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中嶋 洋輔*; 武田 寿人*; 市村 和也*; 細井 克洋*; 大木 健輔*; 坂本 瑞樹*; 平田 真史*; 市村 真*; 池添 竜也*; 今井 剛*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 463, p.537 - 540, 2015/08
被引用回数:21 パーセンタイル:84.82(Materials Science, Multidisciplinary)A divertor simulation experimental module (D-module) with a V-shaped divertor target is installed in the west end-sell in GAMMA 10 large tandem mirror device, and a hydrogen plasma irradiation experiment to the target have been started to investigate radiation cooling mechanism on the target. A gas injection system is installed in the D-module and Langmuir probe and calorie meter array are mounted on the target plate. During the plasma irradiation, the highest electron density of 2.4 10 m and a significant reduction of the electron temperature from a few tens of eV to 2 eV are achieved on the target plate by hydrogen and noble gas injection into the D-module.
福本 正勝; 仲野 友英; 上田 良夫*; 伊丹 潔; 久保 博孝
Journal of Nuclear Materials, 462, p.354 - 359, 2015/07
被引用回数:4 パーセンタイル:31.62(Materials Science, Multidisciplinary)Deuterium retention in a tungsten coating layer by deuterium and carbon mixed ion beam irradiation has been investigated by changing the carbon ion fraction and the surface temperature. Graphite is formed, while tungsten carbide (WC) and ditungsten carbide (WC) are not formed in the tungsten coating layer. At a surface temperature of 500 K, deuterium is retained in the trapping sites with a single trapping energy, which is expected to be grain boundaries and/or pore surfaces, and carbon retained in the tungsten coating layer. At a surface temperature of 700 K, most of the deuterium is not trapped by intrinsic defects such as grain boundaries and pore surfaces, but trapped by carbon retained in the tungsten coating layer. Analysis of deuterium desorption spectra suggests that deuterium is retained in the form of C-D bond in the tungsten coating layer.
福本 正勝; 宮田 良明; 東條 寛
プラズマ・核融合学会誌, 91(5), P. 371, 2015/05
2015年3月4日から6日にかけて、第18回「若手科学者によるプラズマ研究会」(日本原子力研究開発機構・核融合研究開発部門・先進プラズマ研究部主催)を那珂核融合研究所で開催した。本研究会の目的は、将来の核融合研究を担う若手科学者が分野横断的なネットワークを広げることである。今回の研究会では、異なる分野の計測・制御技術に接するため、「プラズマ計測・制御技術の結集」と題して、核融合プラズマに限らず幅広いプラズマの計測・制御技術の講演を呼びかけた。研究会では、8件の招待講演と17件の一般講演があり、活発な議論が行われた。
Ding, F.*; Luo, G.-N.*; Pitts, R.*; Litnovsky, A.*; Gong, X.*; Ding, R.*; Mao, H.*; Zhou, H.*; Wampler, W. R.*; Stangeby, P. C.*; et al.
Journal of Nuclear Materials, 455(1-3), p.710 - 716, 2014/12
被引用回数:27 パーセンタイル:88.51(Materials Science, Multidisciplinary)A movable material probe system (Material and Plasma Evaluation System: MAPES) with an independent pumping system and a sample exchange chamber has been developed and installed on a horizontal port of the EAST tokamak for studies of plasma material interaction (PMI). In the 2012 experimental campaign, deposition and erosion were studied for three samples: mock-up of the outer first wall panels (FWPs) in ITER, castellated tungsten, and molybdenum mirrors. The FWPs with carbon deposition layer were exposed to helium plasmas. The maximum erosion rate of the carbon was valuated to be 8 nm/s. The castellated tungsten with rectangular cells and roof-like shaped cells was exposed to deuterium plasmas to compare amount of deposits on the gap surface. The amount of carbon and boron impurities on the gap surface of the roof-like shaped cells were reduced to less than 30% compared with that of the rectangular cells. The molybdenum mirrors of which protective ducts are installed in front were exposed to deuterium plasmas in order to investigate effects of length of the ducts. It was found that the reflectivity of the mirrors with 60 mm-long protective ducts is kept the initial reflectivity.
中嶋 洋輔*; 坂本 瑞樹*; 吉川 正志*; 大木 健輔*; 武田 寿人*; 市村 和也*; 細井 克洋*; 平田 真史*; 市村 真*; 池添 竜也*; et al.
