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小島 有志; 花田 磨砂也; 戸張 博之; 錦織 良; 平塚 淳一; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 吉田 雅史; 市川 雅浩; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 87(2), p.02B304_1 - 02B304_5, 2016/02
被引用回数:13 パーセンタイル:51.28(Instruments & Instrumentation)原子力機構では、ITERやJT-60SAで利用する中性粒子入射装置の実現に向けて、大面積多孔多段負イオン加速器を開発中であり、1MVや500kVの直流超高電圧を真空中で安定して保持できる耐電圧性能が要求されている。そこで、真空放電の物理理解に基づく耐電圧設計手法を確立することを目的として、今回、これまでの耐電圧試験結果に基づいて、多段の入れ子構造である加速電極支持構造の形状を、耐電圧や境界条件から最適化する手法を開発した。本手法では、ビーム光学から要求される電圧及びギャップ長から、電極平板部の面積、つまり同軸の入れ子構造となる円筒型電極の半径を決定することにより、耐電圧を満たすための同軸間ギャップ長を求める。これにより一段分の対向する陰極・陽極の電極構造が決まるため、本手法を段数分くり返すことにより、耐電圧を満たした加速電極支持構造を境界条件の中で一意に設計することが可能となる。得られた加速器の耐電圧を予測するために、未解明であった多段による耐電圧の劣化を、5段電極を用いて実験的に調べた結果、5段の耐電圧は1段耐電圧の段数倍よりも25%程度耐電圧が減少し、段数の増加による影響が見られた。この効果を考慮した結果、本手法によるJT-60用負イオン加速器の耐電圧解析が10%以下の誤差の範囲で一致し、ITERやJT-60SAの耐電圧設計の精度を向上することができた。
花田 磨砂也; 小島 有志; 戸張 博之; 錦織 良; 平塚 淳一; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 吉田 雅史; 市川 雅浩; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 87(2), p.02B322_1 - 02B322_4, 2016/02
被引用回数:14 パーセンタイル:55.85(Instruments & Instrumentation)本論文は原子力機構(JAEA)で開発中の負イオンビームに関する最新結果を報告するものである。JAEAでは、国際熱核融合実験炉(ITER)およびJT-60SAの実現に向けて、それぞれ1MeV, 40A,3600秒および22A, 500keV, 100秒の重水素負イオンビームの開発を行っている。これらの負イオンビームを開発するために、ITERやJT-60SAの設計と同様、多段静電加速器とセシウム添加型負イオン源を開発している。静電加速器の開発においては、長時間加速をした開発を指向しており、その課題である加速電極の熱負荷を、イオンビームの軌道を制御することにより、許容値以下に低減した。その結果、負イオンの加速時間を、従来の1秒未満から試験装置の電源の限界である60秒まで進展させた。また、セシウム添加型負イオン源の開発においては、大電流負イオンビームの長パルス生成を指向しており、これまでに15A、100秒のビーム生成を達成している。今後、長パルス生成時に顕在化した、イオン源内のアーク放電プラズマの放電破壊(アーキング)の問題を解決し、JT-60SAで要求される22Aを超える電流値で100秒以上の負イオンビーム生成を目指す。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 平塚 淳一; 市川 雅浩; 渡邊 和弘; Grisham, L. R.*; 津守 克嘉*; et al.
Review of Scientific Instruments, 87(2), p.02B144_1 - 02B144_4, 2016/02
被引用回数:10 パーセンタイル:43.24(Instruments & Instrumentation)ITERおよびJT-60SAのような大型負イオン源では、大面積の引出領域から大電流負イオンビームを生成するために、負イオン生成を高めるセシウム(Cs)を供給する。しかし、この大型負イオン源内のCsの挙動と、負イオン生成の空間分布との関係は実験的に明らかにされていない。そこで、ITER級の大きさを有するJT-60負イオン源内のCsおよび負イオン生成の空間分布の時間変化を調べた。その結果、Csの供給量0.4gまでCsの指標となるCsの発光強度、および負イオン生成に変化はなかった。これは、Csが供給口付近の水冷されたイオン源内壁に吸着しているものと考えられる。その後、Csの発光強度および負イオン生成は供給口直下付近の引出領域から増加した。Csの中性・イオン輸送計算の初期結果によると、負イオン生成が増加し始めた領域と、供給口付近でプラズマによりイオン化したCsの輸送位置は概ね一致した。さらにCsを供給し続けることで負イオン生成の増加した領域は徐々に拡大し、供給量約2gで一様な大電流ビームを生成した。以上の結果より、負イオン生成にはイオン化したCsの輸送が重要な役割を担っていることが分かった。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 畑山 明聖*; 柴田 崇統*; 山本 崇史*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; et al.
