(0001)-()R30表面が0.5eVの運動エネルギーを持った酸素分子に300Kで曝された。酸化の最初の段階では、酸素分子は直ちに解離し、原子状酸素がSi-Siバックボンドに挿入され、安定な酸化物が形成される。この段階で、分子線源を1400Kに加熱した場合、安定な酸化物の形成速度に顕著な増加が見られた。この現象はおもに酸素分子の振動励起が原因であると結論された。このことは解離のポテンシャル障壁が反応の出口側に存在することを示唆している。さらに、準安定酸素もSiアドアトムに吸着することが見いだされた。しかし、この吸着は分子の振動励起によって促進も抑制もされなかった。
高橋 真*; 藤本 洋介*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 奥山 弘*; 有賀 哲也*
Surface Science, 601(18), p.3809 - 3812, 2007/09
被引用回数:4 パーセンタイル:22.63(Chemistry, Physical)運動エネルギーが0.5eVから1.0eVの超音速分子ビーム技術と放射光を用いた高分解能X線光電子分光法をRu(0001)表面での酸素分子の解離吸着反応の研究に適用した。運動エネルギーの増加とともに吸着確率と飽和吸着量の増加が見られたことは直接的な吸着機構を示唆している。内部エネルギーの効果を確かめるため、分子ビーム源を加熱した場合としない場合で酸素吸着曲線を測定した。ビーム源を1400Kまで加熱した場合には解離吸着が劇的に促進された。超音速分子ビームが断熱膨張するときに回転と並進エネルギーが十分冷却されるのに比較して、振動分布は本質的にほとんど緩和されないことが知られている。そのため、この吸着の増速はおもに分子振動の励起によると結論した。これは解離のエネルギー障壁がポテンシャルエネルギー曲面の出口側にあることを示している。そのような振動エネルギー効果はp(21)構造に対応する0.5モノレイヤーまで酸素であらかじめ酸化したRu(0001)表面でも観察された。
中沢 哲也; 内藤 明*; 有賀 武夫; Grismanovs, V.*; 知見 康弘; 岩瀬 彰宏*; 實川 資朗
Journal of Nuclear Materials, 367-370(2), p.1398 - 1403, 2007/08
被引用回数:43 パーセンタイル:92.79(Materials Science, Multidisciplinary)高エネルギーXeイオンを照射したLiTiOの構造変化をラマン分光法を用いて調べた。LiTiOのラマン信号強度が照射により減少した。ラマン信号強度の減少は構造単位(TiO, LiO, LiO)におけるTiやLi周辺の酸素原子の配置に関する秩序の消失、すなわち無秩序化に起因している。このような構造単位の無秩序化は照射量や電子的エネルギー付与量より電子的阻止能と密接に関連していることが示された。
高橋 真*; 藤本 洋介*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 有賀 哲也*
Chemical Physics Letters, 433(1-3), p.58 - 61, 2006/12
被引用回数:3 パーセンタイル:8.75(Chemistry, Physical)Ru(0001)表面での酸素分子の解離吸着を超音速分子ビームと放射光を用いた高分解能X線光電子分光(XPS)で調べた。酸素の直接解離吸着に対する振動励起の影響を並進エネルギーと同様に調べた結果、酸素分子の振動励起によってRu(0001)表面での解離吸着が増速されることがわかった。これはポテンシャルエネルギー曲面がこの反応系の場合に後期障壁型であることを表している。
高橋 真*; 藤本 洋介*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 盛谷 浩右*; 有賀 哲也*
KEK Proceedings 2006-3, p.80 - 82, 2006/08
高エネルギー超音速分子ビームによるRu(0001)表面での酸素吸着層の成長過程を高エネルギー分解能X線光電子分光法を用いて研究した。Ru 3 内殻準位を使って0.5から0.6反原子層(ML)領域の酸素吸着層成長を監守した。その光電子スペクトルはバルクとふたつの表面成分、S1(2O)とS1(3O)、に分離することができる。これらの表面成分はふたつ又は三つの酸素原子と結合した最表面Ru原子である。酸素の供給量に対する各成分の強度変化はRu(0001)表面上での部分的な島状成長の可能性を示唆している。
