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中田 悠人; 佐々木 岳彦*; Thomsen, B.; 志賀 基之
Chemical Physics Letters, 845, p.141285_1 - 141285_9, 2024/06
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)密度汎関数理論とメタダイナミクスシミュレーションを用いて、シリカ担持白金触媒およびパラジウム触媒を用いた熱水中でのセロビオース加水分解とグルコース水素化反応を研究した。その結果、セロビオースの加水分解は、金属に吸着した水素原子またはシリカに流出したプロトンの攻撃によって進行し、グルコースを形成することがわかった。グルコースは、白金/水界面に吸着した水素原子によって水素化され、ソルビトールを形成する。白金/水界面における加水分解と水素化の反応障壁は、いずれもパラジウム/水界面における反応障壁よりも低い。このことは、白金がパラジウムよりも優れた触媒として機能するという実験結果を説明する。
永井 佑紀; 岩崎 祐昂*; 北原 功一*; 高際 良樹*; 木村 薫*; 志賀 基之
Physical Review Letters, 132(19), p.196301_1 - 196301_6, 2024/05
被引用回数:3 パーセンタイル:89.52(Physics, Multidisciplinary)準結晶とは、高次元超格子の3次元空間への射影として理解できる周期性のない物質である。高温における比熱の上昇は、準結晶の高次元性を反映した現象として二十年以上議論されてきた。しかし、準結晶やその近似結晶の比熱の理論計算はその原子構造の複雑さから困難であった。実験と理論の橋渡しを行うため、最先端の機械学習分子動力学法を用いて、比熱の理論計算を試みた。そして、Al-Pd-Ru準結晶とその近似結晶において、実験グループとの共同研究により、実験で異常高温比熱が現れること、理論で同様の現象が再現できること、の二つを確かめた。そして、異常高温比熱が現れる温度領域においては、アルミニウム原子が不連続に飛び移りながら拡散していくことがわかった。そして、その拡散の経路は6次元超原子の揺らぎとして理解することができることを明らかにした。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; Holt, J. D.*; Hu, B. S.*; et al.
Physical Review C, 109(3), p.034312_1 - 034312_15, 2024/03
被引用回数:1 パーセンタイル:72.68(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて中性子過剰核Arビームからの1中性子ノックアウト反応実験を行い、
Arのエネルギー準位および分光学的因子を導出した。特に、第一励起状態の
への分光学的因子が大きいことから、始状態の
Arの基底状態において中性子が
軌道を多く占めていることがわかった。これは、中性子数32がよい魔法数として知られる
Caとは異なった性質であり、カルシウムからアルゴンへと陽子が2個減ることで閉殻構造が大きく崩れることが明らかになった。
近藤 洋介*; Achouri, N. L.*; Al Falou, H.*; Atar, L.*; Aumann, T.*; 馬場 秀忠*; Boretzky, K.*; Caesar, C.*; Calvet, D.*; Chae, H.*; et al.
Nature, 620(7976), p.965 - 970, 2023/08
被引用回数:21 パーセンタイル:95.78(Multidisciplinary Sciences)非常に中性子が過剰な原子核Oは、陽子、中性子ともに魔法数であることから古くからその性質に興味が持たれていたが、酸素の最後の束縛核
Oよりも中性子が4個も多いため、これまで観測されてこなかった。この論文では、理化学研究所RIBFにて
Fからの1陽子ノックアウト反応によって
Oを生成し、そこから放出される中性子を測定することによって初めてその観測に成功した。核構造の観点からは、
Oでは二重閉殻が保たれているか興味が持たれていたが、実験で得られた分光学的因子が殻模型計算で予言されて程度の大きいことから、閉殻構造をもたない可能性が高いことがわかった。
Chen, S.*; Browne, F.*; Doornenbal, P.*; Lee, J.*; Obertelli, A.*; 角田 佑介*; 大塚 孝治*; 茶園 亮樹*; Hagen, G.*; Holt, J. D.*; et al.
Physics Letters B, 843, p.138025_1 - 138025_7, 2023/08
被引用回数:6 パーセンタイル:87.41(Astronomy & Astrophysics)Scからの1陽子ノックアウト反応を用いて、
Caと
Caのガンマ崩壊を観測した。
Caでは1456(12)keVの
線遷移が、
Caでは1115(34)keVの遷移が観測された。どちらの遷移も暫定的に
と割り当てられた。有効核子間相互作用をわずかに修正した広い模型空間での殻模型計算では、
準位エネルギー、2中性子分離エネルギー、反応断面積が実験とよく一致し、N=34閉殻の上に新しい殻が形成されていることを裏付けた。その構成要素である
と
軌道はほぼ縮退しており、これは
Caが二重魔法核である可能性を排除し、Ca同位体のドリップラインを
Caあるいはそれ以上にまで広げる可能性がある。
Wang, H.*; 安田 昌弘*; 近藤 洋介*; 中村 隆司*; Tostevin, J. A.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Poves, A.*; 清水 則孝*; 吉田 数貴; et al.
