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論文

IAEA第67回総会サイドイベント「未来の原子力ソリューションに最適な核データを提供する; 課題と機会」; 核データ利用の「見える化」のために

深堀 智生

核データニュース(インターネット), (137), p.1 - 10, 2024/02

EC/共同研究センターの依頼により、IAEA第67回総会で同時開催されるEU主催サイドイベント「未来の原子力ソリューションに最適な核データを提供する:課題と機会」にパネリストとして出席した。日本における核データ活動に係る展望について発表し、核データ活動の持続性及び活性化について議論した。また、本サイドイベントの円卓議論を踏まえて、核データセクションにおいて主にパネラによる会合を持ち、今後の対応について検討した。本稿では、サイドイベント及びその後のフォロー会合について報告し、筆者の考えるこれらの会合の背景等について議論したい。

論文

原子力研究開発の基盤としての核データ

深堀 智生; 中山 梓介; 片渕 竜也*; 執行 信寛*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 65(12), p.726 - 727, 2023/12

「シグマ」調査専門委員会では、グローバルな原子力研究開発動向を調査・注視しつつ、我が国の核データ活動に対する大所高所からの俯瞰的検討や原子力学会以外の広い分野の内外学術機関との連絡、情報交換や学際協力体制の構築を目指している。本報告では、2021-2022期の主な活動のうち、核データに関する要求リストサイト、人材育成、ロードマップ作成の3件について報告する。

論文

Review of JENDL/HE-2007 neutron-induced fission cross sections of uranium-235 and 238 above 200 MeV

深堀 智生

INDC(JPN)-210 (Internet), 5 Pages, 2023/10

$$^{235}$$U(n,f)の断面積値がENDF形式に正しく編集されておらず、間違った値がJENDL/HE-2007ファイルに格納・配布されている。JENDL/HE-2007ライブラリの$$^{235}$$U(n,f)断面積の高エネルギー部分は、FISCALコードの計算結果を使用して評価されている。このレポートでは、200MeV以上のJENDL/HE-2007ライブラリの正しい$$^{235}$$U(n,f)断面積値が示されている。

論文

JENDL photonuclear data file 2016

岩本 信之; 小迫 和明*; 深堀 智生

Journal of Nuclear Science and Technology, 60(8), p.911 - 922, 2023/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:92.52(Nuclear Science & Technology)

Nuclear reactions of gamma-rays with materials have attracted much attention for various application fields. To allow the use in those fields, JENDL photonuclear data file was updated from former JENDL/PD-2004 and were opened as JENDL/PD-2016 in 2017. The nuclear data were revised by adopting resonance analysis-like method for light nuclides and applying nuclear reaction models to the evaluations for heavier nuclides. In JENDL/PD-2016, standard and expanded versions are provided up to an incident energy of 140 MeV, covering 181 and 2681 nuclides, respectively. The evaluated results show better reproducibility to measured data, relative to JENDL/PD-2004. JENDL/PD-2016 is freely available from a website.

論文

日本原子力学会「2023年春の年会」、「シグマ」調査専門委員会、核データ部会合同セッション; シグマ委員会設立60周年記念; 核データ研究へのオールジャパンでの取り組み,1; シグマ委員会60年の歩み

深堀 智生

核データニュース(インターネット), (135), p.19 - 25, 2023/06

設立当初、シグマ委員会は、表裏一体である日本原子力学会(原子力学会)シグマ特別専門委員会と日本原子力研究所(原研)シグマ研究委員会から成り立っていた。「委員会」の語感から感じられる「検討の場」というよりは核データの調査・評価・編集等の実際の作業(測定も加えて「核データ活動」と称する)を行っている点が独創的と言える。現在では、原子力学会のシグマ調査専門委員会と原子力機構のJENDL委員会は個別に活動しており、核データファイル作成の実作業はJENDL委員会が継承している。シグマ委員会の60周年にあたり、その歩みを概観し、参考文献に示された今までのシグマ委員会の歴史的な記述をレビューした。

論文

シグマ委員会60周年にあたって; シグマ委員会60年の物語

深堀 智生

核データニュース(インターネット), (134), p.34 - 45, 2023/02

日本原子力学会シグマ委員会の創立60周年にあたり、今後の活動の参考になるように歴史を記録して残すことを試みる。

論文

Collaboration with Dr. Efrem Sh. Soukhovitsukii; Our fortuitous experiences on optical model analysis, his contribution to nuclear data activities of Japan and a posthumous study on light-nuclei

