検索対象:     
報告書番号:
※ 半角英数字
 年 ~ 
 年
検索結果: 249 件中 1件目~20件目を表示

発表形式

Initialising ...

選択項目を絞り込む

掲載資料名

Initialising ...

発表会議名

Initialising ...

筆頭著者名

Initialising ...

キーワード

Initialising ...

使用言語

Initialising ...

発行年

Initialising ...

開催年

Initialising ...

選択した検索結果をダウンロード

論文

Practical effects of pressure-transmitting media on neutron diffraction experiments using Paris-Edinburgh presses

服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 大内 啓一*; 吉良 弘*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*

High Pressure Research, 40(3), p.325 - 338, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Multidisciplinary)

パリエジンバラプレスを用いた中性子回折実験における圧力伝達媒体の実際的な影響を調べるために、種々の圧力媒体(Pb, AgCl,常温および高温の4:1メタノールエタノール混合液(ME), N$$_2$$, Ar)を用いてMgOの回折パターンを約20GPaまで測定した。MgO 220回折線の線幅から見積もった試料室内の静水圧性は、Pb, AgCl, Ar,室温ME混合液, N$$_2$$, 高温MEの順に良くなる。これは、これまでのダイヤモンドアンビルセルを用いた結果と異なり、高圧下で固化した後も常温MEはArより高い性能を示す(パリエジンバラプレスで用いられたアンビルの窪みの効果と思われる)。これらの結果とより高い性能が期待されるNeが強い寄生散乱をだしてしまうこととを考えると、約20GPaまでの中性子実験においては、ME混合液(できれば高温が良い)が最良の圧力媒体であり、アルコールと反応する試料には液体Arで代替するのが良いことが明らかとなった。

論文

Slow compression of crystalline ice at low temperature

Bauer, R.*; Tse, J. S.*; 小松 一生*; 町田 真一*; 服部 高典

Nature, 585(7825), p.E9 - E10, 2020/09

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Multidisciplinary Sciences)

氷Ihの100Kでの圧力誘起構造変化を中性子その場観察により調べた。熱力学的安定相への転移を促進するために、長時間をかけてゆっくり加圧した。その結果は、最近Tulk, et.al., Nature 2019らにより報告された、同じ条件での振る舞い(結晶から結晶への逐次晶相転移)とは異なり、1.0GPaで部分的に高密度アモルファス相(HDA)へ、さらに約1.5GPaで氷VII相へと転移することが分かった。また後者の圧力は、これまでのどの報告より低かった。その間の圧力では、結晶氷Ihまたは氷VIIはHDAと共存し、また形成された氷VIIは減圧しても0.1GPaまで安定であった。非常にゆっくりとした加圧はHDA相の中の結晶相の結晶性に大きな影響を与えることがわかる。これまでのすべての研究結果を踏まえ、圧力誘起非晶質化は以下のように説明できる。相転移開始は、氷格子のせん断不安定性によって引き起こされる。同温度圧力で熱力学的に安定相(水素秩序化氷VIII)の代わりに無秩序化した氷VIIが現れるのは、水素無秩序化単一ネットワークから水素秩序化相互貫入結晶ネットワークへの構造変化は、低温下では熱エネルギーが小さいために難しく、そのため水素無秩序化ネットワークがそのまま残される。今回の結果は、低温下で加圧された氷がとる構造は、相転移カイネティクスにコントロールされており、温度に依存することを示す。

論文

Neutron diffraction study on the deuterium composition of nickel deuteride at high temperatures and high pressures

齋藤 寛之*; 町田 晃彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*

Physica B; Physics of Condensed Matter, 587, p.412153_1 - 412153_6, 2020/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Physics, Condensed Matter)

重水素を含んだfcc Niを、3.36GPaで1073Kから300Kへ冷却した際の、構造中の重水素(D)の席占有率を中性子その場観察により調べた。多くの重水素はfccの金属格子の八面体サイトを占め、またわずかながら四面体サイトへの占有も見られた。八面体サイトの占有率は、1073Kから300Kへの冷却で0.4から0.85へ増大した。一方、四面体サイトの占有率は約0.02のままであった。この温度に依存しない四面体サイトの占有率は普通でなく、その理由はよくわからない。水素による膨張の体積と水素組成の直線関係から、重水素の侵入による体積膨張は、2.09(13) ${AA $^{3}$/D}$原子と求められた。この値は、過去NiやNi$$_{0.8}$$ Fe$$_{0.2}$$合金で報告されている2.14-2.2 ${AA $^{3}$/D}$原子とよく一致している。

