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阪井 寛志*; 江並 和宏*; 古屋 貴章*; 佐藤 昌人*; 篠江 憲治*; 梅森 健成*; 沢村 勝; Cenni, E.*; 青戸 智浩*; 林 恭平*; et al.
Proceedings of 5th International Particle Accelerator Conference (IPAC '14) (Internet), p.1787 - 1789, 2014/07
リニアコラーダーやERL、X-FELのような将来光源において超伝導空洞のアライメントは重要な項目の一つである。液体ヘリウム温度まで冷却するとき空洞の変位をより正確に測定するため、測定ターゲットと参照点との間の光の干渉を用いる位置モニターを新たに開発した。このモニターをコンパクトERLの主空洞に適用し、2K冷却における変位を10mの分解能で測定することに成功した。
阪井 寛志*; 青戸 智浩*; 江並 和宏*; 古屋 貴章*; 佐藤 昌人*; 篠江 憲治*; 梅森 健成*; 沢村 勝; Cenni, E.*; 林 恭平*; et al.
Proceedings of 16th International Conference on RF Superconductivity (SRF 2013) (Internet), p.291 - 296, 2014/02
超伝導空洞のアライメントはリニアコライダーやERL, X-FELのような次世代光源の重要開発項目の1つである。液体ヘリウム温度まで冷却するときの空洞変位をより精密に測定するため、我々は白色干渉計を用いた位置モニターを開発した。この位置モニターは測定ターゲットと参照点との干渉を測定することにより位置を測定している。この測定においてはクライオモジュールの外側から測定することができる。このシステムをコンパクトERLの主加速器モジュールに取付け2Kまでの冷却において10ミクロンの精度で変位を測定することができた。
坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.
Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05
日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。
Schroer, C.*; Konys, J.*; 古川 智弘; 青砥 紀身
Journal of Nuclear Materials, 398(1-3), p.109 - 115, 2010/03
被引用回数:58 パーセンタイル:95.63(Materials Science, Multidisciplinary)12Cr-2Wフェライト/マルテンサイト鋼P122及び9Cr-2WODS鋼について、ドイツ・カールスルーエ研究所が所有する流動鉛ビスマス試験装置CORRIDAを用いて長時間の腐食試験を実施した。試験温度及び試験部流速は、550C, 2m/secであり、鉛ビスマス中の溶存酸素濃度制御目標値は10
mass%である。溶存酸素濃度制御の初期問題により、一部の試験片は種々の溶存酸素濃度条件に曝され、一時的にではあるが10
mass%を記録したものの、平均の溶存酸素濃度としては1.6
10
mass%O
で推移した。1.6
10
mass%O
条件下において、P122は最大10,000h, ODS鋼は最大20,000hの浸漬を行った。本試験条件において、両鋼種は、鋼表面に形成されたスピネル型酸化物からなる酸化層と部分的に形成された内部酸化層によって保護されていた。両鋼種の減肉量を評価するために、表面酸化層の厚さを計測した。10
mass%の酸素濃度条件下では、浸漬時間に対して対数近似則及び累乗近似則で減肉量をうまく表現することがわかった。
高屋 茂; 古川 智弘; 青砥 紀身; Mller, G.*; Weisenburger, A.*; Heinzel, A.*; 井上 賢紀; 奥田 隆成*; 阿部 冨士雄*; 大貫 惣明*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 386-388, p.507 - 510, 2009/04
被引用回数:64 パーセンタイル:96.46(Materials Science, Multidisciplinary)Al(03.5wt%)とCr(13.7
