Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
長田 充弘; 福田 将眞; 末岡 茂; 中嶋 徹; 横山 立憲; Wall, C. J.*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (37), p.11 - 13, 2024/12
近年、分析技術の発達により100万年以降の若い地質単元でもジルコンによるU-Th-Pb年代測定が可能となりつつある。しかしながら、その分析を評価しうる若い標準試料はほとんどない。本研究では、著者らが研究をすすめている100万年オーダーのジルコン試料(TRG04とOGPK)を対象に、同位体希釈表面電離質量分析(ID-TIMS)法によるU-Pb年代測定を試みた。その結果、それぞれ予察的に2.66540.0016Maおよび1.12660.0014MaのU-Pb年代を得た。
中嶋 徹; 福田 将眞; 末岡 茂; 仁木 創太*; 河上 哲生*; 檀原 徹*; 田上 高広*
Geochronology (Internet), 6(3), p.313 - 323, 2024/07
本研究ではモナズ石の化学組成と放射線損傷がフィッション・トラックのエッチング時間に与える影響を調べた。モナズ石のフィッション・トラック年代測定法は超低温熱年代としての応用が期待されているが、モナズ石の化学組成や放射線損傷がフィッション・トラックのエッチング時間に与える影響は明らかになっておらず、分析方法が確立していない。私たちはモナズ石のラマン分光分析と化学組成の定量分析から、日本国内のモナズ石試料について放射線損傷の蓄積レベルを見積もった。またフィッション・トラックのエッチング実験を行い、これらの変数がエッチングの時間に与える影響を調べた。
末岡 茂; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 丹羽 正和; 菅野 瑞穂; Kohn, B. P.*; 川村 淳; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 小北 康弘; et al.
Earth, Planets and Space (Internet), 75(1), p.177_1 - 177_24, 2023/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Geosciences, Multidisciplinary)紀伊半島本宮地域の熱水変質帯を対象に、熱水活動による母岩への熱影響を評価するため、熱年代解析と流体包有物解析を実施した。流体包有物解析の結果、約150Cと約200Cの熱水活動が認定された。一方、熱年代解析の結果では、いずれの熱年代計でも、熱水脈からの距離に応じた年代の系統的な変化は観察されなかった。すなわち、熱水活動に伴う熱以上は検出できなかった。これらの熱年代は、中期中新世以降の山地隆起に伴う広域的な削剥史を反映していると解釈された。
福田 将眞; Kohn, B. P.*; 末岡 茂; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (35), p.7 - 10, 2022/12
ジルコン(U-Th)/He法の年代標準試料を確立する目的で、4つのジルコン試料について(U-Th)/He年代分析を実施した。令和2年度に報告した仁左平ジルコンに引き続いて、3年度は国内の地質試料として、濃飛流紋岩,鷲走ヶ岳月長石流紋岩およびフィッション・トラック法およびU-Pb法の年代標準試料であるMt. Dromedary, OD-3を採用した。結果として、濃飛流紋岩については二次加熱を示唆する年代の若返りが観察されたが、残り3試料については先行研究の既往年代と整合的なデータが得られた。これまで得られている7つのZHeデータを総評すると、先行研究で測定した歌長流紋岩のジルコンが最も単粒子年代のばらつきが小さく、標準試料として適切であると考えられる。今後は、年代のばらつきの原因の探求のため、ジルコン粒子の化学分析や組織観察を行う予定である。
末岡 茂; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 岡本 晃*; 田上 高広*
フィッション・トラックニュースレター, (35), p.1 - 4, 2022/12