Fusion Engineering and Design, 96-97, p.616 - 619, 2015/10
被引用回数:13 パーセンタイル:69.93(Nuclear Science & Technology)JT-60SAのプラズマ加熱および電流駆動装置として利用する世界最大の負イオン源では、要求値となる22Aの大電流負イオンビームの100秒生成を目指している。そのためには、40cm110cm(全1000穴)のビーム引出面積から生成されるビームの一様性を改善する必要がある。そこで、負イオンビームの親粒子である水素原子および水素イオンをより一様に生成するために、磁場分布・高速電子分布計算結果および実験結果に基づいて、従来の横磁場構造からテント型磁場構造を基にした新たな磁場構造に改良した。これにより、全プラズマ電極に対する一様な領域は、従来よりも1.5倍まで改良し、この一様な領域からJT-60SAの要求値を満たす22Aのビーム生成を可能にした。このときのビーム電流密度は210A/m
であり、これはITERの負イオン源にて要求される200A/m
をも満たすビーム生成に成功した。
小島 有志; 梅田 尚孝; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 渡邊 和弘; 秋野 昇; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Nuclear Fusion, 55(6), p.063006_1 - 063006_9, 2015/06
被引用回数:46 パーセンタイル:90.43(Physics, Fluids & Plasmas)原子力機構では、JT-60SAやITERで利用する中性粒子入射装置の開発に向けて、大型高エネルギー負イオン源による100秒を超える負イオン生成・加速の実証を目指した研究を進めている。まず、JT-60SA用負イオン源の負イオン生成部のプラズマ閉じ込め用磁石配置を変更することにより、生成されたプラズマの密度分布を一様化することに成功した。これにより、引出領域の83%から一様な負イオンビームを生成し、これまでの最高値17Aを大きく超える32Aの負イオン電流を1秒間引き出すことに成功した。この磁場配位とこれまでに開発した長時間負イオン生成用温度制御型プラズマ電極を適用し、さらに負イオン電流のフィードバック制御手法を用いることにより、15Aの大電流負イオンビームを100秒間維持することに成功した。これは、JT-60SAの定格の68%の電流に相当し、パルス幅は定格を満たしている。また、ITER用高エネルギー加速器の開発に向けては、負イオンビームが加速途中で電極に衝突して生じる熱負荷を低減するだけでなく、負イオンと同時に引き出される電子を熱的に除去することが重要であった。今回、冷却構造を改良することにより従来の5倍の電子熱負荷を許容できると共に、残留磁場で偏向する負イオンビームの軌道制御機構を組み合わせて、新しい引出部を開発した。その結果、700keV、100A/mの負イオンビームを従来の7倍以上長いパルス幅である60秒間維持することに成功した。
小島 有志; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 梅田 尚孝; 平塚 淳一; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 渡邊 和弘; Grisham, L. R.*; NB加熱開発グループ
AIP Conference Proceedings 1655, p.060002_1 - 060002_10, 2015/04
被引用回数:6 パーセンタイル:86.03(Physics, Applied)JT-60SA用負イオン源に向けては、22Aの大電流負イオンを100秒間生成することが大きな課題である。負イオンを長時間効率よく生成するためには、これまでの研究の結果、セシウム原子層が形成されることで負イオン生成が促進されるプラズマ電極の温度を、200C程度の高温に維持する必要があることが分かっている。そこで、1気圧で高沸点を有するフッ素系冷媒をプラズマ電極内に循環させて温度を制御する手法を開発し、目標の電流密度(120-130A/m
)を100秒間維持する原理実証に成功した。その結果を基に、全引出領域において電極温度を制御する実機プラズマ電極を製作し、試験を開始した。初期結果として、原理実証用電極と同様の制御時定数が得られ、プラズマ電極の全引出領域において、温度を一定に制御することに成功した。また、セシウムを導入して負イオン電流量を増大させ、現在までに70%の出力に相当する15Aの大電流負イオンビームを100秒間一定に生成することに成功している。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 根本 修司; et al.
