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Xue, J.*; Huang, D.*; 服部 高典; Li, L.*; Feng, Y.*; Wang, H.*; Fan, X.*; Yao, J.*; Wang, Y.*; Liu, Z.*; et al.
Applied Physics Letters, 128(20), p.201903_1 - 201903_8, 2026/05
被引用回数:0NH
Iのサイクル疲労およびバロカロリック応答は、最大100MPaの応力を伴う加圧・減圧サイクル下で直接評価され、100サイクルの後に断熱温度変化(
)は15Kから約0.8Kまで減少した。emphその場X線回折、ラマン分光法、および中性子回折を併用した解析により、最初の荷重除去後であっても残留高圧相が存在することが明らかになり、その割合は100サイクル目までに急速に90%まで増加した。この疲労挙動を解明するために現象論的モデルが構築され、実験データとの良好な一致が得られた。粒界応力を緩和し、結晶粒の移動性を高めるため、NH
I粒子とシリコーンオイルからなる複合体を、3Dプリントされたポリマーシェルに封入した。このような構造設計により、バロカロリック効果のサイクル安定性が著しく向上し、100サイクル後でも
は約4.6Kまで上昇した。我々の結果は、気圧熱効果の疲労挙動に関する基礎的な理解を確立するとともに、実用的な気圧熱冷却技術への実現可能な道筋を示すものである。
-iron at high pressures determined using
neutron diffraction青木 勝敏*; 高野 将大*; 福山 鴻*; 鍵 裕之*; 町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*
Physical Review B, 113(18), p.184440_1 - 184440_6, 2026/05
被引用回数:1体心立方(bcc)
-鉄の磁気モーメントの温度依存性をその場中性子粉末回折法を用いて、約2GPaおよび6GPaの圧力下で300
950Kの範囲において調べた。磁気散乱の相対寄与を高めるため、中性子散乱長が天然Feの約半分である
Fe同位体が用いられた。キュリー温度(
)は、2.1GPa, 6.0GPa, 6.7GPaでそれぞれ946(30)K、838(50)K、740(40)Kと決定され、
(K) = 1043 - 49(7)
+ 1.3(1.2)
で表される磁気相境界が決定された。6.7GPaで加熱すると、磁気転移に続いて
構造転移が観測された。この結果は、磁気相境界が
相境界の低温側に位置することを示している。したがって、
転移は、常磁性bcc鉄から常磁性fcc鉄への構造変化に対応する。
高橋 直生*; 坂巻 竜也*; 服部 高典; 舟越 賢一*; 有馬 寛*; 佐野 亜沙美; 阿部 淳*; 鈴木 昭夫*
Scientific Reports (Internet), 16, p.14162_1 - 14162_13, 2026/05
被引用回数:0液状鉄中の水素含有量を測定するため、その場での高圧・高温中性子回折およびイメージング実験を行った。その結果、3.4GPa、1400Kの条件下で液状鉄には0.17(3)wt.%のHが含まれていることが確認され、これはコア形成過程において、液状鉄がマグマオーシャン内で水素化されることを示唆している。マグマオーシャンの底部に存在する液体鉄の水素含有量について、外核と内核にはそれぞれ0.60-0.72wt.%および0.30-0.44wt.%の水素が含まれていると推定された。これは、マグマオーシャン中の水素質量のそれぞれ70-85倍および1.9-2.7倍に相当する。このことは、外核の密度不足の半分以上を水素が占めている可能性を示唆している。水素に富んだ初期大気と平衡状態にあるマグマオーシャンについて、本研究の結果は、液状鉄が大量の水素をコアへ輸送する上で極めて重要な役割を果たしていることを示している。
Glazyrin, K.*; Spektor, K.*; Bykov, M.*; Carvalho, P. H. B.*; Dong, W.*; K
rmann, F.*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; Beyer, D. C.*; Sahlberg, M.*; et al.
Nature Communications (Internet), 17, p.2622_1 - 2622_10, 2026/03
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)高エントロピー材料の研究は様々な科学分野に貢献し、応用面で興味深い特性を次々と明らかにしている。本研究では、高温高圧下におけるX線・中性子飛行時間法実験および第一原理計算により、カンター合金(CoCrFeNiMn)の水素抵抗性を調査した。我々は、カンター合金組成に基づく面心立方(fcc)型水素化物の形成を報告する。さらに、水素含有量の推定を含むその特性評価を提供する。これらの知見は、高エントロピー合金および高エントロピー水素化物の複雑な化学に関する知見の蓄積に貢献するものである。
Fei, Y.*; Wang, Y.*; Zhang, J.*; Liu, J.*; Zhao, Z.*; 服部 高典; 阿部 淳*; Dong, X.*; Mao, H.-K.*; Zheng, H.*; et al.