Physics Letters B, 843, p.138038_1 - 138038_9, 2023/08
被引用回数:3 パーセンタイル:69.58(Astronomy & Astrophysics)Neからの1中性子除去反応を用いて、
Neの詳細な
線分光を行った。平行運動量分布の解析に基づき、
Neの準位構造とスピンパリティを決定し、初めて負のパリティ状態を同定した。測定された断面積と運動量分布から、N=20とN=28のシェルギャップの消失の証拠となる有意なintruder p-wave強度が明らかになった。束縛状態については、弱いf-waveの可能性のある強度が観測された。いくつかの有効相互作用を用いた大規模殻模型計算では、実験的に観測された大きなp-wave強度と小さなf-wave強度は再現されず、Ne同位体に沿った反転の島への遷移の完全な理論的記述への挑戦が続いていることを示している。
Elekes, Z.*; Juhsz, M. M.*; Sohler, D.*; Sieja, K.*; 吉田 数貴; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review C, 106(6), p.064321_1 - 064321_10, 2022/12
被引用回数:2 パーセンタイル:36.77(Physics, Nuclear)Vと
Vの低励起準位構造を初めて探索した。
Vについては中性子ノックアウト反応と陽子非弾性散乱が、
Vについては中性子ノックアウト反応データが得られた。
Vについては4つ、
Vについては5つの新たな遷移が確認された。Lenzi-Nowacki-Poves-Sieja (LNPS)相互作用に基づく殻模型計算との比較によって、それぞれの同位体について確認されたガンマ線のうち3つが、first 11/2
状態とfirst 9/2
状態からの崩壊と決定された。
Vについては、(
,
)非弾性散乱断面積は四重極変形と十六重極変形を想定したチャネル結合法により解析されたが、十六重極変形の影響により、明確に反転の島に属するとは決定できなかった。
Enciu, M.*; Liu, H. N.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physical Review Letters, 129(26), p.262501_1 - 262501_7, 2022/12
被引用回数:15 パーセンタイル:83.47(Physics, Multidisciplinary)230MeV/nucleonでの
Caからの中性子ノックアウト反応が
線分光と行われ、
と
軌道からの中性子ノックアウト反応の運動量分布が測定された。断面積は
の閉殻と整合し、Ca同位体での
と
閉殻と同程度に強い閉殻であることが確認された。運動量分布の分析から
と
軌道の平均二乗根半径の差は0.61(23)fmと決定され、これはmodified-shell-modelによる予言の0.7fmと整合した。これは、中性子過剰なCa同位体での
軌道半径が大きいことが、中性子数にしたがって線形的に荷電半径が増える意外な現象の原因であることを示唆している。
小岩井 拓真*; Wimmer, K.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; Duguet, T.*; Holt, J. D.*; 宮城 宇志*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; et al.
Physics Letters B, 827, p.136953_1 - 136953_7, 2022/04
被引用回数:7 パーセンタイル:66.88(Astronomy & Astrophysics)中性子過剰核Caでは、新魔法数34が発見されて以来、その構造を知るために多くの実験がなされてきたが、それを超える中性子過剰核の情報は全く知られてこなかった。本論文では、理化学研究所RIBFにて
K,
Ca,
Caの励起状態から脱励起するガンマ線を初めて観測した結果を報告した。それぞれ1つのガンマ線しか得られなかったものの、
Kおよび
Caのデータは、それぞれ、陽子の
と
軌道間のエネルギー差、中性子の
と
軌道間のエネルギー差を敏感に反映し、両方とも最新の殻模型計算によって200keV程度の精度で再現できることがわかった。また、1粒子状態の程度を特徴づける分光学的因子を実験データと歪曲波インパルス近似による反応計算から求め、その値も殻模型計算の値と矛盾しないことがわかった。
赤沢 第輔; 佐々木 岳彦*; 長坂 将成*; 志賀 基之
Journal of Chemical Physics, 156(4), p.044202_1 - 044202_7, 2022/01
被引用回数:6 パーセンタイル:57.39(Chemistry, Physical)セルロースの水和構造は、分子レベルでのバイオマスセルロースの加水分解メカニズムの理解のために非常に重要である。本論文では、セルロースの2糖の単量体であるセロビオースの水溶液について、そのX線吸収分光法(XAS)スペクトルの測定と理論計算を組み合わせた研究について報告する。測定に関する項目では高解像度の炭素K端のXASスペクトルの測定について報告する。理論計算の項目では、第一原理分子動力学計算と励起状態計算を用いてXASのシミュレーションを求める手法と結果ついて論ずる。セロビオースのXASには289.3eV, 290.7eV, 293.6eVの3つのピークがあり、それぞれアルコール基,ヘミアセタール基,アルコール及びヘミアセタール基の両方に対応することがわかった。さらに、25Cから60
Cまでの温度変化に対してスペクトルの高さが規則的に変化し、それがセロビオースと水分子の水素結合の数の変化を表していることがわかった。このスペクトルの変化は様々な環境におけるセルロースの水和構造を知るための情報として有用であると考えられる。
Linh, B. D.*; Corsi, A.*; Gillibert, A.*; Obertelli, A.*; Doornenbal, P.*; Barbieri, C.*; Chen, S.*; Chung, L. X.*; Duguet, T.*; Gmez-Ramos, M.*; et al.
