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阿部 俊彦*
Isotope News, 0(508), p.12 - 15, 1996/09
1995年2月以来滞在している標記センターの概要を紹介する。センターの所在するPUSPIPTEK研究開発団地、センターの含まれるスルポン原子力研究センターについて簡単に述べ、次いでセンターの沿革、人員、組織、予算、施設の規模を説明した。研究開発の内容について、主建屋における原子炉中性子によるRIの製造及び放射性医薬品の生産、サイクロトロン棟における荷電粒子によるRIの生産及び製品の品質管理の順に記述した。放射線管理について簡単に触れたのちRI生産事業その他インドネシア原子力庁の生産部門の民営化の進展状況の概要を述べた。
幕内 恵三; 浅野 雅春; 阿部 俊彦
日本化学会誌, 1976(4), p.686 - 691, 1976/04
重合条件の異なる2種類のポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)に線を照射し、分子構造と橋かけ効率との関係を検討した。高温乳化重合法のPVdF(Kynar)は、低温懸濁重合法のPVdF(KF)と分子構造が異なり、頭-頭結合の生成などによる-CH-CH-,-CF-CF-の異常付加結合と、分岐が多いが、照射効果にも著しい差が認められた。すなわち、KynarはKFよりも橋かけ効率が高く、フッ化水素の発生が少なかった。異常付加結合の存在は、照射によって生成したアルキルラジカルの逐次脱フッ化水素反応の経路を断ったため、橋かけへ進むラジカルの割合が増し、橋かけ効率を高めると考えられた。この推定はテトラフルオロエチレンとの共重合体の実験から確認できた。また、分岐の存在は橋かけの場である非晶部の量と運動性を増加させることによって、橋かけ効率を高めると考察した。
幕内 恵三; 浅野 雅春; 阿部 俊彦
Journal of Polymer Science; Polymer Chemistry Edition, 14(3), p.617 - 625, 1976/03
各種ポリマーの放射線橋かけなどの反応において,発生した気体生成物が反応に影響をおよぼす例は,これまでにあまり知られていない。ポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)を水酸化カリウム(KOH)存在下で照射したところ,KOH不在下に比較し,PVdFの橋かけと脱フッ化水素の反応が速くなる事実を見出した。検討の結果,PVdFの照射で発生したフッ化水素(HF)が,これらの反応を抑制するのであり,KOHは単にHFの吸収剤として作用していることが明らかになった。ESRからの知見を考慮し,HFがPVdFのアルキルラジカルと反応し,ラジカルを安定化するため,アルキルラジカルの主反応である橋かけと脱フッ化水素反応が抑制されると考えた。
宮田 定次郎; 作本 彰久; 鷲野 正光; 阿部 俊彦
日本化学会誌, 1976(1), p.15 - 20, 1976/01
亜硫酸水素ナトリウムのアリルアルコールへのラジカル付加反応を、亜硫酸ナトリウムの共存下で、線を反応の開始手段として行なった。その結果、従来不可能であった速度論的な取り扱いが可能となり、付加反応の反応機構特に連鎖停止反応にアリルアルコールが関与していることが明らかとなり、反応速度式および反応速度定数を決定することができた。
吉井 文男; 早川 直宏; 阿部 俊彦
高分子論文集, 32(12), p.717 - 723, 1975/12
被引用回数:4広幅NMRにより尿素包接化合物中の1.3-ブタジエン(BD)の放射線後効果重合(包接重合)について検討した。得られた結果は前報のアクリロニトリル(AN)および塩化ビニル(VC)の包接重合と対比して考察した。BDは尿素と1:4のモル比で包接化合物をつくる。尿素包接化合物中のBDには、ANやVCに認められないきわめて運動しやすい成分があり、他のBDの線幅はすべての温度域でVCの場合より広い。尿素の線幅はVCのときよりも低温側から減少する。重合は-78C付近から顕著に起り、20Cでは全BDが包接化合物中で重合する。重合中はANやVCの場合と同様に包接化合物に生成した活性中心へモノマーが移動して重合する。カナルの尿素はポリマーになった周辺の尿素が崩れながら進行するANやVCの包接重合と異なり、常に尿素のカナルは保持されたまま重合が進行し、ポリブタジエン-尿素包接化合物になる。その構造は六方晶系で、a=8.21の値を得た。
