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永井 崇之; 小林 秀和; 捧 賢一; 菖蒲 康夫; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山中 恵介*; 太田 俊明*
JAEA-Research 2017-005, 54 Pages, 2017/06
ガラス固化プロセスで製造されるガラス固化体中のホウ素(B)や廃棄物成分の局所構造は、固化体に含まれる廃棄物成分による影響を受ける。本研究は、模擬廃棄物ガラス試料を作製し、放射光XAFS測定によるガラス試料中のB及び廃棄物成分の局所構造を評価した。BのK吸収端XAFS測定において、薄板状の試料を用いて良好なXANESスペクトルが得られることを確認し、原料ガラスに廃棄物成分を添加するとB-Oの3配位sp構造(BO
)割合が減少して4配位sp
構造(BO
)割合が増加することを明らかにした。また、組成のSiO
/B
O
比の低下又は(SiO
+B
O
)/Al
O
比の上昇によって、BO
割合が増加しBO
割合が減少すること、P
O
の添加によって、BO
割合が減少しBO
割合が増加することを明らかにした。廃棄物成分のXAFS測定において、B
O
含有率が高い組成ほどセリウム(Ce)原子価が還元されること、原料ガラスへP
O
を添加するとCe原子価が還元されることを確認した。またイメージング測定により、ガラス中に析出するRu化合物の状況は組成のB
O
含有率を変えても変わらなかった。本研究は、資源エネルギー庁より日本原子力研究開発機構が受託した次世代再処理ガラス固化技術基盤研究事業の実施項目「高レベル廃液ガラス固化の高度化」の一つとして実施した。
永井 崇之; 小林 秀和; 捧 賢一; 菖蒲 康夫; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 松浦 治明*; 内山 孝文*; 岡田 往子*; 根津 篤*; et al.
JAEA-Research 2016-015, 52 Pages, 2016/11
本研究は、資源エネルギー庁の次世代再処理ガラス固化技術基盤研究事業の実施項目「高レベル廃液ガラス固化の高度化」として、バナジウム(V)含有模擬廃棄物ガラスを対象に、放射光XAFS測定によりガラス原料に内包された廃棄物成分元素の局所構造を評価した。本研究で得られた成果を、以下に列挙する。(1)バナジウム(V)は、組成に関係なく比較的安定な4配位構造と考えられ、ガラス原料フリットではVがガラス相に存在する可能性が高い。(2)亜鉛(Zn), セリウム(Ce), ネオジム(Nd), ジルコニウム(Zr), モリブデン(Mo)はガラス相に存在し、Ce原子価はガラス組成によって3価と4価の割合に差が認められた。(3)ルテニウム(Ru)はガラス相からRuOとして析出し、ロジウム(Rh)は金属と酸化物が混在し、パラジウム(Pd)は金属として析出する。(4)高温XAFS測定を行ったZrとMoの結果、ガラス溶融状態におけるZr, Moの局所構造の秩序が低下する傾向を確認した。(5)ガラス溶融炉温度1200
Cの条件で、模擬廃棄物ガラスの高温XAFS測定を行い、今後、試料セルの形状等の最適化を図ることで、良質な局所構造データ取得が期待できる。
大内 仁; 菖蒲 康夫; 寺田 明彦; 正木 敏夫; 小林 洋昭; 五十嵐 寛
PNC TN8410 94-219, 473 Pages, 1994/06
TVF溶融炉の運転支援およびガラス溶融炉の設計の効率化の観点から、「ガラス溶融炉3次元熱流動解析コード(FLOWMEL)」を開発し、タイムステップ、運動方程式計算時の収束判定値、圧力緩和計算時の収束判定値、運動方程式計算時の緩和係数、エネルギー方程式計算時の緩和係数が計算速度に及ぼす影響を評価した。また、浮力項寄与係数、対流項寄与係数が解析精度に及ぼす影響を調べた。その結果、計算時間を最も短くするための解析パラメータの組合せは、タイムステップを1秒、運動方程式計算時の収束判定値を510-5(m/s)、圧力緩和計算時の収束判定値を5