国枝 賢; 岩本 修; 深堀 智生; 千葉 敏*

European Physical Journal A, 59(1), p.2_1 - 2_8, 2023/01

 被引用回数:2 パーセンタイル:79.22(Physics, Nuclear)

原子核の変形並びに回転や振動を記述する軟回転体模型を構築し、チャンネル結合法に基づいて核構造の情報を光学模型に取り入れたことは故Soukhovitsukii博士の偉大な成果である。また、博士と原子力機構との共同研究により得られた数々の光学模型解析結果やOPTMANコードは日本の核データライブラリJENDLの開発に多大なる貢献を果たした。本論文では、主に軟回転体模型による核構造解析や光学模型本シャルについての同氏との共同研究成果をレビューする。また、軽原子核に対する原子核の変形と断面積の関係や模型の適用限界など、同氏の没後に得られた新たな解析結果を報告する。

論文

核データが原子力研究開発の礎となるために

深堀 智生; 中山 梓介; 片渕 竜也*; 執行 信寛*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 64(7), p.413 - 414, 2022/07

「シグマ」調査専門委員会では、グローバルな原子力研究開発動向を調査・注視しつつ、我が国の核データ活動に対する大所高所からの俯瞰的検討や原子力学会以外の広い分野の内外学術機関との連絡、情報交換や学際協力体制の構築を目指している。本報告では、2019-2020期における主な活動のうち、今後の核データ研究活動に直接関連する核データに関する要求リストサイト,人材育成,ロードマップ作成について報告する。

論文

A Consideration on nuclear data needs for 1F decommissioning

深堀 智生

JAEA-Conf 2020-001, p.17 - 20, 2020/12

東京電力福島第一原子力発電所(1F)事故から9年が経過し、オンサイトにおける研究開発状況は徐々に変化しつつある。多くの直接または間接の測定及び解析により、理解から予想にシフトしてきていると思われる。この状況に鑑み、本報告では1F廃炉のための核データニーズについて再考する。廃炉の各段階において起こったであろう、または起こるであろう状況を考慮し、事故進展、臨界管理、デブリ貯蔵、廃棄物管理等の視点にたって、核データニーズを検討する。

論文

企画セッション(「シグマ」特別専門委員会主催、核データ部会共催)「シグマ」特別専門委員会2017、2018年度活動報告,4; 「シグマ」調査専門委員会の活動予定

深堀 智生

核データニュース(インターネット), (125), p.20 - 25, 2020/02

日本原子力学会2019年秋の大会で報告した「シグマ」特別専門委員会の2017-2018年度活動報告の内、「シグマ」調査専門委員会の2019-2020年度の活動予定について解説する。日本原子力学会「シグマ」調査専門委員会では、世界のグローバルな動向を調査・注視しつつ我が国の核データ活動に対する大所高所からの俯瞰的検討や原子力学会以外の広い分野の内外学術機関との連絡、情報交換や学際協力体制の構築を行い、我が国の核データ活動の更なる発展に資することを新委員会の設置目的としている。

論文

Overview of accident-tolerant fuel R&D program in Japan

山下 真一郎; 井岡 郁夫; 根本 義之; 川西 智弘; 倉田 正輝; 加治 芳行; 深堀 智生; 野澤 貴史*; 佐藤 大樹*; 村上 望*; et al.

Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.206 - 216, 2019/09

福島第一原子力発電所事故を教訓に、冷却材喪失等の過酷条件においても損傷しにくく、高い信頼性を有する新型燃料の開発への関心が高まり、世界中の多くの国々において事故耐性を高めた新型燃料の研究開発が進められている。本プロジェクトは、経済産業省資源エネルギー庁からの委託を受けて2015年10月から2019年3月までの3年半の間実施され、新型燃料部材を既存軽水炉に装荷可能な形で設計・製造するために必要となる技術基盤を整備することを目的に、国内の軽水炉燃料設計,安全性評価,材料開発を実施してきた人材,解析ツール,ノウハウ、及び経験を最大限活用して進められてきた。本論文では、プロジェクトの総括として、各要素技術について3年半の研究開発の成果をまとめ、日本の事故耐性燃料開発の現状と課題を整理した。

論文

CIELO collaboration summary results; International evaluations of neutron reactions on uranium, plutonium, iron, oxygen and hydrogen

Chadwick, M. B.*; Capote, R.*; Trkov, A.*; Herman, M. W.*; Brown, D. A.*; Hale, G. M.*; Kahler, A. C.*; Talou, P.*; Plompen, A. J.*; Schillebeeckx, P.*; et al.