17.3wt%)を含むODS鋼と、12Cr鋼の停留鉛ビスマス(LBE)中での耐食性を調べた。試験条件は、ODS鋼については、LBE中溶存酸素濃度が10
と10
wt%,温度が550と650
C,浸漬時間は3,000時間まで、12Cr鋼については、LBE中溶存酸素濃度が10
wt%,温度が550
C,浸漬時間は5,000時間まである。Alを約3.5wt%,Crを13.7
17.3wt%含むODS鋼は、表面に保護的なAl酸化膜が形成された。Alの添加は、ODS鋼の耐食性向上にとても効果があることがわかる。一方、Crを16wt%を含み、Alを含まないODS鋼については、溶存酸素濃度が10
wt%,温度が650
Cの場合を除き、十分な耐食性を有しなかった。単にCrを増量しただけでは、耐食性の向上は期待できないと思われる。
古川 智弘; Konys, J.*; Mller, G.*; 青砥 紀身
鉛ビスマス利用技術ハンドブック(CD-ROM), 21 Pages, 2007/03
酸素濃度制御した550C流動鉛ビスマス中における高クロム鋼の腐食特性に関する報告である。試験材は12Cr鋼と9Cr-ODS鋼の2鋼種で、550
C,2m/secの流動鉛ビスマス中にて最長5,000時間の腐食試験を実施した。試験中は、10
mass%を目標にAr-H
/H
O混合ガス通気(一時的に空気通気)による酸素濃度制御を実施した。800時間及び2000時間経過時に試験片を取り出し、鉛ビスマス接液部近傍を対象に電子顕微鏡による組織観察を実施した結果、両鋼ともに保護性酸化皮膜が安定に形成されており、良好な耐食性を示すことが確認された。なお、本発表は、2004年11月の日本原子力学会第13回液体重金属利用技術研究専門委員会において口頭発表したものであるが、今回「鉛ビスマス利用技術ハンドブック」に掲載されることとなったことから、改めて外部発表登録するものである。
古川 智弘; 西 義久*; 青砥 紀身; 木下 泉*
JAEA-Research 2006-037, 36 Pages, 2006/06
平成14年に、財団法人電力中央研究所と独立行政法人日本原子力研究開発機構(当時、核燃料サイクル開発機構)は、鉛ビスマス共晶合金利用技術に関する共同研究を締結し、この中で鉛ビスマス中における高速炉材料の耐食性評価研究を実施してきた。この研究は2つの段階に区分され、第一期研究では、650Cの酸素濃度制御停留鉛ビスマス中において高速炉構造材料候補材の一つである12クロム鋼の腐食試験を実施した。そして、耐食性に影響する鋼中クロムのふるまいについて検討した。本第二期研究では、LBE中での耐食性向上に効果が期待されるアルミニウム及びクロムの添加量を変化させた酸化物分散強化(ODS)鋼を対象に、650
Cの酸素濃度制御停留鉛ビスマス中において、4,000時間までの腐食試験を実施した。その結果、同鋼では、Cr添加による耐食性の向上は認められなかったが、Alを添加したことで材料表面にAl酸化物が形成され、それによる良好な腐食特性が得られた。
Mller, G.*; Schumacher, G.*; Heinzel, A.*; Weisenburger, A.*; Zimmermann, F.*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2005-021, 33 Pages, 2005/08
炉内燃料被覆管のHot Spotおよび冷却系酸素濃度制御喪失条件をイメージした温度および溶存酸素濃度変動鉛ビスマス(LBE)条件下におけるP122(12Cr鋼)とその溶接継手およびODS鋼上に形成された保護性酸化層の挙動について調べた。酸素濃度変動試験では、800h毎に溶存酸素濃度を10 and 10
wt%に繰り返した550
CのLBE中 で、12Cr鋼母材とその溶接継手を対象に4,000hの浸漬を実施した。その結果、10
wt%一定酸素濃度条件下のケースと同様に、保護性スピネル層が12Cr鋼母材およびその溶接継手上に安定形成していることが確認された。800h毎にLBE温度を550
Cと650
Cに繰り返した温度変動試験(
4,800h)では、10
wt%で実施したGESA表面改質ODS鋼でのみ満足する腐食抑制効果観察された。10
wt%および10
wt%の酸素濃度条件で実施したODS受入材の4,800hの温度変動試験では、650
C温度固定の同鋼の腐食試験結果と同様に、Dissolution Attackが観察された。10