10-3(1/s)、運動方程式計算時の緩和係数を1.2、エネルギー方程式計算時の緩和係数を1.0と設定した場合であった。この組合せにより、解析時間は従来の1/10に短縮することができた。また、浮力項寄与係数を0.01
1.0の範囲で変化させた結果、溶融槽上部、炉底部とも最大約200
Cの差が生じ、係数0.01の時に最も実測値に近づいた。対流項寄与係数を0.1
10の範囲で変化させた結果、溶融槽上部、炉底部とも最大約200度Cの差が生じ、係数0.1の時に最も実測値に近づいた。
五十嵐 寛; 菖蒲 康夫; 大内 仁
Proceedings of 1993 International High-Level Radioactive Waste Management Conference, ,
ガラス溶融炉内の溶融ガラスの熱流動現象を物理モデルおよび数学モデルによって評価した。物理モデルはTVF溶融炉の1/3スケールの透明プラスチック製で、模擬流体として7.5%LiClを含有するグリセリンを使用したものである。数学モデルは電荷、質量、運動量およびエネルギーの保存則に対する4つの微分方程式からなり、有限差分法により解いた。解析では物理モデルを対象とし、実験結果と解析結果との比較を行った。物理モデルの流動では対称な6つの循環流が認められ、冷却された主電極の前面では下降流、中央部では上昇流となっていた。数学モデルで得られた流動状況はこれらに良く対応した。また代表点における流速はほぼ一致した。温度分布についても両者の間で一致した。以上の両モデル間の比較検討により数学モデルの検証を行った。
小林 秀和; 捧 賢一; 薄井 康史; 菖蒲 康夫; 塩月 正雄
no journal, ,
東海ガラス固化技術開発施設(TVF)における高レベル放射性廃液組成に関して、非放射性の模擬廃液を用いた基礎試験及び小型溶融炉による固化処理試験により、ガラス固化体中の廃棄物含有率を現状の標準値である25wt%から30wt%程度まで高められる技術的見通しを得た。なお、本研究は原子力機構と電気事業者11社及び日本原燃との共同研究にて実施しているものである。
三浦 昭彦; 小林 秀和; 菖蒲 康夫; 塩月 正雄; Weisenburger, S.*; Roth, G.*
no journal, ,
ガラス固化プロセスにおける硫酸塩の相分離(イエローフェーズ)に関する基礎試験を実施した。この結果、析出物の主成分が硫酸ナトリウムであること、ガラス原料及び模擬ガラス固化体への溶解度及びその温度依存性を確認した。また、硫酸ナトリウムはガラスとの反応で分解され、溶解度が時間とともに減少する傾向があることを確認した。
小林 秀和; 横澤 拓磨; 山下 照雄; 永井 崇之; 天本 一平; 菖蒲 康夫
no journal, ,
汚染水処理に伴い発生する廃ゼオライトの廃棄体化候補技術の比較評価に向けて、既存技術であるガラス固化法の適用性の検討を進めている。本報では、Cs吸着装置のゼオライト等メディア(吸着剤)を対象として、ガラス化に適した組成の検討・設定を行うとともに、各吸着材を用いてガラスを作製し、ガラス化状態や化学的耐久性、ガラス固化による減容効果等について評価を行った。その結果、ガラス化できる条件(組成,温度)を把握するとともに、ゼオライトをガラス固化することで約3分の1程度まで減容化できること、作製したガラスは良好な化学的耐久性を有すること等を明らかにした。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 狩野 茂; 西澤 代治; 関 克巳*; 本間 将啓*; 小林 博美*; 菖蒲 康夫
no journal, ,
モックアップ溶融炉流下ガラスを対象に、ラマン分光測定からSi-O架橋構造を解析し、放射光XAFS測定からCe原子価割合を求め、ガラス中のNdO
がSi-O架橋構造やCe原子価に影響することを確認した。
小林 秀和; 菖蒲 康夫; 石寺 孝充; 内海 和夫*; 竹下 健二*; 尾上 順*; 永山 紗智子*; 長谷川 良雄*; 天本 一平
no journal, ,
本研究は、ガラス固化体の高品質化と発生量低減を目指した高レベル放射性廃液中の白金族(PGM)化学種の一括回収プロセスの開発を目的としている。今回、PGMに対して高い収着効果が期待できる材料として第3周期元素を選定して検討したところ、AlO
