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平原 徹*; Otrokov, M. M.*; 佐々木 泰祐*; 角田 一樹*; 友弘 雄太*; 日下 翔太郎*; 奥山 裕磨*; 一ノ倉 聖*; 小林 正起*; 竹田 幸治; et al.
Nature Communications (Internet), 11, p.4821_1 - 4821_8, 2020/09
被引用回数:41 パーセンタイル:93.11(Multidisciplinary Sciences)We fabricate a novel magnetic topological heterostructure MnBiTe/BiTe where multiple magnetic layers are inserted into the topmost quintuple layer of the original topological insulator BiTe. A massive Dirac cone (DC) with a gap of 40-75 meV at 16 K is observed. By tracing the temperature evolution, this gap is shown to gradually decrease with increasing temperature and a blunt transition from a massive to a massless DC occurs around 200-250 K. Magnetic measurements show that there are two distinct Mn components in the system that corresponds to the two heterostructures; MnBiTe/BiTe is paramagnetic at 6 K while MnBiTe/BiTe is ferromagnetic with a negative hysteresis (critical temperature 20 K). This novel heterostructure is potentially important for future device applications.
黒田 健太*; 新井 陽介*; Rezaei, N.*; 國定 聡*; 櫻木 俊輔*; Alaei, M.*; 木下 雄斗*; Bareille, C.*; 野口 亮*; 中山 充大*; et al.
Nature Communications (Internet), 11, p.2888_1 - 2888_9, 2020/06
被引用回数:20 パーセンタイル:75.49(Multidisciplinary Sciences)Solids with competing interactions often undergo complex phase transitions. Among them, CeSb is the most famous material where a number of the distinct magnetic phases called devil's staircase appear. We observed the electronic structure evolution across the devil's staircase transitions using bulk-sensitive angle-resolved photoemission spectroscopy.
古作 泰雄; 黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 秦野 歳久; 佐藤 聡; 佐藤 真一*; 大崎 敏雄*; 三木 信晴*; 秋場 真人
JAERI-Tech 2003-058, 69 Pages, 2003/06
ITERの増殖ブランケット設計は、中性子増倍材微小球充填層中にトリチウム増殖材微小球の管状充填層(BIT)を置く構造を採用している。設計は、遮蔽ブランケットと同一のモジュール支持構造と冷却マニフォールドを使用することを仮定したものである。本研究では、微小球充填層型増殖ブランケットに特有の設計課題である、トリチウム増殖性能核解析,トリチウム放出挙動解析,ペブル充填層を考慮した熱機械特性解析を実施し、設計が妥当であることを明らかにした。
黒田 敏公*; 秦野 歳久; 三木 信晴*; 廣木 成治; 榎枝 幹男; 大森 順次*; 佐藤 真一*; 秋場 真人
JAERI-Tech 2002-098, 136 Pages, 2003/02
ITER-FEATの遮蔽ブランケット設計における日本での検討事項をまとめた。第一壁/遮蔽ブロックの熱・応力解析及び遮蔽ブロックの熱・流力解析を行い、遮蔽ブロックの一部に熱応力が過大となる箇所があること、また遮蔽ブロック内の流路で閉塞的な状態となっている箇所があることを指摘するとともに改善を提案した。つぎに、ソリッド要素を用いた3次元電磁力解析を行って、ディスラプション時にブランケットモジュールに生じる電磁力を求めるとともに、第一壁と遮蔽ブロック、また遮蔽ブロックと真空容器の接続構造の強度検討を行った。最後に、ブランケットへの主給排水管が真空容器内部に埋設された場合の水-水リーク検出システムについて検討した。
黒田 敏公*; 佐藤 和義; 秋場 真人; 江里 幸一郎; 榎枝 幹男; 大崎 敏雄*; 古作 泰雄; 佐藤 聡; 佐藤 真一*; 鈴木 哲*; et al.
