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相澤 康介; 檜山 智之; 小林 順; 栗原 成計
Proceedings of 30th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE30) (Internet), 6 Pages, 2023/05
自己作動型炉停止機構(SASS)は、温度感知合金が温度上昇により磁性を消失する特性を利用して炉心出口の温度上昇に伴い受動的に制御棒を落下させる装置であり、次世代ナトリウム冷却高速炉に採用が計画されている。SASSを有効に機能させるためには、燃料集合体からの高温流体を効率的に温度感知合金まで導くことが重要であり、温度感知合金は円周方向に45枚のフィンを有する複雑な形状となっている。SASS性能評価手法の整備を進める上で、実寸試験による現象理解及び解析検証用データの取得を実施する計画である。本報告では、温度感知合金周辺構造をフィン形状も含めて詳細に模擬した体系で水流動試験を実施し、PIV計測により温度感知合金周辺の流速場を取得し流動特性を把握した。
小林 順; 相澤 康介; 江連 俊樹; 長澤 一嘉*; 栗原 成計; 田中 正暁
JAEA-Research 2022-009, 125 Pages, 2023/01
先進ループ型ナトリウム冷却高速炉の設計研究が日本原子力研究開発機構で実施されてきた。炉心出口部では、燃料集合体からの高温ナトリウムが制御棒チャンネルや径ブランケット集合体からの低温ナトリウムと混合するために温度変動が生じる。この温度変動によって、炉心上部に位置する炉内構造物の底部周辺に高サイクルの熱疲労が引き起こされる可能性がある。このため、先進ループ型ナトリウム冷却炉の上部プレナムを1/3スケール60度セクタで模擬した試験体を使用した水実験を実施し、炉内構造物の下部で発生する大きな温度変動への対策を検討した。本報告では、炉内構造物下部で発生する温度変動を緩和させる対策構造の効果について確認するとともに、対策構造のRe数依存性や制御棒表面における温度変動の特徴など、得られた知見についてまとめた。
相澤 康介; 辻 光世; 小林 順; 栗原 成計
Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 7 Pages, 2022/10
ナトリウム冷却高速炉の安全性強化に向けた炉内冷却機器の設計と運用の最適化に資するために、シビアアクシデント時を含む崩壊熱除去特性および熱流動特性を把握する縮尺水流動試験を実施している。本報告では、複数の冷却機器起動が原子炉容器内自然循環挙動に与える影響を把握するために、浸漬型DHX及び貫通型DHXを起動させた過渡試験を実施した結果を示す。試験結果より、一基目のDHX起動により自然循環定常状態を達成した後、二基目のDHXを起動することで、自然循環定常状態における最高温度を一時的に超えることが示された。炉心下部プレナムに位置するコアキャッチャ上での発熱が強く、かつ二基目に貫通型DHXを起動する条件下において、この一時的な温度上昇は大きくなることが確認された。
辻 光世; 相澤 康介; 小林 順; 栗原 成計
Proceedings of 12th Japan-Korea Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS12) (Internet), 6 Pages, 2022/10
ナトリウム冷却高速炉(SFR)において、炉心溶融を含むシビアアクシデント時の安全性強化のため、炉内冷却機器の設計と運用を最適化することが重要である。SFRの原子炉容器を模擬した1/10縮尺の水試験装置を用いて、原子炉容器内部の自然循環現象を把握するための水試験を実施している。本報では、炉心燃料とコアキャッチャ上の燃料デブリの発熱割合が原子炉容器内部の自然循環挙動へ与える影響を調査するために、浸漬型DHXを運転した条件で実施した実験結果を示す。全体の発熱量を一定として、全体の発熱量に対するコアキャッチャ上の燃料デブリの発熱割合を20%, 80%とした2条件で原子炉容器内部の温度分布及び流速分布を計測した。炉心部とコアキャッチャ上の燃料デブリの発熱割合による炉容器内の自然循環挙動への影響を定量的に把握した。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
相澤 康介; 辻 光世; 小林 順; 栗原 成計; 三宅 康洋*; 中根 茂*; 石田 勝二*
Proceedings of International Conference on Fast Reactors and Related Fuel Cycles; Sustainable Clean Energy for the Future (FR22) (Internet), 10 Pages, 2022/04
