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論文

バデリアイトのフィッション・トラック年代測定に向けて; エッチング実験の結果とその考察

中嶋 徹; 福田 将眞; 長田 充弘; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 末岡 茂

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.34 - 36, 2022/12

本発表ではバデリアイトのフィッション・トラック(FT)年代測定の実用化に向け行ったFTエッチング実験の結果と、その簡単な考察を行う。本研究では檀原ほか(1999)で用いられたものと同一試料のバデリアイト(第一稀元素化学工業提供試料)を使用し、NaOH-KOH共融混合液を用いて228度の温度条件で50時間まで段階的なエッチングを行った。その結果、檀原ほか(1999)の報告と同様に研磨痕の拡大、表面の粗面化などバデリアイトがエッチングされる様子が観察された一方で、FTと思しき組織は観察されなかった。研磨痕は拡大する一方でFTがエッチングされなかったことから、バデリアイトのFTは何らかの要因によりエッチングされにくいことが予想される。バデリアイトのFTを観察した研究としてO'Connell et al. (2020)がある。この研究ではTEM観察により、Xeイオントラックが単斜晶系から正方晶系への線状相転移領域(約2.5nm幅)として認定されることを報告している。本研究でFTがエッチングされなかったことは、バデリアイトのFTがアモルファス化しておらず、エッチングされにくいことが原因として考えられる。以上を踏まえると、ジルコンと同様の方法でのバデリアイトFTのエッチングは困難であると予想されるが、TEMやAFMによるlatent trackの観察などFT密度を計測することができれば、熱年代計として使用できる可能性がある。今後もバデリアイトFT法の確立へ向けて可能性を探ってゆく。

論文

ジルコン(U-Th)/He法の年代標準試料の探求(続報); 複数のジルコン試料における年代学的検討

福田 将眞; Kohn, B. P.*; 末岡 茂; 檀原 徹*; 岩野 英樹*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.7 - 10, 2022/12

ジルコン(U-Th)/He法の年代標準試料を確立する目的で、4つのジルコン試料について(U-Th)/He年代分析を実施した。令和2年度に報告した仁左平ジルコンに引き続いて、3年度は国内の地質試料として、濃飛流紋岩,鷲走ヶ岳月長石流紋岩およびフィッション・トラック法およびU-Pb法の年代標準試料であるMt. Dromedary, OD-3を採用した。結果として、濃飛流紋岩については二次加熱を示唆する年代の若返りが観察されたが、残り3試料については先行研究の既往年代と整合的なデータが得られた。これまで得られている7つのZHeデータを総評すると、先行研究で測定した歌長流紋岩のジルコンが最も単粒子年代のばらつきが小さく、標準試料として適切であると考えられる。今後は、年代のばらつきの原因の探求のため、ジルコン粒子の化学分析や組織観察を行う予定である。

論文

(U-Th)/He法のための高温加圧酸分解によるジルコンの完全溶解の試み

福田 将眞; 鏡味 沙耶

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.11 - 14, 2022/12

本研究では、ジルコンのU-Th濃度の定量法として、東濃地科学センターにおいて初めて高温加圧酸分解による湿式分析を試みた。初めにジルコンを900$$^{circ}$$Cで48時間アニーリングさせて、放射線損傷を回復させ、29Mのフッ酸に浸漬させて220$$^{circ}$$Cで70時間加熱して溶液化させた。完全に分解されたことを確認するため、ICP-MS(Agilent 7700x)で検量線法を用いてZr濃度を測定した。結果として、理論値に近いZr濃度が得られたことから今回の条件下で完全に分解されたと考えられる。今後はブランクレベルの低減のため、クリーンブースでの作業や分析器具・条件の選定などについて再検討し、ジルコン(U-Th)/He法におけるU-Th濃度定量の技術整備を目指す。

論文

熱年代学的手法に基づく谷川岳地域の熱史・削剥史の推定

南 沙樹*; 末岡 茂; 福田 将眞; 長田 充弘; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 梶田 侑弥*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.22 - 26, 2022/12

