Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2022-2, p.108 - 113, 2022/11
ウラン粒子に対するSIMS分析では最初に粒子自動測定(APM)を行う。APMを行うことで試料台上に存在するウラン粒子の個数とその位置や、どの程度の濃縮度であるかを知ることができる。APMは測定範囲350m四方に酸素イオンビームを短時間照射する同位体比測定を座標を移動しながら繰り返すことで試料台全体の様子を網羅していくが、その精度や確度は試料の状態の影響を大きく受ける。そこで、試料の前処理で行っている加熱処理の温度がウラン二次イオンの発生効率やウラン水素化物の生成量、粒子の結晶性等に与える影響を調べ、APMに適した条件を求めた。得られた実験結果を元に試料の状態に応じた粒子分析スキームを作成した。実験により800Cの加熱処理は350Cと比較してウラン二次イオンの検出量が33%まで低下し、ウラン水素化物の生成も4倍となる結果が得られた。ラマン分光分析によって800Cの加熱は結晶性の向上に繋がることがわかったが、二次イオンの発生効率を低下させるような変質が引き起こす悪影響の方が顕著であり、今回の実験では350Cによる加熱が適した加熱条件であるとわかった。
富田 涼平; 富田 純平; 蓬田 匠; 鈴木 大輔; 安田 健一郎; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ
KEK Proceedings 2021-2, p.146 - 150, 2021/12
大型二次イオン質量分析装置(LG-SIMS)を使用したウラン粒子のスクリーニング測定(APM)は広い測定領域に複数の粒子を収め、測定範囲内に存在する個々の粒子の座標と同位体組成の情報を得る連続測定である。特に高濃縮の粒子を含むAPMではウラン粒子表面の水素化物生成比が高い場合にU$測定値$=UH+U$真値$となる影響を受けてUの存在率が見かけ上高くなる。APMでは個々の粒子から得られる二次イオンが少ないため正確な水素化物補正ができず、この影響でウラン全体に対するUの存在率が見かけ上低下する問題が起きる。そこでAPMの測定前に一定時間だけイオンビームを照射することでウラン粒子表面の水素化物生成比の低減を試みた。また、粒子表面を十分にスパッタしやすいマニピュレーション-APM(APM-mani)についても実験を行い、水素化物を効果的に低減できるスクリーニング条件を検討した。
鈴木 大輔; 富田 涼平; 富田 純平; 江坂 文孝; 安田 健一郎; 宮本 ユタカ
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 328(1), p.103 - 111, 2021/04
被引用回数:3 パーセンタイル:37.09(Chemistry, Analytical)保障措置のためのウラン粒子の精製年代分析技術を開発した。ウランの精製年代は、粒子中のウランとトリウムを化学分離したのち、シングルコレクタ型誘導結合プラズマ質量分析計を用いてTh/U原子個数比を測定することにより得た。粒子中のTh及びUの原子個数の定量は、既知量のU濃縮同位体標準物質及びその標準物質にUの娘核種として含まれるThをスパイクとして用いて行った。精製年代既知(精製からの経過年: 61年)の二種類の同位体標準物NBL U-850及びU-100のウラン粒子を用いて分析を行ったところ、得られた推定精製年代はそれらの標準物質の参照精製年代と良く一致した結果であった。さらに、単一のU-850ウラン粒子を用いて分析を行った結果、推定精製年代は参照精製年代から-28年2年のずれの範囲内で得ることができた。
江坂 文孝
ぶんせき, 2018(10), p.408 - 411, 2018/10
本報告では、核物質粒子の探知技術、質量分析を用いたウランやプルトニウムの同位体比分析技術、さらに精製年代測定技術などの最新の研究成果をデータを示しながら紹介する。これらの分析技術は、核不拡散のための微量分析技術に役立てられている。
山田 洋一*; Kuklin, A. V.*; 佐藤 翔*; 江坂 文孝; 角 直也*; Zhang, C.*; 佐々木 正洋*; Kwon, E.*; 笠間 泰彦*; Avramov, P. V.*; et al.