Nuclear Data Sheets, 148, p.189 - 213, 2018/02

 被引用回数:67 パーセンタイル:98.17(Physics, Nuclear)

CIELO国際協力では、原子力施設の臨界性に大きな影響を与える重要核種($$^{235}$$U, $$^{238}$$U, $$^{239}$$Pu, $$^{56}$$Fe, $$^{16}$$O, $$^{1}$$H)の中性子断面積データの精度を改善し、これまで矛盾していると考えられた点を解消することを目的として研究が行われた。多くの研究機関が参加したこのパイロットプロジェクトは、IAEAの支援も受けて、OECD/NEAの評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のSubgroup 40として組織された。本CIELOプロジェクトは、新たな実験研究や理論研究を行う動機付けとなり、測定データを正確に反映し臨界性の積分テストに優れた新たな一連の評価済みライブラリとして結実した。本報告書は、これまでの研究成果と、本国際協力の次の段階の計画概要をまとめたものである。

論文

核データ研究の最前線; たゆまざる真値の追及、そして新たなニーズへ応える為に,1; 多様化する原子核工学と核データのニーズ

須山 賢也; 国枝 賢; 深堀 智生; 千葉 豪*

日本原子力学会誌ATOMO$$Sigma$$, 59(10), p.598 - 602, 2017/10

核データとは狭義には原子核と中性子の反応の確率であるが、一般的に言えば、原子核の物理的変化や反応の様子を表現するデータの事である。我が国が原子力開発に着手して以来、核データの開発は重要な技術開発のテーマであり、現在我が国の核データライブラリJENDLは世界で最も高い精度と完備性を兼ね備えた核データファイルの一つとして国際的に認知されている。本連載講座では、原子力開発に関係している方々を対象とし、核データ開発の意義、核データの開発の最新の状況、国際的な動向、そして今後の開発の方向性を解説する。

論文

The CIELO collaboration; Progress in international evaluations of neutron reactions on Oxygen, Iron, Uranium and Plutonium

Chadwick, M. B.*; Capote, R.*; Trkov, A.*; Kahler, A. C.*; Herman, M. W.*; Brown, D. A.*; Hale, G. M.*; Pigni, M.*; Dunn, M.*; Leal, L.*; et al.

EPJ Web of Conferences, 146, p.02001_1 - 02001_9, 2017/09

 被引用回数:6 パーセンタイル:95.04(Nuclear Science & Technology)

CIELO共同研究では中性子断面積データの改善及びこれまでの評価で見られた断面積の不一致を解決することを目的として、原子力の臨界性に大きな影響を与える5核種($$^{16}$$O, $$^{56}$$Fe, $$^{235,238}$$U, $$^{239}$$Pu)の中性子断面積を評価している。この国際パイロットプロジェクトでは、経済協力開発機構・原子力機関・核データ評価国際協力ワーキングパーティに設置されたサブグループ40の下でIAEAからのサポートを受けて、実験並びに理論的な研究を活発に実施している。これらの研究を通じて測定データを精度よく反映し、さらに臨界性に関する積分テストで良い結果を示す新しい評価済ライブラリを開発している。

論文

FRENDY; A New nuclear date processing system being developed at JAEA

多田 健一; 長家 康展; 国枝 賢; 須山 賢也; 深堀 智生

EPJ Web of Conferences, 146, p.02028_1 - 02028_5, 2017/09

 被引用回数:4 パーセンタイル:90.42(Nuclear Science & Technology)

原子力機構では、新たな核データ処理システムFENDY(FRom Evaluated Nuclear Data libralY to any application)の開発を開始した。本発表では、FRENDYの概要と同時にFRENDYを使用した連続エネルギーモンテカルロコードMVP, PHITS及びMCNP用の断面積作成とその妥当性検証結果について説明する。

論文

Development and verification of a new nuclear data processing system FRENDY

多田 健一; 長家 康展; 国枝 賢; 須山 賢也; 深堀 智生

Journal of Nuclear Science and Technology, 54(7), p.806 - 817, 2017/07

AA2016-0417.pdf:1.93MB

 被引用回数:48 パーセンタイル:98.44(Nuclear Science & Technology)