沈み込み帯では、スラブからの脱水によりメルトが生成され火山弧が形成されることはよく知られている。一方で、西南日本前弧域などでは、メルトの生成を伴わないスラブ起源流体の活動が報告されている。このような流体活動は、前弧域における熱輸送・物質移動に関わるのみならず、内陸の地震活動や泥火山の噴出との関連が指摘されている。また、地熱資源の開発や地下重要施設の安全性評価などの社会的な側面からも、その性質の理解が望まれている。本講演では、過去のスラブ起源流体活動の痕跡と考えられる熱水変質帯を対象に、低温領域の熱年代学に基づいて、流体活動の熱的特徴(到達温度,継続期間など)の検討を試みた事例を紹介する。事例対象としたのは、紀伊半島本宮地域と有馬地域の2つで、いずれもスラブ起源流体の湧出が盛んな地域として知られている。本宮地域では、平治川の露頭において、熱水脈およびその近傍の母岩(四万十帯砂岩)を採取した。有馬地域では、白水峡付近の六甲断層露頭から、断層からの距離に応じて基盤岩(風化花崗岩)を採取した。これらの試料から分離したジルコンとアパタイトを対象に、FT法, U-Pb法, (U-Th)/He法による熱年代解析を実施した。しかし、いずれの試料,いずれの熱年代計においても、新しい時代の熱異常は検出できない結果となった。そこで、一次元熱伝導モデルとHeFTy ver. 1.9.3のフォワードモデルに基づいて、熱水活動に伴う冷却年代の空間分布を再現して検証を行った。その結果、熱水温度が150Cの、1000年程度の加熱期間ではこれらの熱年代計では熱異常の検出は困難と推定された。一方、熱水温度が200-300Cの場合、1000年以下の加熱期間でも、アパタイトFT年代やジルコン(U-Th)/He年代の若返りが期待できる。スラブ起源流体の場合、火山性の熱水と異なり、地表付近で再加熱されないため、熱年代法で熱異常を検出するには、地表付近までどれだけ高温が維持されるかが鍵となる。スラブ起源流体の熱的特徴の把握と熱年代法によるアプローチの適用性のさらなる検証のためには、200-300Cの熱水活動が期待される地域における事例の蓄積が望まれる。
中嶋 徹; 福田 将眞; 長田 充弘; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 末岡 茂
フィッション・トラックニュースレター, (35), p.34 - 36, 2022/12
本発表ではバデリアイトのフィッション・トラック(FT)年代測定の実用化に向け行ったFTエッチング実験の結果と、その簡単な考察を行う。本研究では檀原ほか(1999)で用いられたものと同一試料のバデリアイト(第一稀元素化学工業提供試料)を使用し、NaOH-KOH共融混合液を用いて228度の温度条件で50時間まで段階的なエッチングを行った。その結果、檀原ほか(1999)の報告と同様に研磨痕の拡大、表面の粗面化などバデリアイトがエッチングされる様子が観察された一方で、FTと思しき組織は観察されなかった。研磨痕は拡大する一方でFTがエッチングされなかったことから、バデリアイトのFTは何らかの要因によりエッチングされにくいことが予想される。バデリアイトのFTを観察した研究としてO'Connell et al. (2020)がある。この研究ではTEM観察により、Xeイオントラックが単斜晶系から正方晶系への線状相転移領域(約2.5nm幅)として認定されることを報告している。本研究でFTがエッチングされなかったことは、バデリアイトのFTがアモルファス化しておらず、エッチングされにくいことが原因として考えられる。以上を踏まえると、ジルコンと同様の方法でのバデリアイトFTのエッチングは困難であると予想されるが、TEMやAFMによるlatent trackの観察などFT密度を計測することができれば、熱年代計として使用できる可能性がある。今後もバデリアイトFT法の確立へ向けて可能性を探ってゆく。
中嶋 徹; 河上 哲生*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 酒井 治孝*
Journal of Geophysical Research; Solid Earth, 127(5), p.e2021JB023630_1 - e2021JB023630_33, 2022/05
被引用回数:2 パーセンタイル:24.80(Geochemistry & Geophysics)大陸衝突帯における結晶質岩ナップの削剥過程を明らかにするために、東ネパールヒマラヤに分布する高ヒマラヤ変成岩ナップとレッサーヒマラヤナップに熱年代学的手法を適用した。
笹尾 英嗣; 檀原 徹*; 山下 透*; 林 譲治*
瑞浪市化石博物館研究報告, (48), p.9 - 19, 2021/05
東濃ウラン鉱床の周辺に分布する中新統堆積岩類の対比の基礎資料として、瑞浪層群中の14層の凝灰岩および岩村層群中の4層の凝灰岩を対象として、凝灰岩層の記載岩石学的な特徴を記載した。記載項目は、全鉱物組成、重鉱物組成、火山ガラスの形態、火山ガラスおよび斜長石の屈折率である。
末岡 茂; 島田 耕史; 照沢 秀司*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 小北 康弘; 平田 岳史*
地質学雑誌, 127(1), p.25 - 39, 2021/01
