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堀川 大樹*; 山口 理美*; 坂下 哲哉; 田中 大介*; 浜田 信行*; 行弘 文子*; 桑原 宏和*; 國枝 武和*; 渡邊 匡彦*; 中原 雄一*; et al.
Astrobiology, 12(4), p.283 - 289, 2012/04
被引用回数:23 パーセンタイル:68.76(Astronomy & Astrophysics)クマムシの乾燥休眠状態である卵の孵化率について、宇宙空間の特徴的な極限環境要因である放射線(Heイオン線),極低温,高真空に対する耐性を調べた。その結果、50%が孵化できない線量が約500Gy, -196度に曝されても70%以上が孵化し、610Paの高真空においた後でも孵化することができることがわかった。以上の結果から、宇宙空間であってもクマムシの耐性能力により、乾眠状態であるならば、存在できる可能性が示唆された。
横田 裕一郎; 舟山 知夫; 長谷 純宏; 浜田 信行*; 小林 泰彦; 田中 淳; 鳴海 一成
Mutation Research; Fundamental and Molecular Mechanisms of Mutagenesis, 691(1-2), p.41 - 46, 2010/09
被引用回数:9 パーセンタイル:28.46(Biotechnology & Applied Microbiology)電離放射線を照射した哺乳類細胞や酵母では、その子孫細胞において、直接照射されていないにもかかわらず、染色体異常や突然変異の頻度が高い現象(放射線誘発ゲノム不安定性)が報告されてきた。本研究の目的は、高等植物に放射線誘発ゲノム不安定性が生じるか否かを明らかにすることである。そこで、線を照射したタバコ細胞とその子孫細胞において、微小核頻度と増殖を調べた。照射細胞の細胞周期は、照射の24時間前後で一過性に停止した。一方、微小核頻度は照射後48時間で最大となった。照射細胞の約半数は微小核を有したが、照射細胞は非照射細胞と同程度に旺盛な増殖を示した。照射細胞は照射後4週間で2の21乗倍に増殖したが、微小核頻度は非照射細胞と比べてなお2倍高かった。この実験結果は、照射子孫細胞において微小核が誘発され続けていることを示しており、タバコ細胞における放射線誘発ゲノム不安定性の直接の証拠となる。
横田 裕一郎; 和田 成一*; 長谷 純宏; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 鳴海 一成; 田中 淳
Journal of Radiation Research, 50(2), p.171 - 175, 2009/04
被引用回数:3 パーセンタイル:14.54(Biology)高等植物と哺乳動物におけるDNA修復能力を比較するため、線照射したタバコプロトプラストとCHO-K1細胞において、DNA2本鎖切断(DSB)再結合の定量解析を行った。タバコプロトプラストのDSB再結合効率は照射後の培養温度に依存し、その効率は、培養至適温度である27Cで最大に達した。タバコプロトプラストのDSB再結合効率は二相性指数関数でよく近似され、初期損傷の半数は1時間以内に、残りは4時間以内に再結合された。さらにわれわれは、27CでのタバコプロトプラストのDSB再結合効率は、37CでのCHO-K1細胞の再結合効率とほぼ同じであることを発見した。これらの知見は、DSB再結合効率は、タバコプロトプラストの高い放射線耐性にあまり寄与していないことを示唆するものである。
横田 裕一郎; 舟山 知夫; 和田 成一*; 長谷 純宏; 小林 泰彦; 井上 雅好*; 田中 淳; 鳴海 一成
JAEA-Review 2007-060, JAEA Takasaki Annual Report 2006, P. 69, 2008/03
