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論文

Behavior of radiocesium in sediments in Fukushima coastal waters; Verification of desorption potential through pore water

乙坂 重嘉*; 神林 翔太*; 福田 美保*; 鶴田 忠彦; 御園生 敏治; 鈴木 崇史; 青野 辰雄*

Environmental Science & Technology, 54(21), p.13778 - 13785, 2020/11

 被引用回数:3 パーセンタイル:52.46(Engineering, Environmental)

2015年から2018年にかけて、福島周辺の沿岸域から採取した海水,海底堆積物,間隙水中の$$^{137}$$Cs濃度を調査し、福島第一原子力発電所事故によって海底に沈着した放射性セシウムの海水中への放出の効果を評価した。間隙水中の$$^{137}$$Cs濃度は33から1934mBq L$$^{-1}$$で、海底直上水(海底から約30cmまでの間の海水)の10から40倍であった。多くの観測点で、海底直上水と間隙水との間には$$^{137}$$Cs濃度に正の相関がみられた。間隙水と堆積物間の見かけの分配係数は、0.9-14$$times$$10$$^{2}$$ L kg$$^{-1}$$であり、採取年による差は見られなかった。これらの結果は、間隙水と堆積物間での$$^{137}$$Csの平衡が比較的短期間で成立された後、間隙水中の$$^{137}$$Csが海底上に徐々に拡散することが示唆された。これらの観測結果に基づく海底付近での$$^{137}$$Csの収支計算から、堆積物中の$$^{137}$$Csの約6%が一年間に脱離・拡散すると推定された。

論文

First determination of Pu isotopes ($$^{239}$$Pu, $$^{240}$$Pu and $$^{241}$$Pu) in radioactive particles derived from Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant accident

五十嵐 淳哉*; Zheng, J.*; Zhang, Z.*; 二宮 和彦*; 佐藤 志彦; 福田 美保*; Ni, Y.*; 青野 辰雄*; 篠原 厚*

Scientific Reports (Internet), 9(1), p.11807_1 - 11807_10, 2019/08

 被引用回数:9 パーセンタイル:66.73(Multidisciplinary Sciences)

TEPCO福島第一原子力発電所(福島原発)事故によって放射性微粒子が放出された。この粒子の生成過程を解明するために、この粒子中の化学組成に関してこれまで多くの研究が行われてきた。しかし、この粒子中に核燃料由来の放射性物質が含まれているかまで、明らかにされていなかった。そこで、放射化学法とICP-MSを用いて、粒子中のプルトニウム(Pu)の測定を行った。結果、放射性粒子中の$$^{239+240}$$Puと$$^{241}$$Pu濃度範囲は、それぞれ(1.70-7.06)$$times$$10$$^{-5}$$Bqと(4.10-8.10)$$times$$10$$^{-3}$$Bqであった。$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Puと$$^{241}$$Pu/$$^{239}$$Puの同位体原子比は、ORIGENコードを用いたシミュレーションの結果やこれまでに福島原発事故後に様々な環境試料の測定結果の範囲にあった。また土壌中の放射性微粒子(SP)は、$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs放射能比等から2と3号機由来の粒子と特定できたが、Puは検出されなかった。ダスト中の放射性微粒子(DP)は、$$^{134}$$Cs/$$^{137}$$Cs放射能比から福島原発1号機由来と特定でき、さらにDP3粒子中2粒子からPuが検出され、これは福島原発事故由来のPuであった。

論文

Factors controlling $$^{134}$$Cs activity concentrations in sediment collected off the coast of Fukushima Prefecture in 2013-2015

福田 美保*; 青野 辰雄*; 山崎 慎之介*; 石丸 隆*; 神田 譲太*; 西川 淳*; 乙坂 重嘉

Geochemical Journal, 52(2), p.201 - 209, 2018/00

 被引用回数:3 パーセンタイル:29.13(Geochemistry & Geophysics)