Carbon, 133, p.23 - 30, 2018/07
被引用回数:18 パーセンタイル:53.86(Chemistry, Physical)本研究では、超高真空中で高純度Li@C[PF]塩の蒸発によってLiイオン内包フラーレンを調製し、走査型トンネル顕微鏡(STM)により明瞭に観察することに成功した。また、STM観察に先立って、光電子分光およびX線吸収分光などにより測定したところ、Liは正、PFは負のチャージを帯びており、Cは中性であることが明らかとなった。
蓬田 匠; 江坂 文孝; 間柄 正明
Analytical Methods, 9(44), p.6261 - 6266, 2017/11
被引用回数:11 パーセンタイル:60.63(Chemistry, Analytical)本研究では、単一ウラン微粒子の化学状態と同位体比を、顕微ラマン分光分析および二次イオン質量分析の組み合わせにより決定する方法の開発を行った。電子顕微鏡-X線検出によりウラン微粒子を特定し、マイクロマニピュレータを用いてウラン微粒子を単体分離した。顕微ラマン測定時のレーザーパワーの最適化により、1から5mの大きさのウラン微粒子のラマンスペクトルの取得が可能になり、得られたラマンスペクトルの形状からUOとUOの化学形が判別できた。また、ラマン分光分析を非破壊で行うことで、化学状態分析後の微粒子に対してSIMSによる同位体比分析を行うことができた。したがって、顕微ラマン分光分析とSIMSの併用は、個々のウラン微粒子の化学状態と同位体比分析に有効であることが示された。
宮本 ユタカ; 安田 健一郎; 鈴木 大輔; 江坂 文孝; 間柄 正明
KEK Proceedings 2017-6, p.292 - 298, 2017/11
IAEA環境試料に含まれるフェムトグラムからピコグラムの極微量プルトニウムの量および同位体比をICP-MSで正確に測定するために取り組んでいる最新の分析技術や、GUMに準拠した考え方を取り入れた測定値の不確かさ評価について述べるとともに、サブフェムトグラムのAm定量の可能性についても触れた。
江坂 文孝
Analytical Sciences, 33(10), p.1097 - 1098, 2017/10
被引用回数:5 パーセンタイル:87.80(Chemistry, Analytical)誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)法は環境科学、地質学、臨床分野などで幅広く用いられている。本報告では、ICP-MS法を用いて行われている最新の文献を紹介するとともに、今後の展開について述べる。
蓬田 匠; 浅井 志保; 佐伯 盛久*; 半澤 有希子; 堀田 拓摩; 江坂 文孝; 大場 弘則*; 北辻 章浩
分析化学, 66(9), p.647 - 652, 2017/09
被引用回数:2 パーセンタイル:6.54(Chemistry, Analytical)ウランの核分裂生成物の一つであるPdは、半減期が約650万年と長く、長期間に渡り放射線を放出して人体に影響を及ぼす可能性があることから、高レベル放射性廃液(HLLW)中の存在量を正確に把握する必要がある。しかし、これまでその存在量の実測報告例はない。本研究では、遠隔・非接触分離が可能なレーザー誘起光還元法のHLLWへの適用を念頭に、HLW模擬液を用いて種々の分離条件がPd回収率に与える影響を検討した。Pdの回収率は、還元剤として作用するエタノール濃度、レーザー光の照射時間とパルスエネルギーに依存し、それぞれ40%、20分、100mJとした場合に60%となった。また、Pd濃度0.24g mLから24g mLの広い濃度範囲において、主要な放射能源やスペクトル干渉源となる元素を99.5%以上の割合で除去し、Pdを高純度に分離できることを明らかにした。本条件によれば、レーザー誘起光還元法はHLLWなど実際の放射性廃棄物に含まれるPdのICP-MS測定前処理法として、十分に適用可能である。
江坂 文孝; 安田 健一郎; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 間柄 正明
Talanta, 165, p.122 - 127, 2017/04
被引用回数:17 パーセンタイル:54.49(Chemistry, Analytical)本研究では、単一ウラン-プルトニウム混合粒子中のプルトニウム同位体比を、アルファ線計測および誘導結合プラズマ質量分析(ICP-MS)の組み合わせにより決定する方法の開発を行った。その結果、Pu/Pu、Pu/PuおよびPu/Pu同位体比についてはICP-MSにより決定することができ、Pu/Pu同位体比については、アルファ線計測により求めたPu/(Pu+Pu)放射能比とICP-MSにより求めたPu/Pu同位体比より計算で決定することができた。したがって、アルファ線計測およびICP-MSの併用は、単一ウラン-プルトニウム混合粒子中のプルトニウム同位体比分析に有効であることが示された。
