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平戸 未彩紀*; 横谷 明徳*; 馬場 祐治*; 森 聖治*; 藤井 健太郎*; 和田 真一*; 泉 雄大*; 芳賀 芳範
Physical Chemistry Chemical Physics, 25(21), p.14836 - 14847, 2023/05
被引用回数:2 パーセンタイル:45.51(Chemistry, Physical)To understand the mechanism underlying the high radio-sensitization of living cells possessing brominated genomic DNA, X-ray photoelectron spectroscopy was used. It was found that the bromine atom significantly reduced the energy gap between the valence and conduction states, although the core level states were not greatly affected.
甲斐 健師; 樋川 智洋; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎*; 渡邊 立子*; 横谷 明徳*
Journal of Chemical Physics, 158(16), p.164103_1 - 164103_8, 2023/04
被引用回数:3 パーセンタイル:61.71(Chemistry, Physical)水の放射線分解・光分解に関する新たな科学的知見は、放射線化学・放射線生物学を含む様々な研究分野の劇的進歩に必要不可欠である。水に放射線を照射すると、その飛跡上に沿って、反応性の高い水和電子が無数に生成される。水和電子は、発生した電子と水分子の運動が動的に相関し、形成されることは知られているが、その形成に至るまでの、電子の非局在化、熱化、分極メカニズムは未だ解明していない。本研究で独自に開発したコードを利用した解析結果から、これらの過渡的現象は、水特有の水素結合ネットワークに由来する分子間振動モードと、水和を進行する水分子の回転モードの時間発展に支配されるように進行することが明らかとなった。本研究によるアプローチは、水に限らず、様々な溶媒に適用可能であり、そこから得られる科学的知見は、放射線生物影響、原子力化学、放射線計測など幅広い研究領域へ適用されることが期待できる。
平戸 未彩紀*; 鬼澤 美智*; 馬場 祐治*; 芳賀 芳範; 藤井 健太郎*; 和田 真一*; 横谷 明徳*
International Journal of Radiation Biology, 99(1), p.82 - 88, 2023/01
被引用回数:2 パーセンタイル:20.42(Biology)The electronic properties of DNA-related molecules containing Br were investigated by X-ray spectroscopy and specific heat measurement. Our results suggest that the Br atom may not contribute substantially to the LUMO and core-level electronic states of the molecule, but rather to the microscopic states related to the excitation of lattice vibrations, which may be involved in valence electronic states.
中川 清子*; 岡 壽崇; 藤井 健太郎*; 横谷 明徳*
Radiation Physics and Chemistry, 192, p.109884_1 - 109884_5, 2022/03
被引用回数:2 パーセンタイル:38.50(Chemistry, Physical)L-alanine-3,3,3-d3およびL-alanine-d4の結晶中に生成したラジカルを、1.5keVの軟X線照射中に電子スピン共鳴(ESR)法で観測した。L-アラニン-3,3,3-d3では、水素交換反応によるCHCD3COOHからCDCD3COOHへのスペクトル変化が直接観測された。軟X線を照射して得られたESRスペクトルの線幅は、硬X線を照射した場合の線幅の1.5倍であり、ラジカル密度が高いとわかった。一方、ラジカル収量の効率は線照射による収量に対して10と低かった。軟X線照射では、低エネルギー光子の高LET性のため、重イオンによる高LET照射と同様にラジカルの密度が高く、その結果、効率的なラジカル-ラジカル再結合によって多くのラジカルが失われたとわかった。
Tang, T. L.*; 上坂 友洋*; 川瀬 頌一郎; Beaumel, D.*; 堂園 昌伯*; 藤井 俊彦*; 福田 直樹*; 福永 拓*; Galindo-Uribarri, A.*; Hwang, S. H.*; et al.
