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若林 利男*; 飯島 一敬*; 北原 種道*
PNC TN941 85-69, 201 Pages, 1985/04
設計におけるドップラー反応度の計算は,燃料ペレット内温度分布を体積平均した温度を用いている。しかし,実際の温度分布は,PuO/2―UO/2ペレットの熱伝導率の温度依存性や燃料ペレット内の熱発生が一様でないことより,パラボラ曲線に近い形となる。また,ドップラー効果は主に燃料ペレット表面のウラン238の共鳴吸収によると考えられる。これらの効果を考慮すると燃料ペレット内温度分布を考慮した場合のドップラー反応度は,体積平均温度を使用した場合より正側となると考えられる。▲このため,今回の研究では燃料ペレット内温度分布を考慮した場合のドップラー反応度に与える効果を,RABBLE/WIMS―ATRコードで検討した。温度分布は実証炉の36本燃料集合体格子で通常運転時,過渡時,LOCAに相当する事象におけるものを用いた。▲その結果以下のことが明らかになった。▲1)燃料ペレット内温度分布を考慮したドップラー反応度係数の計算を行う場合,燃料ペレット内を等間隔で10分割すれば十分である。▲2)燃料ペレット内温度分布を考慮したドップラー反応度係数は,設計における体積平均温度を用いたドップラー反応度係数より通常運転時で最大約5%正側,過渡時で最大約5%正側,LOCAに相当する事象で最大約6%負側となる。▲実証炉設計では体積平均温度を用いたドップラー反応度係数計算値に,「ふげん」,DCA,SGHWRの実測値評価による誤差14%とその他裕度として6%を加えた20%の設計余裕を考慮しており,設計に体積平均温度を使用することは問題ない。▲
若林 利男*; 飯島 一敬*; 菅原 悟*
PNC TN952 82-05, 162 Pages, 1982/03
新型転換炉の燃焼計画,制御棒計画及び熱水力計算用コードの一つとして3次元核熱水力計算コードLAYMONが使用されている。このコードを基にして,CPR(CriticalPowerRatio)計算ルーチンの追加,入力データ及び計算結果処理の簡略化を図った会話型LAYMONコードシステムを作成した。本コードシステムの特徴としては次のことがあげられる。 1)新型転換炉実証炉で熱的制限値評価に用いられているMCPR(MinimumCriticalPowerRatio)計算ルーチンを組み込み,一貫して実証炉の核熱水力特性評価が行える。 2)会話型式で入力及び計算結果の処理が容易に行える。 3)グラフィックディスプレイ装置を用いて,計算結果を2次元又は3次元で容易に,迅速にグラフ化することができる。▲本コードシステムの作成により,新型転換炉実証炉設計における予備解析や大型炉に対する検討等が容易に迅速に行なえるようになった。今後,ふげん,実証炉等において本コードシステムを適用することにより,刻々変化する炉心の核熱特性が迅速に予測することができる。
若林 利男*; 福田 研二*; 速水 義孝*; 菅原 悟*; 北原 種道*; 飯島 一敬*
PNC TN952 79-22, 71 Pages, 1979/09
原子力関係の文献,書籍をTSS(タイム・シアリング・システム)を利用し,会話形式で検索できる文献検索コード(SESYL)を作成した。本コードの特徴としては次の点があげられる。 1)会話形式のため検索が容易であり即応性にすぐれている。 2)検索方法として,分類番号,著者,出典,キーワード,タイトル,アブストラクト等があるが,そのどれについても同じ操作方法で容易におこなうことができる。 3)プログラム上の検索方法としてペターンマッチング法を採用し,検索時間の短縮が得られた。 本コードはCDC6600/CYBER計算機を用いて,一件の検索時間は5sec以下である。また,現在の収納文献数は約1000件である。
小綿 泰樹*; 飯島 一敬*; 柴 公倫*
PNC TN941 79-19, 132 Pages, 1979/02