幕内 恵三; 吉井 文男; 阿部 俊彦
日本化学会誌, 1975(10), p.1828 - 1833, 1975/10
多官能性モノマとして多価アルコールのアクリル酸とメタクリル酸エステルを用い、混入加熱成型したPVdFの電子線空気中照射による橋かけを行った。多官能性モノマーの橋かけ効率とPVdFへの相溶性は、それぞれゲル分率とPVdFの結晶化温度の変化から評価し、次のことがらを明らかにした。(1)アクリル酸エステルはメタクリル酸エステルよりも成型時に熱重合しやすいため、橋かけ促進効果がメタクリル酸エステルよりも低い。(2)成型試料の結晶化温度が低いものほど高い橋かけ促進効果を示した。このことから、(3)多官能性モノマの相溶性が橋かけ促進においては、重要な因子であること。(4)多官能性モノマーを選択する際には、結晶化温度の測定により最も有効なモノマーが決定できることなどが判明した。(5)各種モノマーの橋かけ促進効果は次の順序で高くなった。アクリル酸エステルメタクリル酸エステル、単官能性直鎖型2官能性分枝型2官能性3官能性。
吉井 文男; 阿部 俊彦; 小林 康司
高分子論文集, 32(8), p.477 - 483, 1975/08
尿素包接化合物中のアクリロニトリル(AN)のインソース重合を行い、前報の後効果重合と比較して考察した結果、次のような諸事実が明らかになった。(1)重合速度および溶液粘度はANと尿素のモル比が1:1のとき最も大きく、後効果重合の場合と同様の結果が得られた。しかしながら、溶液粘度は重合時間に対しては後効果重合とは異なった挙動を示した。(2)重合速度は線量率が小さいところではほぼ Iになるが、線量率が高くなると(210 r/hr以上)、 Iになる。(3)分子量分布は重合時間とともに広くなり、後効果重合のものより広い。Giは重合時間とともに減少するが、その値は後効果重合で得られた値よりも大きい。(4)ポリマーの立体規則性はアイソタクチック構造に富みモル比や重合時間によって変化しない。(5)-100C以下で重合したポリマーにはケテンイシンおよび環化構造が含まれており、それはその温度で重合率の増加とともに増大する。
吉井 文男; 阿部 俊彦; 早川 直宏; 田村 直幸
高分子論文集, 32(7), p.406 - 410, 1975/07
アクリロニトリル(AN)-尿素包接化合物の包接過程および後重合過程を広巾NMRにより追跡し、前報と関連づけて包接重合反応を論じた。広巾NMRの線は、バルクのANと尿素包接中のANとでは大きく異なる。包接化合物のANと尿素のモル比は、遊離のANによる線巾の狭い成分がちょうど消失するところから、1:1.2になり、AN1と尿素3のモル比では28時間で完全に包接化合物をつくることがわかった。この広中NMRで求められたモル比および包接時間は重合挙動から求められた結果と良く一致した。重合中は、重合とともにあらわれるポリマーによる巾の広いピークをモノマークの包接化合物のスペクトルから分離し、重合収率を連続的に追跡することができ、この包接重合反応を研究するのに広巾NMR法はきわめて有力な方法であることがわかった。
吉井 文男; 阿部 俊彦; 依田 修
高分子論文集, 32(7), p.399 - 405, 1975/07
尿素包接化合物中のアクリロニトリル(AN)の後効果重合の重合反応におよぼす反応条件の影響、得られたポリマーの分子量分布および包接化合物の示差熱分析ならびにX線回折について検討した。包接化合物の示差熱分析とX線回折ならびに重合挙動の結果からAN-尿素包接化合物のモル比は約1:1と推定した。重合速度は前照射線量とともに増加するが分子量(sp/c)は小さくなる。重合温度に対しては、-100C付近から顕著になり、高いほど重合速度、分子量、いずれも大きくなる。ポリマーの分子量分布はかなりせまいことがわかった。重合の開始のG値はANと尿素のモル比に対して、重合率が飽和したところではほぼ一定で、その重合収率を支配するものは分子鎖の大きさであることがわかった。