江坂 文孝; 野島 健大; 鵜殿 治彦*; 間柄 正明; 山本 博之
Surface and Interface Analysis, 48(7), p.432 - 435, 2016/07
被引用回数:16 パーセンタイル:39.74(Chemistry, Physical)X線光電子分光法(XPS)は、固体試料の非破壊化学状態分析に広く用いられている。この方法では、イオンビームスパッタリングを併用することにより深さ方向分析が可能である。しかし、スパッタリングはしばしば偏析や選択的な原子の放出を引き起こし、正確な情報が得らえない場合がある。一方、放射光からのエネルギー可変X線の利用は、スパッタリングなしでの深さ方向分析を可能とする。本研究では、放射光X線を励起源としたXPSおよびX線吸収分光法(XAS)による深さ方向分析法について、MgSi単結晶の表面酸化層の分析を例に、検討を行った。その結果、本法により非破壊での深さ方向分析が可能であり、MgSi単結晶の表面酸化層としてSi-OあるいはSi-O-Mg層が形成されることがわかった。
江坂 文孝; 間柄 正明
Mass Spectrometry Letters, 7(2), p.41 - 44, 2016/06
保障措置環境試料中の個別ウラン粒子の分析(パーティクル分析)は、二次イオン質量分析(SIMS)法などにより行われている。この際、あらかじめ試料中に含まれる多くの粒子からウランを含む粒子を特定する必要があり、これまで分析の律速になっていた。本研究では、走査型電子顕微鏡の反射電子像を利用した自動分析により効率的にウラン粒子を特定し、SIMS法により同位体比分析を行う方法について検討した。本検討により分析条件の最適化を行った結果、1000倍の倍率で反射電子像を観測することにより、直径1m程度のウラン粒子を効率的に特定できることが確かめられた。
江坂 文孝; 鈴木 大輔; 蓬田 匠; 間柄 正明
Analytical Methods, 8(7), p.1543 - 1548, 2016/02
被引用回数:9 パーセンタイル:52.64(Chemistry, Analytical)原子力施設で採取された環境試料中の個々のウラン粒子の同位体比分析は、施設での未申告原子力活動を検知する上で重要である。本研究では、効率的な分析法の開発を目的として、自動粒子スクリーニングを利用して測定する粒子を選別し、表面電離質量分析法(TIMS)により同位体比分析を行う方法の開発を行った。本法により実際の査察試料を分析した結果、従来法に比べて分子イオンの影響を低減化して個々のウラン粒子の同位体比を決定することが可能なことが示され、本法の有効性が確かめられた。
江坂 文孝; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 間柄 正明
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 306(2), p.393 - 399, 2015/11
被引用回数:6 パーセンタイル:43.95(Chemistry, Analytical)単一粒子の溶解、UTEVA樹脂を用いたウラン,プルトニウム,アメリシウムの分離、誘導結合プラズマ質量分析法による測定を組み合わせた新規分析法の開発を行った。この方法を用いて、単一ウラン-プルトニウム混合粒子(U/Pu比: 170)のプルトニウム同位体比分析を行ったところ、Pu/Pu同位体比は、質量数238の操作ブランク値を低く抑えることができず測定できなかったものの、Pu/Pu、Pu/Pu、Pu/Pu同位体比については精確に測定することに成功した。
宮本 ユタカ; 鈴木 大輔; 江坂 文孝; 間柄 正明
Analytical and Bioanalytical Chemistry, 407(23), p.7165 - 7173, 2015/09
被引用回数:8 パーセンタイル:30.14(Biochemical Research Methods)様々なU/Pu比からなるウラン-プルトニウム混合単一粒子の年代を誘導結合型質量分析法で測定した。ミクロンサイズの粒子をU, Puの標準物質から調製した。Pu標準物質は精製時期が既存で46年経過したものである。化学分離したPuとAmの3つの同位体比の積で得られるAm/Pu比からPu精製時期を得た。試料のAm, UそしてPuは一本の小さな陰イオン交換カラムで逐次分離を行った。試料溶液に高純度のAmスパイクを添加することでAm/Pu比を正確に測定できた。様々なU/Pu比を持つ粒子の精製時期の測定結果は推奨値と高い正確さおよび精度で一致した。
江坂 文孝
エキスパート応用化学シリーズ; 機器分析, p.119 - 135, 2015/09