一般的に花崗岩は、地下数kmから数十kmの深部で形成される。したがって、最近形成された若い花崗岩が、現在地表に露出する地域では、極めて急速な隆起・削剥が起きている可能性がある。世界的に見ると、約5Maより若い花崗岩の分布は、変動帯に集中している。変動帯にある日本列島でも、飛騨山脈の黒部川花崗岩や、南部フォッサマグナ地域の丹沢トーナル複合岩体などで、ジルコンU-Pb年代測定(閉鎖温度900$$^{circ}$$C以上)により数Ma以内の若い形成年代が報告されている。本研究の対象地域である谷川岳地域は、東北日本弧南部の背弧側に位置し、その地質は主に、後期白亜紀-古第三紀の花崗岩類と、これらに貫入する鮮新世の谷川岳花崗岩類(赤湯岩体・谷川岩体・巻機岩体)から成る。先行研究では、谷川岳花崗岩類について、形成年代を表すジルコンU-Pb年代(約4.0-3.2Ma)と、約280$$^{circ}$$C付近の冷却年代を表す、ジルコンのフィッション・トラック(ZFT)年代(約3.3-2.9Ma)及び、350-400$$^{circ}$$C付近の黒雲母K-Ar年代(約3.9-3.1Ma)などが報告されている。しかし、約280$$^{circ}$$Cより低温域における熱史は不明である。本研究では、後期白亜紀水上石英閃緑岩と谷川岳花崗岩類について、未測定の地点にU-Pb年代測定を実施し、約200$$^{circ}$$C以下の低温側の熱史・削剥史を推定するためにジルコンとアパタイトの(U-Th)/He年代測定(ZHe年代: 閉鎖温度160-200$$^{circ}$$C、AHe年代: 閉鎖温度55-80$$^{circ}$$C)を実施した。その結果、谷川岳花崗岩類は、ジルコンU-Pb年代測定により、約6.0-3.2Maの間に少なくとも3回の異なる時代の貫入によって形成されたことが明らかとなった。また、最近の山地形成に関連した削剥を最も反映していると期待される、AHe年代の閉鎖温度から地表温度(10$$^{circ}$$C)の平均冷却速度は、山頂稜線の東側に位置する巻機岩体と水上石英閃緑岩で13-36$$^{circ}$$C/Ma、稜線西側の谷川岩体の1地点(AHe年代: 約1.2Ma)で36-60$$^{circ}$$C/Maと推定された。稜線東側では、AHe年代が約3.0-2.0Ma頃に集中しており、この時期の急速な削剥が示唆される。AHe年代から得られた削剥速度について、丹沢山地や東北日本弧と比較すると、谷川岳地域の削剥速度は、島弧-島弧衝突帯の丹沢山地や、歪の集中で知られる奥羽脊梁山地のような地殻変動が活発な地域に匹敵することが示唆された。