葉状植物を含む多くの高等植物は、個体及び細胞レベルで高い放射線耐性を示すが、その機序は明らかにされていない。本研究では、タバコ培養細胞(BY-2)をモデル植物細胞として、この問題に取り組むために、線で照射したBY-2細胞における細胞周期チェックポイントの解析と微小核誘発率測定を行った。その結果、G/M期細胞区は照射後24時間で一過的に増加した。また、少なくとも一個の微小核を持つ細胞の割合は、照射後48時間で急勾配で増加した。これらのことから、BY-2細胞は、G2期において一過性かつ緩いDNA損傷チェックポイント機構を持ち、結果として、線照射後に微小核が高頻度で誘発されると考えられた。これは、ゲノムの不安定性を増加させるので、一見すると生物にとって良くないと思われがちだが、限られた寿命の間に、他の競合相手よりも多く太陽光を得るために、早く増殖する必要がある高等植物にとっては許容できることなのであろうと思われた。
横田 裕一郎; 井上 雅好; 鳴海 一成; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 田中 淳
放射線生物研究, 42(4), p.402 - 415, 2007/12
双子葉植物など高等植物の多くは放射線に耐性で、個体レベルでは哺乳動物より百倍から数百倍も放射線に強いことが知られてきたが、その放射線耐性メカニズムの詳細については、ほとんど何もわかっていなかった。われわれは、タバコのBY-2培養細胞株をモデル植物細胞として放射線影響研究を進めることで、これまでに、タバコ細胞が哺乳動物細胞と比べて10倍程度も放射線耐性であること、タバコ細胞では正確な修復が困難なDNA2本鎖切断が生じにくい一方で、たくさんのDNA2本鎖切断に耐えうることを明らかにしてきた。また、最近の実験データから、タバコ細胞のDNA2本鎖切断修復能力は哺乳動物細胞とあまり変わらず、むしろ、放射線照射後に細胞内に生じる染色体異常に寛容であることがわかってきた。本総説では、これらの実験データを総合して解釈することにより、植物の放射線耐性メカニズムについての考察を進めた。
田中 淳; 小林 泰彦; 長谷 純宏; 渡辺 宏
Journal of Experimental Botany, 53(369), p.683 - 687, 2002/04
被引用回数:33 パーセンタイル:59.89(Plant Sciences)重イオンマイクロビームを初めて植物に利用し、根の重力屈性の原因を調べた。根の先端部分に直径120ないしは40mのマイクロビームを照射して細胞を不活性化させ、その後根の重力方向を変えることによって、照射部位の細胞の屈性に対する影響を調べた。重力屈性の阻害は、根の最先端部位が最も強く、次に先端の重力下方部が強かった。したがって、本研究から、根は最先端部分で重力を感知し、その信号は重力下方部の細胞組織を通って根元に伝わることが初めてわかった。
田中 淳; 清水 隆志*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 山下 孝生*; 渡辺 宏
JAERI-Conf 97-003, p.323 - 326, 1997/03
イオンビームを用いた深度制御照射技術の確立と、これを用いた細胞への照射効果を調べた。タンデム加速器に接続された深度制御細胞照射装置を用いて、照射窓からの距離を変化させてイオンの打ち込み深度を制御した。RCDフィルム及びCR-39フィルムを用いた結果から、照射距離を変化させることにより、細胞中のイオン打ち込み深度を1m30mまで直線的に制御できることが分かった。次に、これを用いてタバコ花粉細胞への打ち込み深度を変化させて、イオンビーム照射時にのみ観察される漏出花粉頻度を調べた。その結果、打ち込み深度の浅い(34m)照射により漏出花粉が頻度高く観察された。このことは、イオンビームの細胞への打ち込み深度を制御することにより、細胞外殻に局所的に損傷を誘発することができることを示唆している。
今村 正浩*; 赤木 清*; 田中 敬正*; 今村 正人*; 水間 長代*; 小林 泰彦; 渡辺 宏; 蜂谷 みさを*; 明石 真言*; 古澤 佳也*; et al.