JAERI-Tech 2002-044, 25 Pages, 2002/03
ITERの主要炉内機器である遮蔽ブランケットとダイバータに対し、それらが厳しい負荷に耐えつつ要求された機能を満たすために必要となる製作技術の開発を行った。前者ではHIP法を適用した異材接合技術及びウォータージェットと放電加工を用いてスリット加工技術を開発した。後者では、狭隘な設置スペースにも対応できる同軸二重冷却管の製作技術,また、冷却管として用いる銅合金の強度維持用熱処理をも考慮した。C/Cコンポジットと銅合金の1ステップろう付け技術等を開発した。いずれも、高熱負荷試験による性能確認を行うとともに、実規模大のモックアップを試作して製作性を確認し、実機製作への見通しを得た。
黒田 敏公*; 榎枝 幹男; 菊池 茂人*; 大森 順次*; 佐藤 真一*; 大崎 敏雄*; 古谷 一幸; 秦野 歳久; 佐藤 聡; 高津 英幸
JAERI-Tech 98-051, 71 Pages, 1998/11
トリチウム増殖材と中性子増倍材をいずれも微小球ペブル状として充填する設計となっているITER増殖ブランケットに対し、とくにペブル充填層の熱・機械特性に着目して汎用熱・構造解析コードABAQUSの特殊計算オプションを使用した熱・機械解析を実施した。また、耐高熱負荷が問題となる第一壁について、Beアーマとステンレス鋼構造材の接合部における熱応力履歴を弾塑性解析により求めると共に、これに基づいて、アーマ/構造材接合部における強度評価方法について検討した。さらに、増殖ブランケット・モジュールの製作に関し、第一壁及び冷却パネル、増殖材充填部等の各構成要素を個々に製作し、それらを組み合わせることを基本として各構成要素の製作方法及び全体組立手順を検討した。
佐藤 聡; 高津 英幸; 榎枝 幹男; 古谷 一幸; 秦野 歳久; 黒田 敏公*; 大崎 敏雄*; 山田 弘一*; 佐藤 真一*; 小原 祥裕
Fusion Technology, 34(3), p.892 - 897, 1998/11
熱間静水圧加圧(HIP)接合等の先進的製作手法を用いて、ITER遮蔽ブランケットプロトタイプモデル(幅約1.6m、高さ約1m、厚さ約0.4m)の製作に成功した。複雑な冷却流路を有する湾曲したステンレス鋼の遮蔽ブロックを長尺ドリル孔加工及び10,000トンプレスを用いた曲げ加工により製作、ステンレス鋼の円管を有するアルミナ分散強化銅の第一壁と遮蔽ブロックをHIP接合により製作することにより、目標とする精度で遮蔽ブランケットを製作できることを実規模レベルで初めて実証した。本発表において、詳細な製作過程、及び本製作において得られた製作に関る工学的データを報告する。
古谷 一幸; 佐藤 聡; 三浦 秀徳*; 黒田 敏公*; 倉沢 利昌; 戸上 郁英*; 秦野 歳久; 高津 英幸; 大崎 敏雄*; 佐藤 真一*; et al.
Fusion Technology 1996, 0, p.1343 - 1346, 1997/00
遮蔽ブランケットモジュール小規模モデルと円管内蔵型第1壁パネルを製作した。小規模モデルは第1壁のポロイダル方向に曲率2000mmを有する高さ500mm、幅400mm、奥行き150mmの箱形形状構造体で、第1壁と遮蔽ブロック体から構成される。第1壁はDSCu、SS316L冷却配管、及びSS316L裏板より構成される。遮蔽ブロック体は冷却水流路用にドリル穴加工を施したSUS316塊である。第1壁及び第1壁と遮蔽ブロック体は同時HIPにより接合された。接合状態は良好で、HIP処理後の小規模モデルの寸法精度は1mm以下であった。円管内蔵型第1壁パネルは厚さ27mm、幅130mm、長さ300mmの板状で、DSCu及びSUS316L裏板より構成され、DSCu内部にはSUS316冷却配管を埋め込んである。第1壁パネルにおけるDSCu/DSCu,DSCu/SUS316L、及びSUS316L/SUS316L同士の接合には同時HIPを適用した接合状態は良好であり、寸法誤差も最大0.52mmであった。
三浦 秀徳*; 喜多村 和徳*; 伊藤 裕*; 高津 英幸; 黒田 敏公*; 佐藤 聡; 古谷 一幸; 秦野 歳久; 倉沢 利昌; 戸上 郁英*; et al.
