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林 健太郎*; 笠原 清司; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
ISIJ International, 55(2), p.348 - 358, 2015/02
被引用回数:8 パーセンタイル:39.95(Metallurgy & Metallurgical Engineering)炭素循環製鉄(iACRES)のフローモデルによるプロセス評価により、iACRESへの高温ガス炉(HTGR)の適用性を評価した。高温電解で高炉ガス中のCOをCOに還元して高炉にリサイクルするSOECシステムと、ISプロセスで製造したHによる逆シフト反応でCOをCOに還元して高炉にリサイクルするRWGSシステムを検討し、通常の高炉製鉄と比較した。逆シフト反応で消費されない分のHが高炉で鉄源の還元に使われたことが、RWGSシステムの方が原料炭節約とCO排出削減への効果が大きくなった原因であった。どの機器の改良がHTGR熱の効率的利用のために有用化を示すために、HTGR, SOEC, RWGSの熱収支解析を行った。SOECについては、ジュール熱の削減のためにCO電解温度の最適化が求められ、RWGSについては高いISプロセス水素製造効率が要求された。HTGR単位熱量当たりCO排出削減量の比較から、SOECシステムの方がより効率よくHTGR熱を利用できることが示された。
鈴木 克樹*; 林 健太郎*; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; 笠原 清司
ISIJ International, 55(2), p.340 - 347, 2015/02
被引用回数:18 パーセンタイル:64.47(Metallurgy & Metallurgical Engineering)製鉄におけるCO排出量削減のために炭素循環製鉄(iACRES)が提案された。iACRESの効果を定量的に評価するために、化学プロセスシミュレータAspen PlusによりiACRESのプロセスフローモデルを作成し、熱物質収支からCO排出量とエクセルギー収支の解析を行った。高温ガス炉(HTGR)のエクセルギーを用いた固体酸化物電解(SOEC)と逆シフト反応をCO再生法として想定し、SOECではCO回収貯蔵の有無も考慮した。iACRESによってCO、Hが高炉に循環されたことによりCO排出量は3-11%削減されたが、CO再生のためにHTGRからのエクセルギーを投入したためエクセルギー有効率は1-7%低下した。
林 健太郎*; 笠原 清司; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; Yan, X.; 稲垣 嘉之; 小川 益郎
炭素循環製鉄研究会成果報告書; 炭素循環製鉄の展開, p.42 - 62, 2015/02
高温ガス炉(HTGR)を適用した炭素循環製鉄(iACRES)のフローモデルによるプロセス評価を行った。高温電解で高炉ガス中のCOをCOに還元して高炉にリサイクルするSOECシステムと、ISプロセスで製造したHによる逆シフト反応でCOをCOに還元して高炉にリサイクルするRWGSシステムを検討し、通常の高炉製鉄と比較した。原料炭消費量はSOECシステムで4.3%、RWGSシステムで10.3%削減され、CO排出量はSOECシステムで3.4%、RWGSシステムで8.2%削減された。逆シフト反応で消費されずに残存したHが高炉で鉄源の還元に使われることが、RWGSシステムにおいて原料炭消費の節約割合とCO排出削減率が大きくなった原因であった。SOECシステムではCO電解、RWGSシステムではISプロセス水素製造が最も多くの熱量を消費し、HTGR熱の効率的利用のために、CO電解温度の最適化や高いISプロセス水素製造効率が求められた。典型的な高炉1基あたり、SOECシステムでは0.5基、RWGSシステムでは2基のHTGRが必要となった。逆シフト反応で未反応のHを再利用することで、RWGSシステムのHTGR熱の効率的利用と、CO排出量削減が期待される。
林 健太郎*; 鈴木 克樹*; 栗原 孝平*; 中垣 隆雄*; 笠原 清司
炭素循環製鉄研究会成果報告書; 炭素循環製鉄の展開, p.27 - 41, 2015/02
炭素循環製鉄(iACRES)によって、製鉄における石炭消費量とCO排出量の削減が期待される。iACRESの効果を定量的に評価するために、化学プロセスシミュレータAspen PlusによりiACRESプロセスにおける高炉のフロー図を作成し、熱物質収支からCO排出量とエクセルギー収支の解析を行った。高温ガス炉(HTGR)のエクセルギーを用いた固体酸化物電解(SOEC)と逆シフト反応をCO再生法として想定し、SOECではCO回収貯蔵の有無も考慮した。iACRESによって石炭消費量が削減されたことによりCO排出量は3-11%削減されたが、CO再生のためにHTGRからのエクセルギーを投入したためエクセルギー有効率は1-7%低下した。
榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 中島 基樹; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 林 巧; 山西 敏彦; et al.
Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1131 - 1136, 2014/10
被引用回数:20 パーセンタイル:84.35(Nuclear Science & Technology)我が国の原型炉ブランケット開発の最重要ステップとして、水冷却固体増殖テストブランケット・モジュール(TBM)の開発が進められている。TBM試験と原型炉ブランケット開発のために、モジュール製作技術開発、増殖増倍材ペブル製作技術、トリチウム生成率評価試験と構造設計が行われている。実機構造材F82Hを用いた製作技術開発は、F82Hの工学物性値の評価結果に基づいて実施され、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の接合、厚さ90mmの後壁の実規模モックアップの製作に成功した。モジュール筐体モックアップの製作を検討している。また、トリチウム生産のために必要な技術として、高温での耐久性に優れた先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発を進めた。また、核融合中性子研究施設(FNS)を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。
林 健太郎*; 片柳 薫子*; 麓 多門*; 長谷川 利拡*; 小野 圭介*; 堅田 元喜
農業環境技術研究所平成25年度研究成果情報,30(インターネット), 2 Pages, 2014/03
将来の環境変動に対するコメ生産や水田生態系の応答の予測には、気候変動,窒素動態、およびイネ生産を結びつける数値モデルが必要である。しかし、現状では環境変動に対する水田の窒素動態の応答を精度よく再現するモデルが開発されていない。そこで、土壌-イネ過程と大気-水田交換過程のそれぞれに重点をおく2つのモデルを検証し、窒素動態の再現性の弱い箇所を把握することを目的として本研究を行った。その結果、大気と地表のガス交換の再現性が予測精度向上の鍵となることが明らかになった。
堅田 元喜; 林 健太郎*; 小野 圭介*; 永井 晴康; 宮田 明*; 間野 正美*
Agricultural and Forest Meteorology, 180, p.1 - 21, 2013/10
被引用回数:18 パーセンタイル:64.62(Agronomy)多層大気-土壌-植生1次元モデル(SOLVEG)に、水田上の大気中アンモニア(NH)の交換フラックスを計算するための改良を施した。田面水での熱交換、SOやNHなどの水溶性ガスの乾性沈着、及びイネの葉面と田面水面又は地表面のNHの放出ポテンシャルをモデルに考慮した。改良したモデルは、湛水期及び非湛水期に観測された熱, CO, SO及びNHフラックス,田面水温,地温,土壌水分量を良好に再現した。地表面で揮発したNHのイネによる再吸収量を生育ステージごとに評価するために、「再吸収比率」というパラメターを全揮発量に対する再吸収量の比として定義した。改良したモデルを用いた数値計算によって、再吸収比率は、葉面積指数(LAI)とともに増加し、LAI1のときに一定値になることが明らかになった。LAIに対する再吸収比率の関数は、光-光合成曲線に用いられる非直角双曲線で表されることがわかった。再吸収比率の概念は、さまざまな揮発性ガスの植生キャノピーによる吸収量を推定するうえでも有用である。
河村 繕範; 落合 謙太郎; 星野 毅; 近藤 恵太郎*; 岩井 保則; 小林 和容; 中道 勝; 今野 力; 山西 敏彦; 林 巧; et al.
Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1253 - 1257, 2012/08
被引用回数:15 パーセンタイル:73.69(Nuclear Science & Technology)核融合炉ブランケットで生成するトリチウムの量の把握は、トリチウム増殖性能の評価及び、回収システム設計の観点から重要である。そこで原子力機構では、核融合中性子源を用いた模擬ブランケットの照射によるトリチウム生成回収実験を開始した。増殖材にはチタン酸リチウムを用いている。今回は、生成トリチウムの放出挙動におけるスイープガスの種類の影響について報告する。1%のHを含むヘリウムガスでパージした場合、水蒸気状のトリチウムの放出が中性子照射に敏感に対応して生じた。これはスイープガス中に水蒸気成分が含まれていたことに起因する。乾燥ヘリウムガスでパージした場合は、水蒸気成分での放出が少なく、ガス分子状トリチウムの放出が目立つ結果となった。
飛田 健次; 西尾 敏*; 榎枝 幹男; 中村 博文; 林 巧; 朝倉 伸幸; 宇藤 裕康; 谷川 博康; 西谷 健夫; 礒野 高明; et al.
JAEA-Research 2010-019, 194 Pages, 2010/08
発電実証だけでなく、最終的には経済性までを一段階で見通しうる核融合原型炉SlimCSの概念設計の成果を報告する。核融合の開発では、これまで、1990年に提案されたSSTR(Steady State Tokamak Reactor)が標準的な原型炉概念とされてきたが、本研究はSSTRより軽量化を図るため小規模な中心ソレノイドを採用して炉全体の小型化と低アスペクト比化を図り、高ベータ及び高楕円度(グリーンワルド密度限界を高めうる)を持つ炉心プラズマにより高出力密度を目指した。主要パラメータは、プラズマ主半径5.5m,アスペクト比2.6,楕円度2.0,規格化ベータ値4.3,核融合出力2.95GW,平均中性子壁負荷3MW/mとした。この炉概念の技術的成立性を、プラズマ物理,炉構造,ブランケット,超伝導コイル,保守及び建屋の観点から検討した。
森田 貴己*; 丹羽 健太郎*; 藤本 賢*; 葛西 広海*; 山田 東也*; 西内 耕*; 坂本 竜哉*; 牛堂 和一郎*; 田井野 清也*; 林 芳弘*; et al.
Science of the Total Environment, 408(16), p.3443 - 3447, 2010/06
被引用回数:13 パーセンタイル:33.13(Environmental Sciences)日本沿岸域で採取した褐藻からヨウ素-131(I)が検出された。褐藻は高い濃縮係数によって放射性核種を体内に蓄積することから、放射性ヨウ素の生物指標として広く使われている。測定された褐藻に含まれるIの比放射能の最大値は0.370.010Bq/kg-wetであった。本研究で採取したすべての褐藻からセシウム-137(Cs)も検出された。これらの海藻におけるIとCsの比放射能には相関はなかった。Csの比放射能は0.00340.00075から0.0900.014Bq/kg-wetの範囲であった。褐藻中Csの低い比放射能と変動幅の少ない濃度から、Csのソースが過去の核実験であることを示唆している。原子力発電所や核燃料再処理施設はIの汚染源であることは知られているが、Iが検出された海域と核関連施設が立地する地域との関連はなかった。Iが検出されたほとんどの海域は多くの人口を抱える大都市近傍であった。Iは医療の放射線診断や治療にしばしば用いられる。本研究結果から、著者らは褐藻から検出されたIのソースは、原子力発電施設起因ではなく、放射線治療行為によるものであると考えている。
飛田 健次; 西尾 敏; 榎枝 幹男; 川島 寿人; 栗田 源一; 谷川 博康; 中村 博文; 本多 充; 斎藤 愛*; 佐藤 聡; et al.
Nuclear Fusion, 49(7), p.075029_1 - 075029_10, 2009/07
被引用回数:135 パーセンタイル:97.73(Physics, Fluids & Plasmas)最近の核融合原型炉SlimCSに関する設計研究では、おもに、ブランケット,ダイバータ,材料,保守を含む炉構造の検討に重点を置いている。この設計研究における炉構造の基本的考え方とそれに関連する課題を報告する。楕円度のついたプラズマの安定化と高ベータ化のため、セクター大の導体シェルを交換ブランケットと固定ブランケット間に設置する構造とした。また、ブランケットには、加圧水冷却,固体増殖材を採用することとした。従来の原型炉設計で検討していた超臨界水冷却を利用するブランケット概念に比べ、トリチウム自給を満足するブランケット概念の選択肢はかなり絞られる。ダイバータ技術やその材料について考慮すると、原型炉のダイバータ板での熱流束上限は8MW/m以下とすべきであり、これは原型炉で取り扱うパワー(すなわち、アルファ加熱パワーと電流駆動パワーの和)に対して大きな制約となりうる。
谷川 尚; 星野 毅; 河村 繕範; 中道 勝; 落合 謙太郎; 秋場 真人; 安堂 正己; 榎枝 幹男; 江里 幸一郎; 林 君夫; et al.
