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重富 洋志*; 岡 潔; 大井 豪一*; 古川 直人*; 吉田 昭三*; 川口 龍二*; 永井 景*; 春田 祥治*; 柳瀬 康仁*; 赤坂 珠理晃*; et al.
日本レーザー医学会誌, 33(2), p.131 - 135, 2012/08
原子力機構では配管内の保守・保全を目的として、配管内作業ツールの検討を行っている。本ツールに搭載する複合型光ファイバスコープは、観察とレーザー導光の光軸が同一である。これにより対象となる狭い配管内での溶接/切断作業においても、目標位置での的確な作業を容易に行うことができる。一方、奈良県立医科大学では妊孕性を考慮した子宮体部癌治療に興味を持ち、レーザー治療の研究を進めている。本件は、原子力機構がこれまでに開発した複合型光ファイバ技術をもとに、臓器内部を観察しながら同時に病変部分にレーザー光を照射する技術開発を担当し、奈良県立医科大学が内視鏡的なアプローチにより子宮体部癌の治療技術に関して研究を行い、双方が協力して子宮体癌用低侵襲レーザー内視鏡システムに関する研究を行った成果についてまとめたものである。
Han, A. H.*; 若原 孝次*; 前田 優*; 赤阪 健*; 藤塚 守*; 伊藤 攻*; 山本 和典; 加固 昌寛*; 小林 郁*; 永瀬 茂*
New Journal of Chemistry, 33(3), p.497 - 500, 2009/03
被引用回数:7 パーセンタイル:32.52(Chemistry, Multidisciplinary)フラーレンC構造異性体を分離する新たな化学的方法が見つかった。C()とC()の混合物に対してジシリランの光化学的環化付加反応を行うと、異性体の一付加体のみが得られる。もう一方の異性体C()は、ジシリランとの一付加体を与えない。付加体でないC()異性体と、C()異性体の一付加体は、高速液体クロマトグラフィー法で簡単に分離できる。さらに当該付加体に関して酸化的脱シリル化反応が簡単に行えるので、付加前のC()異性体を簡単に手にすることができる。この一連の「シリル化-酸化的脱シリル化」反応の流れにおいて、C()とC()の分離と単離が化学的に達成されることがわかった。
赤阪 健*; 河野 孝佳*; 竹松 裕司*; 二川 秀史*; 仲程 司*; 若原 孝次*; 石塚 みどり*; 土屋 敬広*; 前田 優*; Liu, M. T. H.*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 130(39), p.12840 - 12841, 2008/10
被引用回数:76 パーセンタイル:84.42(Chemistry, Multidisciplinary)Gd@Cのcarbene付加体(Gd@C(ad), Ad=adamantylidene)の単結晶を用いたX線結晶構造解析について報告する。Gd@C(ad)におけるGd原子は、C2v-Cフラーレンケージの中心から六員環方向に接近した場所に位置しており、この位置はM@C(M=Sc and La)やLa@C(Ad)で確認されている金属原子の位置とほぼ等しいことがわかった。理論計算の結果からも、X線結晶構造解析の結果を支持する結果が得られた。
及川 聡洋; 土屋 勝彦; 栗原 研一; 川俣 陽一; 福田 武司*; 藤田 隆明; 赤坂 博美; 米川 出; 閨谷 譲
JAERI-Research 2003-027, 19 Pages, 2003/12
JT-60UにおいてMHD安定性制御を目的としてプラズマ蓄積エネルギーの実時間帰還制御を開発した。プラズマ蓄積エネルギー検出に統計処理法を用いることにより、JT-60Uの幅広いプラズマパラメータ領域におけるオーミックモード,Lモード,Hモード,高ポロイダルモード,負磁気シアモードといったさまざまな閉じ込めモードに対して単一の統計処理係数セットで蓄積エネルギーの高精度実時間検出が可能となった。NB入射電力の調節により蓄積エネルギーの実績値をプレプログラムされた参照波形に正確に追従させることに成功した。負磁気シアモードにおいては内部輸送障壁形成の再現性が向上し、規格化ベータ値を安定領域に維持することでMHD安定性を制御することができる。これにより、負磁気シアモードにおいてDT換算核融合増倍率0.5を0.8秒間維持することに成功した。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
Proceedings of 205th Meeting of The Electrochemical Society, 0 Pages, 2003/00
カーボンナノカプセルは、湿気によりすぐ反応し不安定なランタンカーバイドを、大気中で安定に保持することが出来る。このランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルの大量合成のため、生成条件の最適化を目的とした試験を行った。また、これらの内包ナノカプセルの新たに判った物性について報告する。
栗原 研一; 川俣 陽一; 秋葉 賢一*; 三浦 友史; 赤坂 博美; 安達 宏典*; 星 芳幸*; 福田 武司; 及川 聡洋