ナトリウム冷却高速炉の安全性強化に向けた炉内冷却機器の設計と運用の最適化に資するため、シビアアクシデント時を含む炉容器内の自然循環による崩壊熱除去特性を把握するために1/10縮尺水試験を実施した。本試験装置は、浸漬型DHX,貫通型DHX及びRVACSの3種類の冷却機器を有しており、かつ炉内各所に溶融燃料を模擬した電気ヒータを設置している。これより、本試験装置では、様々な条件下での炉容器内の自然循環による崩壊熱除去特性を把握することができる。本研究では、浸漬型DHX, RVACS運転時の炉容器内自然循環特性を温度計測試験及びPIV計測より検討した。さらに、温度変動がPIV計測に与える影響を定量的に評価した。
檜山 智之; 相澤 康介; 西村 正弘; 栗原 成計
JAEA-Research 2021-009, 29 Pages, 2021/11
ナトリウム冷却高速炉では、実用化に向けて燃料の高燃焼度化が求められている。高燃焼度の燃料集合体はスウェリングや熱的な燃料棒の変形によって局所的に除熱能力が低下することが懸念され、燃料集合体での冷却材流動挙動を予測評価することが重要である。本研究では、現象解明および熱流動解析コード検証用のデータベース構築を目的として、3本ピンバンドル体系の試験体を用いた流動場計測試験を実施した。現象解明の着眼点は、以下の(1)ワイヤスペーサ近傍を含めたサブチャンネル内の全体流況、(2)層流領域を含むレイノルズ数と流動場の関係、(3)ワイヤスペーサの有無が流動場に与える影響評価である。試験の結果、PIV計測によりサブチャンネル内の詳細な流動場データを取得し、3本ピンに囲まれたセンターサブチャンネルにワイヤスペーサが交差する際に隣のサブチャンネルへ逃げる流れとワイヤスペーサの巻き方向に対して追従する流れが生じることが分かった。層流領域のレイノルズ数条件では流速分布の傾向が遷移領域および乱流領域と大きく異なることを確認した。ワイヤスペーサのない体系と比較すると、層流領域においてもワイヤスペーサによるミキシングが生じていることを確認した。
小林 順; 相澤 康介; 江連 俊樹; 栗原 成計; 田中 正暁
保全学, 20(3), p.89 - 96, 2021/10
先進的なナトリウム冷却高速炉の炉内構造物(UIS)の底部板において、燃料集合体からの高温のナトリウムが制御棒チャンネルやブランケット集合体からの低温のナトリウムと混合する。炉心出口と低温チャンネル間の異なる流体温度の混合によって発生する温度変動は、UIS下部周辺の構造物に対して、高サイクル熱疲労の原因となる可能性がある。このため、Advanced-SFRの上部プレナムを1/3スケール60度セクタでモデル化した試験体を使用して、UIS下部周辺で発生する有意な温度変動に対する対策を試験する水流動試験を行った。その結果、温度変動強度を緩和する対策の効果が確認された。
小林 順; 相澤 康介; 江連 俊樹; 栗原 成計; 田中 正暁
保全学, 20(3), p.97 - 101, 2021/10
日本原子力研究開発機構が設計してきた先進ナトリウム冷却高速炉(Advanced-SFR)の炉内構造物の下部で発生するサーマルストライピング現象に焦点をあて、A-SFRの上部プレナムを1/3スケール60度セクタでモデル化した試験体を使用し、UIS下部周辺の有意な温度変動に対する対策構造を確認するための水試験を実施してきた。前回の論文では、制御棒チャンネル周辺の温度変動を緩和させるための対策の効果を報告した。本論文では、同じ試験体を使用した水実験を行って、径方向ブランケット燃料集合体周辺の温度変動の特性を取得した。また、炉心計装支持板(CIP)の形状を変更し、径方向ブランケット燃料集合体周辺の温度変動を緩和する効果が高いことを確認した。
相澤 康介; 檜山 智之; 西村 正弘; 栗原 成計; 石田 勝二*
Mechanical Engineering Journal (Internet), 8(4), p.20-00547_1 - 20-00547_11, 2021/08
商用化を目指したナトリウム冷却高速炉では高燃焼度の炉心設計を指向している。ナトリウム冷却炉では燃料ピン間にワイヤスペーサを設けており、このスペーサの機能は冷却材流路の確保及びサブチャンネル間の混合促進である。高燃焼度化の燃料集合体では、熱伸びに起因する燃料ピンの変形により局所的な流量減少及びこれに起因する除熱能力の低下が懸念される。このため、ワイヤスペーサ型ピンバンドル内の流速場を理解することは重要となる。本研究では、層流域から乱流域まで条件下におけるワイヤスペーサ型ピンバンドル内の流速場を把握するため、3ピンバンドル体系試験装置を用いた試験を実施した。試験結果より、ワイヤから離れた位置において、Re数低下に伴い無次元化速度は増大することが明らかになった。また、ワイヤスペーサを外した体系での試験も実施し、層流域においてワイヤによる混合が生じていることを確認した。本研究の試験結果は、ピンバンドル内の流動場を理解するためだけでなく、コード検証にも資する。
相澤 康介; 檜山 智之; 西村 正弘; 栗原 成計; 石田 勝二*
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 8 Pages, 2020/08
