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涌井 隆; 若井 栄一; 粉川 広行; 直江 崇; 花野 耕平*; 羽賀 勝洋; 島田 翼*; 鹿又 研一*
Materials Science Forum, 1024, p.145 - 150, 2021/03
J-PARCの大強度ビーム運転を実現するために、保護容器で覆われた水銀ターゲット容器の新規構造の開発を行ってきた。まず、500kWの安定運転の実現を目的とした第1段階では、初期構造を踏襲した構造で、水銀容器と保護容器の接続方法を改良し、約8か月の500kW利用運転を実現した。1MWの安定運転の実現を目的とした第2段階では、容器の後端のみで接続した新規構造を検討した。新規構造では、熱応力を低減するための水銀容器冷却や内圧に対する保護容器の剛性を増加するための板厚の増加を実施した。その結果、各容器に発生する応力は、日本産業規格の圧力容器規格の許容応力以下となり、1MWビーム運転が可能であることを確認した。
涌井 隆; 若井 栄一; 粉川 広行; 直江 崇; 花野 耕平; 羽賀 勝洋; 高田 弘; 島田 翼*; 鹿又 研一*
JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.081002_1 - 081002_6, 2020/02
J-PARCの水銀ターゲット容器は、水銀容器と二重容器構造の保護容器(内側及び外側容器)からなる三重容器構造である。2015年の500kWビーム運転時、水銀ターゲット容器の保護容器からの微小な水漏れが2回発生した。この容器破損から得られた知見を基に、設計, 製作及び試験検査過程の改善を行った。ワイヤ放電加工を用いて、1つのステンレスブロックから切り出した一体化構造を採用することにより、水銀ターゲット容器前方の溶接線の長さは約55%まで大幅に減らすことができた。放射線透過試験や超音波探傷試験による徹底的な溶接検査を実施した。2017年の9月に水銀ターゲット容器8号機が完成し、8号機を使用したビーム運転が開始された。500kWの安定的なビーム運転が実現でき、ビーム試験時には、1MWの最大ビーム強度を経験することができた。
羽賀 勝洋; 粉川 広行; 涌井 隆; 花野 耕平; 二川 正敏
FAPIG, (177), p.12 - 17, 2008/07
J-PARCの1MW核破砕中性子源施設として建設した水銀ターゲットシステムが完成し、陽子ビーム受入と中性子発生に成功した。本稿では物質・生命科学実験施設の核破砕中性子源と水銀ターゲットシステムの概要を紹介するとともに、これらの製作・設置の過程で生じた主要なトピックスについて紹介する。すなわち、水銀ターゲット容器については溶接によってビーム窓部に容器の寿命に悪影響を及ぼす残留応力が生じることが懸念されたため、TIG溶接と電子ビーム溶接(EB)について残留応力を評価し、EBを用いれば残留応力が問題ないレベルであることを確認した。また、水銀循環設備については新たに開発したPMポンプの仕組み,外観,試験運転の結果等を紹介する。最後にターゲット台車については水銀循環設備,ドレンタンクなど、水銀循環系一式を一つの台車上に搭載した構造の特徴などについて紹介する。
涌井 隆; 花野 耕平; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 二川 正敏
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験室に核破砕中性子源である水銀ターゲット容器が設置されている。陽子ビームの入射に伴い、水銀容器内に圧力が発生し、水銀ターゲット容器に繰返し応力が発生するとともに、水銀容器内壁面にピッティング損傷が生じることがわかってきた。これまでに、衝撃負荷試験装置にてピッティング損傷を付加して試験片の疲労限度低下をもとに水銀ターゲット容器の寿命評価を行ってきた。しかし、水銀ターゲット容器は、ピッティング損傷と繰返し応力を同時に受ける。そこで、ピッティング損傷を受けた試験片の疲労き裂進展特性を把握し、各負荷サイクルあたりのピッティング損傷の増加量及びき裂進展長さより、水銀ターゲット容器の寿命評価を行った。その結果、現在計画している運転時間(2500時間)に疲労破損する可能性は0.999である。また、破損確率が0.1となる寿命は約270時間である。
甲斐 哲也; 春日井 好己; 大井 元貴; 涌井 隆; 粉川 広行; 羽賀 勝洋; 花野 耕平
no journal, ,
物質・生命科学実験施設の水銀循環系では、配管等の内表面に核破砕生成物が付着することがわかっている。この対策に有用な知見を得るため、水銀循環設備内の水銀、及び付着物の採取を行い、線分析を行った。水銀試料(120g)からは、Hg, Pt, Ir, Ir, Os, Hf, Lu, Lu, Eu, Sn, Ag, Yを検出した。放射能は、計算による予測値の数%から同程度の範囲であった。これらの核種のうち、Agだけが付着物試料から検出されなかった。核破砕生成物の含有率はppbのオーダーであると予測され、銀よりも溶解度の大きな元素(スズ,ユーロピウム)が両試料から検出されたことから、水銀以外の元素が核破砕生成物の挙動に重要な役割を担っていると予測される。例えば、主要な不純物と予測される鉄(配管のエロージョン等による)とでは、鉄と銀は化合物をほとんど作らないが、鉄とスズは化合物を形成する。
羽賀 勝洋; 涌井 隆; 直江 崇; 粉川 広行; 木下 秀孝; 勅使河原 誠; 春日井 好己; 関 正和; 花野 耕平; 鈴木 徹; et al.