中沢 哲也; Grismanovs, V.*; 八巻 大樹; 片野 吉男*; 有賀 武夫
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 206, p.166 - 170, 2003/05
被引用回数:33 パーセンタイル:88.14(Instruments & Instrumentation)高エネルギー酸素イオン照射したLiTiOの結晶構造及び化学状態等の変化をラマン分,X線回折及び走査型電子顕微鏡(SEM)で調べた。ラマン分光分析からは化学構造の際だった変化は観察されなかった。一方、X線回折からは1.2E+19 ions/mまでの照射で(002)の回折ピークの減少が他のピークと比較して著しいことが観察された。この結果はLi原子とTi原子の部分的なミキシングが照射によって引き起こされていることを示している。このような照射によるミキシングに起因した無秩序化への移行が表面層での粒構造の消失としてSEMによっても観察された。
片野 吉男*; 有賀 武夫; 山本 春也; 中沢 哲也; 八巻 大樹; 野田 健治
Journal of Nuclear Materials, 283-287(Part.2), p.942 - 946, 2000/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Materials Science, Multidisciplinary)電気絶縁材料等として核融合炉で使用されるアルミナで、照射によって生じるH,Heのガス原子と格子からの原子のはじき出しとの相乗効果による損傷機構を調べる目的で、H,He及びOイオンのトリプルビーム、H,He及びAlイオンのトリプルビーム等のビームを照射した試料について、注入H原子の拡散挙動への注入O,Al原子の影響を比較した。HとAlを照射した試料ではH原子の拡散はHイオンだけを注入した場合よりも抑制されることを見いだした。さらにH,He,Alを照射した場合には、AlによるH原子拡散の抑制効果は、同時にOイオンとトリプルで照射した場合とほぼ同程度になり、注入Heが最も支配的であることを見いだした。組織変化も抑制されたH原子の拡散に対応し、Alと同時照射した試料ではキャビティー形成も抑制される。
中沢 哲也; Grismanovs, V.*; 八巻 大樹; 片野 吉男*; 有賀 武夫; 岩本 昭
Proceedings of 2000 International Conference on Ion Implantation Technology (IIT 2000), p.753 - 756, 2000/00
本論文は高エネルギーイオンに曝されたリチウムタイタネイトセラミックス(LiTiO)の照射効果に関する研究を扱っている。LiTiOセラミックスは核融合炉の固体増殖材料の候補材料である。LiTiOにおける照射欠陥や微細構造の損傷に関する研究はその材料の照射下における性能を評価するのに非常に重要なものである。LiTiOセラミックスに対してさまざまな温度(343-873K)でトリプルイオン照射(0.25MeV H,0.6MeV He,2.4MeV O)を行った。それぞれのイオンは1.010ion/mまで照射した。照射したイオンのエネルギーはともに約2.3m付近にピークを持つように決めた。さらに、LiTiOは高エネルギー酸素イオン(30-120MeV)で2.010ion/mまで照射した。ラマン分光装置、FT-IR分光装置、走査電子顕微鏡(SEM)とX線解析装置を用いて照射したサンプルを調べた。照射試料の回復挙動を調べるためArガス雰囲気中さまざまな温度で照射サンプルをアニールした。トリプルイオン照射したLiTiO表面にTiOのアナターゼ層が形成されたことがラマン分光分析とX線回折分析で明らかになった。603Kと873Kで照射した試料のラマンスペクトルはアナターゼTiOのスペクトルとほとんど一致した。しかしながら、343Kで照射した試料のラマンスペクトルはLiTiOのラマンスペクトルとアナターゼTiOのラマンスペクトルを重ね合わせたものである。このことから、照射温度が高いほどアナターゼ層の形成が効果的であることがわかる。この傾向はX線回折パターンからも同様に言える。照射した試料の熱処理は照射によって導入された構造欠陥の熱による回復が約1050Kで始まることを示した。したがって、トリプル照射によって導入された構造欠陥は熱に強いことがわかった。