論文

北上山地における熱年代学データとその解釈

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.19 - 21, 2022/12

本講演では、東北日本弧前弧域に分布する北上山地を対象に、白亜紀深成岩類のアパタイトフィッション・トラック(AFT)年代、アパタイトヘリウム(AHe)年代のこれまでの結果に、FT長分布を用いた熱史逆解析結果を加えた熱年代学データの解釈を試みる。AFT年代は東縁部の約130Maから西に向かって70Ma程度まで若くなる。一方AHe年代は西縁部の約80Maを除けば約50-30Maにまとまる。北上山地の白亜紀深成岩類のジルコンU-Pb年代は135-120Maでほぼ均一なので、AFTとAHe年代の傾向は岩体の形成年代が原因ではない。またFT長を用いた熱史逆解析結果はいずれも徐冷を示し、短期的な熱イベントの存在は積極的には支持されない。以上を踏まえると、10$$^{6}$$年以上のスケールで地殻浅部における熱構造史もしくは隆起・削剥史が東西で異なると考えられる。熱構造史が異なる可能性としては、火山フロントの移動の影響が考えられる。このとき火山フロントはAFT年代の下限である約70MaからAHe年代の上限の約50Maの間に北上山地中央付近にあったと想定されるが、そのような証拠は知られていない。一方で隆起・削剥史が異なる場合、AFT年代からは沿岸部より内陸側を隆起させるような、AHe年代からは東西でほぼ一様な隆起形態が考えられる。10$$^{6}$$年以上の前弧域の隆起には底付け付加が支配的な要因の一つとなり得る(underplating model)。このunderplating modelでは、島弧横断方向に隆起量の差が見られ、沿岸部よりやや内陸側に隆起のピークを生じるため、AFT年代の東西傾向は説明可能である。また、沈み込むプレート速度が5cm/yr以下ではunderplating modelの隆起が起きないことも示されている。北上山地ではアダカイト質の浄土ヶ浜流紋岩類の活動時期(44.3Ma)には暖かいプレートが沈み込んでいたと考えられ、この時期の前後には底付け付加の隆起が停止していた可能性が高い。その後、底付け付加による隆起は再開したが、沈み込むプレートが交代したことにより、AHe年代に東西で差をもたらすほどの削剥量の違いを生むに至らなかった可能性が考えられる。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和4年度)

笹尾 英嗣; 石丸 恒存; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 島田 耕史; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; 小北 康弘; et al.

JAEA-Review 2022-022, 29 Pages, 2022/09

JAEA-Review-2022-022.pdf:0.97MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第4期中長期目標期間(令和4年度$$sim$$令和10年度)における令和4年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、これまでの研究開発成果や大学等で行われている最新の研究成果に加え、地層処分事業実施主体や規制機関等の動向を考慮した。研究の実施にあたっては、地層処分事業における概要・精密調査や国の安全規制に対し研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

論文

照来層群歌長流紋岩から得られたジルコンU-Pb年代

長田 充弘; 福田 将眞; 末岡 茂; 中嶋 徹; 梶田 侑弥*; 南 沙樹*; 岡本 晃*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (35), p.15 - 18, 2022/09

ジルコンを用いた年代測定の標準試料の探求の一環として、照来層群歌長流紋岩中のジルコンについて、U-Pb年代測定を実施した。歌長流紋岩からは、先行研究により約2.30-2.77Maのジルコンフィッション・トラック年代,ジルコン(U-Th)/He年代、および黒雲母K-Ar年代が報告されていた。ジルコンは短柱状から長柱状の自形を呈し、カソードルミネッセンス像観察では明瞭なコア・リム構造や累帯構造を示さない。レーザーアブレーション・マルチコレクター誘導結合プラズマ質量分析装置を用いてU-Pb同位体を測定した。2試料より得られたU-Pb年代は、いずれも2.5-3.0Maを示し、それぞれ2.65$$pm$$0.16Maおよび2.66$$pm$$0.15Maの$$^{238}$$U-$$^{206}$$Pb加重平均値を得た。得られた年代は、先行研究による閉鎖温度の異なる年代と整合的であるため、歌長流紋岩中のジルコンが標準試料として有効である可能性がある。今後、更なる各種年代、U, Th,希土類元素などの元素濃度の測定から標準試料として適切か検討する。

論文

Low-temperature thermochronology of active arc-arc collision zone, South Fossa Magna region, central Japan

末岡 茂; 小林 侑生*; 福田 将眞; Kohn, B. P.*; 横山 立憲; 佐野 直美*; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*

Tectonophysics, 828, p.229231_1 - 229231_17, 2022/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:60.71(Geochemistry & Geophysics)

島弧衝突帯における山地形成史の解明を目的に、中部日本の南部フォッサマグナ地域に低温領域の熱年代学を適用し、冷却・削剥史を推定した。

論文

Two pulse intrusive events of the Pliocene Tanigawa-dake granites revealed from zircon U-Pb dating

南 沙樹*; 長田 充弘; 末岡 茂; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 鏡味 沙耶; 横山 立憲; 田上 高広*