吉井 文男; 阿部 俊彦; 早川 直宏
高分子論文集, 32(7), p.429 - 432, 1975/07
尿素包接化合物中の塩化ビニル(VC)の後効果重合を行い、広巾NMRにより、包接化合物のVCと尿素のモル比および温度を変えたときならびに重合中のスペクトルの変化を観察した。得られた結果は前報のアクリロニトリル(AN)の尿素包接重合と対比して考察した。VCは尿素と1:3のモル比で包接化合物をつくることおよび重合は包接化合物中のVCスペクトルの線巾が減少しはじめる-65C付近から顕著に起ることならびに包接化温度と重合温度域がANの場合より高温側で起ることがわかった。重合の進み方はANの場合と同様であった。さらに、重合中はVCおよび尿素分子が照射していない試料よりも活発に運動していることもわかった。
宮田 定次郎; 作本 彰久; 鷲野 正光; 阿部 俊彦
Chemistry Letters, 1975(4), p.367 - 370, 1975/04
亜硫酸ソーダがアリルアルコールに附加する場合、溶媒を重水にする時同位体効果が認められた。この附加反応の反応機構から同位体効果を生ずる反応を推定し、DSO-イオンの解離定数を用いて理論的に重水素同位体効果の大きさを求めると3.82が得られた。この値はC-H結合の切断の際の同位体効果の大きさに近いことが明らかになった。
幕内 恵三; 浅野 雅春; 阿部 俊彦
日本化学会誌, 1975(4), p.728 - 732, 1975/04
ポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)溶液に線を照射し、分子量、分子量分布、UVスペクトルの変化を測定した。PVdFは固体状で照射すると橋かけするが、溶液中では溶媒、ポリマー濃度、初期分子量特性によらず主鎖切断のみが起こった。これはポリマーラジカルが溶媒からのラジカルによって安定され橋かけが起こらないためであると推論した。主鎖の切断は放射線の直接作用による。アドミ型溶媒中で照射するとPVdFは着色した。この着色はアミドの放射線分解生成物であるアミンの作用によることを明らかにした。
宮田 定次郎; 作本 彰久; 鷲野 正光; 阿部 俊彦
Chemistry Letters, 1995(2), p.181 - 184, 1975/02
放射線有機合成の研究の一環としてのスルホン化反応に関するものである。亜硫酸水素のトリウムがアリルアルコールに附加する反応機構を研究し、保管事が8.1210eV/gのminの時、見掛けの反応速度定数としてK=2.3710M・minを得た。そして、活性種1個当り0ラジカル反応の連鎖の速さは350であることを明らかにした。
徳永 興公; 阿部 俊彦
日本化学会誌, 1975(2), p.228 - 233, 1975/02
3種類のフェニル・メチル・トリシロキサンの-線照射を行ない、発生する気体の収率、分子量の変化、酸素の影響、液体クロマトグラムの測定を行なった。水素とメタンの収率は、フェニル基含有率が高くなるとともに減少した。また、ベンゼンの収率は、フェニル基合有率が高くなるにつれて増加した。特に、フェニル基合有率が最も高いトリシロキサン(F-6)におけるベンゼンの収率は、他の2種類の場合に比べ非常に高い値を示した。この現象は、中央の珪素原子に2個のフェニル基が結合した場合、立体障害により、フェニルラジカルとトリシロキサンラジカルとの再結合反応が妨げられるために起こるものと考えられる。照射により、トリシロキサンの分子量は増加し、酸素によって、高分子量物質は減少し、重合は抑制された。このことは、重合過程にラジカル反応が関与していることを示している。
瀬口 忠男; 幕内 恵三; 諏訪 武; 田村 直幸; 阿部 俊彦; 武久 正昭
日本化学会誌, 1974(7), p.1309 - 1314, 1974/07
放射線照射によって、ポリ(フッ化ビニリデン)(PVdF)に捕捉されるラジカル種をESRで同定した。さらにこれらのラジカル種の安定性および酸素との反応をしらべ、PVdFの橋かけ、崩壊との関係について検討した。-196Cで捕捉される全ラジカルのG値は3.3で主なラジカル種は-CH-CF-CH-,-CH-CFである。これらのラジカルは酸素と反応して過酸化ラジカルに転換する。酸素はPVdFの結晶内部にも拡散し、ラジカルと反応するために、空気中において低線量率で照射した場合には、生成されるラジカルは過酸化ラジカルになり、橋かけ反応はせず、崩壊のみになる。