Chemistry; A European Journal, p.e71096_1 - e71096_11, 2026/00
被引用回数:0カーボンナノスレッド(CNThs)は、卓越した機械的特性を備えた一次元飽和炭素ナノ材料である。多環芳香族炭化水素(PAHs)は、高圧下において、機械的性能が向上した、より太い多環状CNThsを形成すると期待されている。本研究では、最も単純なPAHであるナフタレンの高圧重合について、複数の最先端手法を用いて体系的に調査した。ナフタレン分子はヘリンボーン状に積層し、20GPa以上ではa-b方向に沿って[4+2]環化付加反応を起こし、一次元CNThを生成した。多くのCNThの形成とは対照的に、CNThの核生成は加圧中に起こりその成長は減圧中に進行するが、これはヘリンボーン状に積層した芳香族化合物に普遍的に見られる現象であると考えられる。得られたCNTh結晶の単位格子が決定され、生成物であるCNThの可能な構造も提案された。本研究は、高圧下におけるナフタレンの重合特性を明らかにし、滑り角が重合経路を決定する上で重要な役割を果たすことを示している。
Jing, Z.*; 山口 敏男*; 町田 真一*; 服部 高典; Zhou, Y.*
Journal of Chemical Physics, 163(19), p.194505_1 - 194505_12, 2025/11
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)ギガパスカル(GPa)範囲の圧力におけるイオンの溶媒和は、高圧化学合成および地球内部における物質循環にとって極めて重要である。我々は、0.1MPaおよび0.7GPa/298KにおけるMCl (M = Li, Na, K, Rb, Cs)の重水素化水溶液について、中性子散乱(NS)実験および分子動力学(MD)シミュレーションを実施した。経験的ポテンシャル構造精密化(EPSR)手法を用いてNSデータを分析した。0.7GPaへの圧縮に伴い、外殻水分子がイオンの最近接原子殻に入り込み、溶媒和イオンクラスターは高密度化する。第一溶媒和殻における水分子双極子の配向分布に基づく水和因子
と静的水和数
は、圧縮がイオンの水和能力を弱めることを示す。圧縮はイオン拡散、特に構造破壊イオンの拡散を抑制する。イオン拡散係数
、水分子滞留時間
、動的水和数
は、高圧下でRb
とCs
が構造形成イオンの特性を示すことを示す。動的特性は静的構造よりも圧力に敏感である。
齊藤 寛之*; 町田 晃彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*
Physica B; Condensed Matter, 714, p.417234_1 - 417234_3, 2025/10
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)「高温高圧下における重水素化ニッケルの重水素組成に関する中性子回折研究[Phys. B Condens. Matter. 587 (2020) 412153]」の正誤表を記した。
Che, G.*; Tang, X.*; Liu, J.*; Lang, P.*; Fei, Y.*; Yang, X.*; Wang, Y.*; Gao, D.*; Wang, X.*; Ju, J.*; et al.
Nano Letters, 25(39), p.14467 - 14472, 2025/09
被引用回数:1 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)機械化学的ラジカル重合は、溶媒消費量の削減と不溶性モノマーへの適応性により、ポリマー合成において独自の利点を有する。しかしながら、反応中に生成ポリマーが制御不能に分解するという課題があり、精密な制御性を備えた新たな合成戦略の開発が求められている。本研究では、最大30GPaの高静圧を適用することで、1,3,5-トリフルオロベンゼンが共役
結合を切断するラジカル重合を起こし、高選択性でカーボンナノスレッド(ポリマーI多形体)を形成することを発見した。閾値圧力における結晶構造と結合経路の計算エネルギー障壁に基づき、ベンゼン環が1-2ラジカル重合経路で反応すると結論付けた。本研究は、極めて安定な芳香族化合物に対しても固相ラジカル重合を開始する堅牢な手法として高圧が有効であることを示し、高選択性を持つ炭素系高分子材料の合成に向けた新たな知見を提供する。
山口 敏男*; 町田 真一*; 服部 高典
Molecules (Internet), 30(16), p.3417_1 - 3417_18, 2025/08
被引用回数:1 パーセンタイル:37.16(Biochemistry & Molecular Biology)0.1MPa/298Kから4GPa/523Kの条件下の1
(mol/kg)のScCl
D
O水溶液の構造を、その場中性子回折法と経験的ポテンシャル構造精製法(EPSR)により調べた。主要なSc(III)種は、歪んだ五角形二錐形幾何構造を有する[Sc(OH
)
]
であり、接触イオン対種[ScCl
(OH
)
]
(n=1-3)および[Sc(OH
)
]
が存在し、平均Sc-Cl距離とSc-OH
距離はそれぞれ2.42と2.11
である。水和塩化物イオンは、0.1MPa/298Kでは平均7.8個、4GPa/523Kでは平均10.9個の水分子の周囲に囲まれており、Cl-H
O距離は双方とも3.10
である。GPa域の圧力を加えると、常温下での水の四面体ネットワーク構造が、平均配位数12.6のデンスランダムパッキングに変化し、第一近接距離が2.77から2.89
に増加する。水分子間の水素結合は線形を維持するが、高温高圧下では大きく歪む。
Zhao, X.*; Zhang, Z.*; 服部 高典; Wang, J.*; Li, L.*; Jia, Y.*; Li, W.*; Xue, J.*; Fan, X.*; Song, R.*; et al.