Nuclear Fusion, 49(5), p.055021_1 - 055021_6, 2009/05
被引用回数:22 パーセンタイル:63.33(Physics, Fluids & Plasmas)原子力機構が開発を進めている、固体増殖水冷却方式のテストブランケットモジュールについて、特に増殖材料に関する最新の研究成果を報告する。増殖材料の化学的安定性の向上を目的とし、LiO添加型のLiTiOの開発に成功した。増殖材微小球の充填体の熱機械挙動については、実験的にデータを取得し、各物性値を体系的に整理しモデル化した。テストブランケットモジュール内に設置可能な核計測手法として放射化箔法を提案し、基礎試験において実機への適用性を確認した。水冷却方式において重要なトリチウムの透過については、開発した透過低減皮膜の効果を実験によって確認するとともに、得られたデータを元にして運転条件における透過量を評価した。これらの成果に基づき、テストブランケットモジュールの設計が進められている。
久保田 直義; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 林 孝夫; 洲 亘; 近藤 恵太郎; Verzilov, Y.*; 佐藤 聡; 山内 通則; 西 正孝; et al.
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 7 Pages, 2007/03
核融合炉におけるプラズマ対向壁表面の粒子挙動は、プラズマ制御や燃料リサイクリングを考えるうえで重要であり、特にDT燃焼炉においてはトリチウムインベントリ評価のうえでも重要となる。本研究では、イオンビーム核反応分析法,イメージングプレート法,燃焼法及び放射化分析法を用いて、DT放電実験で使用したTFTRプラズマ対向壁に保持されている水素同位体,リチウム同位体及び不純物の定量分析結果について報告する。トリチウムと重水素では深さ分布が異なることがわかり、トリチウムの多くは表面に保持されていることがわかった。また、リチウムについてはリチウム-6が多く、これは、リチウムコンディショニングの際、リチウム-6濃縮ペレットも使用されているためであると考えられる。さらに、その他の不純物の分析を行ったが、有意な量は検出されなかった。これらの実機対向壁表面分析によって、プラズマ制御やインベントリー評価にとって重要な元素分布や保持量を明らかにすることができた。特に、トリチウムは対向材深部へ拡散せず、表面付近に保持されており、これはトリチウム除去の点でよい見通しを与えるものである。
林 孝夫; 落合 謙太郎; 正木 圭; 後藤 純孝*; 沓掛 忠三; 新井 貴; 西谷 健夫; 宮 直之
Journal of Nuclear Materials, 349(1-2), p.6 - 16, 2006/02
被引用回数:10 パーセンタイル:57.07(Materials Science, Multidisciplinary)核反応分析法(NRA)を用いてJT-60Uダイバータ部のプラズマ対向壁に用いられている炭素タイル中の重水素保持量深さ分布を測定した。最も重水素濃度が高かったのは外側ドームウィングタイルでD/Cの値は0.053であり、その重水素蓄積過程は炭素-重水素の共堆積によるものと推定された。また外側及び内側のダイバータターゲットタイルにおいてはD/Cは0.006以下であった。軽水素を含めた水素同位体の濃度については、NRA及びSIMS分析結果からドーム頂部タイルの(H+D)/Cを0.023と推定した。一方OFMC計算を用いてNBIで入射した高エネルギー重水素がドーム領域に打ち込まれることを示した。また重水素の打ち込みや炭素との共堆積などによる重水素蓄積は、タイルの表面温度や損耗・堆積などの表面状態の影響を受けることを示した。重水素保持量深さ分布,SEM分析及びOFMC計算により、重水素分布はおもに重水素-炭素の共堆積,重水素イオンの打ち込み及びバルクへの拡散の複合したプロセスにより決まることを明らかにした。