Physical Review Letters, 124(21), p.212502_1 - 212502_6, 2020/05
被引用回数:18 パーセンタイル:73.44(Physics, Multidisciplinary)中性子過剰核Fの構造が()反応で調査した。軌道の分光学的因子は1.00.3と大きいが、一方で残留核であるOが基底状態である割合は約35%,励起状態は約0.65%であることが明らかになった。この結果は、Fのコア核Oは基底状態とは大きく異なり、Oの軌道に陽子がひとつ加わることでOとFの中性子軌道が相当に変化していると推測される。これは酸素同位体ドリップライン異常のメカニズムである可能性がある。
森 勝伸*; 杉田 剛; 藤井 謙吾*; 山崎 太樹*; 井坂 茉由*; 小林 健太郎*; 岩本 伸司*; 板橋 英之*
Analytical Sciences, 34(12), p.1449 - 1453, 2018/12
被引用回数:3 パーセンタイル:9.97(Chemistry, Analytical)二層担持法によって光触媒担持金網を作製し、導電率検出器を備えた流れ分析法(FAS-CD)を用いて水質浄化性能を評価した。FAS-CDを用いたDMSO分解試験から、光触媒は安定に金網表面に担持されていることが示され、二層担持法の有効性が確認された。
甲斐 健師; 横谷 明徳*; 藤井 健太郎*; 渡邊 立子*
放射線化学(インターネット), (106), p.21 - 29, 2018/11
放射線によりDNAの数nm以内に複数の損傷部位が生成されると、細胞死や染色体異常のような生物影響が誘発されると考えられている。本稿では、電子線トラックエンドにおいて生成されるDNA損傷が関与する生物影響の誘発について、われわれが進めたシミュレーション研究の成果を解説する。その結果から、1次電子線照射によりDNA鎖切断を含む複数の塩基損傷が1nm以内に密に生成され、その複雑損傷部位から数nm離れた位置に2次電子により塩基損傷が誘発されることが示された。この孤立塩基損傷部位は損傷除去修復が可能であり、結果として鎖切断に変換されるため、1次電子線により生成された鎖切断と合わせ、最終的にDNAの2本鎖切断が生成され得る。この2本鎖切断末端は塩基損傷を含むために修復効率が低下し、未修復・誤修復により染色体異常のような生物影響が誘発されることが推測された。本シミュレーション研究の成果はDNA損傷の推定のみならず放射線物理化学過程が関与する現象の解明にも有益となる。
杉田 剛; 小林 謙一*; 小林 健太郎*; 山崎 太樹*; 藤井 謙吾*; 板橋 英之*; 森 勝伸*
Journal of Photochemistry and Photobiology A; Chemistry, 356, p.71 - 80, 2018/04
被引用回数:5 パーセンタイル:11.98(Chemistry, Physical)光触媒は光照射のみで強力な酸化、還元反応を示す材料である。しかし、水中では反応目的物と触媒との接触効率が低いため、反応効率が著しく低下する。本研究では、水中でのアニオン性有機物質に対する吸着・分解反応性を向上させるため、アミノ基修飾型光触媒、及びそれを固定化した光触媒材料を調製し、その性能を評価した。その結果、光触媒を正電荷を持つアミノ基で修飾することにより、アニオン性有機物質の吸着・分解能力が向上することが明らかとなった。
甲斐 健師; 横谷 明徳*; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎*; 樋川 智洋; 渡邊 立子*
Physical Chemistry Chemical Physics, 20(4), p.2838 - 2844, 2018/01
被引用回数:24 パーセンタイル:76.69(Chemistry, Physical)放射線生物影響を誘発する複雑DNA損傷はエネルギー付与率の高い放射線トラックエンドで生成されやすいと考えられている。そのDNA損傷を推定するために、電子線トラックエンドにおける水の放射線分解最初期過程について、計算シミュレーションに基づいた理論的研究を実施した結果から、1次電子線照射によりDNA鎖切断を含む複数の塩基損傷が1nm以内に密に生成され得ることが示された。この複雑DNA損傷は損傷除去修復が困難である。更に、その複雑損傷部位から数nm離れた位置に2次電子により塩基損傷が誘発されることが示された。この孤立塩基損傷部位は損傷除去修復が可能であり、結果として鎖切断に変換されるため、1次電子線により生成された鎖切断と合わせ、最終的にDNAの2本鎖切断が生成され得る。この2本鎖切断末端は塩基損傷を含むために修復効率が低下し、未修復・誤修復により染色体異常のような生物影響が誘発されることが推測された。