Fusion Technology 1996, 0, p.1339 - 1342, 1997/00
国際熱核融合実験炉(ITER)の高性能段階(EPP)で装荷される増殖ブランケットの設計を日本ホームチームの提案するペブルベッド概念に基づいて実施した。その結果、基本性能段階(BPP)と同寸法のままで、PFコイルに対する遮蔽性能はGDRDの要求値を満足し、EPPでの運転に必要なトリチウムを確保するために要求されるトリチウム増殖比(TBR)0.8を達成できることが分かった。また構造解析においても、電磁力および熱応力値は、許容値以下に抑えられる見通しを得られた。
坂村 高洋*; 黒田 真一*; 久保田 仁*; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
光グラフト重合を利用した燃料電池用電解質膜の作製を試み、得られた膜の特性を評価した。気相系の光グラフトの場合、キトサンを塗布したETFE膜をスチレンモノマー蒸気に暴露することにより行った。一方、液相系の光グラフトでは、スチレン-水/アセトン(1/5vol%)溶液中にキトサンを塗布したETFE膜を入れ、行った。それぞれの膜をグラフト後、スルホン化した電解質膜のプロトン導電性を測定したところ、気相系と液相系で得た電解質膜の膜面方向のプロトン導電性に違いは見られなかった。しかしながら、膜厚方向のプロトン導電性では、同じイオン交換容量において違いが生じ、気相系に比べて液相系で得られた電解質膜のプロトン導電性が高くなることがわかった。ちなみに、イオン交換容量が2.0mmol/gでの膜厚方向のプロトン導電性では、気相系の0.036S/cmに対し、液相系では0.072S/cm であった。この原因を明らかにするために、膜断面のEDS分析により、膜中のイオウ(S)成分の分布を調べたところ、液相系では膜表面と膜中央に均一にイオウ成分が分布していることがわかった。それに対し、気相系の場合、イオン成分の分布は膜表面に集中し、膜中心部には少ないことがわかった。これらの結果から、膜中のスルホン酸基の均一・不均一分布が膜厚方向のプロトン導電性の違いに影響を与えたと結論した。
湯澤 厚輔*; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
光グラフト重合を利用した新規な燃料電池用電解質膜の作製を試み、得られた膜のイオン交換容量,プロトン伝導性及び耐久性などの特性を評価した。キトサンを塗布した膜厚の異なる(25, 50, 100m)ポリフッ化ビニリデン(PVDF)膜をスチレン-水/アセトン(1/5vol%)溶液中に入れ、液相系光グラフト重合を行った。次いで、このグラフト膜を、0.2Mのクロロスルホン酸を含むジクロロエタン溶液に浸漬し、スルホン化した。19.8%のグラフト率をもつ膜厚の異なるPVDF膜をスルホン化して得た電解質膜の膜厚方向と膜面方向におけるプロトン伝導性を測定したところ、膜厚によって双方のプロトン伝導性に差異が生じることがわかった。すなわち、25, 50, 100m厚さのPVDF膜の膜面方向におけるプロトン伝導性は、それぞれ0.052, 0.073, 0.080S/cmであったが、膜厚方向では0.085, 0.125, 0.142S/cmになり、すべての膜厚のPVDF膜において膜面方向より膜厚方向のプロトン伝導性が大きくなった。さらに、膜厚が大きくなるほど膜面方向と膜厚方向でのプロトン伝導性の差が広がることがわかった。
坂村 高洋*; 黒田 真一*; 久保田 仁*; 浅野 雅春; Chen, J.; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