IEEE Transactions on Nuclear Science, 47(2), p.205 - 209, 2000/04
トカマク型核融合開発は実験炉段階を迎え、既存の実験装置は一層魅力的な運転シナリオ(高性能プラズマの長時間・定常維持、プラズマ不安定性の回避、ほか)を見いだすことが期待されている。これを受けてJT-60プラズマ実時間制御システムを全面的に再構築する作業に着手しており、以下の新たな設計方針3点を採用した。すなわち、(1)電流分布等の空間2次元の時系列データを計測量をもとに再構成し、実時間制御に使用可能にする、(2)適切な制御用アクチュエータを実時間制御のフレームに組み込む、(3)さまざまな制御方法を試すことが柔軟かつ迅速にできるようにする、の3点である。これらの実現のために、大容量メモリーを搭載した超高速ボード計算機を共有メモリーネットワークで結合するという基本構成を採用した。また機能的には様々な先進的な帰還制御方法が計画されている。本発表はこれら一連の新システム開発の報告である。
赤阪 健*; 加藤 立久*; 小林 郁*; 永瀬 茂*; 山本 和典; 船坂 英之; 高橋 武士
Nature, 374, p.600 - 601, 1994/04
被引用回数:156 パーセンタイル:99.11(Multidisciplinary Sciences)金属内包フラーレンLa@Cの単離成功の報告以降、その様々な物理化学的性質が調べられて報告されているが、その化学反応性についての研究はこれまで全く報告されていない。本論文では、ケイ素試薬(disilirane)を用いたLa@C異性体-Aの化学修飾に関する報告を、はじめて行う。質量スペクトル、電子スピン共鳴スペクトル、可視・近赤外吸収スペクトルの結果から、1対1付加体であるLa@C(SiMes)CHの生成を確認し、その興味深い性質が明らかになった。この付加体はLa@C等と同じく常磁性であるが、それとは異なったESRシグナルや近赤外吸収を示す。これらの結果は、金属内包フラーレンの応用展開に全く新しい境地を開いたものといえる。
吉武 庸光; 赤坂 尚昭; 三次 岳志; 堂野前 貴子; 鵜飼 重治; 浅賀 健男
ANS Winter Meeting, ,
動燃では30年間高速炉用オーステナイト鋼被覆管の開発を実施し、PNC316被覆管、ラッパ管からなる「常陽」MK-IIドライバー燃料において、到達燃焼度と照射量がそれぞれ84GWd/t、50dpaまで実績を有している。RNC316被覆管、ラッパ管で85%TD低密度MOX燃料を装填した「もんじゅ」燃料の照射健全性を確認するため、「常陽」MK-II特殊燃料で128GWd/t(90dpa)まで、またFFTFでのMFA-1集合体で147GWd/t(107dpa)までの照射試験を実施した。オーステナイト鋼の被覆管、ラッパ管からなる燃料集合体では、材料のスエリングに起因するバンドル変形が集合体の寿命制限になるため、材料の詳細な電顕観察を行い、スエリング挙動を照射誘起偏析で生じる析出物変化と関連付けて評価した。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
フラーレン類似構造(C,ナノチューブ,ナノカプセル)に他の物質を内包させることは、以前から関心を持たれ続けてきた。LaC結晶を内包したカーボンナノカプセルは、不活性ガス雰囲気中でのアーク放電によりカソード上に成長する炭素質堆積物中に生成することが1993年に発見された。LaCのような希土類炭化物は吸湿性であり、湿気のある大気中では即座に加水分解することが知られているが、カーボンナノカプセル内のLaCは大気中で10年以上経ても変質しない。さらに、空のナノカプセルやナノチューブは、他の形の炭素(例えばダイヤモンド,煤,グラファイト,C)より酸化に対して抵抗力があることが知られている。したがって、物質を内包させたカーボンナノカプセルに関しても、空のナノカプセルと同様の耐酸化性が期待できる。本研究では、内包カーボンナノカプセルにおけるグラファイトケージの耐酸化特性について述べる。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
フラーレン類似構造の持つ内部空間に異元素を導入して新しい機能を持たせる試みが注目されている。特に、閉じたグラフェンシートの多重層から構成されるカーボンナノカプセルでは、内部に閉じ込められた物質がカプセルの壁を構成する炭素網面を透過して外部に出ないだけでなく、カプセル外部から酸素や水分子等が浸入することもまた困難であり、これらの分子と内包物質が反応するのを防ぐ保護機能が高いことが予想されている。そのため、地下における炭素が持つ化学的安定性の高さと相俟って、高レベル放射性廃棄物の地層処分用カプセルとしての利用などが検討されている。ところでランタンカーバイドLaCは室温においてさえ、酸素や湿分と反応して自然発火する極めて活性な物質である。このような酸化されやすいLaCを本カプセルに内包させた時に、どのような酸化特性を示すかについて調べた。その結果、陰極堆積物由来のランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルは、空気中500Cまでの耐酸化性があることが確認された。そしてそれ以上の温度で、カーボンナノカプセル内部のランタンカーバイドと外部の酸素が反応して酸化ランタンを生成することがわかった。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