鈴木 哲; 榎枝 幹男; 秦野 歳久; 廣瀬 貴規; 林 君夫; 谷川 尚; 落合 謙太郎; 西谷 健夫; 飛田 健次; 秋場 真人
Nuclear Fusion, 46(2), p.285 - 290, 2006/02
被引用回数:2 パーセンタイル:7.08(Physics, Fluids & Plasmas)原研におけるITER用水冷固体増殖方式テストブランケット・モジュール(TBM)に関する要素技術開発の最新の成果について報告する。TBMの製作技術開発に関しては、低放射化フェライト鋼F82HのHIP成型時の結晶粒の粗大化対策として成形後の熱処理法を改善し、1150Cでの均質化後に930Cで焼きならしを行うことによって十分な細粒を得ることができた。第1壁アーマ接合技術開発に関しては、F82H基板にタングステンアーマを固相接合法の1つである熱間単軸圧縮を適用することにより、直接接合可能なことを明らかにした。また、F82H製第1壁試験体の熱疲労試験を行い、ITERダイバータと同様の疲労寿命評価法が適用可能であることを示した。一方、増殖材開発に関しては、LiTiOペブルの圧縮荷重下における有効熱伝導率測定装置を開発し、その測定を実施した。原研におけるTBM開発は上記のような要素的な研究開発の進捗により、製作技術開発や設計データの取得が完了し、今後、工学規模の技術開発を展開する段階に到達した。
榎枝 幹男; 秦野 歳久; 土谷 邦彦; 落合 謙太郎; 河村 繕範; 林 君夫; 西谷 健夫; 西 正孝; 秋場 真人
Fusion Science and Technology, 47(4), p.1060 - 1067, 2005/05
被引用回数:5 パーセンタイル:35.83(Nuclear Science & Technology)原研は、1999年に核融合会議で策定されたブランケット開発計画において固体増殖ブランケット開発の中核期間と位置づけられた。この開発計画にしたがって、固体増殖ブランケットの要素技術開発を実施し大きな進展が得られた。今後、この要素技術開発の成果を基礎に、工学試験段階を開始するところである。本報告では、ブランケット開発のための要素技術開発で得られた重要な成果を報告する。
久保田 直義; 落合 謙太郎; 沓掛 忠三; 林 孝夫; 洲 亘; 西 正孝; 西谷 健夫
プラズマ・核融合学会誌, 81(4), p.296 - 301, 2005/04
核融合炉におけるプラズマ対向壁表面近傍の水素同位体挙動は燃料リサイクリングを考えるうえで重要であり、特にDT燃焼炉においては安全管理のうえでも同様に重要である。原研FNSでは、核反応分析法を用いて、DD放電で使用されたJT-60Uプラズマ対向壁の分析を試み、ミクロンオーダーでの重水素分布及び、DD反応で生成されたトリチウム分布を明らかにしてきた。本研究では、DT放電で使用されたTFTRプラズマ対向壁表面近傍の元素深さ分布を測定し、トリチウムの挙動を明らかにすることを目的とした。分析した試料は、TFTR内側リミッタに使用されていた炭素繊維複合材タイルの一部を切り出したものである。核反応分析の結果、重水素とリチウムが一様に分布している一方で、トリチウムは深さ0.5mにピークを持つ分布を示すことがわかった。燃焼法によって報告されたバルクでの平均トリチウム密度と比較すると、タイル表面近傍にはトリチウムが1桁多く保持されていた。DD放電で使用したJT-60のタイルの場合、トリチウムは1.5mより深い場所に蓄積しているのに対し、 DT放電で使用したTFTRのタイルでは表面近くに蓄積しており、低エネルギーのトリチウムがおもに寄与していることを示している。
正木 圭; 杉山 一慶*; 林 孝夫; 落合 謙太郎; 後藤 純孝*; 柴原 孝宏*; 廣畑 優子*; 大矢 恭久*; 宮 直之; 田辺 哲朗*
Journal of Nuclear Materials, 337-339, p.553 - 559, 2005/03