ATR型炉における冷却材喪失時の反応度を燃料組成,ウラン燃料とプルトニウム燃料の装荷割合ならびに可燃性毒物として減速材へ添加されたホウ素10の濃度をパラメータとして25―cmピッチ正方格子の重水臨界実験装置で測定した。反応度の測定はパルス中性子法によって行い,また即発中性子減衰定数からドノレ反応度への変換は生成時間の変化を考慮したSimmons&Kingの式を用いて行った。体系は1.2wt%濃縮ウラン燃料一様炉心の中央部を,プルトニウムと天然ウラン混合酸化物の組成のプルトニウム燃料に順次置き換えた種々の二領域炉心の構成である。その結果プルトニウム燃料領域の統計的重率は0から最大0.6まで変化させたことになる。使用されたプルトニウム燃料は91wt%の核分裂性プルトニウムを含み,その富化度がそれぞれ0.54wt%,0.87wt%の2種類である。また減速材としてはボロンを含有しない99.45mol%の重水およびこれに3.9ppmのホウ素10を溶解させた重水の2種類である。▲冷却材喪失時反応度の理論解析はBENOIST理論に基づく拡散係数の異方性を考慮し,MET-HUSELAH―2およびCITATION両コードを用いて行われた。この計算コードから得られる結果を摂動理論に応用して冷却材の喪失にともなう中性子漏洩,中性子スペクトルならびに正味の中性子発生率の変化にもとづく各反応度成分について詳細な検討を加えた。▲表に示した実験および理論解析結果から以下のことが結論される。▲1)22.5cmピッチ炉心における実験結果と同様に今回の25―cmピッチ炉心においても燃料中の核分裂物質の重量率が等価であれば,プルトニウム燃料はウラン燃料より冷却材喪失時反応度を負側へ移行させる効果が大きく,また余剰反応度抑制の目的で減速材へ添加するボロンは冷却材喪失時反応度を正側へ移行させる効果を有する。▲BENOIST理論に基づいた拡散係数の異方性を考慮して求めた理論値は異方性を考慮しない場合に比べて実験値との不一致は大幅に改善されるようになり0.8$以内で実験値を再現する。▲冷却材の喪失による反応度を中性子漏洩昼の変化による成分とその他の成分に分離すれは,冷却材喪失時反応度の符号とは無関係に冷却材の喪失は必ず中性子漏洩を増加させるため漏洩による反応度成分は負になる。▲冷却材喪失時反応度の正側
若林 利男*; 飯島 一敬*; 菅原 悟*; 福田 研二*; 宮脇 良夫; 北原 種道*
PNC TN941 78-13VOL1, 266 Pages, 1978/01
新型転換炉実証炉用の54本燃料集合体において,格子ピッチ,プルトニウム富化度,ウラン濃縮度を変えた場合の炉心,核特性を,運転制御上重要な出力係数及び冷却材ボイド反応度,燃料経済上重要な燃焼度及び燃料サイクル指標に着目し,検討をおこなった。▲今回の計算結果から,54本燃料集合体において利用できるウラン濃縮度,プルトニウム富化度のあらゆる組合せの燃料について,核特性の定量的検討が可能となった。▲実証炉用装荷燃料は核特性の面から次の様に評価できる。▲1)運転制御上からかなり広範囲のウラン及びプルトニウム富化燃料が使用できる。▲2)ウランとプルトニウムの混合燃料の場合,天然ウラン又は微濃縮ウラン(1.0wt%ウラン235)にプルトニウムを富化した燃料が核特性上一番良い。▲3)プルトニウムを富化する量は,局所ピーキング係数,出力ミスマッチが許される範囲で,できるだけ多い方が良い。▲4)濃縮ウラン燃料の場合,格子ピッチがある程度以上大きくなると運転制御上の面で使用が困難となる。▲
若林 利男*; 飯島 一敬*; 速水 義孝*; 福田 研二*; 菅原 悟*; 宮脇 良夫
PNC TN941 77-75, 40 Pages, 1977/05
原子炉制御のための液体ポイズン管としては,イギリスのSGHWRの急速停止系,カナダのCANDO―PHWの領域制御系に使われている。▲今回の大型炉反応度制御系の検討では,この液体ポイズン制御管を反応度制御系の主なものとして使用する場合の反応度制御特性,設計条件,設計に必要なR&D項目等について検討をおこなった。▲微・粗調整系用の液体ポイズン管として2重管構造のものを使用し,ポイズン管内の液面制御をおこなえば,固体制御棒と同じ程度に制御可能であることが認められた。また安全系の急速停止用ポイズン管についても,微・粗調整系に用いたものと同じ構造のポイズン管で十分であり,かつ注入に必要なポイズンを貯蔵しておくヘッドタンクも高圧に加圧する必要がないことが認められた。▲今後の液体ポイズン制御管系の設計はR&Dにより特性および信頼性を確認しつつおこなわれる予定である。▲