Earth, Planets and Space (Internet), 73(1), p.231_1 - 231_7, 2021/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:17.3(Geosciences, Multidisciplinary)

We performed zircon U-Pb dating on the Pliocene Tanigawa-dake granites (Makihata and Tanigawa bodies) and the Cretaceous Minakami quartzdiorite, Northeast Japan Arc. Concordia ages were estimated to be 3.95 $$pm$$ 0.11 Ma ($$pm$$ 2 sigma) for the Makihata body, 3.18 $$pm$$ 0.13 Ma and 3.32 $$pm$$ 0.15 Ma for the Tanigawa body, and 109.4 $$pm$$ 2.2 Ma for the Minakami quartzdiorite. The Minakami quartzdiorite is possibly correlated to the bedrock in the Ashio belt because the age of the Minakami quartzdiorite is consistent with the zircon U-Pb ages of the earliest Tadamigawa granites (107-62 Ma) which are distributed to the northeast of the Tanigawa-dake region and belong to the Ashio belt. All the zircon U-Pb ages of the Tanigawa-dake granites are older than the previously reported cooling ages, i.e., K-Ar ages and zircon fission-track ages, being consistent with their difference in closure temperature. On the basis of these results, we concluded that the intrusive ages of the Tanigawa-dake granites are ~4-3 Ma, which are among the youngest exposed plutons on Earth. The U-Pb ages of the Makihata body and the Tanigawa body are different significantly in the 2 sigma error range. Thus, the Tanigawa body intruded later than the Makihata body by ~0.7 Myr.

論文

ジルコン(U-Th)/He法の年代標準試料の探求; 仁左平デイサイトにおける年代学的検討

福田 将眞; 末岡 茂; 菅野 瑞穂; Kohn, B. P.*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.9 - 13, 2021/12

ジルコン(U-Th)/He(以下、ZHe)法における年代標準試料の確立を目指し、岩手県二戸市周辺から採取した地質試料である仁左平デイサイトについてZHe年代測定を実施した。本試料は、年代学的手法に基づく既往研究が豊富な試料であり、既報年代は22Maから21Ma程度に集中する急冷試料であることが明らかとなっているため、ZHe法についても年代標準試料としての潜在性が期待される。結果として、ZHe年代は21.5$$pm$$0.2Maが得られたが、単粒子年代は40Maから15Ma程度までランダム誤差に起因するとみられる広いばらつきを示した。その原因として、ジルコン中の親核種濃度の不均質や、岩石試料の薄片観察により明らかとなった異質岩片が考えられる。したがって、ZHe法の年代標準試料の適性は低いと判断されたが、既往研究で示されているようにジルコンフィッション・トラック年代やU-Pb年代は年代のまとまりが良いため、これらの分析の標準試料としては適性があると判断できる可能性がある。今後は、U-Pb法などの他の手法で用いられている年代標準試料などを対象にZHe年代標準試料の候補の探求を継続する。

論文

アパタイトフィッション・トラック熱年代学に基づく北上山地の削剥史の推定

梶田 侑弥*; 末岡 茂; 福田 将眞; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 長田 充弘; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.14 - 16, 2021/12

東北日本弧前弧域における地質学的時間スケールの詳細な隆起・削剥史の復元のため、北上山地に分布する花崗岩類を対象としたU-Pb年代測定およびアパタイトフィッション・トラック(AFT)熱年代学を適用した。また、東縁に分布する浄土ヶ浜流紋岩について、その熱的影響や活動時期推定のため、U-Pb年代測定を行った。結果として、北上山地に分布する白亜紀花崗岩類2試料について122.7Maと117.3MaのU-Pb年代、および15試料について156.8Maから70.3MaのAFT年代、浄土ヶ浜の流紋岩については44.3MaのU-Pb年代が得られた。先行研究および本研究で得られたAFT年代を総合すると、北上山地の西方に向けて若返る傾向が示唆された。その原因として、火山フロントの移動による浄土ヶ浜の火成活動が考えられるが、本研究で得られたU-Pb年代に比べてAFT年代は有意に古い結果となり、トラックの長さ分布を利用した熱史逆解析の結果も徐冷を示唆していることから、再加熱を積極的に支持する結果は得られなかった。今後は、追加分析によるデータの信頼性の向上や、ESR法などのより閉鎖温度が低い熱年代計などの適用を予定している。