論文

Crystal and magnetic structures of double hexagonal close-packed iron deuteride

齊藤 寛之*; 町田 晃彦*; 飯塚 理子*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*

Scientific Reports (Internet), 10, p.9934_1 - 9934_8, 2020/06

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Multidisciplinary Sciences)

4-6GPaの圧力で1023-300Kに降温中の鉄重水素化物の中性子回折パターンを測定した。二重六方晶構造を持つ$$varepsilon$$'重水素化物は温度圧力に応じて他の安定または準安定相と共存し、673K, 6.1GPaではFeD$$_{0.68(1)}$$、603K, 4.8GPaではFeD$$_{0.74(1)}$$の組成を持つ固溶体を形成した。300Kに段階的に降温する際、D組成は1.0まで上昇し、一重水素化物FeD$$_{1.0}$$を生成した。4.2GPa, 300Kにおけるdhcp FeD$$_{1.0}$$において溶け込んだD原子は、中心位置から外れた状態で二重六方格子の八面体空隙のすべてを占めていた。また、二重六方晶構造は12%の積層欠陥を含んでいた。また磁気モーメントは2.11$$pm$$0.06B/Feであり、Feの積層面内で強磁性的に並んでいた。

論文

Anomalous hydrogen dynamics of the ice VII-VIII transition revealed by high-pressure neutron diffraction

小松 一生*; Klotz, S.*; 町田 真一*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; 鍵 裕之*

Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, 117(12), p.6356 - 6361, 2020/03

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Multidisciplinary Sciences)

多くの多形が知られる氷も、2GPa以上ではその数が少なくなり、約60GPaでは氷VIIとVIIIのみとなる。両相は、共通の酸素骨格を持ち、水素の秩序状態が異なっている。今回約15GPaまでの低温高圧中性子回折実験により、VII-VIII転移における水素の秩序化の速度が圧力により減少し、10GPaでは分オーダーになることがわかった。さらに加圧すると、驚くべきことにその速度は再び早くなった。このような異常な振る舞いは、これまで言われていた「加圧による水分子の回転運動の鈍化と同時に起こる水素の併進運動の活性化」により説明できる。今回観測されたこの水素ダイナミックスのクロスオーバーは、これまでラマン散乱, X線回折,プロトン伝導により報告されてきた10-15GPaにおける氷VII相の異常の起源であると思われる。

論文

Developments of nano-polycrystalline diamond anvil cells for neutron diffraction experiments

小松 一生*; Klotz, S.*; 中野 智志*; 町田 真一*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 山下 恵史朗*; 入舩 徹男*

High Pressure Research, 40(1), p.184 - 193, 2020/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:12.53(Physics, Multidisciplinary)

ナノ多結晶アンビルを用いた中性子回折実験のための新しい高圧セルを紹介する。このセルのデザインやオフライン圧力発生テスト,ガス圧媒体の装填方法が書かれている。その性能は、氷II相の約82GPaまでの中性子回折パターンによって図示されている。またこのセルを用いた常圧におけるFe$$_{3}$$O$$_{4}$$の単結晶中性子回折実験のテストを紹介し、現在の限界と将来の開発を示す。

論文

Ice I$$_{rm c}$$ without stacking disorder by evacuating hydrogen from hydrogen hydrate

小松 一生*; 町田 真一*; 則武 史哉*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 山根 崚*; 山下 恵史朗*; 鍵 裕之*

Nature Communications (Internet), 11(1), p.464_1 - 464_5, 2020/02

 被引用回数:3 パーセンタイル:11.83(Multidisciplinary Sciences)

水は、0$$^{circ}$$Cで六方晶積層をもった通常の氷I$$_{rm h}$$に凍結する。一方、ある条件では、立方晶積層を持った氷I$$_{rm c}$$になるが、積層欠陥のない氷Icはごく最近まで作れなかった。今回、我々は、氷I$$_{rm c}$$と同じフレームワークを持った水素ハイドレートの高圧相C$$_{2}$$から水素を脱ガスすることによって積層欠陥のない氷I$$_{rm c}$$を作る方法を発見した。これまで同様の方法で作られたネオンハイドレートからの氷XVIや水素ハイドレートからの氷VXIIの生成と異なり、今回の氷I$$_{rm c}$$は、C$$_{2}$$ハイドレートから中間非晶質相やナノ結晶相をへて形成された。得られた氷I$$_{rm c}$$は、積層欠陥がないために、これまで得られているものに比べ高い熱安定性を示し、氷I$$_{rm h}$$に相転移する250Kまで安定に存在する。積層欠陥のない氷I$$_{rm c}$$の発見は、I$$_{rm h}$$のカウンターパートとして、氷の物性に与える積層欠陥の影響を調べるうえで役立つことが期待される。