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B314_1 - 02B314_4, 2014/02
被引用回数:16 パーセンタイル:55.10(Instruments & Instrumentation)負イオン中性入射装置では、JT-60SAにて要求される22Aの大電流を生成するために、負イオン源内の負イオンビームの一様性を改善する必要がある。本研究では、イオン源の磁場構造を従来のカスプ磁場配位からテント型磁場配位に改良した。磁場構造を改良することによって、負イオンビームの一様性を負イオンの生成効率を劣化させることなく、10%以下に改善することができた。
小島 有志; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 戸張 博之; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; Grisham, L. R.*
Review of Scientific Instruments, 85(2), p.02B312_1 - 02B312_5, 2014/02
被引用回数:13 パーセンタイル:48.74(Instruments & Instrumentation)JT-60SAに向けて、500keV, 22Aの負イオンビームを100秒間生成するためには、大電流負イオンを長時間生成することが大きな課題である。これまでの結果から、Csによる表面生成方式を用いて負イオンを長時間効率よく生成するには、Csの付着したプラズマ電極の温度を200C程度に維持する必要があることが分かっていた。しかしこれまでのプラズマ電極では慣性冷却方式を採用しており、パルスとともに電極温度が上昇することが問題であった。そこで、沸点の高いフッ素系冷媒を200
C程度でプラズマ電極内を循環させ、プラズマ電極を高温に保ちながらプラズマからの熱を冷却するシステムを開発した。その結果、7秒程度の短い時定数でプラズマ電極の温度を長時間一定に制御することが可能となり、1/10の引出領域から120A/m
の高密度負イオンビームを、JT-60SAの目標である100秒間生成することに成功した。
吉田 雅史; 花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 柏木 美恵子; Grisham, L. R.*; 秋野 昇; 遠藤 安栄; 小又 将夫; 藻垣 和彦; et al.
Plasma and Fusion Research (Internet), 8(Sp.1), p.2405146_1 - 2405146_4, 2013/11
本研究では、JT-60負イオン源の端部から引き出される負イオンビームの密度が低い原因を明らかにするために、負イオン源内での負イオン生成の元となる水素イオン及び水素原子の密度分布を静電プローブ及び分光計測にて調べた。またフィラメントから電子の軌道分布を計算コードにて求めた。その結果、負イオンビームの密度が低くなる原因は、電子のBgrad Bドリフトによって負イオンが非一様に生成されるためであることがわかった。また、負イオンビームが電子数の多い端部では高密度の負イオンを、電子数の少ない反対側の端部では低密度の負イオンを引き出すために歪んでしまい、接地電極に当たっていることも明らかとなった。
小島 有志; 花田 磨砂也; 吉田 雅史; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; Grisham, L. R.*; et al.
Fusion Engineering and Design, 88(6-8), p.918 - 921, 2013/10
被引用回数:7 パーセンタイル:46.96(Nuclear Science & Technology)JT-60SAに向けて、500keV, 22A負イオンビームを100秒間生成するために、JT-60負イオン源は電極熱負荷を低減するとともに、負イオンを長時間生成する研究開発を行っている。電極の熱負荷に関しては、1.2m0.6mの面積を有するプラズマの不均一に起因した負イオン電流分布の非一様性による周辺ビームの発散角の増大が問題となっている。そこで、従来小型負イオン源で開発されたテント型磁気フィルターを有する軸対象磁場を、JT-60の大型負イオン源に適用する検討を行った。今回、フィラメントから生成される一次電子の軌道計算から磁場配位の最適化を行い、磁石の入れ替えのみで長手方向の一様性が従来の偏差30%から10%にまで改善できる可能性があることがわかった。また、負イオンを長時間生成するため、負イオン生成量がプラズマ電極の温度に依存することを利用した、高温冷媒による温度制御型プラズマ電極の検討を行った。開発した初期型プラズマ電極では、高温冷媒の物性値から見積もると10秒程度の時定数を持ち、プラズマ電極の最適温度である270
Cに維持できることがわかった。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; 大楽 正幸; 戸張 博之; 山中 晴彦; 渡邊 和弘; 井上 多加志; DeEsch, H. P. L.*; Grisham, L. R.*; et al.