no journal, ,
ターゲット容器は表面線量が10Sv/h以上に放射化しており、取扱はすべて遠隔操作で行う必要があるため、円形のノコギリ歯であるホールソーを用いた試験片切出し装置を新たに開発し、これを用いて圧力波による影響を最も受けると考えられるビーム窓部中心の壁面から外径50mmの試験片を切出すことに成功した。目視観察で、試験片中心にはキャビテーション壊食が生じていると考えられる箇所が見られた。また、これに続く新型ターゲット容器への交換作業も、コミッショニング時に確認したシナリオに従い完了することができた。これらの作業で水銀系統から大気放出された放射性ガスは、事前の予測値を上回る結果となり、今後のビーム出力上昇に備えて放射性ガスの処理方法を再検討する必要性が認識された。本講演では、試験片切出し作業とターゲット容器交換作業の概要を説明するとともに、試験片表面の粗さ測定と、新型ターゲット容器の水銀流動特性試験結果の速報を報告する。
粉川 広行; 羽賀 勝洋; 直江 崇; 花野 耕平; 涌井 隆; 二川 正敏; 高田 弘
no journal, ,
J-PARCのパルス核破砕中性子源(JSNS)である水銀ターゲットでは、パルス陽子ビーム入射による水銀の瞬時発熱により圧力波が発生し、これに起因するキャビテーションにより水銀ターゲット容器が損傷する。圧力波、及び損傷を、微小気泡による緩衝効果で低減するために、微小気泡発生器を開発した。従来の気泡発生器では、水銀の濡れ性が悪いためにガスが固体-水銀間に容易に入り込み、気泡半径が約200mになることがわかった。そこで、ガスが水銀-固体間に入り込まない旋回流型気泡発生器を開発し、目標とする半径約60mの気泡の発生を可能とした。気泡発生器を実機に設置し、運転を2012年10月より開始した。その結果、注入したガスが水銀循環系内配管に蓄積し、流動抵抗が増加するため、運転初期に水銀流量の低下や水銀ポンプ吐出圧力の上昇が発生したが、その後、ガスの蓄積量は飽和し、安定した連続運転が可能となった。
若井 栄一; 涌井 隆; 粉川 広行; 直江 崇; 荘司 政行; 石川 和義; 安 一三*; 勅使河原 誠; 花野 耕平; 成井 紀男; et al.
no journal, ,
J-PARCの物質・生命科学実験施設では高強度の核破砕中性子源を用いて物質生命科学の研究を推進している。この中性子源は水銀標的を用い、316L鋼製の容器内で水銀を流動させて運転している。また、この標的容器は、水銀を入れた容器(厚さ8mm)を2重の保護容器(厚さ: 各3mm)で包んだ多重容器構造を持つ。本研究では本容器の健全性評価において、より有効な検査方法を開発するため、FMV/TFM法(全素子組送受波形収集によるデジタル全フォーカス法)によってリアルタイムに画像処理したフェーズドアレイ超音波探傷器及びX線透過等の試験で本構造体の内部状態や欠陥状態などを詳細に調査をした。その結果、これまで検査が困難であった最外層薄肉容器の未溶接部やき裂を含む内部の欠陥状態等を評価できることが分かった。このため、今後、製作する水銀標的容器に対してこれらの検査方法を適用させていく予定である。
若井 栄一; 粉川 広行; 涌井 隆; 直江 崇; Guan, W.; 花野 耕平*; 木下 秀孝; 成井 紀男*; 羽賀 勝洋; 勅使河原 誠; et al.
no journal, ,
J-PARCの核破砕中性子源施設は大強度(1MW(3GeV, 25Hz))での安定運転を目標としている。核破砕中性子源の水銀ターゲット容器は、水銀容器及び冷却水層を有する保護容器から成る薄肉多重容器構造を持ち、耐食性が良いSUS316L鋼で製作している。本研究では運転時に発生する応力をより低減させるため、従来と構造を大きく変更した半無拘束型ターゲット構造モデルの成立性を検討した。有限要素法などによって解析を進めた結果、設計要件を十分に満足させることができた。一方、その製作技術の評価では水銀容器と保護容器を繋ぐ部分(リブ)を容器後方の一部のみとし、溶接時に生じる熱変形や残留応力を低下させるため、電子ビーム溶接法による技術実証試験を行った。また、保護容器の構造強度を高めるとともに製作時間を短職化させるため、水路の体積を減少させる構造を採用し、その水路の加工をガンドリル法によって製作技術の実証試験を行った。その結果、応力などの解析評価と技術実証によりその成立性に関する良好な結果を得た。また、本評価を基にした実機ターゲット容器の製作も進んでおり、その近況も報告する。