論文

Crystal structure and magnetism of MnO under pressure

Klotz, S.*; 小松 一生*; Polian, A.*; 町田 真一*; 佐野 亜沙美; Iti$'e$, J.-P.*; 服部 高典

Physical Review B, 101(6), p.064105_1 - 064105_6, 2020/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)

マンガン酸化物(MnO)は、反強磁性モット絶縁体の典型物質である。今回、我々は、高圧下においてネール温度$$T_{N}$$を挟んだ温度域で磁気秩序と格子歪の相互作用を、X線および中性子回折により調べた。その結果、体積歪は圧力に対して鈍感であること、$$T_{N}$$$$T_{N}/dP$$=+4.5(5)K/GPaで上昇すること、格子歪$$alpha$$$$dalpha/dP$$=+0.018$$^{circ}$$/GPaで増大することがわかった。これらの結果は、$$J_{1}$$, $$J_{2}$$相互作用定数の原子間距離への影響を調べることや、また第一原理計算による理論予測と比較を可能にする。反強磁性相互作用に起因する散漫散乱は、$${approx}$$1.2$$T_{N}$$まで観測され、長距離秩序は、室温では42GPaで現れる。

論文

X-ray and neutron study on the structure of hydrous SiO$$_{2}$$ glass up to 10 GPa

浦川 啓*; 井上 徹*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 小原 真司*; 若林 大佑*; 佐藤 友子*; 船守 展正*; 舟越 賢一*

Minerals (Internet), 10(1), p.84_1 - 84_13, 2020/01

 被引用回数:1 パーセンタイル:100(Mineralogy)

含水SiO$$_{2}$$ガラスの構造は、酸化物ガラスやマグマの物理化学的性質に対する水の影響を調べるために基礎的な情報である。D$$_{2}$$Oを13重量%濃度含む含水SiO$$_{2}$$ガラスを、高温高圧下で合成し、その構造を小角X線散乱、X線回折、中性子回折により、室温10GPaまでの範囲で調べた。この含水ガラスはSiO$$_{2}$$が卓越した主成分とD$$_{2}$$Oが卓越した少量の成分に相分離していることが分かった。またその中距離構造は、含水化でSi-OH水酸基ができたことによりSiO$$_{4}$$連結が壊れ、無水のガラスより縮んでいた。その一方で、高圧下での挙動に違いは見られなかった。また、多くのD$$_{2}$$O分子は、小さな領域にかたまっており、その主成分であるSiO$$_{2}$$ガラス相へは侵入していないと思われる。

論文

Crystal structure of a high-pressure phase of magnesium chloride hexahydrate determined by ${it in-situ}$ X-ray and neutron diffraction methods

山下 恵史朗*; 小松 一生*; 服部 高典; 町田 真一*; 鍵 裕之*

Acta Crystallographica Section C; Structural Chemistry (Internet), 75(12), p.1605 - 1612, 2019/12

 被引用回数:1 パーセンタイル:62.24(Chemistry, Multidisciplinary)

その場X線回折および中性子回折により塩化マグネシウム六水和物(MgCl$$_{2}$$ $$cdot$$ 6H$$_{2}$$O-II)とそのD化物(MgCl$$_{2}$$ $$cdot$$ 6D$$_{2}$$O-II)の高圧相の構造を初めて決定した。X線単結晶回折により決めた構造を初期構造として、中性子回折により得られたパターンをリートベルト解析することによりその構造を決定した。高圧相は、これまで知られている常圧相と似た骨格を持つが、Mg(H$$_{2}$$O)$$_{6}$$八面体周りの水素結合ネットワークがわずかに変化することにより、対称性の低下を起こしている。これらの特徴は、MgCl$$_{2}$$水和物の高圧相の歪を反映したものである。

論文

Structure change of monoclinic ZrO$$_{2}$$ baddeleyite involving softenings of bulk modulus and atom vibrations

福井 宏之*; 藤本 真人*; 赤浜 裕一*; 佐野 亜沙美; 服部 高典

Acta Crystallographica Section B; Structural Science, Crystal Engineering and Materials (Internet), 75(4), p.742 - 749, 2019/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Chemistry, Multidisciplinary)