AIP Conference Proceedings 1515, p.227 - 236, 2013/02
被引用回数:12 パーセンタイル:95.67(Physics, Applied)ITER中性粒子入射装置(NBI)用の5段多孔多段(MAMuG)加速器では、1MeV, 40Aの重水素(D)負イオンビームを1時間に渡り生成する。しかし、電子抑制用の磁場やビーム間に働く反発力でビームが大きく偏向して電極に衝突し、高い熱負荷を生じて運転を妨げることが問題となっていた。そこで3次元のビーム軌道解析を用いて、孔軸をずらしたり金属突起を付けることで、ビーム偏向と逆方向にビームを曲げる電界の歪みを形成してビーム偏向を補正する方法を検討した。磁場によるビーム偏向については、引出し部の直径17mmの孔をわずか0.6mm変位させて電界の歪みを形成することでビーム発散角を維持したまま補正できることを明らかにした。またビーム間の反発による偏向に対しては、引出部裏の多孔領域周辺に取り付けた金属板の厚みを3mmまで増やし、孔位置から徐々に遠ざけて30mmの位置に設置したとき、弱い電界の歪みで緩やかにビーム軌道を曲げて、発散角を維持したままビーム偏向を補正できることを示し、これらの結果をITERの設計に反映させた。
柏木 美恵子; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; DeEsch, H. P. L.*; Grisham, L. R.*; Boilson, D.*; Hemsworth, R. S.*; 田中 政信*; 戸張 博之; 渡邊 和弘; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B119_1 - 02B119_3, 2012/02
被引用回数:12 パーセンタイル:47.87(Instruments & Instrumentation)ITER中性粒子入射装置(NBI)用の5段多孔多段(MAMuG)加速器では、1MeV, 40A, 3600秒の重水素(D)負イオンビームが要求されている。この高エネルギー,大電流加速器では、ビーム間/ビームグループ間の空間電荷反発,電子抑制用磁場、さらには電極支持枠が作る電界の歪みによりビームが大きく偏向する。加速器実現に向けては、このビーム偏向を補正して、電極へのビーム直接衝突による入熱を抑制することが必要不可欠である。そこで、3次元ビーム解析において、電極支持枠も考慮した大規模な解析モデルを構築して320本のビームレットを一斉に解き、これらのビームの偏向量を調べて、補正方法を検討した。その結果、厚さ1mmの電界補正板、1mmの孔ズレ付き電子抑制電極で偏向を補正できることを示した。
小島 有志; 花田 磨砂也; Hilmi, A.*; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 梅田 尚孝; 戸張 博之; 小林 信一*; et al.
Review of Scientific Instruments, 83(2), p.02B117_1 - 02B117_5, 2012/02
被引用回数:18 パーセンタイル:60.70(Instruments & Instrumentation)JT-60NNBIの負イオン源は長年の課題であった加速器の低耐電圧を克服し、500keVビームを3Aまで生成することに成功している。その結果を踏まえ、JT-60SAに利用する次期負イオン源では、耐電圧データベースに基づいて負イオン源の設計を行う。そこで、実機負イオン源を用いて耐電圧試験を行い、平坦部の3倍近い局所高電界が生成している加速電極孔の数と直径1500mmの電極面積がともに、真空耐電圧を劣化させ得る原因であることを明らかにした。それらはそれぞれ、孔数の-0.15乗、面積の-0.125乗に従い耐電圧が低下するが得られ、実機負イオン源の耐電圧係数は24と孔数で制限された耐電圧であることを明らかにした。また、加速電極間の距離を広げすぎると、電極支持枠角部の電界によって決まる値に耐電圧が制限されることが明らかになった。これらの結果、加速電極構造の配位によって、異なる原因で耐電圧が制限されるという新たな知見を得て、JT-60SA用負イオン源の加速電極を設計するために必要なデータが取得できた。
花田 磨砂也; 小島 有志; 田中 豊; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; et al.