南九州せん断帯に分布する破砕帯の活動時期を制約するため、紫尾山花崗閃緑岩体から非加熱の試料2点と破砕帯に切られたアプライト脈沿いの試料1点を採取し、フィッション・トラック(FT)およびU-Pb解析を適用した。ジルコンU-Pb年代は14.0-13.5Ma、ジルコンFT年代は14.7-13.7Ma、アパタイトFT年代は12.6-10.0Maを示した。これらの熱年代データを基に熱履歴解析を行ったところ、紫尾山花崗閃緑岩体は14.0-13.5Maに浅所に貫入し、アパタイトFT法のPAZ(60-130C)以下まで急冷されたと推定された。平八重型と楠八重型の岩相で、貫入時期と冷却史に大きな違いは見られなかった。破砕帯の活動時期は、アプライト脈の貫入時期である10.00.8Ma頃と考えられ、岩体の初期冷却に伴う収縮ではなく、岩体冷却後のテクトニックな作用に起因する可能性が高い。
高橋 浩*; 御子柴 真澄*; 志村 俊昭*; 長田 充弘; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*
Island Arc, 30(1), p.e12393_1 - e12393_15, 2021/01
被引用回数:3 パーセンタイル:18.64(Geosciences, Multidisciplinary)北海道に分布する日高変成帯は島弧地殻の断片とされ、同帯変成岩類は高変成度の下部層と低変成度の上部層とに区分される。近年の下部層のジルコンU-Pb年代測定による変成年代(約19Ma)の報告により、日高変成帯の形成史の見直しが求められていた。そのため、上部層を対象にジルコンU-Pb年代測定を行った。黒雲母片麻岩の砕屑性コアは53.10.9Maを、変成(再結晶)リムは39.60.9Maを示した。一方、董青石-黒雲母片麻岩の砕屑性コアは46.52.8Maを、変成リムは35.90.7Maを示した。これらの結果から、日高変成帯上部層の原岩は約53-47Ma以降に形成され、上部層の変成作用は40-36Maであったと解釈される。また、上部層と下部層の接合は下部層の変成年代と下部層で形成され上部層に貫入している深成岩類がいずれも約19Maであることから19Ma以降であると考えられる。
丹羽 正和; 雨宮 浩樹*; 代永 佑輔; 小北 康弘; 安江 健一*; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*
地質学雑誌, 126(5), p.267 - 283, 2020/05
地層の堆積年代の決定や層序対比において有効な指標となるテフラの年代決定手法の高度化のため、北海道幌延地域の新第三系第四系に狭在する3試料のテフラを事例対象として、ジルコンの同一粒子に対しU-Pb年代とフィッション・トラック(FT)年代を求め、堆積年代を推定する手法を適用した。このうち2試料は、最若粒子集団のU-PbとFTの加重平均年代が誤差2で一致し、降灰テフラの噴出年代を示すと考えられた。もう1試料についても、多くのジルコンでFT年代がU-Pb年代と同等かそれ以上に若返っており、全粒子のFT加重平均年代と最若粒子集団のU-Pb加重平均年代が誤差2で一致するので、それらがテフラの噴出年代を示すと考えられた。また、本研究で得られた結果は、東西圧縮の地殻変動により、同一層でも西部より東部の方が年代が古くなるという本地域の新第三系第四系における傾向を支持する結果となった。
植木 忠正; 丹羽 正和; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 平田 岳史*
地質学雑誌, 125(3), p.227 - 236, 2019/03
大田テフラに対比される岐阜県東濃地域の中津川I・II火山灰層から採取した2試料を用いて、同一ジルコン粒子に対するU-Pb年代とフィッション・トラック(FT)年代のダブル年代測定を行った。その結果、2試料の加重平均値として、U-Pb年代は3.940.07Ma、FT年代は3.970.39Maの年代が得られた。本研究の年代測定結果は既存研究のFT年代や古地磁気層序とも整合的であり、中部日本をはじめとする地域の下部鮮新統の広域層序と年代整理において重要な年代指標となると考えられる。
湯口 貴史*; 末岡 茂; 岩野 英樹*; 五十公野 裕也*; 石橋 正祐紀; 檀原 徹*; 笹尾 英嗣; 平田 岳史*; 西山 忠男*
Journal of Asian Earth Sciences, 169, p.47 - 66, 2019/01
被引用回数:17 パーセンタイル:62.62(Geosciences, Multidisciplinary)本研究は、中部日本に位置する土岐花崗岩体を研究対象とし、熱年代学的な手法で冷却履歴(温度-時間履歴)を取得した。10本のボーリングコアから採取された15試料に対して、ジルコンU-Pb年代,黒雲母K-Ar年代,ジルコンフィッション・トラック(FT)年代,アパタイトFT年代、およびFTデータの逆解析からなる温度-時間履歴を提示した。得られた岩体内部の複数地点の冷却履歴の相違を比較し、その位置的な相違を生む原因について言及した。これは熱進化モデルの構築に資するデータとなる。また花崗岩内における物質移動は、水みちとして機能する割れ目により大きく支配されることから、割れ目の分布特性と得られた温度-時間履歴の関連について検討を行った。