若林 利男*; 飯島 一敬*; 福田 研二*; 菅原 悟*; 速水 義孝*; 宮脇 良夫
PNC TN941 77-74, 34 Pages, 1977/05
燃料中にバーナブルポイズンを入れることの目的には,余剰反応度の抑制,局所ピーキングおよび出力ミスマッチの改善,パーンアップの向上等があげられる。▲今回の大型炉炉心特性の検討では,バーナブルポイズンとしてガドリニウムを使用した場合の炉心特性,すなわち余剰反応度抑制効果,局所ピーキング,出力ミスマッチの改善および冷却材ボイド反応度に与える影響等について検討した。▲検討結果としては次のことがあげられる。▲1)ガドリニウムバーナブルポイズンを用い余剰反応度を長く抑制しておくには,燃料集合体の内側層の特定の燃料棒に多量にガドリニウムを添加しなければならない。▲2)局所ピーキングの改善はガドリニウムバーナブルポイズンでは困難である。▲3)出力ミスマッチについては6%18%改善される。▲4)ガドリニウムバーナブルポイズンの添加は冷却材ポイド反応度をより負側にする。▲
小綿 泰樹*; 柴 公倫*; 飯島 一敬*
PNC TN941 76-09, 65 Pages, 1976/01
期間1974年5月8日1975年1月14日▲目的プルトニウム燃料装荷炉心における冷却材ボイド反応度のプルトニウム同位体組成比およびプルトニウム燃料装荷体数依存性を実験により明らかにするとともに,設計コードの計算精度を検討する。▲要旨▲22.5cm格子ピッチをもつDCAの1.2w/o濃縮ウラン燃料装荷炉心ならびにこの炉心の中央部の燃料を遂次0.87w/o富化プルトニウム燃料に置換していった二領域炉心において冷却材喪失時のボイド反応度を測定した。反応度はパルス中性子によって測定し,即発中性子生成時間の変化による補正を行なった。プルトニウム燃料としては,同一富化度をもつが,核分裂性プルトニウムの同位体組成比の異なる二種類の燃料を使用することにより,ボイド反応度の核分裂性プルトニウム同位体割合ならびにプルトニウム燃料置換体数依存性を明らかにした。更に,METHUSELAH-2&CITATIONコードによる計算値と比較検討した。下表に示された結果より,次のようなことが結論される。▲1)冷却材喪失時のボイド反応度はプルトニウム燃料の置換体数の増加とともに負側に移行する。▲2)プルトニウム燃料中の核分裂性プルトニウム同位体割合の増加はボイド反応度を負側に移行させる。3)METHUSELAH-2CITATIONコードはボイド反応度を実験値より正側に見積り,実験値と計算値との不一致は核分裂性プルトニウム同位体割合が増加するほど大きい。▲
柴 公倫*; 飯島 一敬*; 小綿 泰樹*; 磯村 和利*
PNC TN941 75-50, 70 Pages, 1975/05
期間1975年4月9日1975年5月8日▲目的臨界水位の測定に使用する精密水位計の精度,較正方法を明らかにするとともに,臨界水位の再現性に影響を及ぼす諸因子を定量的に把握する。▲要旨▲DCAの臨界水位は付設の精密水位計で測定されるため,この精密水位計の精度,較正法等を把握するとともに,臨界水位に影響を与える諸要因について検討を行なった。燃料ペレットと同面の炉心下部グリット板上面から重水表面までの距離と精密水位計指示値との関係を測定することによって精密水位計の較正方法を明らかにし,更に精密水位計指示値のずれの経年変化も調べた。また,基準炉心で測定された臨界水位を整理することにより,臨界水位の再現性に影響を及ぼす因子を調べた。これらの検討の結果,次の事が明らかになった。▲1)精密水位計の較正の際,カセットメータを用いる方法によれば,精密水位計の指示値は+-0.2mm以内の精度で較正可能である。▲2)精密水位計指示値のずれには平均約1mm/年の経年変化がみられるので,定期的に前述の方法により精密水位計を較正する必要がある。▲3)重水温度,精密水位計の誤差等を考慮した場合,臨界水位の再現性は+-約2.5mmである。▲4)重水濃度0.1モル%の劣化に対して,臨界水位は0%ボイド炉心で約+2.4mm,100%ボイド炉心で約-2.2mm変化する。▲
若林 利男*; 飯島 一敬*
PNC TN941 75-39, 53 Pages, 1975/05