Nature Communications (Internet), 16, p.7713_1 - 7713_8, 2025/08
被引用回数:6 パーセンタイル:80.06(Multidisciplinary Sciences)熱効果は、固体状態の冷凍技術の一つの解決策の基盤を成すもので、通常は固体状態の相転移付近で発生し、冷凍温度範囲が限定されている。ここでは、前例のない概念である「全温度帯バロカロリック効果」を導入し実現する。すなわち、KPF
において77.5Kから300Kの極めて広い温度範囲(潜在的に4Kまで)で観測される顕著なバカカロリック効果である。この温度範囲は、一般的な室温、液体窒素、液体水素、液体ヘリウムの冷却領域をカバーしている。直接測定されたバーカロリック断熱温度変化は、250MPaの圧力を解放した際に、室温で12K、77.5Kで2.5Kに達する。この効果は、圧力依存性の中性子粉末回折、ラマン散乱解析、第一原理計算により示されるように、菱面体高圧相への持続的な相転移に起因する。構造的不安定性を考慮した熱力学的エネルギーランドスケープを記述する。この独自の全温度帯バロカロリック効果は、従来の多段式シナリオを超えた、高度に適用可能な固体状態冷凍技術への新たなアプローチを提供する。
大橋 智典*; 坂巻 竜也*; 舟越 賢一*; Steinle-Neumann, G.*; 服部 高典; Yuan, L.*; 鈴木 昭夫*
Journal of Mineralogical and Petrological Sciences (Internet), 120(1), p.240926a_1 - 240926a_13, 2025/06
被引用回数:1 パーセンタイル:45.35(Mineralogy)0-6GPa, 1000-1300Kのドライおよび含水Na
Si
O
融体の構造と高温高圧から回収したガラスの構造をその場中性子回折及びX線回折により調べた。また、0-10GPa, 3000Kの融体の構造をab-initio分子動力学シミュレーションにより調べた。その場中性子実験から、-O-D-O-架橋種の形成によりD-O距離が圧縮とともに増加することが明らかになり、分子動力学シミュレーションでも再現された。圧力による-O-D-O-形成は、水素がより強固に取り込まれることを反映しており、実験的に観測されたケイ酸塩融体中の水の高い溶解度のメカニズムとして働く。一方、0-10GPa, 3000KにおけるドライNa
Si
O
の圧縮は、Si-O-Si角の曲げに支配される。さらに、含水Na
Si
O
融体の分子動力学シミュレーションから、圧力上昇とともに、2(
Si-O
+ Na
)
Si-(O-
Si-O)
+ 2Na
およびSi-O
+ Na
+ Si-OH
Si-(O-H-O-Si)
+ Na
で示される反応により、ナトリウムイオンがネットワーク修飾の役割を果たさなくなることを示唆している。
町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 青木 勝敏*; 小松 一生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 町田 真一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*
Physical Review B, 111(22), p.224413_1 - 224413_6, 2025/06
被引用回数:1 パーセンタイル:36.38(Materials Science, Multidisciplinary)Mn金属を高温高圧で水素化することにより形成される反強磁性Mn重水素化物、fcc
-MnDxとhcp
-MnDxの結晶構造と磁気構造をin-situ中性子粉末回折により調べた。重水素原子はfcc及びhcp金属格子の八面体格子間を部分的に占有していた。N
el温度は
-MnD
で543(10)Kであった。
-MnD
では、飽和磁気モーメントは0.82(1)
、N
el温度は347(3)Kであった。
-MnD
と
-MnD
について決定されたN
el温度は、以前の研究で提案されたそれぞれのSlater-Pauling曲線によって予測されたものと一致した。更新されたN
el温度は、電子バンド構造計算に基づくより正確なSlater-Pauling曲線の開発に示唆を与える。
hydridosilicate at high pressures; A Bridge to BaSiH
polyhydrideBeyer, D. C.*; Spektor, K.*; Vekilova, O. Y.*; Grins, J.*; Barros Brant Carvalho, P. H.*; Leinbach, L. J.*; Sannemo-Targama, M.*; Bhat, S.*; Baran, V.*; Etter, M.*; et al.