片野 吉男*; 有賀 武夫; 山本 春也; 中沢 哲也; 八巻 大樹
Proceedings of 2000 International Conference on Ion Implantation Technology (IIT 2000), p.805 - 808, 2000/00
核融合炉において電気絶縁体材料等として使用されるアルミナ(-AlO)の照射損傷を調べる目的で、H,HeイオンとNまたはOイオンをトリプルビームで同時照射し、損傷組織を深さ方向に透過電子顕微鏡で観察した。表面から1.4~1.5mの深さに停止イオンが分布するように、0.25MeVのHイオンと0.6MeVのHeイオンと、さらにこれらの深さを通過しながらはじき出し損傷を与える目的で、4.7MeVのNイオンをトリプルで照射(923K)した試料では、平均~3nmのキャピティが、1.45と1.55mの深さに帯状に観察された。同量のH,HeをOイオンとともに約1/2のdpa/sで注入した試料ではキャビティーの成長が抑えられた。H,Heのキャビティーの形成に及ぼす損傷速度の効果を定量的に把握するとともに、水素原子の動きに及ぼすHe原子の役割を示した。
片野 吉男; 中沢 哲也; 八巻 大樹; 有賀 武夫; 野田 健治
Journal of Nuclear Materials, 258-263, p.1842 - 1847, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:49.16(Materials Science, Multidisciplinary)AlO中のH,Heによる損傷効果を評価する目的から、酸素(O)イオン(4.7MeV)をはじき出し損傷関数(dpa)として利用し、H,He/dpaとスエリングの関係を調べた。照射実験には高崎研TIARAのトリプルビーム照射装置を用い、650Cの照射温度で最大損傷量7.6dpaまで行い、照射後電子顕微鏡観察により損傷組織を入射イオンの深さ方向からの関数として評価した。その結果、Oイオンによる損傷は2.7mの深さまで形成し、表面近傍には~150nm大きさの転位ループが分布した。一方キャビティは、H(0.25MeV)、He(0.9MeV)及びOイオンの各飛程(1.4,2.1及び2.6m)付近にピークを持って分布し、これらによるスエリングは各々0.2,0.3及び1%であった。これらは照射後焼鈍(1000C1h)によって、He及びOイオン領域では50~80nmに成長したキャビティが形成され、それらによるスエリングは5.8及び8%に増大した。これらの挙動から、HeやO原子は、はじき出し損傷によって生成した欠陥集合体がキャビティ成長を促進する。H原子は転位の上昇運動によって消滅し易い。
片野 吉男; 中沢 哲也; 八巻 大樹; 有賀 武夫; 野田 健治; 山本 春也
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 140(1-2), p.152 - 158, 1998/00
本研究では、電気絶縁材料であるAlOについて多重イオン同時照射に伴う損傷特性について透過電子顕微鏡組織断面観察から評価した。実験では、照射温度650Cで3.6dpaまで照射したトリプル(O,He,H)イオン同時照射材と10.2dpaまでデュアル(O,H)照射材、さらに再試料を1273K1照射後焼鈍し、注入イオンの深さ方向に転位ループの生成、キャビティの成長を比較検討した。その結果、転位ループ生成挙動では、トリプル照射材は深さ1.5mの損傷ピークまで欠陥集合体の転位が深の関数で増加する。しかしデュアル照射材では損傷が最も大きい1.4mから1.6mで格子間原子の集合体である転位が希薄な領域が認められた。この領域では照射に伴うH電子が点欠陥の消滅に寄与していることを示している。一方、両照射材の照射後焼鈍では、いずれも損傷ピーク付近で著しいキャビティの成長が認められた。この結果、AlOは1000Cで熱的に活性化し、注入イオンや空孔の移動・再結合が促進されることが分かった。