架橋構造を有するポリテトラフルオロエチレン(cPEFE)へのスチレンの放射線グラフト重合及び光グラフト重合により得られた燃料電池用電解質膜の特性を比較検討した。放射線グラフトは、アルゴンガス雰囲気下で線を20kGy照射したcPTFEにアルゴンガスで置換したスチレン/トルエン(4/6vol%)溶液を注入し、60Cで行った。また、光グラフトでは、スチレン-水/アセトン(5/1vol%)溶液中にキサントンを塗布したcPTFEを入れ、60Cで行った。それぞれの膜をグラフト後、スルホン化し電解質膜とした。電解質膜の含水率は放射線グラフト重合及び光グラフト重合による作製法の違いは見られず、ほぼ同じ値であった。また、破断強度は光グラフト系cPTFE膜,放射線グラフト系cPTFE膜,放射線グラフト未架橋PTFE膜の順に低下し、32MPa, 23MPa, 17MPaの値を示した。これらの結果から、放射線グラフト法に比べて光グラフト法では、基材高分子の劣化を抑制できると推察した。
山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*; 浅野 雅春; Chen, J.; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
イオンビームを照射したエチレン・テトフルオロエチレン共重合体(ETFE膜)とポリフッ化ビニリデン(PVDF膜)へのスチレンの光グラフト重合を行い、次にスルホン化して得た電解質膜の特性を検討した。450MeVのXeイオンを照射したETFE膜(25m)にキサントンを塗布し、スチレン-水/アセトン(5/1vol%)溶液中に浸漬し、60Cで光グラフト重合を行った。その結果、310ions/cmのフルエンスでXeイオンを照射したETFE膜は、未照射ETFE膜に比べて、グラフト率が高くなることがわかった。たとえば、光グラフト重合開始から1時間後のグラフト率を比較した場合、未照射膜が6%なのに対し、イオン照射膜では15%にまで達した。これは、イオン照射により形成された損傷部(潜在飛跡)にスチレンが浸透しやすくなったためと結論した。しかし、グラフト率に対するプロトン伝導率の検討から、電解質膜の導電性はイオン照射による影響を受けないことがわかった。
吉田 勝; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*
no journal, ,
ポリテトラフルオロエチレンに代表されるフッ素系高分子の場合、紫外線によってフッ素原子が引き抜かれ、グラフト重合の開始に必要な炭素ラジカルを形成するだけのエネルギーを持たないため、光グラフト重合は不可能とされていた。しかし、水と溶媒の混合系に疎水性のビニルモノマーを懸濁させ、得られたモノマー溶液中にフィルムを浸漬した状態で紫外線を照射したところ、光グラフト重合が起こることがわかった。グラフト鎖が膜表面から膜断面を貫通したかどうかを確かめるため、グラフト膜をスルホン化し、電解質膜とした。この電解質膜の膜厚方向のプロトン伝導度を測定したところ、低グラフト率にもかかわらずナフィオンを凌駕するプロトン伝導性能を発現したことから、効率的にグラフト鎖が膜を貫通したことが確認できた。この結果は、膜内に分布しているスルホン酸基中の硫黄元素のX線マイクロアナライザーによる観察からも示唆された。さらに、比較のため、部分フッ素系高分子であるエチレン・テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)やフッ化ビニリデン(PVDF)についても検討した。
木村 祥亮*; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 片貝 良一*; 久保田 仁*; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