Proceedings of 25th IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2014) (CD-ROM), 8 Pages, 2014/10
In the large tandem mirror device GAMMA 10/PDX, a divertor simulation experimental module (D-module) with a V-shaped divertor target have been installed in the end-mirror. A massive gas injection of hydrogen and noble gases (argon and xenon) into the D-module during hydrogen plasma irradiation onto the target was performed, and plasma detachment from the target was investigated. Electron temperature measured by Langmuir probe array on the target was significantly reduced from a few tens of eV to 3 eV, and particle flux was also reduced. A bright H emission in the upstream region of the D-module and strong reduction near the target were observed by a two-dimensional image of H emission in the target observed with a high-speed camera. Molecular activated recombination (MAR) process is expected to contribute to the reduction of the electron temperature and the particle flux.
小田 靖久; 福本 正勝; 宇藤 裕康
プラズマ・核融合学会誌, 90(6), P. 356, 2014/06
2014年3月5日から7日にかけて、第17回「若手科学者によるプラズマ研究会」(日本原子力研究開発機構・核融合研究開発部門・先進プラズマ研究開発ユニット主催)を開催した。本研究会の目的は、将来の核融合研究を担う若手研究者たちが分野横断的なネットワークを広げるとともに、毎年異なる主題のもと自らの研究について発表して活発な議論を行うことである。今回の主題は「核融合原型炉に向けたプラズマ制御・炉工学研究の現状と進展」と題して、主に、核燃焼プラズマの制御に向けた原型炉設計、計測機器、加熱装置の現状と課題を取り上げた。研究会では、10件の招待講演と19件の一般講演があり、活発な議論が行われた。
仲野 友英; 東島 智; 久保 博孝; 朝倉 伸幸; 福本 正勝
Nuclear Fusion, 54(4), p.043004_1 - 043004_10, 2014/03
被引用回数:2 パーセンタイル:9.90(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uのダイバータプラズマにを入射し、その入射量に対するCHスペクルバンドの発光強度の比で定義する発光率を測定した。同様に、, 及びを入射し、それぞれに対するCH, CD及びの発光率を測定した。興味深いことに、及びを入射した場合に、発光強度の上昇が観測された。これは、入射したメタンに由来する粒子が、ダイバータ板と化学反応して炭素を2個含む炭化水素が発生したことを示す。ここで整備した発光率データを用いて、過去に測定した化学スパッタリング率を再評価すると、8%から6%に減少し、イオンフラックス及び入射エネルギーに対する依存性は弱くなった。
福本 正勝; 櫻井 真治; 朝倉 伸幸; 伊丹 潔
Plasma and Fusion Research (Internet), 8, p.1405153_1 - 1405153_10, 2013/11
JT-60SAのダイバータで使用可能な、高熱負荷に耐えられるラングミュアプローブを開発し、製作を完了した。プローブ電極は炭素繊維複合材料で製作し、先端の形状は屋根型である。プローブ先端の温度上昇を抑えるため、プラズマが直接当たらない部分の体積を大きくし、プローブの熱容量を大きくした。これにより、1MW/m, 100秒間及び、10MW/m, 5秒間の熱負荷に対して、プローブ電極先端の温度が1000C以下となり、熱電子放出が小さい温度範囲に抑えられた。従来のトカマク装置では、ラングミュアプローブがダイバータタイルに埋め込まれていた。本研究では、ダイバータの除熱性能の低下を最小限に抑えるため、幅10mmのダイバータカセット間にラングミュアプローブを設置する。酸化アルミニウムを被覆したステンレス鋼により、ダイバータカセットへのプローブ電極の固定と電気的絶縁を行い、さらに、ケーブルを接続するための電極をプローブ電極にロウ付けすることで、ラングミュアプローブの幅を8mmに抑えた。これにより、ダイバータカセット間への設置を可能にした。
福本 正勝; 仲野 友英; 上田 良夫*; 伊丹 潔
Plasma and Fusion Research (Internet), 8, p.1405159_1 - 1405159_8, 2013/11
Carbon migration in the tungsten coating layer exposed to JT-60U divertor plasmas has been investigated by analysis of chemical binding states of the carbon atoms. More than 1% of carbon atoms were accumulated as graphitic carbon, disordered carbon and/or carbon-deuterium bonds. This concentration was more than five orders of magnitude higher than the solubility of carbon atoms in tungsten lattice. Up to 20% of ditungsten carbide (WC) was also formed in the tungsten coating layer. These findings suggested that the following carbon migration mechanism in the tungsten coating layer. The incident carbon atoms and hydrocarbon molecules migrate within 2.5 m in depth along grain boundaries and defects such as pores. The carbon atoms trapped to grain surfaces penetrate and diffuse in the grains. The carbon atoms exceeded the solubility of carbon atoms in tungsten lattice chemically bind to tungsten atoms and form WC.