福島県沿岸における海底堆積物中の放射性セシウムの最近の挙動を明らかにするため、2013年から2015年にかけて、同海域の12観測点において堆積物中の放射性セシウムの水平、鉛直分布を調査した。表層堆積物(0-3cm)では、水深100m付近の観測点で比較的高い$$^{134}$$Cs濃度が観測された。これらの観測点では粒径が小さく、有機物を多く含む堆積物が支配的であったことから、堆積物表層における$$^{134}$$Cs分布は、堆積物粒子の移動性を反映すると推測された。福島第一原子力発電所東方の一部の観測点では、2014年の観測において、中層(5-16cm層)に高い$$^{134}$$Cs濃度が見られた。この比較的高い$$^{134}$$Cs濃度は、堆積物の粒径との間に有意な関係は示さなかった。また、このような$$^{134}$$Csの局所的な分布は、2015年には見られなかった。上記の結果から、堆積物中の$$^{134}$$Csの分布は、表層付近での堆積物粒子の水平輸送ばかりでなく、中層にかけての鉛直混合によって決定づけられていることがわかった。

論文

Dissolved radiocaesium in seawater off the coast of Fukushima during 2013-2015

福田 美保*; 青野 辰雄*; 山崎 慎之介*; 西川 淳*; 乙坂 重嘉; 石丸 隆*; 神田 譲太*

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 311(2), p.1479 - 1484, 2017/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:50.55(Chemistry, Analytical)

福島第一原子力発電所(福島第一原発)近傍における海水中の放射性セシウム分布の決定要因を明らかにするため、2013年から2015年にかけて福島第一原発から10km圏内の7観測点で得られた海水中の$$^{137}$$Cs濃度と、海水の特性(塩分、水温、ポテンシャル密度)との関係についてまとめた。海水中の$$^{137}$$Cs濃度は原発近傍で高く、また比較的低密度の海水で高かった。この結果から、河川水や福島第一原発港湾内からの海水の流入が、局所的に高い$$^{137}$$Cs濃度の増加をもたらしたと推測される。なお、これらの比較的高い$$^{137}$$Cs濃度を持つ海水は、より低密度の海水の下層へと貫入することにより、水深20$$sim$$50m付近まで運ばれる場合があることが明らかになった。

論文

Recent progress in the energy recovery linac project in Japan

坂中 章悟*; 明本 光生*; 青戸 智浩*; 荒川 大*; 浅岡 聖二*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; et al.

Proceedings of 1st International Particle Accelerator Conference (IPAC '10) (Internet), p.2338 - 2340, 2010/05

日本においてERL型放射光源を共同研究チームで提案している。電子銃,超伝導加速空洞などの要素技術開発を進めている。また、ERL技術の実証のためのコンパクトERLの建設も進めている。これら日本におけるERL技術開発の現状について報告する。

論文

Progress in R&D efforts on the energy recovery linac in Japan

坂中 章悟*; 吾郷 智紀*; 榎本 収志*; 福田 茂樹*; 古川 和朗*; 古屋 貴章*; 芳賀 開一*; 原田 健太郎*; 平松 成範*; 本田 融*; et al.

Proceedings of 11th European Particle Accelerator Conference (EPAC '08) (CD-ROM), p.205 - 207, 2008/06

コヒーレントX線,フェムト秒X線の発生が可能な次世代放射光源としてエネルギー回収型リニアック(ERL)が提案されており、その実現に向けた要素技術の研究開発が日本国内の複数研究機関の協力のもと進められている。本稿では、ERL放射光源の研究開発の現状を報告する。

口頭

Behavior of radiocesium at sediment-water interface off Fukushima

乙坂 重嘉; 福田 美保*; 青野 辰雄*

no journal, , 

2015年から2016年にかけて福島沖合(福島第一原子力発電所から1$$sim$$70km圏内)の14観測点で得た海底直上水(海底から高さ30cm程度までの海水)と、3観測点で得た間隙水中の$$^{137}$$Cs濃度の分布から、海水-堆積物境界における放射性セシウムの挙動について考察する。観測された海底直上水中の$$^{137}$$Cs濃度は5$$sim$$283mBq/Lの範囲で、堆積物中の濃度が高い観測点ほど高かった。また、海底直上水中の$$^{137}$$Cs濃度は、中層(海底の約5m上層)の海水中の濃度に比べて2$$sim$$3倍高かった。間隙水中の$$^{137}$$Cs濃度は、51$$sim$$1183mBq/Lで、海底直上水に比べて10$$sim$$30倍高かった。一部の観測点を除き、各観測点における海底直上水中の$$^{137}$$Cs濃度は、限外ろ過(1kDa)処理をしてもその値に変化がなかったことから、海底直上水中の放射性セシウムは溶存しており、堆積物が微粒子化したものではないことがわかった。以上より、堆積物の間隙に溶存する事故由来の放射性セシウムが、時間経過とともに海底直上へと拡散移動していると推測された。ただし、間隙水から底生生物への放射性セシウムの移行による、これらの生物中の放射性セシウム濃度の増加は限定的であると考えられる。