片野 吉男; 北條 喜一; 中沢 哲也; 八巻 大樹; 有賀 武夫; 野田 健治
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 141(1-4), p.411 - 418, 1998/00
被引用回数:6 パーセンタイル:49.16(Instruments & Instrumentation)酸化アルミニウム(AlO)におけるH及びHe原子とによるキャビティ形成挙動を調べる目的からH,He及びOイオンを同時照射し、損傷組織を入射イオンの深さ方向からの関数として評価した。照射温度650Cでトリプル(0.25MeV-H,1.1MeV-He,2.4MeV-O)イオンビームを同時照射した結果、深さ1.4-1.8m及び2.2-2.5mの二つの領域で、それぞれ平均=20及び8nmの大きさのキャビティが310/m並び210/mの数密度で形成した。これは計算で求めたO-HとHイオン飛程の領域で、良い一致を示した。さらに、O-Hイオン飛程近傍では不規則なキャビティの分布を持って観察された。この領域(1.5m)は、損傷が最も受けたと予測される領域で、格子間原子の集合体(転位ループ)の密度が希薄になる傾向を示した。これは、H原子と格子間原子との相互作用がHe原子と比べ弱いため、転位の発達及びキャビティ形成が促進されたものと考えられる。この結果、AlO中でのH及びHe原子によるキャビティ形成挙動が大きく異なることが判った。
片野 吉男; 中沢 哲也; 八巻 大樹; 有賀 武夫; 北條 喜一; 野田 健治
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 116, p.230 - 234, 1996/00
被引用回数:3 パーセンタイル:37.8(Instruments & Instrumentation)本研究では、高純度アルミナ単結晶へのO、He及びHイオンをデュアル及びトリプルビーム照射を行い、照射後の損傷組織を電子顕微鏡により断面観察した。さらに照射試料はホットルミネッセンス測定によって特性を調べた。デュアルビーム(1.3MeV O及び0.45MeV He、照射温度;932K)照射材では、大きさ10~20nmの格子間原子型転位ループ及び5nmの大きさのキャビーティが入射表面から深さ方向に1.2mまで分布した。一方1.3MeV O及び0.25MeV H、デュアルビーム照射では、照射欠陥集合体は観察されなかった。しかしホットルミネッセンス測定からFセンター形成に伴う励起光が観察された。この結果からO及びHイオン照射ではAlO中にO-Vacancy及びO-H基が生成しているものと解釈される。
高橋 真*; 藤本 洋一*; 有賀 哲也*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 盛谷 浩右
no journal, ,
超音速酸素分子線を用いてRu(0001)表面を酸化し、放射光光電子分光法で酸素原子及びRu原子の化学結合状態を分析した。まずRu(0001)表面に酸素ガスを暴露して0.5MLの飽和吸着状態を形成した。その酸化表面に超音速酸素分子線を照射して酸素の吸着特性を調べた。酸素分子線の並進運動エネルギーを0.5eVとした。ノズル温度を300Kと1400Kとして酸素吸着曲線の違いを調べた。300Kの場合には0.58MLまで飽和酸素量が増加した。1400Kの場合にはさらに0.61MLまで飽和酸素量が増加することが見いだされた。これは振動励起した酸素分子の吸着確率が大きいためと解釈された。
高橋 真*; 藤本 洋介*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 有賀 哲也*
no journal, ,
超音速酸素分子線と高分解能XPSを用いることにより、酸化したRu(0001)表面の高い酸素被覆率領域(0.5ML以上)における吸着過程を検討した。その結果、この領域内では分子の振動励起により吸着が促進されることを見いだした。すなわち、この条件下では前駆体を経由した解離吸着過程(Trapping mediated precursor process)が支配的である可能性を示唆している。
高橋 真*; 藤本 洋介*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆; 有賀 哲也*