端 邦樹; Lin, M.*; 横谷 明徳*; 藤井 健太郎*; 山下 真一*; 室屋 裕佐*; 勝村 庸介*
放射線化学(インターネット), (103), p.29 - 34, 2017/04
エダラボン(3-メチル-1-フェニル-2-ピラゾリン-5-オン)は高い抗酸化作用を示す物質である。本研究では、OHやN等の酸化性ラジカルとエダラボンとの反応をパルスラジオリシス法によって測定し、発生するエダラボンラジカルの生成挙動を観察した。その結果、OH以外の酸化性ラジカルとの反応は電子移動反応であるが、OHとは付加体を形成することが分かった。また、DNAのモノマーであるdeoxyguanosine monophosphate(dGMP)の一電子酸化型のラジカルとの反応についても調べたところ、電子移動反応によって非常に効率よくdGMPラジカルを還元することが示された。エダラボンを添加したプラスミドDNA水溶液への線照射実験によって、実際のDNA上に発生したラジカルの除去効果を調べたところ、塩基損傷の前駆体に対してエダラボンが作用することが示された。これらの結果は、生体内においてエダラボンが酸化性ラジカルの捕捉作用だけでなく、ラジカルによって酸化されたDNAを化学的に修復する作用も示すことを示唆するものである。
甲斐 健師; 横谷 明徳*; 藤井 健太郎*; 渡邊 立子*
陽電子科学, (8), p.11 - 17, 2017/03
放射線により、DNAの数nm以内に複数の損傷部位が生成されると、細胞死や染色体異常のような生物影響が誘発されると考えられている。著者らは、DNA損傷生成の機構に関係すると考えられる細胞内の放射線作用の解析として、細胞と組成の近い水中で高エネルギーの1次電子線・陽電子線により生成される2次電子の動的挙動を計算した。その結果、2次電子は、親イオン近傍で電離・電子的励起を誘発しやすく、減速した電子の約10%は、クーロン引力により親イオン付近に分布することが分かった。続いて、これらの計算結果から、以下のように複雑なDNA損傷の生成機構を推定した。DNA内部から電離した2次電子は、DNA外部に飛び出す前に、DNA内部で電離・電子的励起を誘発可能である。さらに、クーロン力により引き戻された電子は、DNAの水和層で水和前電子になり、解離性電子移行によりDNA損傷を誘発可能である。結果として、1次電子線・陽電子線のみならず2次電子の作用により、1nm以内に複雑DNA損傷が生成され得る。
甲斐 健師; 横谷 明徳; 鵜飼 正敏; 藤井 健太郎; 渡辺 立子
International Journal of Radiation Biology, 92(11), p.654 - 659, 2016/11
被引用回数:10 パーセンタイル:66.02(Biology)We performed a fundamental study of deceleration of low-energy electron ejected from water to predict clustered DNA damage formation involved in the decelerating electrons in water using a dynamic Monte Carlo code included Coulombic force between ejected electron and its parent cation. The decelerating electron in water was recaptured by the Coulombic force within hundreds of femtosecond. We suggested that the return electron contribute to modification of DNA damage because the electron will recombine to electric excited states of the parent cation, or will be prehydrated in water layer near the parent cation in DNA. Thus effect of the Coulombic force plays a significant role in evaluation of DNA damage involved in the electron deceleration in water.
