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秋野 詔夫
ハイテクシンポジウム山口2001「抵抗減少制御シンポジウム」論文集, p.37 - 43, 2001/11
流体摩擦損失の低減技術は、省エネルギーにとって重要な研究課題である。原子力分野では、長距離配管による熱輸送の動力の低減を通じて、熱利用に役立てることが考えられる。本講演は、新しい受動的流体摩擦低減面を考案し、水流で実測した結果を述べるものである。比較の規準としての平滑面,従来技術の追試としてのリブレット面の測定を行い、測定精度等の確認をした。新しい面として、改良縦リブ付d型粗面,アザラシ毛皮面,及び、ジグザグリブレット面の測定を行い、それぞれ低減効果を生ずることを示した。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Fusion Engineering and Design, 56-57(Part.A), p.523 - 527, 2001/10
被引用回数:6 パーセンタイル:43.51(Nuclear Science & Technology)世界で最初の負イオン源を使ったJT-60用500keV負イオンNBI装置は、1996年の完成以来、負イオン生成部の改良や加速管の耐電圧向上対策、高電圧直流電源での制御や耐電圧向上等の対策を行いながらビームパワー増大、ビーム持続時間伸長のための開発が続けられてきた。これまでに最大350keV、5.2MWの高速中性ビームをJT-60プラズマに入射し、NBI電流駆動実験での高効率電流駆動の実証、プラズマ中心加熱による閉じ込め向上等、大きな成果を上げてきた。しかしながら、幾つかの技術的課題により入射パワー及びビームパルス幅の進展が頭打ちとなっている。これらの技術的課題のうち、大型負イオン源のソースプラズマ部に発生している不均一性が最も大きく影響していることがわかってきた。この対策として、(1)アーク電流分布を強制的に変化させる方法、(2)ソースプラズマでのアーク放電モードを変化させる方法、(3)ソースプラズマの不均一性が特に悪い部分を遮蔽して比較的良好なソースプラズマのみを引出・加速する方法、などを試みている。これらの対策により、これまでにイオン源でのビーム加速効率を従来より約30%以上改善させることができた。この結果、2秒以上の長パルスビームを安定にJT-60Uプラズマに入射できるようになった。
秋野 詔夫
日本機械学会流体工学部門講演会講演概要集(CD-ROM), 4 Pages, 2001/10
ISプロセスの制御では、腐食性薬液の微小な流量と組成を計測する必要がある。フロート型面積流量計は、ガラス製テーパ管の中にフロートを入れた構造であり、耐食性が高く、微小流量計測に適している。テーパー管内のフロートの位置は、流量と流体物性(密度,粘性)によって決まる。本講演では、2個のフロートを用いることによって、流体の密度を測定し、それを用いて正しい流量の測定ができることを示す。本方法の原理は、流体の密度変化がフロート位置に与える影響は、軽いフロートでは大きく、重いフロートでは小さいことに基づいている。本研究の成果は、物性や組成が変化する場合に密度計等を用いることなく、フロート形面積流量計の安全性を生かすことができるので、ISプロセスの開発に役立つものである。
秋野 詔夫; 小谷野 清*; 薄井 良子*; 太田 直美*
可視化情報学会誌, 21(Suppl.2), p.147 - 148, 2001/09
ISプロセスの反応器や分離器などの容器の中では、気・液界面や液・液界面が存在し、その位置の計測や界面の挙動の情報は、制御のために不可欠である。超音速の界面からの反射信号の時間遅れから界面の位置を計測し、その信号の特徴から界面の挙動に関する情報を得る手法を開発する目的で本研究を行った。ガラス製の円筒状セル内に、各種液体を注入し、音速を測定した。次いで、メスシリンダー状のガラス製の細長いセルに、水,油(比重2.0)及び空気を入れ、振盪後の混合状態から、相分離が進行し、3層に分離し安定かつ平坦な界面に落ち着く過程を、現象と超音波信号波形を同時にビデオに記録し、観察した。これらの成果として、液・液界面の挙動、重い油滴が水中を落下していく過程を、超音波信号から認識できることを明らかにした。円筒セル中で測定した音速を用いて、液・液界面及び気液界面を定量的に計測できることを明らかにした。
小貫 薫; 秋野 詔夫; 清水 三郎; 中島 隼人; 東 俊一; 久保 真治
JAERI-Tech 2001-032, 63 Pages, 2001/03
熱化学水素製造法ISプロセスでは、硫酸,ヨウ素,ヨウ化水素酸等の有害な薬品を使用するため、試験研究の実施に際しては安全性に対する配慮が重要である。そこで、ISプロセスの閉サイクル運転制御方法に関する研究を行うことを目的とする水素発生量毎時50NL規模の連続水素製造試験装置の製作にあたり、その設計製作仕様から装置を用いた試験内容に関して、安全性確保の観点から検討を行った。特に、連続水素製造試験装置は主要材料にガラスを用いているため装置破損防止対策及び地震等の異常時の評価と安全対策に重点をおいた。本報告書はそれらの検討結果を取りまとめたものである。
宮本 喜晟; 小川 益郎; 秋野 詔夫; 椎名 保顕; 稲垣 嘉之; 清水 三郎; 小貫 薫; 石山 新太郎; 片西 昌司; 武田 哲明; et al.