J. Gen. Appl. Microbiol., 43, p.175 - 177, 1997/00
被引用回数:11 パーセンタイル:37.67(Biotechnology & Applied Microbiology)原研高崎研のTIARAのサイクロトロンからの炭素イオンビーム(LET=121keV/m)と放医研HIMACのシンクロトロンからの炭素イオンビーム(LET=80keV/m)を、生理食塩水に懸溶した大腸菌に照射し、生存率を測定した。更に、コバルト60の線(LET=0.3keV/m)及びボロン10中性子捕獲による線照射(LET=230keV/m)に対する生存率を調べ、10%生存率を与える線量の比から線を基準にRBE(生物学的効果比)を算出してLETとの関係を調べたところ、大腸菌野生株ではLET=121keV/mでRBEが1.81となり、極大を示した。しかし、大腸菌のDNA修復欠損変異株であるKY85株(recA56)ではRBEのピークは見られなかった。
田中 淳; 渡辺 宏; 清水 隆志*; 井上 雅好*; 菊地 正博; 小林 泰彦; 田野 茂光*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 129(1), p.42 - 48, 1997/00
被引用回数:17 パーセンタイル:77.48(Instruments & Instrumentation)イオンビームを用いた細胞への深度制御照射技術を確立した。タンデム加速器に接続した深度制御細胞照射装置を用いて、照射窓からの距離を変化させてイオンの打ち込み深度を制御した。RCDフィルムとCR-39フィルムを用いた実験から、照射窓からの距離を変化させることにより、細胞中のイオン打ち込み深度を1m~30mまで直線的に制御できることを明らかにした。次にこの深度制御照射技術を用い、タバコ花粉への打ち込み深度を変化させて、花粉外殻の開裂によって生じる漏出花粉頻度を調べた。その結果、イオンビームが停止する直前の、花粉への打ち込み深度の浅い(約4m)照射で漏出花粉頻度のピークが観測された。このことは、停止直前のイオンビームには生体物質への特徴的な効果があり、その結果局所的に花粉外殻の開裂が誘発されることを示唆している。
田中 隆一; 神谷 富裕; 小林 泰彦; 渡辺 宏
応用物理, 65(2), p.168 - 172, 1996/00
高エネルギーの重イオンは物質や生体に局部的に大きな損傷を与えるが、生物細胞、半導体素子等の場合、個々の粒子が起こす事象は、微細な内部構造をもつそれらの部位に粒子がヒットしたかによって著しく異なる。こうした局部的な照射あるいはヒットによる効果を解明するための基盤技術として、1mの照射精度で重イオンのシングルイオンヒットを可能にするシングルイオン検出・制御などの技術を開発しつつある。また、サイクロトロンからの高いエネルギーの重イオンによる細胞局部照射技術も進めつつある。これらの研究の現状を紹介するとともに、軌道に乗りつつある放射線高度利用研究の概要も述べる。
菊地 正博; 田中 淳; 小林 泰彦; 野澤 蘭子; 渡辺 宏
JAERI TIARA Annual Report, Vol. 1, 0, p.159 - 162, 1992/00
イオン照射研究施設のタンデム加速器に細胞照射装置(IAC)とサイクロトロンの垂直ビームラインに種子照射装置(IAS)を設置した。IACは、スキャンされたビームをカプトン膜を通して大気中に取り出し、温湿度をコントロールされた無菌状態で照射可能である。ビーム上流での高真空度を維持するため、差動排気されており、カプトン膜損傷による急激な真空劣化に備えて、ファーストアクティングバルブが取り付けてある。IASは、スキャンされたイオンビームを30mのチタン薄膜を通じて大気中に取り出して拡大照射することが出来る。サンプルは530cmのアルミ製トレイにのせて、10サンプルを連続的に照射することができる。IACでHeとCイオンビームの線量分布をRCDで測定したところ、スキャンの両端を除いて良いビーム均一度が得られた。また、距離を変えて照射したときのRCDの吸光度を測定したところ、その飛程はELOSSの計算とほぼ一致した。
Q.Hu*; 田中 淳*; 小林 泰彦; 野澤 蘭子; 渡辺 宏
Proc. of Int. Conf. on Radiation Effects and Protection, 0, p.166 - 170, 1992/00