朝倉 伸幸; 林 孝夫; 芦川 直子*; 福本 正勝
Journal of Nuclear Materials, 438, p.S659 - S663, 2013/07
被引用回数:6 パーセンタイル:42.71(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおけるダイバータ改造後12年の運転を経て容器内で収集されたダスト粒子の分析結果を発表する。ダスト収集は、運転開始6年後にプラズマが直接照射されるタイル表面や直接に照射されないダイバータやバッフルの裏部についてトロイダル一か所で行われたが(初回)、今回は複数のトロイダル箇所で実施され比較が行われた。タイル表面では、炭素の堆積層が多く観測される内側ダイバータでのエリア密度が高い。最も多くのダストはダイバータ下の排気経路に蓄積されることが、初回の結果と同様に観測された。トロイダル方向異なる場所の試料を分析した結果、それぞれのポロイダル位置におけるトロイダル方向の非対称性はファクター3程度であった。同じ収集位置におけるダスト蓄積量を初回と今回とで比較した結果、実験運転期間後半での蓄積量が大きく1放電の放電時間の延長が要因と考えられる。ダスト粒子の大きさや形状の特性は、顕微鏡画像解析により評価を行い、直径20マイクロm以下のダスト粒子数は統計分布を持つこと、20マイクロm以上の大きなダストは堆積層の一部が放出された可能性が高く総体積や重量に大きく寄与することなどが明らかとなった。
吉田 雅史; 田辺 哲朗*; 足立 歩*; 林 孝夫; 仲野 友英; 福本 正勝; 柳生 純一; 三代 康彦; 正木 圭; 伊丹 潔
Journal of Nuclear Materials, 438, p.S1261 - S1265, 2013/07
被引用回数:6 パーセンタイル:42.71(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60U炉内全体での水素蓄積量を評価するために、これまで明らかにされていないプラズマに直接当たらない領域(タイル側面及びダイバータ下部)での水素蓄積速度及び炭素堆積速度を実測した。得られた結果を、これまで明らかにされているプラズマに当たる領域でのデータと合わせることにより、JT-60U炉内全体で、水素あるいは炭素がどこにどれだけ蓄積・輸送されるのかを明らかにした。その結果、JT-60U炉内全体の水素蓄積速度は1.310 H+Dsとなり、この値は他のプラズマ装置にて報告されている値よりも遅いことがわかった。これは、JT-60Uが高温で運転されていることに起因する。
芦川 直子*; 朝倉 伸幸; 福本 正勝; 林 孝夫; 上田 良夫*; 室賀 健夫*
Journal of Nuclear Materials, 438, p.S664 - S667, 2013/07
被引用回数:10 パーセンタイル:59.74(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uで採取されたダストに対し、炭素主成分中のタングステン(W)含有量及びダストに含まれる水素同位体保持量の分析結果を発表する。Wタイルが設置されたダイバータ周辺で収集したダスト中のW含有量を評価した結果、ドーム下の3か所にてW含有ダストが検出された。微量であるダスト粒子の成分(さらにW含有量は1%以下)を分析するため、インジウムペーストにダストを固定し真空中でX線光電子分光法により分析する手法を確立した。ダストはプラズマ対向面で成長・生成したと考えられ、その場所はIMPGYROコードによる蓄積位置と比較するとよく一致しており、Wダイバータ配位時の堆積層からダストが生成されたと考えられる。さらに、ダストの水素同位体保持量については昇温脱離法で分析した。バルクタイルにおける蓄積量と比較すると単位質量あたりの保持量は1桁多く、1000K以上の高い温度にてピークを持つ特徴があり、これはダスト中の炭素構造に起因していると考えられる。
吉田 雅史; 田辺 哲朗*; 林 孝夫; 仲野 友英; 福本 正勝; 柳生 純一; 三代 康彦; 正木 圭; 伊丹 潔
Fusion Science and Technology, 63(1T), p.367 - 370, 2013/05