固体試料の分析には、固体内部あるいは全体の平均組成を測定する「バルク分析」が古くから用いられてきた。一方、固体表面の組成や化学構造に着目した分析は「表面分析」と呼ばれ、近年、急速に分析法の開発が進んでいる。固体の表面は、気体や液体との相互作用によりバルクと異なる組成を有する場合が多く、それが物性に与える影響も少なくない。また、材料の電気的特性や強度を向上させることを目的に、材料表面に不純物をドーピングしたり、薄膜を形成させたりするなどして表面組成を意図的に変化させた様々な機能性材料が開発されている。このような材料の開発過程では、その物性の把握とともに表面組成を評価するための分析が必要不可欠である。本解説では、種々の表面分析法について、その原理と特徴を述べる。
Lee, C.-G.*; 鈴木 大輔; 江坂 文孝; 間柄 正明; Song, K.*
Talanta, 141, p.92 - 96, 2015/08
被引用回数:14 パーセンタイル:45.52(Chemistry, Analytical)連続昇温法による表面電離質量分析法は極微量のウランの同位体比測定に有効であることが知られている。本研究では、プルトニウム(Pu, SRM947)を用いて連続昇温法による表面電離質量分析法の分析性能について調べた。fgレベルのPu溶液試料を用いて同位体比の正確さと精密さの蒸発フィラメントの加熱速度依存性を検討した。0.1-1000fg範囲の試料において蒸発フィラメント加熱速度を100mA/minから250mA/minまで変えた結果、同位体比の正確さ及び精密さにはほとんど影響しなかった。試料量が70fgまではPuのすべての同位体比が測定された。また、試料量0.1fg(0.2mのPuO粒子の質量に相当)まではPu/Puが測定された。さらに、Puの信号は0.03fgまで検出でき、これは3法により評価するとPuの検出限界は0.006fgになる。本研究では、Puの崩壊により生成されるAmとPuは蒸発フィラメントの温度差により分別できた。その結果、連続昇温法による表面電離質量分析法ではPu/PuとPu/PuだけではなくPu/Puの比も化学分離なしで測定することができた。
江坂 文孝; 鈴木 大輔; 間柄 正明
Analytical Chemistry, 87(5), p.3107 - 3113, 2015/03
被引用回数:14 パーセンタイル:45.52(Chemistry, Analytical)個々の粒子の同位体比分析はその粒子の発生源を推定する上で重要な情報を与える。特に原子力施設で採取された試料中のウラン粒子の分析は、核兵器開発につながるような原子力活動の検知の上で重要である。一般的に個々のウラン粒子の分析には、表面電離質量分析法とフィッショントラック法を組み合わせた方法が用いられているが、複数粒子を同時に測定してしまうという問題があり、場合によっては誤った解釈を引き起こしてしまう可能性があった。本研究では、上記の方法に電子顕微鏡観察下での個々の粒子の微小サンプリングの工程を組み込み、同位体組成の異なる混合ウラン粒子の分析に適用したところ、複数粒子分析の問題をほぼ解決することに成功した。
鈴木 大輔; 江坂 文孝; 宮本 ユタカ; 間柄 正明
Applied Radiation and Isotopes, 96, p.52 - 56, 2015/02
被引用回数:15 パーセンタイル:75.79(Chemistry, Inorganic & Nuclear)化学分離を行わずに様々なU/Pu比を有する個々のU-Pu混合粒子中のU及びPuの同位体比分析を表面電離型質量分析計を用いた連続昇温法により行った。測定に先立ち、同位体標準物質CRM U-010 (NBL, 1%U濃縮)及びSRM 947(NBS)溶液を用いて、U/Pu比が1, 5, 10, 18及び70の直径がマイクロメートルサイズのU-Pu混合粒子を作製した。分析の結果、測定した全粒子において、Pu/Pu比を除くU及びPuの全ての同位体比で正確な値が得られた。本結果から、Pu/Pu比を正確に測定するには化学分離などの前段化学処理が必要とされるものの、本分析技術は保障措置及び核鑑識分析において効果的な手段になり得ることが示された。
江坂 文孝; 鈴木 大輔; 宮本 ユタカ; 間柄 正明
Microchemical Journal, 118, p.69 - 72, 2015/01
被引用回数:8 パーセンタイル:27.66(Chemistry, Analytical)プルトニウムが化学分離により精製されてからの年代を調べることは、再処理や核兵器開発につながる原子力活動を監視する上で非常に重要である。プルトニウム溶液を対象とした年代測定の研究はこれまで広く行われてきているものの、個々の微粒子を対象とした研究例はほとんどない。本研究では、簡便に個々の粒子のプルトニウム精製年代を測定する方法として、単一粒子の溶解と非分離での誘導結合プラズマ質量分析を利用した分析法の開発を行った。プルトニウム精製から5.98年の粒子を分析して方法の有効性を確認したところ、Pu/U、Pu/U比を利用した年代決定は外部からの天然ウランの汚染の影響により不可能であったが、Pu/U比を用いた場合には実際の年代とよく一致した結果が得られ、本法が年代測定法として有効であることが示された。