が優れた収着特性を示すことを見出した。
山下 照雄; 松村 忠幸; 大山 孝一; 原島 丈朗; 菖蒲 康夫; 小高 亮
no journal, ,
東海再処理施設の潜在的ハザードを低減するためガラス固化技術開発施設(TVF)は福島第一原子力発電所の事故後に制定された新規制基準に合致していない状態での運転を特別に認められ、平成28年1月から高レベル放射性廃液の固化処理運転を再開した。更なる潜在的ハザード低減に向けて固化処理期間の短縮を図るため、その方策の一つである次期ガラス溶融炉更新時のハード面対策と運転手法などのソフト面対策案の最適化を図ることによる処理期間短縮の検討アプローチについて報告する。
小林 秀和; 永井 崇之; 菖蒲 康夫
no journal, ,
原子力機構のガラス固化技術開発施設(TVF)では、1995年から開発運転を開始し、2016年4月までに、1号溶融炉で130本、2号溶融炉で126本、計256本のガラス固化体を製造した。本発表では、TVF運転を通じて得られた主な成果と白金族対策を中心とした最近の研究状況を紹介する。
天本 一平; 小林 秀和; 菖蒲 康夫; 大西 貴士; 稲葉 優介*; 内海 和夫*; 竹下 健二*; 尾上 順*; 越坂 亜希子*; 長谷川 良雄*
no journal, ,
高レベル放射性廃液(HLLW)中に存在する白金族化学種(PGS)の分離を目的とした収着剤合成法の開発を行った。非放射性単味PGSを用いた分離試験の結果、耐酸性に優れているシリカ質多孔質体に、フェロシアン化アルミニウム(AlHCF)を含浸させた収着剤が効果的であることが判明した。同収着剤は実廃液中のPdやMo化学種についても十分な収着特性を示した。またPGSとMo化学種を除去した結果、HLLW中の廃棄物をこれまでより多量にガラスに充填できることが分かった。
菖蒲 康夫; 巌渕 弘樹; 大森 栄一; 三浦 信之
no journal, ,
東海再処理施設(TRP)では設備・建屋の廃止措置と解体を計画しており、完了までに数十年を要する。TRPには現在およそ360立米の高レベル廃液(HLLW)が貯蔵されており、HLLWがTRPに貯蔵されている限り、その蒸発や水素爆発というリスクが有るため、HLLWは強制冷却と水素掃気を行い続けて安全に管理する必要がある。それゆえ、この貯蔵リスクを低減するために東海ガラス固化施設(TVF)で2028年までにガラス固化することとした。TVFは1992年に建設され、これまでに306体のガラス固化体を製造してきた。液体供給式ジュール加熱セラミック溶融炉(LFCM)を採用していることが特徴である。溶融炉やHLLW貯槽といった主要工程設備はセル内に設置し、完全遠隔保守システムを採用している。溶融炉の運転中、HLLWに含まれる白金族元素が炉底部に堆積するため、定期的に溶融炉を空にして堆積した白金族元素濃度の高いガラスを機械的装置で除去しなければならない。ガラス固化を成功させるためには、高経年化を考慮した組織的な保守計画による設備維持や、ガラス固化体保管容量の拡大、そして設計寿命を考慮した溶融炉の更新が必要である。本会議においては、東海サイトにおけるガラス固化処理計画について紹介する。
永井 崇之; 西澤 代治*; 渡部 創; 岡本 芳浩; 関 克巳*; 本間 将啓*; 菖蒲 康夫
no journal, ,
実規模プロセス試験で製造した模擬ガラス固化体を対象に放射光XAFS測定を実施し、Ce-L3吸収端スペクトルからガラス組成による模擬ガラス固化体中のセリウム(Ce)原子価割合を求めた結果、ガラス中のネオジム(Nd)濃度が高くなるほど、Ce(IV)の割合が高くなる傾向にあることを確認した。固化体中のCe原子価は、プロセス環境が酸化性であればCe(IV)が増え、還元性であればCe(III)が増える傾向にある。固化体中のNd化合物はNdO
と考えられ、Nd化合物がFe
O
と同様な酸化還元反応を示すことは想定できないが、同じ組成のCe含有ガラスへFe
O
とNd
O
を各々添加し、放射光XAFS測定した結果、Nd添加ガラス中のCe(IV)割合はFe添加ガラスよりも高いことを確認した。結論として、ガラス中のNdがCe原子価に影響することを見出した。
天本 一平; 小林 秀和; 菖蒲 康夫; 内海 和夫*; 竹下 健二*; 尾上 順*; 永山 紗智子*; 長谷川 良雄*