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)JT-60U第一壁タイルの側面への水素蓄積量を評価するために、外側第一壁からポロイダル及びトロイダル方向に炭素タイルを数枚取り出し、タイル側面に蓄積した水素量を昇温脱離法(TDS)にて測定した。得られた結果をこれまでに測定されてきたプラズマ対向表面での結果と比較することで、タイル側面の温度は、プラズマ対向表面のように温度が上昇していること、タイル側面への水素蓄積量は時間とともに増加することが明らかとなった。その結果、JT-60U第一壁全体のタイル側面での水素蓄積速度は4e19 H+D/sと見積ることができた。これは、これまで水素蓄積量が最も多いとされるダイバータタイル表面の再堆積層でのそれ(3.4e19 H+D/s)とほぼ同等であることがわかった。このことは、第一壁タイル側面の単位面積当たりの蓄積速度は極めて低いものの、タイル側面の全面積が1桁以上大きいことに由来している。
福本 正勝; 仲野 友英; 伊丹 潔; 和田 隆明*; 上田 良夫*; 田辺 哲朗*
Journal of Nuclear Materials, 415(Suppl.1), p.S705 - S708, 2011/08
被引用回数:5 パーセンタイル:37.62(Materials Science, Multidisciplinary)炉内トリチウムの蓄積量を低減させるため、ITERでは第一壁をタングステンで被覆することが検討されているが、リミタなどの高熱負荷機器は炭素を使用する可能性がある。そのため、炉内のトリチウム蓄積量を予測するためには、炭素不純物の影響を評価する必要がある。本研究では、JT-60Uに設置されたタングステン被覆タイルへの重水素蓄積に対する炭素不純物の影響を調べた。プラズマ放電によって炭素タイルから損耗した炭素不純物が被覆タングステンへ蓄積しており、この炭素不純物に重水素が捕獲されていた。その結果、被覆タングステン中のD/Cは0.04-0.08となり、炭素堆積層中のT/Cに対して1/2-1/4に達していた。したがって、将来の核融合炉での炭素と被覆タングステンの同時使用によって、被覆タングステン中のトリチウムの蓄積量が、炭素堆積層と同程度まで増加する可能性がある。
福本 正勝; 仲野 友英; 正木 圭; 伊丹 潔; 上田 良夫*; 田辺 哲朗*
Journal of Plasma and Fusion Research SERIES, Vol.9, p.369 - 374, 2010/08
安全の観点から、核融合炉内のトリチウム蓄積量を基準値以下にする必要がある。そのため、水素同位体の蓄積量が比較的小さいタングステンが、ITERなどのプラズマ対向壁として有力である。これまで、タングステンへの重水素の蓄積量や表面形状の変化が基礎実験で調べられてきたが、トカマク装置を用いて調べた結果は少ない。大型トカマク装置でタングステンへの重水素の蓄積量や表面形状の変化を調べ、この結果を基礎実験の結果と比較・検討し、ITERのタングステン壁へのトリチウム蓄積量や表面形状の変化を予測する必要がある。JT-60Uでは、2003年に外側ダイバータの一部にタングステンを被覆した炭素繊維複合材料のタイルを設置し、2004年の実験終了後に一部のタイルを取り出した。本研究では、このタイルの表面状態と重水素の深さ分布を調べた。表面観察から、タングステン表面はスパッタリングにより損耗していたが、断面観察から損耗量は小さいことがわかった。タングステン層中の重水素の深さ分布は、タングステン層中の炭素不純物の分布と相似であった。したがって、重水素の蓄積量はタングステン層中の炭素量に依存している。
上田 良夫*; 日野 友明*; 大野 哲靖*; 高木 郁二*; 仲野 友英; 田辺 哲朗*; 梶田 信*; 福本 正勝
プラズマ・核融合学会誌, 85(10), p.684 - 694, 2009/10
特定領域科学研究費補助金「核融合炉実現を目指したトリチウム研究の新展開」のレビューの一部を発表代表者は担当し、JT-60Uの30秒Hモード放電における水素蓄積量と壁温,炭化水素発生量との関係について述べた。グリンワルド密度の50%程度の放電ではプラズマ容器の温度の違いによって水素の蓄積傾向が異なった。すなわち、壁温300Cではショットを繰り返すごとに水素蓄積量は減少したが、壁温150Cでは緩やかに減少し、壁温80Cではほとんど増減しなかった。他方、グリンワルド密度の70%以上の高密度放電では壁温によらず水素蓄積量はショットを繰り返すごとに上昇した。この高密度放電ではダイバータ板からの炭化水素発生量の増加とともに水素蓄積量は増加した。これは、発生した炭素が再び堆積する際に水素を取り込み水素の蓄積量を増加させたためと解釈される。
上田 良夫*; 福本 正勝*; 渡邊 淳*; 大塚 裕介*; 新井 貴; 朝倉 伸幸; 信太 祐二*; 佐藤 正泰; 仲野 友英; 柳生 純一; et al.