ACS Omega (Internet), 10(15), p.15029 - 15035, 2025/04
被引用回数:2 パーセンタイル:52.89(Chemistry, Multidisciplinary)SiH
八面体部位を特徴とするヒドリドケイ酸塩は、水素貯蔵と水素化物イオン伝導に関連する潜在的な性質を持つかなり新しい化合物のクラスである。ここでは、Zintl相水素化物BaSiH
を4GPa以上の圧力でH
流体と反応させ、その後常圧まで減圧して得られた新しい代表的なBaSiH
について報告する。SiH
イオンはBa
対イオンによって八面体に配位している。Ba原子とSi原子の配置は理想的なfcc NaCl構造からわずかにずれている。IRとラマンスペクトルからSiH
の屈曲と伸縮モードがそれぞれ800-1200と1400-1800cm
の範囲で観測された。BaSiH
は95
Cまで熱的に安定であり、それ以上ではBaH
とSiに分解する。DFT計算により、直接バンドギャップは2.5eVであることが示された。BaSiH
の発見により、ギガパスカル圧力(10GPa以下)のシリサイドの水素化反応からアクセス可能なヒドリドケイ酸塩の化合物クラスが固まった。BaSiH
の構造的性質は、超伝導ポリハイドライドBaSiH
を予測されるより高い圧力で水素化するための中間体(あるいは前駆体)であることを示唆している。
Li, F.*; Tang, X.*; Fei, Y.*; Zhang, J.*; Liu, J.*; Lang, P.*; Che, G.*; Zhao, Z.*; Zheng, Y.*; Fang, Y.*; et al.
Journal of the American Chemical Society, 147(17), p.14054 - 14059, 2025/04
被引用回数:1 パーセンタイル:32.62(Chemistry, Multidisciplinary)2,2'-ビピラジン(BPZ)の圧力誘起重合により結晶性グラファンナノリボン(GANR)を合成した。中性子回折データのリートベルト精密化,核磁気共鳴スペクトル,赤外スペクトル,理論計算を行った結果、BPZは
積層した芳香環の間でディールス・アルダー重合し、並外れた長距離秩序を持つ伸びたボート型GANR構造を形成することがわかった。未反応の-C=N-基がボートの両端を橋渡ししており、さらなる機能化の余地がある。このGANRのバンドギャップは2.25eVであり、光電応答は良好である(I
/I
=18.8)。われわれの研究は、高圧トポケミカル重合法が、特定の構造と望んだ特性を持つグラファンの精密な合成に有望な方法であることを強調している。
under hydrostatic pressure; A Combined neutron, X-ray, Raman, and first-principles calculation studyEfthimiopoulos, I.*; Klotz, S.*; Kunc, K.*; Baptiste, B.*; Chauvigne, P.*; 服部 高典
Physical Review B, 111(13), p.134103_1 - 134103_13, 2025/04
被引用回数:1 パーセンタイル:36.38(Materials Science, Multidisciplinary)X線回折、中性子回折、ラマン散乱、第一原理計算を用いて、ReO
の高圧力下での挙動を15GPaまで包括的に調べた。常圧
=3
構造は0.7GPaで空間群
=3の立方晶相に連続的に相転移し、その後少なくとも15GPaまで安定であることがわかった。過去この圧力領域で報告されていた単斜晶
構造や菱面体晶
=3
構造への転移は、試料に高輝度放射光X線を照射したことによる試料の劣化によるものであり、人工的なものであることが分かった。また今回、
=3相の構造の圧力依存性と正確な状態方程式および天然試料と同位体濃縮
O試料のラマン散乱データを示した。このデータから、リジッドなReO
八面体が圧力とともに回転することによって、相転移および高密度化が起こることが分かった。
GeTe
to hydrostatic pressureWang, Y.*; Zeng, X.-T.*; Li, B.*; Su, C.*; 服部 高典; Sheng, X.-L.*; Jin, W.*
Chinese Physics B, 34(4), p.046203_1 - 046203_6, 2025/03
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Multidisciplinary)二次元ファンデルワールス強磁性体Fe
GeTe
(FGT)は、その高いキュリー温度、容易な調整性、空気中での優れた構造安定性から、スピントロニクスデバイスへの応用に大きな可能性を秘めている。理論的研究により、外部パラメータとしての圧力が強磁性特性に大きく影響することが示されている。本研究では、5GPaまでの高圧中性子粉末回折(NPD)実験を行い、FGTの静水圧による構造及び磁気特性の変化を調べた。NPDデータは、静水圧による見かけ上の抑制にもかかわらず、FGTにおける強磁性の頑健性を明らかにした。圧力が0から5GPaまで増加すると、キュリー温度は225(5)Kから175(5)Kまで単調減少し、Feの秩序モーメントが劇的に抑制されることがわかった。圧力による構造相転移は5GPaまで観測されなかったが、結合長と結合角の変化を定量的に解析した結果、交換相互作用が大きく変化していることがわかった。
Xu, J.*; Lang, P.*; Liang, S.*; Zhang, J.*; Fei, Y.*; Wang, Y.*; Gao, D.*; 服部 高典; 阿部 淳*; Dong, X.*; et al.