被引用回数:26 パーセンタイル:84.04(Materials Science, Multidisciplinary)JT-60Uにおいて、DD反応で生成されたトリチウム及び重水素のプラズマ対向壁への蓄積分布を評価し、真空容器内での水素同位体挙動を調べた。(1)プラズマ対向壁に蓄積されたトリチウムのIP及び燃焼法による測定と、損耗及び再堆積測定から以下の結果を得た。ドーム頂部でトリチウム濃度が最も高く、厚い堆積層が存在する内側ダイバータ部では低かった。(2)この結果とOFMC解析結果から、JT-60Uで得られたトリチウム分布は、DD反応で生成された高エネルギー(1MeV)トリチウムがリップルロスによりプラズマから損失し、エネルギーをあまり失うことなく壁に深く入射されたものであることが明らかとなった。(3)NRAによる重水素蓄積量測定結果では、プラズマ対向壁における重水素分布は、トリチウム分布と異なり、最も高い重水素蓄積量を示したドーム外側ウイングでもD/C0.05と低い値を示した。厚い堆積層の存在する内側ダイバータではさらに低く、D/C0.01以下であった。いずれの結果も、共堆積により多くのトリチウムが残留するJETのトリチウム分布とは大きく異なり、JT-60Uプラズマ対向壁における水素同位体の挙動は、それぞれの粒子のプラズマ対向壁への入射分布及び壁(炉内構造物)温度の影響を受けていることを示すものである。
落合 謙太郎; 林 孝夫; 沓掛 忠三; 後藤 純孝*; 正木 圭; 新井 貴; 宮 直之; 西谷 健夫
Journal of Nuclear Materials, 329-333(Part1), p.836 - 839, 2004/08
被引用回数:4 パーセンタイル:29.31(Materials Science, Multidisciplinary)FNSでは重陽子加速器ビームによる核反応分析法を用いて、黒鉛実機ダイバータ表面のDとTの保持量及び深さ分布について測定を行った。測定対象である黒鉛ダイバータは2つである。利用核反応と検出荷電粒子はD分布測定の場合、D(d,p)T核反応によるプロトン粒子を、T分布測定の場合はT(d,)n核反応による粒子である。D(d,p)T核反応によるプロトンとトリトン及びC(d,p)Cのプロトンのスペクトルピークが得られており、その検出エネルギーは計算で求まる試料表面からの放出エネルギーとよく一致していることから、重水素が試料表面からmオーダーで深く堆積していることが明らかとなった。これらの収量から重水素の平均保持量は内側ダイバータで約110cmであり、トリチウムベータ線の放射能は18kBq/cmに相当するという結果を得た。また350keV入射のみアルファスペクトルを得ている結果から、トリチウムの深さ分布については母材2mより深い位置にあると考えられる。
森岡 篤彦; 佐藤 聡; 金野 正晴*; 逆井 章; 堀 順一*; 落合 謙太郎; 山内 通則*; 西谷 健夫; 神永 敦嗣; 正木 圭; et al.
Journal of Nuclear Materials, 329-333(2), p.1619 - 1623, 2004/08
被引用回数:9 パーセンタイル:55.79(Materials Science, Multidisciplinary)2.45MeVと14MeV中性子源を使用して、ボロン入り低放射化コンクリートの遮蔽性能実験と放射化特性試験を行った。熱中性子遮蔽性能は、2wt%ボロン入りコンクリートが1wt%ボロン入りコンクリートより優れているが、高速中性子遮蔽性能は両者の違いはなかった。14MeV中性子照射から30日以上経過した時点で誘導放射能を比較するとボロン入りコンクリートは、標準コンクリートに比べ約100分の1であった。一方、ボロン添加量の違いによる誘導放射能は差はなかった。以上より、ボロンを添加することにより、熱中性子遮蔽性能と放射化性能を改善できることが確認され、今後の核融合試験装置の遮蔽材料としての有用性が示された。