Fusion Engineering and Design, 86(6-8), p.835 - 838, 2011/10
被引用回数:15 パーセンタイル:72.33(Nuclear Science & Technology)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射装置(NBI)と1基の負イオンNBIを用いて、合計30MWの重水素原子を100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIにおいては、1基あたり1.7MW, 85keVの重水素原子の入射に向けて、既存の正イオンNBIの電源の一部や磁気シールドを改造する設計を進めている。電源に関しては設計をほぼ完了し、改造機器の仕様を決定した。磁気シールドに関しては工学設計をほぼ完了し、今後、製作設計を開始する予定である。500keV, 10MW入射が要求されている負イオンNBIにおいては、同装置の心臓部である負イオン源の開発を強力に進めている。負イオン源内の真空絶縁を改善することによって、負イオン源の耐電圧を従来の400kVから設計電圧である500kVに大幅に改善した。加えて、イオン引き出し面積の約20%を用いたビーム生成実験において、2.8A, 500keVの水素負イオンビーム生成に成功した。本結果は1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。開発に加えて、設計・調達においても、500kV加速電源の改造設計を完了し、2010年度から調達を開始する。
柏木 美恵子; 井上 多加志; 谷口 正樹; 梅田 尚孝; Grisham, L. R.*; 大楽 正幸; 武本 純平; 戸張 博之; 土田 一輝; 渡邊 和弘; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.457 - 465, 2011/09
被引用回数:9 パーセンタイル:88.26(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)原子力機構では、5段の多孔多段電極(MAMuG)加速器を用いて、ITERの設計値である1MeV, 200A/mの水素負イオンビーム加速を目指している。最近の耐電圧試験で加速器内の局所的な電界集中を低減するために金属間ギャップを延長した結果、真空耐電圧が大幅に改善し、1MVで4000秒の電圧保持に成功した。これに伴い、ビームエネルギーも800keVから900keVレベルに増加したが、ギャップ長を長くしたために磁場と空間電荷反発で生じるビーム偏向が加速器内で顕著になり、ビームが電極に衝突し、絶縁破壊を誘発していることが明らかとなった。そこで、3次元マルチビームレット解析で、ビーム偏向量を明らかにし、その補正方法を検討した。この結果、磁場による偏向補正のために電子抑制電極の各孔に0.8mmの孔軸変位を、さらに空間電荷反発の補正のために孔部周辺に厚み1mmの電界補正板を設けることで、1MeVのビームを補正できる見込みを得た。この偏向補正法を加速器に組み込み、偏向試験を進めており、これらの結果を報告する。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 井上 多加志; 梅田 尚孝; 渡邊 和弘; 戸張 博之; 小林 信一*; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.466 - 475, 2011/09
被引用回数:3 パーセンタイル:62.31(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)JT-60N-NBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が400keVと設計値の500keVよりも低く、入射パワーが制限されているのが問題であった。そこで、実機負イオン源や小型電極を用いた真空耐電圧試験を行い、耐電圧低下の原因を調べた。その結果、従来の面積依存性だけでなく、電極孔や支持枠角部に代表される局所高電界の領域が広がることにより、耐電圧が低下することが明らかとなった。そこで、既存の加速器体系を大幅に改造することなく、この局所高電界を低下させて耐電圧を改善するために、電極間隔を広げて耐電圧試験を行った。しかし、最短距離が伸長されないために耐電圧の改善が飽和する傾向が観測された。そこで、最短距離の伸長を制限していたビーム放射シールドの再設計を行った。その際、ビームからの放射光がFRPに照射されるのを妨げる機能を保ちつつ、FRP表面電界と陽極電界を低減させて最適化する必要があった。そして、既存の体系の中でビーム放射シールドを最適化するとともに、電極間隔を調整した結果、負イオン源の耐電圧は500kV以上に改善した。この改良した負イオン源を利用して、500keVの負イオンビームを3Aまで加速することに成功した。
花田 磨砂也; 小島 有志; 井上 多加志; 渡邊 和弘; 谷口 正樹; 柏木 美恵子; 戸張 博之; 梅田 尚孝; 秋野 昇; 椛澤 稔; et al.