商用化を目指すナトリウム冷却大型炉は高燃焼度炉心を採用する計画である。高燃焼度化による燃料ピンの変形により、燃料集合体内の局所的な流速低下及び伝熱性能低下が懸念される。したがって、ワイヤスペーサ型燃料ピンバンドル部の詳細な流速分布を把握することが設計上重要となる。本研究では、3ピンバンドル体系水試験において粒子画像速度測定手法を適用して、サブチャンネル内の流速場を把握した。試験条件として数は27013500の範囲で実施し、層流から乱流まで幅広い条件下での流速データを取得した。試験結果より、数が高い乱流条件と比較して数が低い層流条件においては、ワイヤから離れた位置において無次元化した最大流速が増大する傾向が示された。さらに、ワイヤを外した体系での試験も実施し、ワイヤがサブチャンネル内の流動場に与える影響を確認した。これらの結果は、ピンバンドル部の流動場把握のためだけでなく、解析コードの検証データとしても有用である。
辻 光世; 相澤 康介; 小林 順; 栗原 成計; 三宅 康洋*
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 5 Pages, 2020/08
ナトリウム冷却高速炉(SRF)において、炉心溶融を含むシビアアクシデント時の安全性強化のため、炉内冷却機器の設計と運用の最適化が重要である。SFRの炉容器を模擬した1/10縮尺水試験装置を用いて、原子炉容器内の自然循環現象を把握する水試験を実施している。本報では粒子画像流速計測法(PIV)によって計測した炉容器内の自然循環流動場について報告する。炉心燃料の20%が下部プレナムのコアキャッチャ上に一様に堆積した場合に、浸漬型熱交換器を運転する条件で試験を実施した。PIV計測の結果、下部プレナム及び上部プレナムの中心付近で上昇流を確認した。また、上部プレナムでは炉壁近傍、下部プレナムでは炉心最外層から下降流が発生することを確認した。さらに温度場と速度場の関連性を検討することで、炉容器内の自然循環現象を把握した。これらの結果より、浸漬型DHX運転時に自然循環冷却パスが確立していることを確認した。
辻 光世; 相澤 康介; 小林 順; 栗原 成計; 三宅 康洋*
Proceedings of 14th International Symposium on Advanced Science and Technology in Experimental Mechanics (14th ISEM'19) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2019/11
ナトリウム冷却高速炉の炉容器内の自然循環流動場を模擬した縮尺水試験装置を用いて粒子画像流速計測(PIV)を実施している。自然循環流動場の温度変動は屈折率の変化を引き起こし、粒子画像に歪みを生じさせる。このため温度変動はPIV計測の不確かさに影響する。本研究では自然循環流動場でのPIV計測に対する温度変動の影響を評価する。
八子 丈生*; 岩下 芳久*; 阿部 賢*; 栗原 俊一*; 福田 将史*; 佐藤 将春*; 杉村 高志*; 不破 康裕; 高宮 幸一*; 飯沼 勇人*
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.1003 - 1005, 2019/10
永久磁石は低消費電力化や小型化を目的としてビーム光学素子の素材として用いられているが、ネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石では放射線減磁が起こることが知られている。しかし強度が弱いながらも安価な、フェライト磁石の放射線減磁については十分な情報が無い。フェライト磁石のビーム光学素子の素材としての適合性を検証するために、京大複合研原子炉(KUR)でフェライト磁石の中性子照射による放射線減磁実験を行った。実験では、最大cmに相当する中性子線量で照射を行ったが、有意な減磁は検出されなかった。この減磁特性は一般的に使用されているネオジム磁石よりフェライト磁石の放射線減磁耐性が高いことを示しており、より高い線量領域での減磁傾向の計測を計画している。
五十嵐 康人*; 小暮 敏博*; 栗原 雄一; 三浦 輝*; 奥村 大河*; 佐藤 志彦; 高橋 嘉夫*; 山口 紀子*
Journal of Environmental Radioactivity, 205-206, p.101 - 118, 2019/09
被引用回数:68 パーセンタイル:70.75(Environmental Sciences)福島第一原子力発電所事故ではチェルノブイリ原発事故と異なるケイ素,酸素,鉄,亜鉛を含む放射性微粒子が発見された。この放射性微粒子は高濃度のセシウムを含むことからセシウムマイクロパーティクル(CsMP)と呼ばれることもある。またこの粒子は少なくとも2種類が見つかっており、発見された順番に、2, 3号機(放出源未確定)と1号機由来をそれぞれTypeA, TypeBと呼んでおり、Cs同位体比, 形態, 採取場所で分類されている。本レビューではこれらの背景を含むCsMPの全体像を紹介する。