no journal, ,
本研究は、ガラス固化体製造時に影響を与える高レベル放射性廃液(HLLW)中の白金族元素(Ru, Rh, Pd)を事前に取り除くことを目指した無機収着材の開発を行うことを目的としている。今回は、これまでの試験で収着効果が認められたZrO系ナノシートに関して各種特性データの取得を行い、収着機構を解明する一助としてとりまとめた。
天本 一平; 小林 秀和; 菖蒲 康夫; 内海 和夫*; 竹下 健二*; 尾上 順*; 永山 紗智子*; 長谷川 良雄*
no journal, ,
本研究は、ガラス固化体の高品質化と発生量低減を目指した、高レベル放射性廃液(HLLW)中の白金族化学種(PGM)の一括回収プロセスを開発することを目的としている。HLLWの合理的な処理を行うための研究開発の一環として、PGMに対する収着作用のある材料の探索を行ったところ、多孔質酸化物セラミックスに可能性があることが判明した。ここでは、ZrO質及びTiO
質の酸化物セラミックスを吸着剤として合成し、PGM収着試験と物性測定を行い、収着効果に影響を与える因子を調べている。今回の検討の結果、強い共有結合性を持ち、かつ正側に大きなゼータ電位を持つ収着剤がPGMの収着に効果的であることがわかった。
朝日 良光; 中島 正義; 菖蒲 康夫
no journal, ,
ガラス固化溶融炉の熱流動・粒子追跡の連成解析コードを用いたシミュレーションにおいて、厚みのある白金族粒子堆積領域の形成を表現できるよう、便宜的な粒子挙動モデルを適用した。これにより、厚みのある粒子堆積領域の形成状況、並びに適用モデルの設定により流下ガラス中の白金族濃度が変化することを報告する。
朝日 良光; 中島 正義; 菖蒲 康夫
no journal, ,
ガラス固化技術開発施設(TVF)の液体供給式直接通電型セラミック溶融炉では、長期間の運転に伴い白金族元素が炉内に堆積し、保守期間を設けてこれを除去している。保守時期を適切に選定することで廃液処理を効率化するため、白金族元素の堆積挙動を精度よく把握・予測することが本研究の課題である。白金族粒子を質点として扱うLagrangianモデルのシミュレーションコードが開発されており、溶融炉のシミュレーションに用いられている。これまでに、粒子間の接触抗力を模擬する便宜的な粒子挙動モデルを開発し、仮想的な運転条件において、厚みのある堆積領域の形成や、堆積が進行したときの炉底の温度上昇を表現可能であることを確認している。今回新たに熱流動電場解析の境界条件や入力パラメータを精緻化し、温度分布をガラス固化溶融炉の実測値に近づけた運転シミュレーションの計算モデルを構築した。このモデルを使って白金族元素の粒子挙動解析を行い、運転中の温度推移や流下ガラス中の粒子濃度について、実測値と比較可能な値を得た。
原島 丈朗; 山下 照雄; 松村 忠幸; 大山 孝一; 菖蒲 康夫; 小高 亮
no journal, ,
ガラス固化技術開発施設(TVF)のガラス固化処理期間の短縮に向けた方策の一つであるTVF3号ガラス溶融炉に対して、ガラス固化技術開発施設(TVF)の現状のガラス溶融炉の課題と対策を基に、次期ガラス溶融炉への要求機能の対策案、施設側の前提条件や制約条件を整理し、候補炉形式の検討を行うとともに適用技術を具体化しガラス固化処理技術開発施設(TVF)における成立性を確認した。
松村 忠幸; 山下 照雄; 大山 孝一; 原島 丈朗; 菖蒲 康夫; 小高 亮
no journal, ,
東海再処理施設の潜在的ハザード低減に向けて高レベル放射性廃液の固化安定化を図るため、現状のガラス固化処理技術開発施設(TVF)の運転実績に基づく評価を行った。TVF1号ガラス溶融炉は炉底への白金族元素の残留により連続固化処理が困難になる事象が発生したため、TVF2号ガラス溶融炉では白金族元素堆積防止、白金族元素堆積判断指標、白金族元素抜き出し性向上、炉底残留ガラスの除去などの改良を行い、炉内に堆積していた残留ガラスを全て除去・回収することができた。その後、2016年1月からのキャンペーンにて安定した連続運転ができることを確認した。それらを踏まえ、ガラス固化処理期間の短縮に向けたTVF3号ガラス溶融炉の達成目標に対する課題を摘出した。