Physical Review C, 104(4), p.044331_1 - 044331_16, 2021/10
被引用回数:9 パーセンタイル:75.05(Physics, Nuclear)理化学研究所のRIビームファクトリーにて中性子過剰Clの励起状態を
Arからのノックアウト反応によって生成し、脱励起ガンマ線からそのエネルギー準位を測定した。また、陽子ノックアウトの運動量分布から
Clの基底状態が
であることがわかった。その結果を大規模殻模型計算およびいくつかの第一原理計算と比較した。
Cl同位体の基底状態および第一励起状態は、計算で用いた相互作用に敏感であることがわかった。それは、陽子の一粒子エネルギーと四重極集団運動との複雑な結合によるためであると考えられる。
近藤 友美; 佐々木 岳彦*; 志賀 基之
Journal of Computational Chemistry, 42(25), p.1783 - 1791, 2021/09
被引用回数:5 パーセンタイル:28.27(Chemistry, Multidisciplinary)高温水溶液中の糖アルコール脱水反応は、有機溶媒を使用せずに環境に優しいバイオマス変換を可能にする重要な反応である。本研究では、高温酸性水中でのソルビトール(SBT)の脱水反応のメカニズムを理解するため、第一原理および半経験的電子状態理論に基づくメタダイナミクス(MTD)シミュレーションによる自由エネルギー解析を行った。反応機構は2分子求核置換型(S2)であり、それによって中間体として生成されたヒドロキシル基のプロトン化の自由エネルギーが酸性種の影響を受けることがわかった。また、5員エーテル生成物につながる反応経路の自由エネルギー障壁は、6員エーテル生成物につながるものよりも低いことがわかった。
Browne, F.*; Chen, S.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 緒方 一介*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; Achouri, N. L.*; 馬場 秀忠*; Calvet, D.*; et al.
Physical Review Letters, 126(25), p.252501_1 - 252501_7, 2021/06
被引用回数:11 パーセンタイル:69.72(Physics, Multidisciplinary)理化学研究所RIビームファクトリーにて、中性子過剰核Scからの1陽子ノックアウト反応によって
Caを生成し、そのエネルギー準位と反応断面積をガンマ線分光および不変質量分光によって得た。その結果を歪曲波インパルス近似による核反応計算と大規模殻模型による核構造計算を組み合わせた理論値と比較した。実験の準位と断面積は理論計算によってよく再現された。
Caの正パリティ状態については、基底状態の生成断面積が励起状態のものに比べて圧倒的に大きいという結果が得られた。これは、
Scでは中性子魔法数34が消滅し
Caではその魔法数が存在するというこれまでの知見と一見矛盾するが、対相関による分光学的因子のコヒーレンスから理解することができる。
Juhsz, M. M.*; Elekes, Z.*; Sohler, D.*; 宇都野 穣; 吉田 数貴; 大塚 孝治*; 緒方 一介*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; 馬場 秀忠*; et al.
Physics Letters B, 814, p.136108_1 - 136108_8, 2021/03
被引用回数:6 パーセンタイル:55.29(Astronomy & Astrophysics)(,
)反応と
線分光を用いて
Arの束縛状態と非束縛状態の核構造研究を行った。実験結果と殻模型計算を比較することで、2つの束縛状態と6つの非束縛状態を決定した。
Arの束縛状態を生成する反応断面積が小さいことから、これは中性子数32, 34の顕著なsub-shell closureが存在している確かな証拠と解釈できる。
近藤 友美; 佐々木 岳彦*; Ruiz-Barragan, S.*; Ribas-Ario, J.*; 志賀 基之; Ruiz-Barragan, S.*
Journal of Computational Chemistry, 42(3), p.156 - 165, 2021/01
被引用回数:5 パーセンタイル:21.58(Chemistry, Multidisciplinary)本研究では、固定されたバイアスポテンシャル下の正準サンプリングによって、メタダイナミクスを改良する新たな計算手法を提案した。この手法は、2つ以上の自由エネルギー障壁を異なる条件または競合する条件での化学反応間で比較する場合などに役立つ。この方法を用いて、高温水溶液中の多価アルコール脱水反応の酸依存性を調べた。その結果、酸の種類によらず、この反応はS2メカニズムを介して進行することがわかった。一方、中間体として生成されるヒドロキシル基のプロトン化における自由エネルギー変化が、酸の種類によって影響を大きく受けることがわかった。
Corts, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Men
ndez, J.*; 緒方 一介*; Schwenk, A.*; 清水 則孝*; Simonis, J.*; et al.