末岡 茂; 島田 耕史; 石丸 恒存; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 八木 公史*
地学雑誌, 127(6), p.795 - 803, 2018/12
江若花崗岩の敦賀岩体と江若岩体にて、ジルコンU-Pb年代測定、ジルコンフィッション・トラック(FT)解析、アパタイトFT解析を実施した。ジルコンU-Pb年代は、いずれの岩体でも69.2-68.0Maと高い再現性を示し、両岩体がほぼ同時期に形成されたことを示唆した。ジルコンFT年代は59.6-53.0Maとややばらついたが、FT長解析では急冷傾向が推定されること、概して岩体の中心部に向かって若い年代が得られることから、岩体定置後の冷却過程を反映していると考えられる。アパタイトFTは44.8-20.9Maと大きくばらついたが、FT長解析の結果を踏まえると、敦賀岩体は長期間の削剥、江若岩体は漸新世から中新世の火成活動による再加熱を被っている可能性がある。敦賀岩体中の玄武岩岩脈についてもK-Ar年代測定を実施したところ、既報値より約1Ma古い値を示し、同岩脈を形成した火成活動が100万年程度継続した可能性を示唆した。
横山 立憲; 木村 純一*; 三ツ口 丈裕; 檀原 徹*; 平田 岳史*; 坂田 周平*; 岩野 英樹*; 丸山 誠史*; Chang, Q.*; 宮崎 隆*; et al.
Geochemical Journal, 52(6), p.531 - 540, 2018/12
被引用回数:17 パーセンタイル:61.25(Geochemistry & Geophysics)We developed a non-matrix matched U-Pb dating method for calcite by using LA-ICP-MS. The excimer LA was set to generate a low-aspect-ratio crater to minimize downhole U-Pb fractionation. We used He sample ablation gas mixed with Ar carrier gas and additional trace N gas to create a robust plasma setup. The use of N additional gas allowed for low oxide molecular yield for high-sensitivity interface cones with the ICP shield electrode disconnected. Moreover, this resulted in robust ICP plasma against different matrixes in LA aerosols owing to efficient dissociation-ionization of the aerosols by increased plasma temperature. The above setup helped accomplish accurate U-Pb dating of calcite samples by using SRM 612 glass as the standard. We applied this method to the following calcite samples: (1) recently-proposed reference material named WC-1 with a determined U-Pb age of 254.63.2 Ma and (2) a well-preserved fossil specimen of blastoid sp. with an estimated age of 339-318 Ma. The resultant U-Pb ages of the WC-1 and samples were 260.06.7 Ma and 33212 Ma, respectively, which indicate accurate U-Pb dating by this method. Before this U-Pb dating, quantitative distribution maps of the U, Th, and Pb isotopes of each sample were obtained using the LA-ICP-MS imaging technique to select suitable areas for dating.