期間1974年11月日1975年5月日▲目的DCAにおける炉内の絶対熱中性子束分布を測定し,この種の炉心の中性子束分布の計算精度をチェックする資料を提供する。▲要旨▲0.87w/oPuO/2―UO/2(リアクタークレード)燃料25体および1.2w/oUO/2燃料96体が装荷された炉心において,絶対熱中性子束が金箔の箔放射化法によって求められた。金箔の絶対放射化量の測定は―同時計数法と4線計数法の2つの方法でおこない,その精度,信頼性も調べた。またDy箔による炉心全体のグロスな熱中性子束分布の測定結果を利用し,炉心全体の絶対熱中性子束分布も求めた。▲金箔の絶対放射化量の測定結果は―同時計数法,4線計数法ともほぼ誤差の範囲内でで一致し,測定方法の信頼性が確められた。▲金箔の絶対放射化量より求めた絶対熱中性子束の測定誤差は+-6%であり,又炉内全体の絶対熱中性子束分布の誤差は+-8%であった。▲
若林 利男*; 飯島 一敬*; 八谷 雄喜*; 福村 信男*; 仁柴 明人*
PNC TN941 74-26, 46 Pages, 1974/06
[期間] 1972年8月日1973年9月 日、[目的] プルトニウム燃料を装荷した炉心における単位格子内熱中性子束分布の測定をおこない,「ふげん」の核設計に使用されているコードとの比較をおこなう。[要旨] 0.54w/oPuO-UO/2燃料を装荷した22.5cmピッチ炉心において,冷却材ボイド率を0%,30%,70%,100%にした場合の単位格子内の熱中性子束分布をDy-A1合金箔を用いた箔放射化法によって求めた。またNOAH―2コードによる計算値との比較もおこなった。▲重水中の熱中性子束分布の精度が新しい測定用具を使用したたか向上し,また新しく圧力管内側,カランドリア管内側での測定により圧力管,カランドリア管における熱中性子束分布の様子がはっきりし計算との比較もより精密におこなえるようになった。▲NOAH-2による計算値との比較では、0%, 30%, 70%ボイドにおける実験値より100%ボイドの実験値がよく一致した。
飯島 一敬*; 相原 永史*; 平山 卓*; 米田 平*; 福村 信男*; 宮脇 良夫
PNC TN941 74-22, 52 Pages, 1974/05
期間1970年4月日1974年4月16日▲目的ウラン燃料およびプルトニウム燃料を装荷したDCA炉心の核計算に必要な人力定数を作成する。▲要旨設計コードまたは詳細計算コードを用いて核計算を行う場合に必要とされる入力定数がまとめられた。炉心を構成している物質の組成や寸法のいわゆる人力定数は,実際に用いられている物質の試験・検査成績書に基づいて作成された。定数の精度の目安となる平均値に対する標準偏差およびおもな物質の化学成分分析値も参考としてまとめられている。▲ここに収録されている燃料物質および冷却材ボイド率は下記の通りである。▲二酸化ウラン燃料▲渡縮度;1.2%,1.5%および天然▲ウラン・プルトニウム混合酸化物燃料▲富化度;0.54w/oおよび0.87w/o▲プルトニウム組成;スタンダート・グレードおよびリアクター・グレード▲冷却材ボイド率▲0%,30%,70%,86.7%のおよび100%▲
村松 精*; 柴 公倫*; 飯島 一敬*; 坂田 肇*
PNC TN941 74-15, 71 Pages, 1974/04
期間1972年7月19日1973年9月5日▲目的ATR型炉にプルトニウム燃料を部分装荷した場合の冷却材ボイド反応度を実験によって求める。▲要旨1.2%濃縮ウランを装荷したDCA炉心の中心部の燃料を0.54w/o富加プルトニウム燃料で置換し,パルス中性子法により,冷却材ボイド反応度を測定した。第1表に得られた結果を示す。この結果から次のことが結論される。▲1)プルトニウム燃料を部分装荷した炉心において,ボイド反応度は負の値を有し,これはボイド率の増加に伴い負側へ移行する。▲2)プルトニウム燃料の装荷体数の増加はボイド反応度を負側に移行させる。▲3)プルトニウム燃料の装荷体数の増加はボイド反応度に対する中性子の漏洩の寄与分を減少させる。25体装荷された炉心では,中性子の漏洩は必ずしもボイド反応度に負の寄与を与えない。▲
飯島 一敬
原子力システムニュース, 5(4), 21-28 Pages,
発表者(1992年4月1994年10月パリに長期出張)が、フランスの原子力の現状と開発の歩みについて、公開情報と見聞きしたことを中心に紹介したもの。