D.radioduransは線や高LET放射線に対して強い抵抗性を示す。我々はこの放射線抵抗性を調べるために、本細菌の放射線に非常に感受性な変異株と線照射による突然変異体である2つの抵抗性復帰株を作出することに成功した。これらの菌株間では僅かな遺伝子発現の差によりその放射線耐性が異なるものと考えられるため、さらに蛋白質種の比較を2次元電気泳動により行った。その結果、分子量35kDaの蛋白質は2つの抵抗性復帰株に、また分子量92kDaの蛋白質は中程度の耐性を示す1つの抵抗性復帰株に、線照射により誘導されることを見出した。これらの蛋白質は感受性株や大腸菌等の放射線感受性菌では誘導されないことから、放射線抵抗性に直接関与する機能を持つと推定される。さらに他の特異な蛋白質も含めたこれらの蛋白質の誘導の特徴についても考察する。
奥 達雄; 古平 恒夫; 深谷 清; 鈴木 雅秀; 田中 泰彦*; 岩館 忠雄*; 鈴木 公明*; 佐藤 育男*
Nucl. Eng. Des., 119, p.177 - 186, 1990/00
被引用回数:5 パーセンタイル:52.84(Nuclear Science & Technology)高温ガス炉圧力容器内低Si21/4Cr-1Mo鋼に関して、安全審査、設工認に資するデータを取得するため、下記の試験を実施した。すなわち、強度と靱性に及ぼす熱、応力中性子照射の影響を明らかにするため、熱時効、応力時効及び中性子照射を行い、主としてシャルピー及び破壊靱性試験により特性評価を行った。その結果、この種のCr-Mo鋼は、劣化の程度は極めてわずかであり、HTTR用材料として適切であることが明らかになった。
荒川 義博; 秋場 真人; 荒木 政則; 堀池 寛; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 栗山 正明; 松田 慎三郎; 松岡 守; 水谷 泰彦*; et al.
JAERI-M 8869, 40 Pages, 1980/05
JT-60中性子入射装置用イオン源の開発状況について要約をおこなった。これまでに得られた実験結果を基にその概要を述べた。
桜庭 順二*; 秋場 真人; 荒川 義博; 荒木 政則; 堀池 寛; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 栗山 正明; 松田 慎三郎; 松岡 守; et al.
JAERI-M 8740, 56 Pages, 1980/03
JT-60用中性粒子入射加熱装置で使用されるイオン源を開発するために、バケット型、およびラムダトロン型イオン源の改良実験を進めている。本報告は、それらの実験結果について書かれたものである。短形バケット型プラズマ源によって、イオン密度0.27A/cm、一様性10%以下(12cm27cm)のソースプラズマを得た。円形バケット型、およびラムダトロン型イオン源によって、30KV、30A,H:H:H=70:20:10の水素イオンビームを引出した。また、JT-60用ラムダトロン型イオン源の概念設計を行なった。
斎藤 幹男*; 杉原 崇*; 田中 公夫*; 小木曽 洋一*; 舟山 知夫; 和田 成一; 坂下 哲哉; 小林 泰彦
no journal, ,
低線量率放射線の緩慢照射による遺伝子発現の変化を調べる模擬実験系として、レポーター遺伝子を組み込んだマウス繊維芽細胞株(NIH3T3/pG13 Luc)へマイクロビーム照射を行った。照射方法及び細胞のp53転写活性の検出法を確立するため、接触阻害を起こさせた細胞にNeイオン(260MeV)によるブロード照射及びマイクロビーム照射を行った。p53転写活性の検出・測定は、溶解させた後の照射細胞試料のケミルミネセンス光強度と総蛋白質量を測定することで行った。ブロード照射では、非照射対照群の2倍のp53転写活性の上昇が見られたが、マイクロビーム照射の予備的検討では、照射点数が1から16点までの範囲で、有意差はないものの非照射対照群の30から40%の減少傾向を示した。照射点数密度に対するp53転写活性も、ほぼ反比例的に減少した。ペナンブラの範囲に含まれる細胞の体積は、最大でも試料細胞全体の約1/10,000に過ぎないことから、マイクロビーム照射のような少数のイオン照射では、バイスタンダー効果によって隣接細胞のp53転写活性が抑制される可能性も考えられる。
星野 洪郎*; 清水 宣明*; 大上 厚志*; 田中 淳*; Saha, M. N.*; 品川 雅彦*; 大槻 貴博*; Hoque, A.*; 森 隆久*; 和田 成一*; et al.