論文

ジルコンU-Pb年代測定による谷川岳地域に露出する中新世$$sim$$鮮新世花崗閃緑岩の貫入年代の推定

南 沙樹*; 長田 充弘; 末岡 茂; 福田 将眞; 梶田 侑弥*; 小北 康弘; 横山 立憲; 鏡味 沙耶; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.4 - 8, 2021/12

国内において急激な隆起・削剥を経験してきた地域であると期待される、数Maに形成された若い花崗岩類が露出する谷川岳地域において、貫入年代の決定を目的にU-Pb年代測定を実施した。結果として、白亜紀花崗閃緑岩では109Ma、若い花崗岩類と推察された岩体では3.95Maから3.19Ma(3試料)のU-Pb年代が得られた。これらの年代は先行研究で報告されていた、より閉鎖温度の低い手法であるK-Ar法やジルコンのフィッション・トラック年代と整合的な値であり、本研究で得られたU-Pb年代の方が古い値を示す。したがって、得られたU-Pb年代は若い花崗岩の貫入年代に相当すると解釈でき、最低でも二回に及ぶ複数の貫入イベントによって谷川岳地域の若い花崗岩体が形成された可能性を提示した。

論文

17th International Conference on Thermochronologyの参加報告

中嶋 徹; 福田 将眞; 小形 学; 末岡 茂

フィッション・トラックニュースレター, (34), p.25 - 26, 2021/12

17th International Conference on Thermochronology (以下、Thermo2021)が2021年9月12-17日にアメリカ、ニューメキシコ州Santa Fe市街地のEldorado Resortにて開催された。2020年開催予定の本大会であったが、新型コロナウイルスの蔓延と社会情勢を理由に延期となっていた。本大会に先立ってVirtual Thermo2020/1と銘打ったオンラインセッションが開催されたこともあり、本大会は原則現地開催となったが、社会情勢の悪化により渡航を断念したグループも多く、発表はZoomを通して全世界と共有された。本稿では、参加までの経緯、本大会にて行われた発表の内容や傾向、2023年、2025年大会に向けての課題を報告する。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度報告書(令和2年度)

石丸 恒存; 尾方 伸久; 國分 陽子; 島田 耕史; 丹羽 正和; 島田 顕臣; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; et al.

JAEA-Research 2021-007, 65 Pages, 2021/10

JAEA-Research-2021-007.pdf:4.21MB

本報は、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度$$sim$$令和3年度)における令和2年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第3期中長期目標期間における研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適宜反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで進めている。本報では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果等について取りまとめた。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和3年度)

石丸 恒存; 國分 陽子; 島田 耕史; 島田 顕臣; 丹羽 正和; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 横山 立憲; 藤田 奈津子; 小北 康弘; et al.

JAEA-Review 2021-012, 48 Pages, 2021/08

JAEA-Review-2021-012.pdf:1.64MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度$$sim$$令和3年度)における令和3年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第3期中長期計画に基づき、これまでの研究開発成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、地層処分事業実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

報告書

東濃地科学センターにおける鉱物試料の(U-Th)/He年代測定(He測定編)(受託研究)

菅野 瑞穂; 末岡 茂; 福田 将眞

JAEA-Testing 2020-010, 38 Pages, 2021/03

JAEA-Testing-2020-010.pdf:3.07MB

本書は、日本原子力研究開発機構東濃地科学センターで行う(U-Th)/He年代測定法の分析のうち、He測定に係る手順について取りまとめたものである。(U-Th)/He年代測定法はU, Th系列の放射性同位体の$$alpha$$壊変を利用した放射性年代測定法で、熱年代測定に利用可能な測定法である。中でもジルコン,アパタイトを用いることで、低温領域の熱履歴を推定することができる。本書では試料調製の作業は役務作業員や学生実習生など、本作業を初めて行う者や経験に乏しい者が実施する場合があることから、作業手順や注意すべき点などを詳しく記載した。また、作業中に利用できる記録用紙のフォーマットを含めた。