甲斐 健師; 横谷 明徳*; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎*; 渡邊 立子*
Journal of Physical Chemistry A, 120(42), p.8228 - 8233, 2016/10
被引用回数:21 パーセンタイル:66.57(Chemistry, Physical)放射線照射により細胞中で生成された低エネルギー2次電子は、生物影響を誘発する複雑なDNA損傷生成に関与すると考えられている。本研究では、DNA損傷の推定を行うために、水中における低エネルギー2次電子の動力学的挙動の数値計算による理論的研究を実施した。計算結果から、水中で減速した電子は、親イオンのクーロン場に徐々に引きつけられ、数百fs程度になると親イオンから半径2nm以内の領域に12.6%の電子が分布することが示された。更に、親イオンから半径1nm以内において、電離と電子的励起が主に誘発され、その衝突数は全体の約40%となる。これらの解析結果から、もしDNA内部から低エネルギー2次電子が放出されると、複雑なDNA損傷が、電離や電子的励起に加え、解離性電子移行により生成され得ることを提案した。このような複雑なDNA損傷は、最終的に細胞死や染色体異常のような生物影響の誘発に関与する可能性がある。
甲斐 健師; 横谷 明徳; 藤井 健太郎; 渡辺 立子
放射線化学(インターネット), (101), p.3 - 11, 2016/04
水中における低エネルギー電子の挙動解析は、放射線化学に関する基礎研究や放射線によるDNA損傷の推定の解析等で重要となる。われわれは、これまで低エネルギー2次電子の果たすDNA損傷の役割を解明するため、不確定要素を未だ多く含む放射線物理化学過程の研究を進めてきた。また、これらの研究成果に基づき、DNA内部から電離した2次電子が関与する修復され難いDNA損傷生成過程を新たに理論予測した。本稿は、著者らのこれまでの研究成果について、放射線化学の専門誌で、前・中・後編の3部構成で「放射線物理化学過程に関する最近の進展」と題して解説するものである。前編では、3部にわたって報告する放射線によるDNA損傷研究、放射線物理化学過程研究の現状について、冒頭で概説する。また、トピックスとして、これまでの成果の中から、電子の減速過程を研究する上で必要不可欠となる液相の衝突断面積の計算法に関する研究を紹介し、水中における電子の熱化について、従来予測と異なる点について議論した結果を解説する。
泉 雄大; 山本 悟史*; 藤井 健太郎; 横谷 明徳
放射線生物研究, 51(1), p.91 - 106, 2016/03
放射線などのストレス応答に対する細胞内のタンパク質反応ネットワークの調整機構の解明に大きな威力を発揮すると考えられる円二色性(CD)スペクトル測定の実験、解析方法の解説を行うと共に、われわれがCDスペクトル測定により同定したヒストンタンパク質H2A, H2BのDNA損傷誘起二次構造変化について紹介した。
甲斐 健師; 横谷 明徳*; 藤井 健太郎*; 渡邊 立子*
放射線化学(インターネット), (102), p.49 - 56, 2016/00
水中における低エネルギー電子の挙動解析は、放射線化学に関する基礎研究や放射線によるDNA損傷の推定の解析等で重要となる。われわれは、これまで低エネルギー2次電子の果たすDNA損傷の役割を解明するため、不確定要素を未だ多く含む放射線物理化学過程の研究を進めてきた。また、これらの研究成果に基づき、DNA内部から電離した2次電子が関与する修復され難いDNA損傷生成過程を新たに理論予測した。本稿は、われわれのこれまでの研究成果について、放射線化学の専門誌で、前・中・後編の3部構成で「放射線物理化学過程に関する最近の進展」と題して解説するものである。中編では、本研究において開発した動力学モンテカルロコードを検証するために、電子の熱化距離や熱化時間に関する計算結果を紹介し、熱化と水和前過程について、これまでの従来予測と異なる点について議論した成果を解説する。
Herv du Penhoat, M.-A.*; Kamol Ghose, K.*; Gaigeot, M.-P.*; Vuilleumier, R.*; 藤井 健太郎; 横谷 明徳; Politis, M.-F.*
Physical Chemistry Chemical Physics, 17(48), p.32375 - 32383, 2015/12
被引用回数:9 パーセンタイル:33.84(Chemistry, Physical)We have investigated the gas phase fragmentation dynamics following the core ionisation of 2-deoxy-D-ribose (dR), a major component in the DNA chain. To that aim, we use state-of-the-art ab initio Density Functional Theory-based Molecular Dynamics simulations. The ultrafast dissociation dynamics of the core-ionised biomolecule, prior Auger decay, is first modelled for 10 fs to generate initial configurations (atomic positions and velocities) for the subsequent dynamics of the doubly ionised biomolecule in the ground state. The furanose, linear and pyranose conformations of dR were investigated. We show that fragmentation is relatively independent of the atom struck or of the duration of the core vacancy, but depends rather critically on the molecular orbital removed following Auger decay.