原子力機構では、評価済み核データJENDLやMARBLE2, SRAC, MVP, PHITSをはじめとした多くの核計算コードの開発を実施してきた。JENDLやこれらの核計算コードは多くの国々で広く使われているが、核計算コードが利用する断面積ライブラリを生成する核データ処理システムについてはこれまで日本では開発されておらず、NJOYやPREPROなどの諸外国の核データ処理システムを利用してきた。新しい核データライブラリが公開された際に、核計算コード用の断面積ライブラリを独立かつ適切に処理するため、原子力機構では新しい核データ処理システムFRENDYの開発を2013年から開始した。本論文では、FRENDYの概要、特徴そして検証について説明する。

論文

Overview of the PHITS code and application to nuclear data; Radiation damage calculation for materials

岩元 洋介; 佐藤 達彦; 仁井田 浩二*; 橋本 慎太郎; 小川 達彦; 古田 琢哉; 安部 晋一郎; 甲斐 健師; 松田 規宏; 岩瀬 広*; et al.

JAEA-Conf 2016-004, p.63 - 69, 2016/09

粒子・重イオン輸送計算コードシステムPHITSは、原子力機構を中心に、複数の国内外の研究機関の協力の下で開発が進められている。同コードは、様々な核反応モデルやデータライブラリにより、中性子・陽子・重イオン・電子・光子等のほとんどの種類の粒子の輸送を取り扱うことが可能で、ソースプログラム,実行ファイル,データライブラリといった全ての構成要素が一つのパッケージにまとめられて配布されている。現在、1800人を超える研究者等がPHITSユーザーとして登録されており、核技術、加速器施設の設計、医学物理といった様々な分野で利用している。本発表ではPHITSに組み込まれている物理モデルを簡単にまとめ、最新のミューオン核反応モデル、$$gamma$$脱励起モデルEBITEMについて紹介する。また、IAEA-CRP「初期の放射線損傷断面積」の活動の下で行っている、PHITSを用いた材料のはじき出し断面積、はじき出し原子エネルギースペクトル、カーマの計算結果について紹介を行う。

論文

Overview of JENDL-4.0/HE and benchmark calculations

国枝 賢; 岩本 修; 岩本 信之; 湊 太志; 岡本 力; 佐藤 達彦; 中島 宏; 岩元 洋介; 岩元 大樹; 北谷 文人; et al.

JAEA-Conf 2016-004, p.41 - 46, 2016/09

加速器を用いた種々のアプリケーションを開発・設計するための基礎データとして、中性子や陽子入射の高エネルギー核データを整備する必要がある。本研究では、光学モデルや前平衡モデル計算における最新の知見を投入してJENDL/HE-2007の見直しを行うと共に、特に医療分野で需要の高い$$^{6,7}$$Liや$$^{9}$$Be等の核種を新たに加えて、約130核種に対する200MeVまでの中性子・陽子核データライブラリJENDL-4.0/HEを完成させた。本発表においては、ライブラリの概要を説明すると共に、粒子輸送計算コードPHITSやMCNPXを用いた中性子透過計算等における積分検証結果を中心に報告する。

論文

第28回NEA核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)会合報告

深堀 智生; 原田 秀郎; 岩本 修; 横山 賢治

核データニュース(インターネット), (114), p.35 - 43, 2016/06

経済協力開発機構原子力機関(OECD/NEA)の第28回核データ評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)会合が、2016年5月9$$sim$$13日にOECD本部で開催された。本稿において、期間中に開催されたWPEC本会合及びサブグループ会合について報告する。

論文

Toward advancement of nuclear data research in the resonance region

国枝 賢; 柴田 恵一; 深堀 智生; 河野 俊彦*; Paris, M.*; Hale, G.*

JAEA-Conf 2015-003, p.33 - 38, 2016/03

共鳴領域における核反応断面積・共分散評価手法の進展に関して発表する。$$gamma$$線チャンネルの導入や荷電粒子弾性散乱に対するR行列計算コードの拡張について述べると共に、理論的拘束条件を効果的に用いた共鳴解析手法を示す。また、$$^8$$Beや$$^{17}$$O複合核システムに対する計算コード・解析手法の適用例を示し、さらに中重核に対する今後の展望を述べる。

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