AIP Conference Proceedings 1390, p.536 - 544, 2011/09
被引用回数:7 パーセンタイル:83.90(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)JT-60SAにおいては、12基の正イオン中性粒子入射(NBI)装置と1基の負イオンNBI装置を用いて、合計30-34MWの重水素中性粒子ビームを100秒間プラズマへ入射することが要求されている。正イオンNBIに関しては、JT-60SAの設計値である1基あたり2MW, 85keVの重水素中性粒子ビームの入射を達成している。その際、イオン源やイオンダンプ等のビームライン機器は、100秒入射が要求されるJT-60SAで既存の装置を改造することなく再使用できる見通しを得ている。また、10MW, 500keV入射が要求されているJT-60SAの負イオンNBI装置のための開発においては、500keV, 2.8Aの水素負イオンビーム生成に成功している。これは、1A以上の負イオンビームを500keV以上のエネルギーまで加速した世界初の成果である。今後、実験装置を整備し、負イオンの100秒間生成のための開発研究を実施する予定である。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Nuclear Fusion, 51(8), p.083049_1 - 083049_8, 2011/08
被引用回数:53 パーセンタイル:87.99(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60NNBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されていることが大きな問題であった。そこで、負イオン源内の真空絶縁距離を調整し、単段の要求性能を超える各段200kVを保持することに成功した。この結果を踏まえて負イオン源を改良し、従来よりも短いコンディショニング時間で500kVの印加に成功し、設計値である490kVを加速電源の限界である40秒間絶縁破壊することなく保持することにも成功した。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施し、従来410keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。また、486keVのビームでの負イオン電流値は18m離れたカロリーメーターで2.8A(84A/m)が得られた。通常、過度のギャップ長延長はビーム光学の劣化を引き起こすが、今回のギャップ長ではビーム光学の大きな劣化がないことを計算及び実験で確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
小島 有志; 花田 磨砂也; 田中 豊*; 河合 視己人*; 秋野 昇; 椛澤 稔; 小又 将夫; 藻垣 和彦; 薄井 勝富; 佐々木 駿一; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
JT-60N-NBIの負イオン源は今まで耐電圧性能が低く、入射パワーが制限されているのが問題であった。そこで、加速電極の間隔を拡げて、負イオン源内の最短の真空絶縁距離である支持枠角部の電界集中を低減した結果、単段の要求性能を超える200kVを保持することに成功し、設計指標となっていた大型の負イオン源では小型電極よりも6から7倍程度長い真空絶縁距離が必要であることが明らかになった。その理由として電極の面積が100倍異なることだけでなく、1080個もある電極孔や支持枠等の局所電界の電界分布が影響していることが小型電極の実験結果から予測される。そして、1/5のビーム引き出し領域からビーム加速試験を実施した結果、従来420keVが最高であったビームエネルギーを最高507keVまで上昇させることに成功した。ギャップ長を増加させたことによりビーム光学が劣化して電極熱負荷が増大することが懸念されたが、今回のギャップ長の範囲ではビーム光学の劣化がないことを確認した。これらの結果はJT-60SAやITERのNBIにおける耐電圧設計に大きく貢献するものである。
Yang, H. L.*; Kim, Y. S.*; Park, Y. M.*; Bae, Y. S.*; Kim, H. K.*; Kim, K. M.*; Lee, K. S.*; Kim, H. T.*; Bang, E. N.*; Joung, M.*; et al.
Proceedings of 23rd IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2010) (CD-ROM), 8 Pages, 2011/03
韓国超伝導トカマク先進研究装置(KSTAR)における高楕円度でダイバータ配位を有するプラズマ生成を目指した2010年の運転のため、プラズマ形状制御に不可欠なハードウェア・システムが新たに据え付けられ改良された。この論文では、改良されたシステムの一般的な構成の概要を述べる。さらに、システムにおいてキーとなる幾つかの性能と試験結果についても報告する。