wt%の酸素濃度条件で実施したGESA表面改質材表面には安定なアルミナ層が形成できずに腐食が発生した。
Schroer, C.*; Voss, Z.*; Wedemeyer, O.*; Novotny, J.*; Konys, J.*; Heinzel, A.*; Weisenburger, A.*; Mller, G.*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2005-020, 45 Pages, 2005/08
本報告書は、P122(12Cr-2W)鋼およびODS(9Cr-2W)鋼の550C酸素濃度制御流動鉛ビスマス(LBE)中腐食試験結果についてまとめたものである。この試験研究は、核燃料サイクル開発機構と独国カールスルーエ研究所との研究協力契約の下で、カールスルーエ鉛実験施設(KALLA)のCORRIDA試験ループを用いて実施した。腐食試験時間は、800h、2,000h、5,000hおよび10,000hである。両鋼は、旋盤による試験片に加工し、その一部はKALLA内のGESA施設においてアルミニウム表面改質処理を施した。流動LBE中酸素濃度制御の初期不具合により、これら実験の大部分の期間について酸素濃度の変動を生じた。このため、LBE中の酸素濃度が一時的に変動した場合の影響についても評価を実施した。高い酸素濃度で推移した時のP122およびODS鋼の腐食挙動は、550
C-4,990hの実験結果から評価した。このときの酸素濃度とPbOの活量は、それぞれ5
10
mass%、10
と見積もられた。このときの両鋼の腐食挙動については、停留LBE中腐食試験装置(COSTA)にて実施した550
C、酸素濃度10
mass%の試験結果と比較した。
Schroer, C.*; Voss, Z.*; Wedemeyer, O.*; Novotny, J.*; Konys, J.*; Heinzel, A.*; Weisenburger, A.*; Mller, G.*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2005-019, 26 Pages, 2005/08
本報告書は、P122(12Cr-2W)鋼TIG溶接継手の550C酸素濃度制御流動鉛ビスマス(LBE)中における800h、2,000hおよび5,000hの腐食試験結果についてまとめたものである。LBE流速および溶存酸素濃度は、それぞれ2m/s、5
10
mass-% (a
= 10
)である。鋼材の腐食に及ぼすアルミニウムによる表面改質(GESA処理)効果についても評価を実施した。溶接継手の腐食挙動は、定性的にも定量的にもの熱処理が行われた母材のそれと同等であった。ごく一部に母材のそれとは異なる結果が得られたが、供試材の問題であると考えられた。溶接部のGESA処理部分には、高温酸化、液体金属腐食ともに観察されず、良好な耐食性が観察された。
Weisenburger, A.*; 青砥 紀身; Mller, G.*; Heinzel, A.*; 古川 智弘
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13) (CD-ROM), 6 Pages, 2005/06
代表的な高Cr鋼であるP122とODSについてLBE中の保護的酸化皮膜の安定性を評価するために酸素濃度変動及び温度変動条件の浸漬試験を実施した。P122については溶接継手についても試験した。P122と継手に関する550C、800時間毎に酸素濃度が10
wt%と10
wt%に交互に変化する試験結果では酸素濃度が良好に110
wt%に維持された場合と同様スピネルの保護層は維持されていた。ODSについては10
wt%と10
wt%条件で800時間毎に550
Cと650
Cになる試験を行なった。前者では保護層が維持できたが後者では650
C、10
wt%一定条件の場合と同様にLBE腐食が進行した。
古川 智弘; Konys, J.*; Mller, G.*; 青砥 紀身
Proceedings of 13th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE-13), 0 Pages, 2005/05