Journal of Physical Chemistry Letters (Internet), 16(10), p.2445 - 2451, 2025/03
被引用回数:3 パーセンタイル:79.67(Chemistry, Physical)アルダー-エン反応は、アルケンとアリル水素との化学反応であり、C-C結合を構築する効率的な方法である。従来、この反応には触媒、高温、あるいは光触媒が必要であった。本研究では、触媒を用いずに室温下で加圧することで成功した1-ヘキセンのアルダー-エン反応を報告する。1-ヘキセンは4.3GPaで結晶化し、18GPaで重合してオレフィンを形成する。ガスクロマトグラフィー-質量分析法により、1-ヘキセンが高圧下でのアルダー-エン反応により二量体を生成することを発見した。その場中性子回折から、この反応過程はトポケミカル則に従わないことがわかった。理論計算により、1つのC-H
結合と2つのアルケン
結合を含む6員環遷移状態が示され、そのエネルギーは20GPaまで圧縮すると明らかに減少した。本研究は、触媒を用いずに室温でアルダー-エン反応を実現する新規かつ有望な方法を提供し、この重要な反応の応用を拡大するものである。
青木 勝敏*; 町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 服部 高典
高圧力の科学と技術, 35(1), p.4 - 11, 2025/03
鉄は水素と反応して、高温高圧下で体心立方、面心立方、六方最密充填、二重六方最密充填構造の固溶体を形成する。中性子回折は、金属格子中に溶解した水素原子の占有位置と占有率を決定するための最も強力なツールである。水素の占有位置や占有率を含む構造パラメータは、中性子回折データのリートベルト解析によって精密化される。本原稿では、10年以上にわたって蓄積してきた鉄水素化物のリートベルト精密化に関するノウハウを紹介する。
岡崎 伸生*; 服部 高典
CROSS Reports(インターネット), 3, p.001_1 - 001_8, 2025/02
大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)のBL11に設置されているビームラインPLANETでは、これまで測定したデータをリモート解析したいという要望があったが、それを定常的に行える仕組みが整備されていなかった。この要望に応えるため、リモートデスクトップ接続環境として広く使われているNoMachineを用い、リモート解析が行える仕組みを構築した。このシステムはクラウド上に構築されており、ユーザーはNoMachineクライアントを利用することで、インターネット環境さえあればどこからでも解析することが可能となった。
Yang, X.*; Che, G.*; Wang, Y.*; Zhang, P.*; Tang, X.*; Lang, P.*; Gao, D.*; Wang, X.*; Wang, Y.*; 服部 高典; et al.
Nano Letters, 25(3), p.1028 - 1035, 2025/01
被引用回数:7 パーセンタイル:84.28(Chemistry, Multidisciplinary)飽和sp
-カーボンナノスレッド(CNTh)は、その高いヤング率と熱伝導率が予測され、大きな関心を集めている。中心環へのヘテロ原子の導入がCNThの形成に影響を与え、化学的に均質な生成物が得られることが示されているが、ペンダント基が重合プロセスに与える影響については、まだ未解明である。本研究では、フェノールの圧力誘起重合を調べ、0.5GPaと4GPa以下で起こる2つの相転移を明らかにした。20GPa以上では、フェノールは水酸基とカルボニル基を持つ重合度4のCNTに重合する。ヒドロキシル基の水素移動は、重合度6のナノスレッドの形成を妨げることがわかった。この発見は、さらなるカラム内重合を阻止する水酸基の重要な役割を浮き彫りにし、今後のメカニズム研究やナノ材料合成に貴重な示唆を与えるものである。