多角形のカーボンナノカプセルや球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノカプセルの内部にLaC結晶が詰まった物質は、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。透過電子顕微鏡で観察すると、一般に多層多角形のカーボンナノカプセルは中心部にその外辺によって形状が決まる空洞を持っていることがわかる。一方、金属を内包した多層カーボンナノオニオンは、グラファイト状炭素とナノサイズの金属結晶の混合物に電子線等を照射することによって生成することが、1998年にBanhartらによって報告されているのみである。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤の中にランタン内包カーボンオニオン構造を初めて発見したので報告する。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
多角形のカーボンナノカプセルや球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノカプセルの内部にLaC結晶が詰まった金属内包カーボンナノカプセルは、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。一方、「フラーレン煤」と呼ばれる装置内壁に付着する煤にはLa@Cに代表される金属内包フラーレンが存在するが、金属内包カーボンナノカプセルは存在しないことが知られている。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤を真空又は希ガス雰囲気下1000-2200Cで熱処理すると、その中からランタンカーバイド内包多重カーボンナノカプセルが生成することを発見したので報告する。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
多角形のカーボンナノ粒子や球状のカーボンナノオニオンのようなフラーレン状多重炭素ケージの内部に異物質を導入する試みは、フラーレン発見当初から続けられている。このうち多層多角形カーボンナノ粒子の内部にLaC結晶が詰まった金属内包カーボンナノ粒子は、不活性ガス雰囲気中でLaとカーボンを一緒にアーク放電蒸発し、これが凝縮してできた陰極堆積物の中から、1993年に初めて発見された。一方、「フラーレン煤」と呼ばれる装置内壁に付着する煤にはLa@Cに代表される金属内包フラーレンが存在するが、金属内包カーボンナノ粒子は存在しないことが知られている。本研究では35 Torr He雰囲気下で典型的アーク放電実験を行い、生成した煤を真空又は希ガス雰囲気下10002200Cで熱処理すると、その中からランタンカーバイド内包多重状カーボンナノ粒子が生成することを発見したので報告する。
山本 和典; 若原 孝次*; 赤阪 健*
no journal, ,
ナノサイズのカーボンナノカプセルの内部空間に金属化合物を内包した物質であるランタン炭化物内包カーボンナノカプセルは、アーク放電法によるランタン内包フラーレン製造時に生成する陰極堆積物中にはじめて発見された物質である(1993)。最近、特殊な試験条件で生成したランタンフラーレン煤の嫌気下熱処理という、本物質の新たな生成方法が開発された。本研究では、本ナノカプセルの成長に必要な条件を調べたので報告する。金属内包フラーレンの収率向上のため、通常直流アーク放電はHe圧力50-500Torrで行われる。本手法の特徴は、He圧力を低圧側15-50Torrの範囲とすることである。He圧を変えて生成・回収したフラーレン煤を、不活性雰囲気下1000-2200Cで数分間熱処理し、処理前後の煤について透過電子顕微鏡(TEM)による観察と熱分析を行い、最適条件を探った。TEM観察により、ヘリウム圧力20-50Torrで調製した煤は、熱処理により炭化物内包カーボンナノカプセルが成長する場合があるが、15Torr以下や100Torr以上で調製した煤では見られないことがわかった。
山本 和典; 赤阪 健*
no journal, ,
ナノサイズのカプセルの内部空間に金属化合物を内包した物質であるランタン炭化物内包カーボンナノカプセルは、アーク放電法による金属内包フラーレン製造時に生成する陰極堆積物中に初めて発見された物質である。最近、特殊な試験条件で生成したフラーレン煤の嫌気下熱処理という新たな生成方法が開発された。本研究では、本ナノカプセルの成長を熱重量分析(TG)により確認したので報告する。通常直流アーク放電はHe圧力50500Torrで行われるが、本手法の特徴はHe圧力を低圧側2050Torrの範囲とすることである。He圧を変えて生成・回収したフラーレン煤を、不活性雰囲気下10002200Cで数分間熱処理し、処理前後の煤について透過電子顕微鏡(TEM)による観察を行ったところ、ヘリウム圧力2050Torrで調製した煤は、熱処理により炭化物内包カーボンナノカプセルが成長する場合があるが、それ以外の煤では見られないことがわかった。さらにLaC内包カーボンナノカプセルのマクロな存在量とその性質を確認するため、乾燥空気雰囲気下でTG装置による昇温試験を行ったところ、この物質に特有なカーバイド着火温度を検出できた。