2種の高クロムマルテンサイト鋼(12Cr鋼、ODS(M))の酸素濃度制御823K流動鉛ビスマス中における5,000hまでの腐食試験を実施した。鉛ビスマス中の溶解酸素濃度の制御は、鉛ビスマス中へのH2/H2O混合ガスのバブリングにより試みた。しかしながら、酸素センサーによる測定結果は、目標値(10-6wt%)に対して試験開始から連続して低下し続け、一時的にマグネタイト形成に必要な酸素濃度を下回った。このため、約3500h以降は、部分的にAr-Air混合ガスをLBE中に注入することにより、目標値近傍に酸素濃度を制御した。この鉛ビスマス条件下に曝された両鋼は、おおよそ同様な腐食挙動を示した。800hおよび2,000h終了後の試験片の観察の結果、部分的にFe、CrおよびOから成るスピネル酸化物が形成され、5,000h浸漬後にはこの酸化物が連続的に試験片表面に形成されていた。酸化皮膜の成長厚さを調べた結果、本試験条件では、800h以降、大きな成長は観察されず、酸化皮膜形成による良好な耐食性が両鋼ともに観察された。さらに、本試験条件下では、材料構成元素の鉛ビスマス中への直接溶解やエロージョンは観察されなかった。
佐野 浩行*; 藤澤 敏治*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2005-007, 27 Pages, 2005/03
鉛ビスマス共晶合金(LBE)は,高速増殖炉における冷却材としての利用が検討されている。ナトリウム冷却炉並みの運転温度を設定した場合,原子炉構成材料の腐食等の課題が生じる。材料の腐食機構を評価していくにあたっては,LBE中の鉄鋼材料の主要金属元素やガス成分の溶解度が基礎データとして必要であり,これまで本研究によって,酸素分圧を制御した条件下において,LBE中の鉄鋼主要構成元素(Fe,CrおよびNi)単体の溶解度特性について明らかにしてきた。しかし,冷却パイプの内表面には雰囲気やLBE中溶存酸素などにより,パイプ構成元素による酸化物層が形成され,これが腐食に対して大きく影響をおよぼすと考えられる。そこで本年度はこれまでの研究をさらに発展させ,酸素分圧制御下のLBE中において鉄鋼材料表面に形成される種々の酸化物からの鋼材構成元素のLBEへの溶解特性の調査を開始した。また,Pb-Bi合金と酸素間の基本的な熱力学的特性を把握するために,まず800 KにおけるPb-Bi-O系の熱力学について検討し,本系状態図を決定するとともに,実験結果と既存の熱力学データを併せて安定状態図を作成した。
黄 錦涛; 古川 智弘; 青砥 紀身
Journal of Physics and Chemistry of Solids, 66(2-4), p.388 - 391, 2005/02
被引用回数:3 パーセンタイル:17.32(Chemistry, Multidisciplinary)HO+CO
環境におけるナトリウム鉄複合物の平行状態を新たに作成したNa-Fe-O-H-C系ユーザーデータベースを用いて評価した。水蒸気と二酸化炭素を含む大気環境下では、NaOHまたはNa
CO
とともに、NaFeO
が安定な化合物として存在することが示された。しかしながら、ガス導入型高温質量分析計による実験では、二酸化炭素とナトリウム鉄複合酸化物の反応速度が非常に低いことが示された。
古川 智弘; Mller, G.*; Schumacher, G.*; Weisenburger, A.*; Heinzel, A.*; 青砥 紀身
Journal of Nuclear Materials, 335(2), p.189 - 193, 2004/11
被引用回数:40 パーセンタイル:90.44(Materials Science, Multidisciplinary)鉛ビスマス(LBE)中における鉄鋼材料の腐食挙動に及ぼすLBE中酸素濃度の影響を調べるために、10-4、10-6および10-8wt%の酸素を含有した500Cから650CのLBE中で10000時間までのODS鋼の腐食試験を実施した。その結果、550
C以下の10-6wt%の酸素含有LBE中では母相上にスピネル層が形成しており腐食抑制効果が観察された。600Cの10-4および10-6wt%の酸素含有LBE中では液体金属腐食が複数の場所で観察された。一方、650
Cの10-8wt%酸素含有LBE中では酸化皮膜が母相上に形成されていないものの、液体金属腐食の挙動が観察されず健全であった。
此村 守; 小川 隆; 岡野 靖; 山口 浩之; 村上 勤; 高木 直行; 西口 洋平; 杉野 和輝; 永沼 正行; 菱田 正彦; et al.