Proceedings of 22nd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2008) (CD-ROM), 8 Pages, 2008/10
JT-60Uの外側ダイバータから放出されたタングステンの再堆積分布を調べた。今回初めて中性子放射化分析法を用い厚い炭素たい積層に含まれるタングステンの面密度を正確に測定した。タングステンの堆積は内側ダイバータ及びドームタイルの外側に多く見られた。トロイダル方向にはタングステンタイルが設置した場所に非常に局在した分布であった。
上田 良夫*; 福本 正勝*; 西川 雅弘*; 田辺 哲朗*; 宮 直之; 新井 貴; 正木 圭; 石本 祐樹*; 都筑 和泰*; 朝倉 伸幸
Journal of Nuclear Materials, 363-365, p.66 - 71, 2007/06
被引用回数:10 パーセンタイル:57.51(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uの外側ダイバータ部分に、タングステンをコーティングしたCFCグラファイトタイルを13枚設置し、タングステンタイルの健全性や損耗されたタングステンの輸送・再堆積特性を調べた。タングステンの再堆積分布については、EDXやXPSを用いて測定を行った。タングステンタイルには最大6MW/mの熱負荷が加わったが、特に目立った損傷は観測されなかった。Wタイルに隣接したCFCグラファイトタイル上には、タングステンが損耗・電離後、磁力線に沿って移動して堆積した厚い堆積層が局所的に存在した。また、タングステンタイルと同じセクションにおけるタングステンのポロイダル方向の再堆積分布を調べたところ、内側ダイバータストライク点近傍と外側ウイング下部に多くの堆積が見られた。これらの分布を、Cの再堆積分布と比較したところ、内側ダイバータではほぼ同様の分布を観測したが、ドームの内側ウイングと外側ウイングでは、異なった堆積傾向が見られた。
福本 正勝; 仲野 友英; 伊丹 潔; 上田 良夫*; 田辺 哲朗*
no journal, ,
タングステンはトリチウムの蓄積量が少ないなどの特徴を持つため、ITERなどのトリチウムを使用する装置では、プラズマ対向壁の有力な候補材料である。トカマクプラズマ照射下での重水素の蓄積機構を調べるため、JT-60Uの外側ダイバータに被覆したタングステン中の重水素と炭素の深さ分布を測定した。その結果、プラズマ放電中に炭素第一壁材から損耗した炭素がタングステン被覆に注入及び拡散し、おもにこの炭素に重水素が捕獲されている可能性があることがわかった。また、タングステン被覆タイルへの重水素の蓄積量は10D/mであり、この蓄積量はJT-60Uと同様の条件で重水素プラズマを照射した結果と比較して、1桁以上多い。重水素プラズマの照射実験では炭素の影響がないため、タングステン被覆タイルへの重水素の蓄積量増加の原因は、タングステン被覆中の炭素が原因であると考えられる。
上田 良夫*; 大塚 裕介*; 福本 正勝; 杉山 一慶*
no journal, ,
ITERでは、初期ダイバータの高熱負荷部にはCFC材を使用し、それ以外の部分ではWを使用する。このとき、CFC材から炭素が損耗して再堆積層を形成し、そこに水素同位体が共堆積する。DT放電ではこのような機構によるT蓄積量が多いと考えられ、ダイバータ部はすべてWとすることが検討されている。しかしながら、Wを高熱負荷部に設置するための検討課題も多く、CFC材をDT放電で使用する可能性もある。したがって、炭素の再堆積層におけるT蓄積量の正確な見積もりが重要である。しかし、再堆積層の形成条件や水素同位体の蓄積量は不明確な点が多く、特に堆積層形成の温度依存性のデータが少ない。そこで、本研究では、炭素割合を正確に測定した重水素・炭素混合イオンビームを温度勾配をつけたWに照射し、核反応分析法(NRA)を用いてW表面に堆積した炭素、及びそこに含まれる重水素の面密度を測定した。その結果、360C以上では炭素の堆積が抑制され、この理由として、化学スパッタリングによる堆積層の損耗率の増加が原因であることがわかった。また、堆積層におけるD/Cは約0.28であることも明らかになった。