山本 和典; 赤阪 健*
no journal, ,
真空又はヘリウム雰囲気下でランタンフラーレン煤を10002200Cで熱処理すると、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを既に報告した。この生成法では、原料としておよそ50Torr以下の低ヘリウム雰囲気下で調製されたフラーレン煤が必要とされるが、この圧力は通常のフラーレンやナノチューブを生成する条件よりかなり低い。ランタンフラーレン煤の調製を、ヘリウム圧15, 20, 35, 45Torrにおいて直流アーク放電法により行い、これらの圧力の違いが、煤の形態や内包カーボンナノカプセル生成にどうかかわるかを透過型電子顕微鏡観察と熱重量分析により調べた。35及び45Torrで調製したランタンフラーレン煤は、本熱処理法によりランタンカーバイド内包カーボンナノカプセルを生じたが、15Torrで調製した煤からはナノカプセルは発見されなかった。
山本 和典; 社本 真一; 赤阪 健*; 若原 孝次*; 宮澤 薫一*
no journal, ,
低ヘリウム雰囲気下で調製されたランタンフラーレン煤を真空又はヘリウム雰囲気下で熱処理すると、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを既に報告した。今回、これらの試料について顕微ラマンスペクトル測定を行ったので報告する。熱処理前のランタンフラーレン煤のラマンスペクトルは、1580cm付近に現れるブロードなG-bandに加えて、1345cm付近に現れるD-bandのブロードなピークを示す。熱処理に伴いスペクトル幅が狭くなるとともに、D-bandの相対強度が増加する結果が観察された。前者の変化はカーボンブラックに代表される不定形炭素を熱処理した場合と同じ一般的な現象として説明される。しかし、後者の変化はこれらの一般的な不定形炭素を熱処理した場合とは逆の結果である。この現象について、透過型電子顕微鏡(TEM)観察結果をもとに考察した。
山本 和典; 赤阪 健*
no journal, ,
ランタンフラーレン煤にはLa@Cに代表される金属内包フラーレンと空フラーレンが一般に含まれるが、カーボンナノカプセルは存在しないことが知られている。本研究では50 Torr以下のHe雰囲気下でアーク放電実験を行い、生成した煤を真空又は希ガス雰囲気下10002200Cで熱処理すると、煤に含まれるLa(OH)からLaO結晶がオストワルド成長により生成するとともに、ナノカプセル前駆体からLaC内包カーボンナノカプセルが合体成長することを発見したので報告する。
山本 和典; 赤阪 健*
no journal, ,
30-50Torrという限定されたヘリウム圧下で生成したランタンフラーレン煤を1000-2200Cで熱処理すると、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを既に報告した。この圧力は、金属内包フラーレン生成に適した圧力とされる100-200Torrや、カーボンナノチューブ生成に適した圧力とされる500Torrよりもずっと低い圧力であることが注目される。透過電子顕微鏡(TEM)観察によると、このヘリウム圧範囲30-50Torrで生成した煤には、Laが詰まった一桁ナノサイズの多層カーボンナノ粒子が観察された。しかし、それより低いヘリウム圧15, 20, 25Torrで生成した煤にはこの種の粒子は完全な形では観察されず、それに対応するように、これらの煤を熱処理しても、ランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルの生成は確認されなかった。最近われわれは、He圧20と25Torrで調製した煤を回収後直ぐに熱処理すると、以前の実験では生成しなかったランタンカーバイド内包多層カーボンナノカプセルが生成することを確認したので、その詳細等について報告する。
山本 和典; 赤阪 健*
no journal, ,
ランタンカーバイド(LaC)は、室温で水と激しく反応し炎を上げる固体として知られている。しかし、カーボンナノカプセルに内包されたランタンカーバイドは、水分子がカプセルを構成するグラファイト壁を透過できないので、室温でも反応しない。このグラファイト壁の存在は、カーボンナノカプセルに内包されたランタンカーバイドの反応性を下げ、その燃焼温度を高温側へシフトさせる働きをしている。逆にカプセルの遮蔽性の違いによって、カーボンナノカプセルに内包されたランタンカーバイドの燃焼温度は異なると予想されるので、その温度はカーボンナノカプセルの遮蔽性を表す良い「指標」となる。ランタンカーバイドの燃焼温度を指標としたカーボンナノカプセルの遮蔽性評価試験を、乾燥空気流中での熱重量測定・示差熱測定法(TG-DTA)により実施した。サンプルの質量が、熱重量測定・示差熱測定の結果に極めて大きな影響を与えることを見いだしたので、その詳細について報告する。