no journal, ,
清浄Ru(0001)表面を超音速酸素分子線で酸化したときの各酸素被覆率におけるRu3d5/2の光電子スペクトルを測定した。超音速分子線の並進運動エネルギーは0.5eVとした。Doniach-Sunjic関数を用いてピーク分離を行い、各成分をそれぞれBulk, S1, S1(2O), S1(3O)とした。S1はRu最表面の成分、S1(2O)とS1(3O)はそれぞれ酸素原子が2個又は3個結合した最表面Ru原子の成分である。また、Bulk成分には酸素原子が1個結合した最表面Ru原子の成分S1(1O)も含まれている。酸素の照射量に対する各成分のピーク面積強度の変化から0.6ML付近で部分的に酸化Ruの島が存在することが示唆された。今回得られた結果は大きな並進運動エネルギーを与えたことと関連していると考察した。また、ノズル温度を300及び1400Kに設定して得たそれぞれの酸素吸着曲線から、どちらも並進運動エネルギーを0.5eVに設定しているにもかかわらず、酸素速度はノズル温度を高くすることで増大するという結果が得られた。このことから酸化速度の増大は分子振動の励起により解離吸着が促進されたものと結論した。
高橋 真*; 有賀 哲也*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆
no journal, ,
超音速分子線法と高分解能XPSを用いて4H-SiC(0001)表面における酸化反応ダイナミックスを研究した。特に酸素分子の振動励起状態が酸化過程に与える効果について注目した。実験はすべてSPring-8のJAEAビームラインBL23SUに設置されている表面化学実験ステーションで行った。酸素分子の並進運動エネルギーを0.5eVに固定し、ノズル温度を300Kと1400Kに設定することで振動分布を変化させた酸素分子線を用いて得た酸素吸着曲線を比較したところ、ノズル温度を高温に設定することで酸素の付着確率は大幅に高くなる結果を得た。また、O1sピークは複数の結合状態を反映している成分で構成されており、それぞれをDoniach-Sunjic関数でピーク分離した。各ピーク成分を分子線照射量に対してプロットし、酸素原子の表面からバルク方向への拡散過程を検討した。
高橋 真*; 有賀 哲也*; 寺岡 有殿; 吉越 章隆
no journal, ,
酸素分子によるRu(0001)表面の酸化において、大きな運動エネルギーを有する酸素分子の表面衝突が吸着酸素の移動(拡散,凝集)に与える影響について実験的に検討した。実験はSPring-8の原子力機構専用ビームラインBL23SUの表面化学実験ステーションで行った。酸素分子の運動エネルギーを1.0eVと2.2eVとした。いづれの運動エネルギーにおいても酸素吸着が飽和した後においてもRuの酸化状態が変化する現象が観測された。その傾向は運動エネルギーが大きい方が顕著であった。吸着酸素の移動が飛来する酸素分子の衝突によって誘起されていると結論した。
高橋 真*; 寺岡 有殿; 有賀 哲也*
no journal, ,
室温かつ超高真空下でRu(0001)を酸素に曝露した場合、0.5MLで飽和する。これはp(21)-O構造によって酸素分子の解離吸着が抑制されるためである。高い被覆率を得るために大きな運動エネルギーを有する酸素分子線照射を行い、0.5ML以上の高被覆率領域における酸素分子解離吸着過程と吸着構造を研究した。実験はすべてSPring-8に設置されている原研専用ビームラインBL23SU表面化学実験ステーションで行った。酸素雰囲気に曝露することで得た0.5MLのRu(0001)酸素吸着表面に超音速酸素分子線を表面垂直方向から照射した。一定照射量ごとに高分解能O1s, Ru3d内殻光電子スペクトルを測定した。O1sスペクトルのピーク面積強度比から被覆率を算出し、Ru3dスペクトルから酸素原子の吸着状態を評価した。被覆率約0.6MLまではp(21)-Oからp(22)-3Oへの変化を示した。一方、被覆率約0.6ML以上ではp(11)-Oの成長を示唆した。被覆率0.5から0.75MLの領域では、p(21)-Oとp(22)-3Oが混合した吸着構造が安定であり、これまでにp(11)-Oが混合した吸着構造が報告された例はない。高い運動エネルギーを有する分子の衝突が吸着原子の拡散を誘起した結果と考えられる。