相澤 康介; 小林 順; 田中 正暁; 栗原 成計; 石田 勝二*; 長澤 一嘉*
Proceedings of 11th Korea-Japan Symposium on Nuclear Thermal Hydraulics and Safety (NTHAS-11) (Internet), 10 Pages, 2018/11
原子力機構において先進ループ型ナトリウム冷却炉の設計が進められている。先進ループ型ナトリウム冷却炉の炉心計測取付板の下部では、制御棒を通過した低温ナトリウムと燃料集合体を通過した高温ナトリウムの混合による温度変動が生じ、この温度変動による炉心計装取付板の高サイクル熱疲労が懸念される。原子力機構では、炉心計装取付板周辺でのサーマルストライピング現象を解明するため、1/3縮尺5噴流水試験を実施している。本研究では、噴流出口と炉心計装取付板下部の間の混合領域の流速場をPIVにより計測し、温度変動挙動との比較を行った。
小野 綾子; 栗原 成計; 田中 正暁; 大島 宏之; 上出 英樹; 三宅 康洋*; 伊藤 真美*; 中根 茂*
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 10 Pages, 2017/04
ナトリウム冷却高速炉で想定されている複数種の崩壊熱除去システムの運用時における炉容器内の熱流動挙動を再現する水流動試験装置を製作した。製作した試験装置は、相似則検討および基礎試験結果により高速炉の縮尺模擬試験に適用することが示された。さらに、ループ型炉およびプール型炉で導入が検討されている浸漬型DHX運用時の炉内流動の可視化試験結果とFLUENTにより実験を数値シミュレーションした結果を示す。
平野 耕一郎; 浅野 博之; 石山 達也; 伊藤 崇; 大越 清紀; 小栗 英知; 近藤 恭弘; 川根 祐輔; 菊澤 信宏; 佐藤 福克; et al.
Proceedings of 13th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.310 - 313, 2016/11
単位面積当たりの熱負荷を減らすため、67のビーム入射角を有するビームスクレーパをJ-PARCリニアックのRFQとDTLの間のMEBTで使用している。67ビームスクレーパは粒子数1.47E22個のHビームによって照射された。レーザ顕微鏡を用いてスクレーパのビーム照射による損傷部を観察すると、高さ数百mの突起物が無数にあった。ビームスクレーパの耐電力を調べるため、3MeVリニアックを新たに構築した。2016年末にスクレーパ照射試験を実施する予定である。今回は、J-PARCリニアックのビームスクレーパの現状、及び、ビームスクレーパの照射試験に用いる3MeVリニアックについて報告する。
永井 晴康; 栗原 治*
日本原子力学会誌ATOMO, 56(12), p.791 - 795, 2014/12
2013年5月にUNSCEARが総会を開催し、多くの専門家によって解析と検討が行われてきた東京電力福島第一原子力発電所事故の環境および人体への影響について報告が行われた。この内容については、2014年4月にUNSCEAR2013レポートの科学的附属書Aとして、詳細が公開された。ここでは、科学的附属書Aの概要と、その中の1つの章としてまとめられた大気中と太平洋への放射性核種の放出、環境中の拡散、および沈着についての報告内容を概説する。
柴田 欣秀*; 渡邊 清政*; 大野 哲靖*; 岡本 征晃*; 諫山 明彦; 栗原 研一; 大山 直幸; 仲野 友英; 河野 康則; 松永 剛; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 6, p.1302136_1 - 1302136_4, 2011/10
トカマクで発生するディスラプション時の電流減衰時間のモデルとして、プラズマインダクタンスとプラズマ抵抗のみで電流減衰時間を表現するモデルがその簡便さから使用されている。しかし、過去の著者らの研究において、(1)JT-60Uの密度限界ディスラプションでは電流減衰初期のプラズマインダクタンスの時間変化が電流減衰時間に大きく影響を与えているためモデルは実験結果を再現することができないこと、及び(2)プラズマインダクタンスの時間変化を考慮した「改良モデル」を用いることにより実験結果が再現できることがわかった。また、今回、このモデルの適用範囲が拡大できるか明らかにするため、別の原因で発生したディスラプションに対してモデルの検証を行った。対象としてはJT-60Uで発生した高ディスラプションのデータを用いた。その結果、前回同様、プラズマインダクタンスの時間変化を考慮することにより実験での電流減衰時間とモデルによる予測値がよく一致することがわかった。このことは、ディスラプションの発生原因が異なる場合でもプラズマインダクタンスの時間変化を考慮した改良電流減衰モデルで電流減衰時間が記述できることを示している。