幕内 恵三; 瀬口 忠男; 諏訪 武; 阿部 俊彦; 田村 直幸; 武久 正昭
日本化学会誌, 1973(8), p.1574 - 1581, 1973/08
ポリフッ化ビニリデンの放射線架橋を化学的観点から検討した。ポリフッ化ビニルデンは、真空中で照射すると架橋したが、そのG値は0.6~0.8と小さく、主鎖切断のG値とほぼ同じ値であった。照射によってHFが発生し、ポリエンを含む不飽和結合が生成した。ポリエンは、共役数が増すと濃度は低下し、共役数5以上のポリエンの生成は認められなかった。発生したHFは、脱HF反応を促進する効果があることが認められた。酸素は架橋反応を阻害し、主鎖切断と脱HFを促進させた。酸素の影響は、線量率と試料の厚さによって変化した。線量率が高く、試料が厚くなるほど酸素の影響は少なくなった。酸フッ化物、カルボン酸などが酸化生成物として検出された。これらの結果を、ESR測定の結果と関連させ、架橋および主鎖切断、さらに酸化などの反応機構を考察した。
諏訪 武; 瀬口 忠男; 幕内 恵三; 阿部 俊彦; 田村 直幸; 武久 正昭
日本化学会誌, 1973(5), p.1046 - 1051, 1973/05
ポリフッ化ビニリデン(PVdF)は放射線照射することにより架橋する。我々は電子線、線を用い空気中および真空中で照射した場合の融解挙動をDSCを用いて、比較検討した。空気中照射した場合には、線と電子線による線量率の相違や酸素の作用が大きく影響する。その結果DSC曲線は複雑な挙動を示し、酸化切断および架橋のそれぞれ支配的に起る二つの領域が結晶内に存在することが認められた。真空中照射した場合には電子線と線による相違はほとんど認められず、単純な挙動を示した。融解温度Tm,結晶化温度Tcは照射線量の増加と共に低下し、その度合は架橋度の高い程大きいことが認められた。DSC曲線から求めた未照射PVdF結晶の融解熱は、1530cal/gである。200MR照射すると単位重量当りの融解熱は約17%減少した。またX線から求めた結晶化度の減少は約7%であった。
阿部 俊彦
電気工業年報, p.486 - 488, 1972/00
水の放射線分解の初期過程における活性種については,チェレンコフ光を分析光に利用するピコ秒パルス照射装置が開発され,水和電子,溶媒和電子の挙動が調べられた。
諏訪 武; 瀬口 忠男; 幕内 恵三; 阿部 俊彦; 田村 直幸; 武久 正昭
Reports on Progress in Polymer Physics in Japan, 15, p.503 - 506, 1972/00
ポリフッ化ビニリデン(PVF)は放射線照射することにより架橋する。我々は電子線、線を用い空気中および真空中で照射した場合の融解挙動をDSCにより検討した。真空中では単純な融解、結晶化曲線を与えるが、空気中では酸素との反応により架橋反応のみならず、酸化切断も起こり複雑な挙動を示す。融解温度および結晶化温度は照射線量の増加と共に減少する。温度降下は空気中より真空中で照射した架橋度の高い方が大きい。融解曲線の面積より計算した融解熱量を求めると、200Mrad照射した場合でも1割たらず減少しているにすぎない。
瀬口 忠男; 幕内 恵三; 諏訪 武; 田村 直幸; 阿部 俊彦; 武久 正昭
Reports on Progress in Polymer Physics in Japan, 15, p.513 - 514, 1972/00
ポリビニリデンフロライド(PVdF)は放射線に対して架橋型ポリマーであることが知られているが、照射によって生成する活性種については未知である。フッ素原子を含むラジカル種はESRのスペクトルを複雑にする。延伸して分子鎖を配向した試料を用いると、ラジカル種の同定が可能となった。照射して室温、真空中で捕捉されるラジカルはフッ素原子が1ケとれたアルキルラジカル-CH-CF-CH-と、ポリエニルラジカルである。-位のFの超微細分離は最大180Gaussである。ポリエニルラジカルは、真空中では、室温で安定である。アルキルラジカルの立体的な構造もわかった。