JAERI-Review 2001-006, 147 Pages, 2001/03
水素に関する研究の現状を把握し、原研が進めている核熱による水素製造研究開発の位置づけを明らかにするため、水素製造を中心にした研究の現状と今後の展望について検討した。水素の取り扱いに関する特性を明らかにするとともに、将来の水素製造に対する法整備が必要になること、また、原子炉施設との関係では水素の火災爆発に対し離隔距離の考え方が実務的であることを示した。水素製造法を総括し、核熱利用水素製造技術の課題を明らかにした。さらに、核熱水素製造の経済性を評価し、化石燃料燃焼方式より経済性のあることを明らかにした。このほか、我が国のエネルギー需要構造からみて、原子力による高効率発電と化石燃料の代替となるエネルギーの需要が多いことを示した。さらに、今後の水素利用の方法としては燃料電池自動車の燃料としての利用が有望で、燃料電池自動車の導入予測に対応して2020年から2030年では100MWtの高温ガス炉が最大30基程度必要となることがわかった。
梅田 尚孝; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Fusion Technology, 39(2-Part2), p.1135 - 1139, 2001/03
JT60用負イオンNBIは、これまでに最大で350kV,5.2MWのビーム入射を行ってきたが、さらなるビームパワー増大のためには、大型負イオン源ソースプラズマ非一様性の問題を解決する必要がある。この対策として、フィラメント温度変化によるアーク放電モードの変更、各フィラメント系統に接続しているアーク限流抵抗の調節、さらに一様性の悪い部分をマスクしてビームを引き出す方法などを試みている。これらによる変化をアーク放電電流分布、ラングミュアプローブ、加速電極の熱負荷やビームラインの熱負荷等で評価した。その結果、フィラメント温度を下げることによりアーク放電分布に改善の傾向が見られ、限流抵抗を調節することによって強制的に放電の分布を変えることができた。また、マスキングによりビームの加速特性が向上し、加速部での損失が減少して負イオン電流の割合が増加した。
東 俊一; 中島 隼人; 久保 真治; 小貫 薫; 稲垣 嘉之; 清水 三郎; 秋野 詔夫
Proceedings of the Seminar on HTGR Application and Development, p.164 - 175, 2001/03
日本原子力研究所では高温ガス炉(HTGR)から得られる核熱の利用に関し、化学プロセスと組み合わせて水素を製造するシステムを研究開発中である。HTGRと組み合わせる化学プロセスとして、スチームリフォーミング(SR)プロセスと熱化学法ISプロセスとが選ばれて研究が進められており、その現状を紹介する。SRプロセスは商業化された技術であり、HTGRへの組み込みの早期実現に向けて炉外試験を行う段階まで到達している。ISプロセスはプロセスが特異なため、商業化への問題点の克服中である。ISプロセスは実現への困難さは伴うが、原料に水しか使用せず、副生成物も酸素のみであるため、将来的に期待大である。ISプロセスの内容・現在までの研究成果・将来計画を述べる。
秋野 詔夫; 鈴木 富男
日本機械学会2000年度年次大会講演論文集, Vol.1, p.557 - 558, 2000/00
メカニカル・アロイイング・クッキング法は、積層・圧延という機械的操作を繰り返して多数の平面が積み重なった微細な積層構造(面格子)材料を作ることができる。この手法を発展させて、線状の要素が「箸の束」のように配列した格子状構造(線格子)を作るため「軸方向延伸クッキング法」を考案した。本研究では、角溝孔形圧延ができる手動ロール圧延機を用いて、その可能性を追求した。常温で圧延接合が可能な鉛(Pb)と錫(Sn)を用いた。Sn線をPb管に挿入し、孔形延伸して得られた細長い角線をN本に切断し、N