泉 雄大; 山本 悟史*; 藤井 健太郎; 横谷 明徳
Radiation Research, 184(5), p.554 - 558, 2015/11
被引用回数:7 パーセンタイル:31.95(Biology)We measured and compared the circular dichroism (CD) spectra and secondary structures of histone proteins H2A, H2B, and their variants extracted from X-irradiated and unirradiated human HeLa cells. Compared to unirradiated cells, a relative increase in -helix structure and decrease in other secondary structures was observed in X-irradiated cells. These structural alterations persisted for at least 24 hours, which is substantially longer than the 2 hours generally known to be required for DNA double strand break repair.
甲斐 健師; 横谷 明徳; 鵜飼 正敏*; 藤井 健太郎; 渡辺 立子
Radiation Physics and Chemistry, 115, p.1 - 5, 2015/10
被引用回数:37 パーセンタイル:94.61(Chemistry, Physical)放射線によるDNA損傷において、電子衝突電離により発生した2次電子は難修復性DNA損傷の生成に深く関与すると考えられているが、電子の熱化過程が解明されていないことから、その放射線作用は未だ十分には解明されていない。本研究では、電子の熱化過程の全貌解明のために、水中に照射された電子の熱化距離を、液相の回転・フォノン励起断面積を新たに考慮して計算した。この結果、低エネルギー領域、高エネルギー領域ともに、実験値とよく一致した。しかしながら、熱化時間については従来予測より1桁程度長くなることが分かった。このことから、従来予測に反し、電子の熱平衡化と水和前過程は同時に起こり得ることが推測された。水和前電子は解離性電子移行によりDNA損傷を誘発することから、本研究により推測された水和前過程の生成メカニズムは、2次電子によるDNA損傷の高密度化を推測するために役立つことが期待される。
成田 あゆみ; 神長 輝一; 横谷 明徳; 野口 実穂; 小林 克己*; 宇佐美 徳子*; 藤井 健太郎
Radiation Protection Dosimetry, 166(1-4), p.192 - 196, 2015/09
被引用回数:3 パーセンタイル:24.66(Environmental Sciences)動物培養細胞の細胞周期に依存した放射線照射影響に関する知見は、そのほとんどが照射された細胞集団を統計学的手法により解析したものである。本研究は、照射された細胞一つを顕微鏡下で直接追跡することにより、刻々と変化する照射細胞の挙動をリアルタイムで観察する手法を確立することを目的とした。照射細胞には細胞周期が判別できるFUCCI(Fluorescent Ubiquitination-based Cell CycleIndicator)発現HeLa細胞(ヒトがん細胞)を用いた。また、照射には細胞一つ分まで大きさが調整できる放射光X線マイクロビームを利用した。さらに照射した細胞を長時間観察するために、細胞を培養しながら観察可能なタイムラプス顕微鏡を立ち上げ、照射した個々の細胞の分裂の様子を追跡した。その結果、G1期で照射した細胞では周期の遅延が認められなかった。それに対してS/G2期にある細胞に照射を行ったところ、明確な周期遅延が観察された。以上から、顕微鏡下での長時間観察によって、放射線照射された細胞への影響をリアルタイムで観察することができた。