単斜晶ZrO$$_{2}$$バデライトは、加圧により体積弾性率と原子振動の異常な軟化を示す。その原因を明らかにするために、我々は構造の圧力変化を中性子粉末回折および第一原理計算により調べた。その結果、体積弾性率の異常な圧力応答は化学結合性の変化というより、酸素副格子の変形、とりわけ$$a$$*面内で作られる酸素のレイヤーの一つと関係していることが分かった。このレイヤーは、2つの平行四辺形、つまりほとんど歪まず回転するものと圧力で変形するものにより構成されている。このレイヤーの変形が数あるZr-O原子間距離のうちの一つを伸ばし、いくつかの原子振動モードをソフト化させることが分かった。

論文

Hexagonal close-packed iron hydride behind the conventional phase diagram

町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*

Scientific Reports (Internet), 9(1), p.12290_1 - 12290_9, 2019/08

 被引用回数:3 パーセンタイル:32.58(Multidisciplinary Sciences)

hcp金属Feは、地球の内核に相当する温度圧力条件を含む広い範囲の温度(T)および圧力(P)条件で安定に存在するが、hcp鉄水素化物FeHxは、従来のFe-H系の相図には存在しない。温度298-1073K、水素圧4-7GPaにおけるその場X線および中性子回折実験を行った結果、x$$<$$0.6の範囲でhcp鉄水素化物が生成されることを明らかにした。水素原子は、ホスト金属格子の八面体サイトを部分的にランダムにも占めていた。またHの侵入による体積膨張は、1水素当り2.48(5) $AA $^{3}$$であり、面心立方(fcc)鉄水素化物のものより大きかった。hcp水素化物は、fcc水素化物と異なり、その水素組成xは温度とともに増大した。本研究は、広範囲のx-T-P領域にわたるFe-H系のさらなる調査のための手引きを提供する。

論文

High-pressure structure and electronic properties of YbD$$_{2}$$ to 34 GPa

Klotz, S.*; Casula, M.*; 小松 一生*; 町田 真一*; 服部 高典

Physical Review B, 100(2), p.020101_1 - 020101_5, 2019/07

 被引用回数:4 パーセンタイル:30.92(Materials Science, Multidisciplinary)

イッテルビウム水素化物(YbH$$_{2}$$)はCaH$$_{2}$$型構造からYがhcp位置、Hが未知の位置にある高圧相へと16GPaで転移する。本研究では、34GPaまでの中性子回折実験により、Hを含めた構造の完全決定を行った。水素(重水素)は、空間群$$P6_{3}/mmc$$の2aおよび2d位置を占め、高対称な"崩れた"密な充点構造をとる。高圧相への転移はゆるやかに起こり、全水素のうちの半分が、波打った水素レイヤーからYbで作られる格子の格子間に移動するように見える。第一原理計算から、この相転移は、$$f$$電子の占有率の変化(完全に占有状態から、部分占有状態x$$approx$$0.75)を伴うことが分かった。この相転移に伴う$$f$$軌道から$$d$$軌道への電子遷移は、結晶のバンドギャップを閉じ、金属状態を生み出す。その金属の基底状態は、格子間水素の面外振動モードを含んだ大きな電子-格子相互作用を持っている。

論文

Development of a technique for high pressure neutron diffraction at 40 GPa with a Paris-Edinburgh press

服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 舟越 賢一*; 有馬 寛*; 岡崎 伸生*

High Pressure Research, 39(3), p.417 - 425, 2019/06

 被引用回数:6 パーセンタイル:14.53(Physics, Multidisciplinary)

パリエジンバラプレスを用いた40GPaでの高圧中性子回折実験の手法の開発をJ-PARCのPLANETビームラインにおいて行った。実験可能圧力限界を拡大するために、焼結ダイヤモンドアンビルの上部にある試料装填のためのくぼみの直径を4.0mmから1.0mmに順に小さくしていった。その結果、最大発生圧力は上昇し、最終的に40GPaに到達した。この技術を、回折に寄与する試料領域を制限できる光学系と組み合わせることによって、そのような高い圧力で、広いdレンジを用いた構造解析を行うのに十分な回折パターンを取得できるようになった。