Physical Review C, 102(6), p.064320_1 - 064320_9, 2020/12
被引用回数:12 パーセンタイル:76.16(Physics, Nuclear)理化学研究所RIBFにおいて、=32同位体である
Arの低励起構造を陽子・中性子ノックアウト反応,多核子剥離反応,陽子非弾性散乱と
線分光によって調査した。すでに知られていた2つに加えて、3
状態の候補を含む5つの状態を新たに確認した。
coincidenceによって得られた準位図は
模型空間での殻模型計算やカイラル2体・3体力による第一原理計算と比較した。陽子・中性子ノックアウト反応断面積の理論との比較により、新たに発見された2つの状態は2
状態であり、また以前に4
とされていた状態も2
であることが示唆された。
Sun, X. H.*; Wang, H.*; 大津 秀暁*; 櫻井 博儀*; Ahn, D. S.*; 合川 正幸*; 福田 直樹*; 磯部 忠昭*; 川上 駿介*; 小山 俊平*; et al.
Physical Review C, 101(6), p.064623_1 - 064623_12, 2020/06
被引用回数:7 パーセンタイル:58.14(Physics, Nuclear)理化学研究所RIビームファクトリーにて逆運動学法を使用し、核子当たり168MeVの陽子, 重陽子, 炭素イオン入射によるXeのスポレーションおよびフラグメンテーション反応からの同位体生成断面積を測定した。炭素イオンの場合は全運動エネルギーが高くなるため、質量数の小さな同位体の生成断面積が大きくなった。また、今回新たに測定されたデータを以前により高い入射エネルギーで測定されたデータと比較することで、同位体生成断面積の入射エネルギー依存性を調査した。さらに、測定データをPHITS, SPACS, EPAX, DEURACSの計算値と比較した。本研究で測定したデータは、理論計算の良いベンチマークになると考えられる。
Lokotko, T.*; Leblond, S.*; Lee, J.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Poves, A.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; 吉田 数貴; Authelet, G.*; et al.
Physical Review C, 101(3), p.034314_1 - 034314_7, 2020/03
被引用回数:11 パーセンタイル:73.58(Physics, Nuclear)中性子過剰核であるCoに対する(
)ノックアウト反応が理化学研究所RIBFで測定された。
coincidenceの方法で準位構造が決定され、測定された包括的断面積および排他的断面積から暫定的ではあるがスピン・パリティが決定された。殻模型計算との比較により、
Coの低励起状態には球形核と変形核が共存することが示唆された。
Corts, M. L.*; Rodriguez, W.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Holt, J. D.*; Lenzi, S. M.*; Men
ndez, J.*; Nowacki, F.*; 緒方 一介*; Poves, A.*; et al.
Physics Letters B, 800, p.135071_1 - 135071_7, 2020/01
被引用回数:34 パーセンタイル:95.80(Astronomy & Astrophysics)ガンマ線分光による=40同調体である
Tiの分光学研究を
V(
,
)
TiをRIBFで行った。今回初めて測定された
と
の遷移はTiの基底状態が変形していることを示唆した。これらのエネルギーは近傍核の
Crや
Feと比較して大きく、したがって四重極集団運動が小さくなっていることが示唆される。今回の結果は大規模殻模型計算によって良く再現される一方、第一原理計算や平均場模型では今回の結果は再現されなかった。
Chen, S.*; Lee, J.*; Doornenbal, P.*; Obertelli, A.*; Barbieri, C.*; 茶園 亮樹*; Navrtil, P.*; 緒方 一介*; 大塚 孝治*; Raimondi, F.*; et al.
Physical Review Letters, 123(14), p.142501_1 - 142501_7, 2019/10
被引用回数:60 パーセンタイル:93.02(Physics, Multidisciplinary)Caでは中性子魔法数34が現れると考えられているが、その直接的な実験的証拠を得るため、
Caからの中性子ノックアウト反応
Ca(
)
Caによって生成される状態を理化学研究所のRI Beam Factoryによって調べた。基底状態および2.2MeVの励起状態が強く生成され、1.7MeVの励起状態の生成量は小さかった。
Caの運動量分布から、基底状態および2.2MeVの励起状態は
軌道の中性子を叩き出して得られた状態であることが明らかになった。DWIA計算によって得られた分光学的因子から、
Caは
軌道がほぼ完全に占有された閉殻構造を持つことが明らかになり、中性子魔法数34の出現が確実なものとなった。