笹尾 英嗣; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 平田 岳史*
地質学雑誌, 124(2), p.141 - 150, 2018/02
地質学的な変動帯に位置する我が国の地質環境中における核種の保持・移行挙動についての理解を深めるため、東濃ウラン鉱床を事例とした研究を行ってきた。その一環として、東濃ウラン鉱床を胚胎する中新統瑞浪層群と瑞浪層群に隣接して分布する岩村層群に挟在する凝灰岩中のジルコンを用いたフィッション・トラック年代測定を行った。しかし、それ以前に知られていた微化石年代等とは100万年程度の差が生じることが課題として残された。そこで、瑞浪層群および岩村層群に挟在する凝灰岩3試料のジルコンU-Pb年代測定を行った結果、以下のような年代値が得られた:瑞浪層群の本郷層細久手火山礫凝灰岩は18.80.3Ma、明世層Ak-12凝灰岩は17.80.4Ma、岩村層群遠山層牧部層中部のTy-12凝灰岩は18.40.4Ma。この結果は、再評価したジルコンフィッション・トラック年代と誤差範囲内で一致し、既報の微化石および古地磁気層序と整合的となった。この結果から、瑞浪層群と岩村層群の堆積年代を次のように推定した:瑞浪層群の本郷層は1918Ma、明世層は約18Ma、岩村層群遠山層牧部層中部は約18Ma。
湯口 貴史*; 末岡 茂; 岩野 英樹*; 檀原 徹*; 石橋 正祐紀; 笹尾 英嗣; 西山 忠男*
Island Arc, 26(6), p.e12219_1 - e12219_15, 2017/11
被引用回数:11 パーセンタイル:35.97(Geosciences, Multidisciplinary)本報告では、中部日本の東濃地域、土岐花崗岩体のアパタイトフィッション・トラック(AFT)年代の空間分布を明らかにした。AFT年代の空間分布は低温条件での花崗岩の3次元的な冷却史を解明することに有用である。低温条件の冷却史の解明は、岩体の上昇速度の解明に有用となる。そこで、本報告ではAERs(age-elevation relationships)とHeFTyプログラムによるAFT逆解析に基づいて土岐花崗岩体の上昇速度について考察を行った。
末岡 茂; 島田 耕史; 石丸 恒存; 丹羽 正和; 安江 健一; 梅田 浩司*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*
Journal of Geophysical Research; Solid Earth, 122(3), p.1848 - 1859, 2017/03
もんじゅ敷地内の破砕帯のうち、高温環境下で生じる黒雲母の塑性変形を伴うものについて、アパタイトフィッション・トラック(AFT)解析により、変形年代の制約を試みた。AFT年代は50-17Maを示し、最新活動面沿いでは相対的に若い年代が得られた。また全体としては、約19Maに貫入した玄武岩からの距離に応じて若返る傾向が見られた。FT長解析や、熱拡散シミュレーション等を合わせた検討に基づくと、破砕帯周辺が黒雲母の塑性変形温度に達したのは、68-50Maの花崗岩貫入後の急冷時と約19Maの玄武岩貫入時であり、破砕帯沿いの変形はこれらの時期に生じた可能性が高い。
末岡 茂; 島田 耕史; 石丸 恒存; 丹羽 正和; 安江 健一; 梅田 浩司*; 檀原 徹*; 岩野 英樹*
フィッション・トラックニュースレター, (29), p.5 - 7, 2016/12
もんじゅ敷地内の破砕帯は、高温環境下で生じる黒雲母の塑性変形を伴う。これらについて、アパタイトフィッション・トラック(AFT)解析により、変形年代の制約を試みた。AFT年代は50-17Maを示し、最新活動面沿いでは相対的に若い年代を示す、全体としては約19Maに貫入した玄武岩からの距離に応じて若くなる、という傾向が見られた。これらのデータを基に検討を加えた結果、破砕帯周辺が黒雲母の塑性変形温度に達した時期は、68-50Maの花崗岩貫入後の急冷時と約19Maの玄武岩貫入時であり、破砕帯沿いの変形はこれらの時期に生じたと解釈できる。
末岡 茂; 梅田 浩司; 安江 健一; 丹羽 正和; 島田 耕史; 石丸 恒存; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 八木 公史*
地学雑誌, 125(2), p.201 - 219, 2016/04
本研究では、敦賀半島に分布する江若花崗岩敦賀岩体を対象に、複数の熱年代学的手法を用いて、冷却史と削剥史の検討を行った。その結果、江若花崗岩敦賀岩体は、(1)約68Maに深度4-5kmの浅所に形成され、(2)その後の数100万年以内に、熱伝導によって約200Cまで急冷され、(3)古第三紀初頭以降の数1000万年間にわたる準平原化作用による徐冷を経て現在の地表温度に至った、という冷却史・削剥史が推定された。上記のような冷却史・削剥史は、敦賀半島に分布する断層破砕帯が主に比較的低温で形成されるカタクレーサイトや断層ガウジからなること、敦賀半島の周辺地域でも熱年代学的手法によって新生代を通じた徐冷が推定されていること、侵食小起伏面の分布高度から推定される敦賀半島の最近数100万年間の削剥量が数100m以内であること、などと整合的である。