JNC TN9400 2004-035, 2071 Pages, 2004/06
ナトリウム冷却炉、鉛ビスマス冷却炉、ヘリウムガス冷却炉及び水冷却炉について、革新技術を導入し炉型の特徴を活かした炉システム概念を構築し、その概念の成立の見通しを得るための検討を行うとともに、設計要求への適合性を評価した。その結果、2015年頃に高速増殖炉技術を実用化するためには、現状の知見で課題とされた項目で画期的な技術革新がないかぎり、ナトリウムを冷却材して選択することが合理的であることが明らかとなった。
Schroer, G.*; Voss, V.*; Wedemeyer, O.*; Novotny, J.*; Konys, J.*; Heinzel, A.*; Weisenburger, A.*; Mller, G.*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2004-023, 37 Pages, 2004/05
Two martensitic steels, P122 and ODS were exposed to oxygen containing flowing lead-bismuth eutectic at 550C for 800h and 2000h in the CORRIDA loop at the Karlsruhe Lead Laboratory, both in the as-received condition and also with one quarter of the specimen circumference aluminized via a GESA treatment.
大石 敏雄*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2004-021, 37 Pages, 2004/03
高温鉛ビスマス中共晶合金中における鉄鋼材料構成元素(Fe, Cr, Ni等)およびガス成分(O, C等)の溶解度測定データを取得するために、鉛ビスマス中酸素濃度と酸素分圧測定技術確立に向けた研究を実施した。
佐野 浩行*; 藤澤 敏治*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2004-015, 55 Pages, 2004/03
極低酸素ポテンシャル下LBE中における主要金属元素等の溶解度特性評価および鉄鋼材料主要合金元素同士の溶解度特性に及ぼす相互影響評価を目的として、信頼性の高いLBE中の金属元素等の溶解度データ取得に関する研究を実施した。
Muller, G.*; Schumacher, G.*; Weisenburger, A.*; Heinzel, A.*; Zimmermann, F.*; 古川 智弘; 青砥 紀身
JNC TY9400 2003-028, 48 Pages, 2004/01
本報告書は、重金属冷却炉への適用が検討されている炉心・構造材料の鉛ビスマス中における耐食性評価に関する第4報である。第1報から第3報では、10の-6乗wt%の酸素を含有する摂氏500度から摂氏650度の停留鉛ビスマス中における316FR、P122(12Cr鋼)およびODS-M鋼の800、2,000、5,000および10,000時間浸漬後の腐食挙動について報告した。本報告書では、これら3鋼種の10の-4乗wt%および10の-8乗wt%の酸素を含有した摂氏550度および摂氏650度の停留鉛ビスマス中における800、2,000および5,000時間浸漬材の腐食挙動について報告する。本研究により得られた主な知見は以下のとおり。1.摂氏550度、酸素濃度10の-4乗wt%の鉛ビスマス中において、316FRおよびP122鋼にはDissolution attackは観察されなかった。これらの試験片表面には、酸素濃度10の-6乗wt%の試験結果と同様に、酸化(保護)皮膜が形成されていた。10の-6乗wt%の酸素濃度条件において、316FR表面には薄いスピネル屑が形成されていたが、本高酸素濃度条件(10の-4乗wt%)の同材上には、複数の層からなる厚い酸化層が形成されていた。なお、両ケースにおいて、酸化層内にLBEは侵入している。10の-8乗wt%の鉛ビスマス中酸素濃度条件下では、試験片表面には酸化(保護)皮膜は観察されず、316FR試験片では120mに達するDissolution attackが観察された。P122では、ほとんど鉛ビスマスによる腐食が観察されていない(2
m以下)。2.摂氏650度におけるODS鋼の酸化皮膜は、酸素濃度10の-4乗wt%の鉛ビスマス中では5
8
mであり、10の-8乗wt%条件下では極わずかであった。10の-4乗wt%条件下の試験材表面には、10の-6乗wt%条件下試験材と同様な損傷を生じていた。10の-8乗wt%下の5,000時間浸漬後には、P122のように3
m以下のわずかな腐食が複数の観察位置で認められた。10の-8乗wt%条件下でのDissolution attackの程度は、10の-4乗wt%や10の-6乗wt%試験材のそれらに比べて少なかった。