論文

フィッション・トラック法を利用した島弧山地の熱年代学

福田 将眞; 末岡 茂; 田上 高広*

Radioisotopes, 70(3), p.173 - 187, 2021/03

主要な造山帯における、フィッション・トラック(FT)法等による熱年代学は、1970年代以降世界各地で進展してきた。従来の主要研究対象だった大陸造山帯や安定陸塊に加え、最近30年の低温領域の熱年代学の進展により、対象地域が拡大しつつあり、これまで研究が困難だと考えられていた島弧においても精力的に研究が展開中である。本稿では、熱年代学的手法に基づく山地形成過程の推定方法を概観し、弧-海溝系の山地を対象とした熱年代学研究の現状、特に島弧山地における研究事例を紹介する。

論文

伊豆弧の衝突と南部フォッサマグナ地域の山地形成; 低温領域の熱年代学による知見

小林 侑生*; 末岡 茂; 福田 将眞; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (33), p.25 - 27, 2020/10

本州弧と伊豆弧の衝突帯である南部フォッサマグナ地域を対象に、熱年代学の手法を用いて山地の隆起・削剥史を検討した。筑波山,足尾山地,奥秩父のアパタイトFT年代は、伊豆弧の衝突以前の冷却・削剥や岩体形成を反映した古い値を示したが、関東山地のアパタイトFT年代や、より閉鎖温度が低いアパタイト(U-Th)/He年代では衝突開始以降の新しい年代値が得られた。アパタイトFTデータに基づいた熱史逆解析の結果、関東山地の北部から中部と身延山地では約1Ma、奥秩父と関東山地の南部では約4-5Maの急冷イベントが認定された。これらの時期は伊豆ブロックと丹沢ブロックの衝突時期とそれぞれ一致しており、伊豆弧の衝突イベントによる本地域の山地形成への影響が示唆される。

論文

熱年代学を用いた北上山地の隆起・削剥史の推定

梶田 侑弥*; 福田 将眞; 末岡 茂; 長谷部 徳子*; 田村 明弘*; 森下 知晃*; Kohn, B. P.*; 田上 高広*

フィッション・トラックニュースレター, (33), p.28 - 30, 2020/10

東北日本弧前弧域に分布する北上山地を対象に、熱年代学的手法を用いて山地の熱史・削剥史を検討した。北上山地を東西に横断する方向にアパタイトのFT法および(U-Th-Sm)/He法を実施した結果、既報年代と併せると、FT年代では東側から西側にかけて系統的に若い年代の傾向を示すのに対し、(U-Th-Sm)/He法では西縁で最も古い年代が検出され、以東ではほぼ一様な年代を示した。今後はより詳細に北上山地の熱史の傾向を議論するため、火山フロントの位置がほぼ現在の位置にあったとされる、1千万年以降の年代が期待できる熱年代学的手法の適用を予定している。

報告書

地質環境の長期安定性に関する研究 年度計画書(令和2年度)

石丸 恒存; 尾方 伸久; 島田 耕史; 國分 陽子; 丹羽 正和; 浅森 浩一; 渡邊 隆広; 末岡 茂; 小松 哲也; 横山 立憲; et al.

JAEA-Review 2020-010, 46 Pages, 2020/07

JAEA-Review-2020-010.pdf:1.89MB

本計画書では、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術に関する研究開発のうち、深地層の科学的研究の一環として実施している地質環境の長期安定性に関する研究について、第3期中長期目標期間(平成27年度$$sim$$令和3年度)における令和2年度の研究開発計画を取りまとめた。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第3期中長期計画に基づき、これまでの研究開発成果、関係研究機関の動向や大学等で行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関のニーズ等を考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針等の検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みで研究開発を推進する。

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