no journal, ,
重粒子線やX線で照射されたレトロウイルス保持細胞では、ウイルスの感染・増殖過程に影響が表れる可能性がある。HIV-1の受容体を発現させたCD4陽性ヒトglioma由来細胞(NP-2/CD4/コレセプター細胞)に重粒子線を照射し、HIV-1に対する感染感受性の変化を観察した。
田中 淳*; 大上 厚志*; 清水 宣明*; 和田 成一*; 小林 泰彦; 星野 洪郎*
no journal, ,
UV, X線及び熱中性子は、マウス内在性C型レトロウイルスを誘発するが、ヒト内在性レトロウイルスの誘導は報告されていない。われわれは、標的細胞としてヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-I)に感染させたヒト神経膠腫細胞クローンを用い、ヒト細胞の重イオン照射による内在性又は潜伏感染したヒトレトロウイルスの誘導について調べた。HTLV-Iは、成人T細胞性白血病の原因レトロウイルスであり、脊椎障害/熱帯性痙性不全対麻痺症に関連している。HTLV-Iは感染した後、潜伏状態に入る。このとき、HTLV-IのmRNAの発現レベルは低いので、抗原は間接免疫蛍光抗体法(IFA)の検出レベル以下である。HTLV-Iに潜伏感染したヒト神経膠腫細胞クローンに、さまざまな線量のCイオンビームを照射した。照射5日後にmRNAと抗原の発現を調べた。抗原の発現はIFAによって調べた。Cイオンビーム照射の結果、全体のmRNA発現に変化はなかったが、抗原の発現が増加したことがIFAによって検出された。重イオンビーム照射は、潜伏感染したヒトレトロウイルスの誘導を導くことがわかった。
中村 敦子*; 市川 和樹*; 小島 和明*; 大野 豊; 小林 泰彦; 田中 重雄*; 坂田 洋一*
no journal, ,
カドミウム(Cd)は強い毒性を有する重金属で、Cd汚染土壌の浄化にあたり、植物の環境浄化能が注目されている。植物のCd無毒化機構として、グルタチオン(GSH)から合成されるファイトケラチン(PC)が知られている。本研究では、植物における新たなCd耐性機構を解明することを目的とし、カーボンイオンビーム照射により得た変異体のスクリーニングを行い、シロイヌナズナのCd高感受性変異体()を単離した。これまでに、変異体はCd以外にも、水銀(Hg),亜鉛(Zn)に対し野生型よりも高感受性を示すことが明らかとなっている。また遺伝学的解析及び阻害剤実験から、変異体の原因遺伝子はPC合成酵素とは異なることが示唆されている。今回、変異体の地上部のCd含有量を測定した結果、野生型と有意な差がないことが判明し、cds1変異体の根から地上部へのCd輸送能には異常がないことが示された。またマッピングにより変異体の原因遺伝子は、第4染色体下腕の約300kbp領域に存在することが示唆された。この領域に含まれる遺伝子の1つは、プロモーター領域に大きな欠損があることが明らかとなった。
横田 裕一郎; 長谷 純宏; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 田中 淳; 鳴海 一成; 和田 成一*; 井上 雅好*
no journal, ,
本研究では、重イオンビームの予備実験として、タバコプロトプラスト及びチャイニーズハムスター細胞に線を照射し、パルスフィールドゲル電気泳動によりDNA2本鎖切断(DSB)の生成及び修復の定量解析を行うとともに、線照射がタバコ細胞にHLS(熱処理によりDSBに転換される熱惰弱部位)を誘発するかどうか調べた。50Cで細胞溶解を行った場合、タバコ細胞とチャイニーズハムスター細胞との間でDSB修復効率に差はなかった。HLSのDSB転換の有無を確認するために、あらかじめ細胞溶解しておいたタバコゲノムDNAに線を照射後、50Cで24時間インキュベートした。その結果、DNAの断片化が進んだことから、線照射したタバコDNAにもHLSが生じることが明らかになった。また、生じたHLSは2時間後には完全に修復されていることが明らかになった。