Nの正方格子状に束ね、再び軸方向に延伸すると同時に相互に接合させる行程を繰り返し、最小寸法がサブミクロンである格子要素が水玉模様状に配列した線格子材料を得た。また、PbとSnが市松模様状に配列した線格子構造材料を試作した。
秋野 詔夫
日本機械学会流体工学部門講演会2000講演論文集 (CD-ROM), 4 Pages, 2000/00
通常、浮き子式流量計は、物性値が既知の流体の流量を計測するのに用いられる。その指示する流量は、流体密度、流体粘性は関数関係となっているので、流量と粘性が既知であれば、密度を計測できることを示した。また、流量が既知であれば、混合流体の濃度を測定できることを示した。さらに、形状と密度の異なる二つの浮き子を用いることによって、密度と粘性を計測できる可能性を示した。すなわち、浮き子の形状、密度、流量計の使用台数を組み合わせることによって、流量ばかりではなく、物性を計測ができることを明らかにした。本研究では、上記の種々の可能性と測定精度を検討し、浮き子式流量計の新しい可能性を見いだした。
秋野 詔夫; 久保 真治; 高瀬 和之; 日野 竜太郎; Choi, K.*
日本機械学会流体工学部門講演会2000講演論文集 (CD-ROM), 4 Pages, 2000/00
乱流摩擦抵抗の低減は、省エネルギー技術として重要な課題である。リブレットなどの受動的な低減技術の効果は最大で8%程度である。Thom効果や振動面では50%近い低減効果が得られているが、このような能動的な方法には拡散消耗や実機に組み込むうえでの課題がある。そこで、われわれはより大きな10%を越える低減効果を生み出す受動的乱流摩擦低減面を見いだすことを目的として、試行錯誤的探索実験を行った。本研究では、矩形断面流路に被測定表面を取り付け、水を作動流体とし、流路に沿う圧力降下を測定して乱流摩擦抵抗を評価した。平滑表面で装置及び測定手法を確認し、リブレット面で従来方法の追試を行った。新しい表面として、改良縦リブ付きd型粗面、アザラシ毛皮面、及び、ジクザクリブレット面の測定を行い、それぞれ低減効果を有することを示した。特に、ジクザクリブレットでは10%を上回る低減効果を見いだした。また、低減効果の発現と流路中心部の乱れ強さの間に相関性があることを見いだした。
久保 真治; 秋野 詔夫
Transactions of the American Nuclear Society, 81, p.352 - 353, 1999/11
原子炉やエネルギー機器の熱を非電力用途に利用するためには、高効率の熱輸送と熱貯蔵技術が必要である。このような熱輸送に応用可能な熱媒体を試作した。これは、大きな融解凝固潜熱を有する相変化物質(PCM)をマイクロカプセル化(MCPCM)し、さらに低粘性の搬送流体中に分散しスラリー状にすることによって、常時流動性を維持させ、かつ、大きな熱量を保持させるようにした熱媒体である。純水にMCPCMを添加することによる効果を調べるため、この熱媒体を容器内に注入し、水平円柱を用いて加熱する自然対流熱伝達実験を行った。その結果、円柱の熱伝達率は、相変化が生じる温度レベル条件では、数十%程度増加するが、相変化が生じない条件ではわずかに減少することを見いだした。この熱伝達率の増加率は、MCPCM濃度を上げるに従って増加し、また、境膜温度差を小さくするに従って増加した。
佐野川 好母*; 宮本 喜晟; 秋野 詔夫; 椎名 保顕; 菱田 誠*; 小川 益郎; 文沢 元雄; 稲垣 嘉之; 武田 哲明; 高田 昌二; et al.