論文

Highlight of recent sample environment at J-PARC MLF

河村 聖子; 服部 高典; Harjo, S.; 池田 一貴*; 宮田 登*; 宮崎 司*; 青木 裕之; 渡辺 真朗; 坂口 佳史*; 奥 隆之

Neutron News, 30(1), p.11 - 13, 2019/05

日本の中性子散乱施設の特徴のひとつとして、循環型冷凍機のように頻繁に使われる試料環境(SE)機器は各装置の担当者が整備していることが挙げられる。装置担当者は、ユーザー実験の際、装置自体だけでなく、これらのSE機器の運用も行う。このような運用には、SE機器を装置にあわせて最適化できユーザーの要求を直接きくことができるというメリットがある。一方で、MLFのSEチームは、より高度なSE機器を使った実験を可能にするため、共通のSE機器を整備している。本レポートでは、最近のMLFにおけるSE機器の現状が紹介される。中性子装置BL11, BL19, BL21, BL17で用いられるSE機器と、SEチームによって最近整備された機器に焦点をあてる。

論文

Crystal structure change of katoite, Ca$$_{3}$$Al$$_{2}$$(O$$_{4}$$D$$_{4}$$)$$_{3}$$, with temperature at high pressure

興野 純*; 加藤 正人*; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 服部 高典

Physics and Chemistry of Minerals, 46(5), p.459 - 469, 2019/05

 被引用回数:0 パーセンタイル:100(Materials Science, Multidisciplinary)

加藤ザクロ石の高圧下で高温分解メカニズムを明らかにするために8GPaにおける高温中性子回折実験を行った。200-400$$^circ$$Cの温度域で異常な熱膨張が観測されたものの、約850$$^circ$$Cまで連続的に膨張した。その後、900$$^circ$$Cでザクロ石は分解した。これは分解温度が圧力により300$$^circ$$Cから900$$^circ$$Cへと上昇することを示している。常温常圧に戻すと、脱水後は消失していた加藤ザクロ石がAl$$_{2}$$O$$_{3}$$、Ca(OD)$$_{2}$$とともに、再び現れた。構造解析の結果、8GPaにおいて、850$$^circ$$Cまでの昇温でCaO$$_{8}$$及びAlO$$_{6}$$多面体がそれぞれ8% and 13%膨張するのに対し、四面体空隙はその影響を受け10%縮むことが分かった。同時に、隣接するD-D距離は一定なのに対し、O-D距離は分解直前に劇的に減少する。このことは、D-D間反発により生じたO-D距離の減少が、O-D結合を不安定化させ、加藤ザクロ石の高温分解を引き起こすことを示している。

論文

Interstitial hydrogen atoms in face-centered cubic iron in the Earth's core

生田 大穣*; 大谷 栄治*; 佐野 亜沙美; 柴崎 裕樹*; 寺崎 英紀*; Yuan, L.*; 服部 高典

Scientific Reports (Internet), 9, p.7108_1 - 7108_8, 2019/05

 被引用回数:6 パーセンタイル:11.73(Multidisciplinary Sciences)

水素は地球の核にある軽元素のひとつである。その重要性にもかかわらず、高圧で鉄格子中の水素を直接観察することはなされていない。われわれは世界で初めて、その場中性子回折法を用いて、12GPaおよび1200Kまでの面心立方(fcc)鉄格子におけるサイト占有率および格子間水素の体積の決定を行った。体心立方晶および二重六方最密相からfcc相への転移温度は、以前に報告されたものよりも高かった。5GPa以下の圧力では、fcc水素化鉄格子(x)中の水素含有量はx$$<$$0.3で小さかったが、圧力の増加と共にx$$>$$0.8まで増加した。水素原子は八面体(O)と四面体(T)の両方のサイトを占める。fcc格子は水素原子1個あたり2.22 $AA $^{3}$$の割合でほぼ直線的に拡大した。これは以前に推定された値(1.9 $AA $^{3}$$/H)よりも大きい。水素溶解による格子膨張は無視できるほど圧力に依存しない。格子間水素による大きな格子膨張は、コアの密度不足を説明する地球のコア内の推定水素含有量を減少させる。改訂された分析は、全コアが海洋質量の80倍の水素を含み、その内訳は外核と内核はそれぞれ79倍と0.8倍である。

論文

Colossal barocaloric effects in plastic crystals

Li, B.*; 川北 至信; 河村 聖子; 菅原 武*; Wang, H.*; Wang, J.*; Chen, Y.*; 河口 沙織*; 河口 彰吾*; 尾原 幸治*; et al.