口頭

Exchange of radiocesium between sediment and pore water in the coastal seabed off Fukushima

乙坂 重嘉; 福田 美保*; 青野 辰雄*

no journal, , 

福島第一原子力発電所から1$$sim$$105km離れた海域において採取した海底直上水(海底から高さ30cm程度までの海水)と堆積物間隙水中の$$^{137}$$Cs濃度の分布から、海底付近における放射性セシウムの挙動について考察する。2015年から2017年に得られた間隙水中の$$^{137}$$Cs濃度は33$$sim$$1186mBq/Lで、海底直上中の濃度に比べて10から40倍高かった。海底直上水中の$$^{137}$$Cs濃度は、限外ろ過(1kDa)処理をしてもその値に変化がなかった。これらの結果から、海底堆積物中の放射性セシウムが、間隙水に溶存し、底層付近に拡散していることが裏付けられた。表層堆積物中の間隙水に含まれる$$^{137}$$Csの存在量は、堆積物固相中の$$^{137}$$Cs存在量の0.1$$sim$$0.6%に相当した。間隙水と堆積物の間の見かけの分配係数は[0.9$$sim$$4.2]$$times$$10$$^{2}$$L/kgで、試料の採取年による違いはみられなかった。これらのことから、観測を実施した期間においては、間隙水と堆積物の間で$$^{137}$$Csが概ね平衡状態にあると推察された。

口頭

福島原発事故により放出された不溶性粒子に含まれるプルトニウムの定量

五十嵐 淳哉*; Zheng, J.*; Zhang, Z.*; 二宮 和彦*; 佐藤 志彦; 福田 美保*; Ni, Y.*; 青野 辰雄*; 篠原 厚*

no journal, , 

Puは原子力災害において最も注目される放射性核種の一つであり、2011年に起こった福島原発事故後にもPuの調査が行われている。本研究では、放射化学的手法とICP-MS質量分析により、不溶性粒子からのPuの定量を行った。採取した不溶性粒子をアルカリ溶融により溶液化し、TEVA,UTEVA,DGAレジンを用いたカラム分離を行い、Puの分離を行った。分離溶液について、SF-ICP-MSにより質量数が239,240,241の領域を測定することにより、Pu同位体($$^{239}$$Pu,$$^{240}$$Pu,$$^{241}$$Pu)を定量した。4個の不溶性粒子の分析を行った結果、3つの粒子でPuが検出され、同位体比は、$$^{240}$$Pu/$$^{239}$$Puで0.330-0.415、$$^{241}$$Pu/$$^{239}$$Puで0.161-0.178が得られた。これはGF由来の値よりも大きく、福島原発の炉内インベントリーの計算値やこれまで報告されている福島原発付近で採取された、落ち葉などの一部の環境試料の値良い致を示していることがわかった。不溶性粒子に含まれるPuの量は、$$^{239+240}$$Pu/$$^{137}$$Csで10$$^{-8}$$のオーダーであったが、由来とする原子炉が異なる粒子同士で差があることが分かった。

口頭

福島沿岸の海底における放射性核種; これまでとこれから

乙坂 重嘉*; 青野 辰雄*; 福田 美保*; 神林 翔太*; 御園生 敏治; 土肥 輝美; 鶴田 忠彦; 鈴木 崇史; 高橋 嘉夫*; 杉原 奈央子*; et al.

no journal, , 

2011年3月に発生した東京電力福島第一原子力発電所事故によるセシウム-137($$^{137}$$Cs: 半減期30.1年)の海底への蓄積量は、海洋に運ばれた$$^{137}$$Csの総量の1$$sim$$2%程度(0.1$$sim$$0.2PBq)に過ぎないものの、特に沿岸域では長期にわたってとどまることが明らかにされている。その一方で、放射性セシウムの海底付近での中・長期的な移行過程や、それに伴う海底付近の生態系への影響については、不確かな点が残されている。本講演では、特に福島沿岸の海底での$$^{137}$$Csの分布と挙動について概観するとともに、事故から約10年が経過した現在、特に注目すべきプロセスについて、最新の結果を報告する。

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