JAERI-Review 98-024, 403 Pages, 1999/01
原研は昭和44年5月に、1000Cの高温核熱を炉外に取り出して種々の目的に利用する多目的高温ガス実験炉(VHTR)の計画を立てた。それ以来この炉の設計・製作に不可欠なデータの取得と、高温のヘリウムガス循環技術の確立を目指して、約30年間にわたって研究開発を行ってきたが、この報告書は、そのなかでも伝熱・流動分野の主な成果の要点を、実際にその研究開発に従事した研究者自身が執筆したものをまとめたものであり、そのなかには、従来の学問上の定説を書き換えた研究もいくつかある。しかしながら、この長い年月の間には、実際に研究開発に従事した者の多くは原研を去り、また資料が散逸してしまったものもあって、すべてを収録することはできなかったが、貴重な知見として現在の高温工学試験研究炉(HTTR)の設計や技術に直接生かされているものばかりである。また、今後の高温ガス炉(HTGR)の研究開発ばかりではなく、高温を取り扱うすべての機器の技術開発にも役立つ貴重な資料である。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 秋野 詔夫; 羽田 一彦; 稲垣 嘉之; 清水 三郎; 小貫 薫
Proc. of 9th Canadian Hydrogen Conf., p.205 - 213, 1999/00
本報告は、現在原研で進めている核熱を利用した水素製造システムに関する研究開発について述べたものである。HTTRからの核熱を利用して水素を製造する世界で初めての実証試験を行うため、水蒸気改質法によるHTTR水素製造システムの概念設計等を進めている。また、この実証試験に先立ち、HTTR水素製造システムの約1/30の炉外技術開発試験装置の建設を進めている。一方、最終的に水からの水素製造を目指し、熱化学法の一種であるISプロセスの研究を進めている。ISプロセスの実験室規模での基礎実験の結果、48時間の安定な水素製造に成功し、この結果をもとに、次の段階の研究に移行しているところである。これら水素製造に関する研究開発の現状をまとめた。
栗山 正明; 秋野 昇; 海老沢 昇; Grisham, L. R.*; 疋田 繁紀*; 本田 敦; 伊藤 孝雄; 河合 視己人; 椛澤 稔; 日下 誠*; et al.
Proceedings of the 18th IEEE/NPSS Symposium on Fusion Engineering (SOFE '99), p.133 - 136, 1999/00
JT-60用負イオン源は、これまでイオン源などの運転パラメータの最適化を行いながらビームパワーを徐々に増大させてきた。しかし、さらにビームパワーを増大させるためにはイオン源や電源にかかわるいくつかの課題を解決しなければならない。イオン源での課題の一つは、加速電極への過大な熱負荷である。この加速電極でのビームロスは加速ビームの40%にも達する。この電極への高熱負荷の原因を、ソースプラズマの一様性を測定しながら、イオン源での磁場、ガス圧等を変化させながら調べた。この結果、熱負荷過大の大きな原因として、ソースプラズマの一様性が悪いことによるビーム発散の悪化にあることがわかってきた。この対策として、ソースプラズマ生成部のアーク電流分布の調整が有効であることも判明した。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 小川 益郎; 秋野 詔夫; 清水 三郎; 羽田 一彦; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 武田 哲明; 西原 哲夫
IAEA-TECDOC-1056, p.191 - 200, 1998/11
日本原子力研究所では、高温工学試験研究炉(HTTR)を用いて核熱利用系の実証試験計画を進めている。HTTRに接続する最初の熱利用系は10MWの熱によるメタンガスの水蒸気改質システムを選定している。このシステムに用いる水蒸気改質器の性能を向上させるため、バイオネット型触媒管及びヘリウムガスと触媒管表面の伝達促進構造を採用している。熱利用系をHTTRに接続する前に必要な安全審査等のため、炉外技術開発試験を行う。この試験は、電気ヒータでヘリウムガスを加熱するHTTR熱利用系の1/30規模の試験装置を用いて実機の制御性、運転特性等を把握する。試験装置の製作は今年から着手されており、2001年から試験を実施する。一方、熱利用系の基盤研究として熱化学法ISプロセスによる水からの水素製造研究を進め、実験的に水素の発生を確認した。