Nature, 567(7749), p.506 - 510, 2019/03

 被引用回数:39 パーセンタイル:1.11(Multidisciplinary Sciences)

冷却は現代社会では、世界における25-30%の電力が空調や食料保存に用いられるように、重要である。従来の気化、圧縮で冷却を行う方法は、温暖化などの観点から限界が来ている。有望な代替手段として固体の熱量効果を用いた冷却方法が注目を集めている。しかしながら、この方法は、現在候補に挙げられている物質ではエントロピー変化の小ささや巨大な磁場を必要とするところなどから性能に限界がある。そこで我々は柔粘性結晶における圧力誘起の相転移で冷却が起こる巨大圧力熱量効果を報告する。柔粘性結晶の一つであるネオペンチルグリコールのエントロピー変化は室温近傍において単位キログラム、単位温度あたり、約389ジュールであった。圧力下の中性子散乱実験の結果から、そのような巨大圧力熱量効果は分子配向の非秩序化、巨大な圧縮率、極めて非線形性の強い格子ダイナミクスの組み合わせに由来することが明らかになった。我々の研究により、柔粘性結晶における巨大圧力熱量効果発現の微視的機構が明らかとなり、次世代の固体を使った冷却技術の確立に筋道を付けることができた。

論文

Ion hydration and association in an aqueous calcium chloride solution in the GPa range

山口 敏男*; 西野 雅晃*; 吉田 亨次*; 匠 正治*; 永田 潔文*; 服部 高典

European Journal of Inorganic Chemistry, 2019(8), p.1170 - 1177, 2019/02

 被引用回数:2 パーセンタイル:51.08(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

2mol dm$$^{-3}$$ CaCl$$_2$$重水水溶液の中性子回折測定を常温常圧および常温1GPaで行った。イオン水和と会合および水溶液を原子レベルで明らかにするためS(Q)を経験ポテンシャル構造精密化(EPSR)モデリングにより解析した。2つの圧力において、Ca$$^{2+}$$イオンはCa-O距離2.44${AA}$、Ca-D距離3.70${AA}$で7つの水分子により囲まれており、陽イオンの水和に圧力は影響しないことを示している。一方でCl$$^{-}$$イオンは圧力に対し劇的な変化を示し、加圧によりCl-O距離の3.18${AA}$から3.15${AA}$の減少を伴い、Cl$$^{-}$$イオンへの酸素の配位数は7から14に変化した。しかしながらここで、Cl$$^{-}$$イオン周りの水素の配位数は、Cl-D距離が2.22から2.18${AA}$へ減少しつつも、6$$sim$$6.7とあまり変わらなかった。また溶媒の水の圧力変化は大きく、O-O距離は2.79${AA}$から2.85${AA}$に減少し、酸素原子の配位数は4.7から10.3に増大する。一方、水素原子は、加圧によらずO-D距離1.74${AA}$、配位数も1.2のままであった。これらのことは、O$$cdots$$D結合が加圧により大きく曲がることを示している。この水素結合の変化が、Cl$$^{-}$$イオンまわりの酸素の配位数の大きな増大を引き起こしたものと思われる。

論文

Pressure-induced Diels-Alder reactions in C$$_{6}$$H$$_{6}$$ - C$$_{6}$$F$$_{6}$$ cocrystal towards graphane structure

Wang, Y.*; Dong, X.*; Tang, X.*; Zheng, H.*; Li, K.*; Lin, X.*; Fang, L.*; Sun, G.*; Chen, X.*; Xie, L.*; et al.

Angewandte Chemie; International Edition, 58(5), p.1468 - 1473, 2019/01

 被引用回数:3 パーセンタイル:45.44(Chemistry, Multidisciplinary)

芳香族の圧力誘起重合反応(PIP)は、sp$$^{3}$$炭素骨格を構築するための新しい方法であり、ベンゼンとその誘導体を圧縮することによってダイヤモンド様構造を有するナノスレッドを合成した。ここで、ベンゼン-ヘキサフルオロベンゼン共結晶(CHCF)を圧縮することにより、PIP生成物中に層状構造を有するH-F置換グラフェンを同定した。その場中性子回折から決定された結晶構造およびガスクロマトグラフィー質量スペクトルによって同定された中間生成物に基づいて、20GPaでは、CHCFがベンゼンおよびヘキサフルオロベンゼンを交互に積み重ねた傾斜カラムを形成し、それらが[4+2]重合体に転化し、次いで、短距離秩序を持つ水素化フッ素化グラフェンに変化する。反応プロセスは[4+2]ディールス-アルダー, レトロディールス-アルダー、および1-1'カップリング反応を含み、前者はPIPの重要な反応である。われわれの研究は、CHCFの素反応を初めて確認した。これは、芳香族化合物のPIPについての新しい見方を提供する。

249 件中 1件目~20件目を表示