イオンビームにより形成される潜在飛跡領域と基材表面層に選択的にグラフト鎖を導入することを目的に、基材表面にのみラジカル生成が可能な光グラフト(UV法)と基材内部にまでラジカル生成が可能な線グラフト(法)を利用することで、寸法変化を抑制した高プロトン伝導性電解質膜の作製を目指した。ETFE膜に129Xeイオン(3.5MeV/n)を照射した膜に、UV法と法によりStを後グラフト重合した後、スルホン化し電解質膜を作製した。同程度のを持つ電解質膜の含水率を尺度とした寸法変化に及ぼす影響を検討したところ、UV法に比べて法の含水率は約1/2にまで抑制された。法における電解質膜の含水抑制は、アルコール系溶媒が基材内部にまでラジカルが存在するにもかかわらず、表面化学修飾にのみ作用したためと結論した。一方、UV法の場合、グラフト鎖は基材全体に導入されるため高い含水率を示したと考えた。
吉田 勝; 浅野 雅春; Chen, J.; 前川 康成; 山本 利徳*; 黒田 真一*; 久保田 仁*
no journal, ,
光グラフト重合を利用した電解質膜の作製におけるフッ素系高分子基材の影響について検討した。光グラフト重合は、疎水性モノマー(スチレンなど)と水の両方に可溶な有機溶媒中にキサントンを塗布した高分子フィルムを浸漬し、高圧水銀ランプを用いて、窒素ガス雰囲気下、60Cで行った。グラフト膜をスルホン化して得た電解質膜の膜厚方向のプロトン伝導度から、グラフト鎖は、いずれの基材においても膜断面を貫通していることが確認できた。しかしながら、ナフィオン相当のプロトン伝導度(0.06S/cm)を得るために、グラフト率は基材によって異なり、PTFE, PVDF, ETFEに対し、7%, 18%, 26%のグラフト率が必要であることも判明した。これらの基材の結晶化度は、上述の順で、64%, 46%, 34%である。グラフト鎖は結晶領域に伸張しないことから、低グラフト率で高プロトン伝導度の機能発現の要因として、結晶構造の違いが考えられる。
吉田 勝; Chen, J.; 浅野 雅春; 前川 康成; 木村 祥亮*; 黒田 真一*; 久保田 仁*
no journal, ,
イオンビームにより形成される潜在飛跡領域と基材表面層に選択的にグラフト鎖を導入することを目的に、光グラフト(UV法)と線グラフト(法)を利用することで、寸法変化を抑制した高プロトン伝導性電解質膜の作製を目指した。ETFE膜にXeイオンを照射後、ラジカルをクエンチした膜にUV法と法によりスチレンをグラフトした。このグラフト膜をスルホン化することにより電解質膜を得た。膜厚方向が同程度のプロトン伝導度を持つ電解質膜の含水率はUV法に比べ法の含水率は約1/2にまで抑制された。法における電解質膜の含水抑制は、重合溶媒の選択によりグラフト鎖が膜の表面層に選択的に導入されたためであり、スルホン酸基の断面におけるX線プロファイルからも明らかとなった。一方、UV法の場合、グラフト鎖は基材全体に導入されるため高い含水率を示したと考えられる。
木村 祥亮*; 黒田 真一*; 久保田 仁*; 浅野 雅春; Chen, J.; 前川 康成; 吉田 勝
no journal, ,
電子線照射により架橋を導入した架橋高密度ポリエチレン(cHDPE)に、基材表面にのみラジカル生成が可能な光グラフト(UV法)と基材内部にまでラジカル生成が可能な線グラフト(法)を利用してグラフト鎖を導入、次いでスルホン化により電解質膜を作製した。電解質膜の耐久性を80Cの熱水中で評価したところ、UV法では法に比べ約10倍スルホン酸基保持グラフト鎖が化学的に安定であることがわかった。法では、基材自身の分子鎖切断が優先的に起こり、主鎖の低分子化とともに基材表面のみならず内部へも生成することから、その場所を起点に短いグラフト鎖が分布するため、スルホン酸基保持グラフト鎖の分解が加速されたと推察した。一方、UV法では、スルホン酸基保持グラフト鎖が基材の表面から内部に伸長する過程において、より高分子化が可能であり、結果的に基材内部で複雑な絡み合いなどを形成するため、脱離し難い構造になったと考えた。