久保 真治; 秋野 詔夫; 田中 周*; 長島 昭*
日本機械学会論文集,B, 64(625), p.3013 - 3020, 1998/09
大きな融解凝固潜熱を有する相変化物質をマイクロカプセル化した物質(MCPCM)を低粘性の搬送流体中に分散しスラリー状にする(MCPCMスラリー)ことによって、常時流動性を維持させ、かつ、大きな熱量を保持する熱媒体を試作した。この熱媒体を容器内に注入し、水平円柱を用いて加熱して自然対流熱伝達実験を行った。その結果、純水と比較したMCPCMスラリー(純水にMCPCMを低濃度:5%添加)の熱伝達率は、相変化が生じる条件レベルでは、数十%程度増加したが、相変化が生じない条件では減少した。純水にMCPCMを添加する効果による熱伝達率の増加率は、MCPCM濃度を上げるに従って増加し、また、境膜温度差を小さくするに従って増加した。
久保 真治; 秋野 詔夫; 田中 周*; 亀岡 利行*; 岡田 裕紀*
日本機械学会論文集,B, 64(623), p.336 - 344, 1998/07
我々の開発した新しい熱媒体である、マイクロカプセル化相変化物質スラリー(MCPCMスラリー)を用いた自然対流熱伝達実験を行う準備のため、容器内に温度成層と循環流等がある場合の加熱体の熱伝達特性を測定した。加熱体は水平円柱であり、容器内に一本、あるいは垂直に二本並べて設置した。作動流体にはシリコンオイルと純水を用いた。熱伝達率を評価する際に、代表周囲流体温度の測定位置(深さ)の熱伝達整理式への影響を調べた。循環流や加熱体の熱的干渉が小さい場合には、容器内に温度成層があっても適当な代表流体温度を選べば、従来の無限空間における自然対流熱伝達の整理式を適用できた。それらが大きい場合には、現象に対して自然対流熱伝達の整理式を適用することは難しかった。
E.Choi*; 秋野 詔夫
Proc. of 11th Int. Heat Transfer Conf. (Heat Transfer 1998), 7, p.121 - 126, 1998/00
溶融-凝固相変化に伴われる大きな潜熱を対流伝熱の促進や熱輸送の高密度化に応用することを目指して、マイクロカプセル化した相変化物質の熱的特性の解明を進めてきた。本報告では、相変化物質として脂肪酸の一種であるラウリン酸を取り上げ、200~25mの範囲で粒径を変えてマイクロカプセル化し、熱的特性を示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。ラウリン酸自体は過冷却を示さなかったが、マイクロカプセル化した粒子は二つの凝固点を有することを明らかにした。凝固時の挙動は温度変化速度に依存するので、種々の速度でのデータから速度ゼロの凝固点と潜熱量を外挿によって求め、熱的特性を評価した。その結果、低い方の凝固点及び対応する潜熱量は、粒径が小さくなると共に消失する傾向を示すことを見出した。すなわち、マイクロカプセルの粒径を小さくしゆっくりと冷却することによって、有害な過冷却がなくすることを見出した。
宮本 喜晟; 塩沢 周策; 秋野 詔夫; 小川 益郎; 羽田 一彦; 椎名 保顕; 清水 三郎; 稲垣 嘉之; 小貫 薫; 文沢 元雄; et al.
Proc. of 9th Annual U. S.Hydrogen Meeting, p.367 - 369, 1998/00
本報告は原研における高温ガス炉の核熱利用系に関する開発研究の現状を述べたものである。原研では我が国初の高温ガス炉である高温工学試験研究炉(HTTR)に接続する高温核熱利用システムとして、早期に実用化が可能であるメタンの水蒸気改質による水素製造システムの技術開発を進めている。本報告では、HTTRに接続する水素製造システムの概念設計、水素製造システムの技術開発に必要な基本特性を明らかにするための要素技術試験の現状とこれまでに行った水蒸気改質基礎試験及び水の熱化学分解による水素製造(IS)プロセスの連続試験で得られた結果の概要を述べたものである。