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松尾 祥史*; 森 茂生*; 平田 秋彦*; 吉井 賢資; 池田 直*
Journal of Physics; Conference Series, 200, p.012128_1 - 012128_4, 2010/02
被引用回数:3 パーセンタイル:74.25(Materials Science, Multidisciplinary)鉄電荷秩序により強誘電性を発現する鉄酸化物RFeO(R=Ho-Lu, Y)の性質を明らかにするため、その鉄サイト置換物質RFeCuO(R=Yb, Lu)とともに、物性と電荷秩序構造について調べた。誘電率測定から、RFeCuOは常誘電体であることを観測した。また、この物質及び母体物質RFeOに対する電子線回折実験から、鉄サイトに銅を置換することにより鉄電荷秩序が抑えられること、また、誘電性を持つドメインのサイズが小さくなることを観測した。さらに磁化測定を行い、銅置換によって磁気転移温度が大幅に下がることを観測した。これらの結果から、RFeO及び鉄サイト置換系では、誘電性を持つドメインの状態(サイズや分布状態など)が物性を左右していることを議論する。
松尾 祥史*; 平田 秋彦*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*
Ferroelectrics, 380(1), p.56 - 62, 2009/06
被引用回数:6 パーセンタイル:29.51(Materials Science, Multidisciplinary)誘電体LuFeO(=Cu, Co)につき、透過電子線回折測定によってナノ構造を観察した。この系は、われわれが発見した電荷秩序型新規強誘電体FeO(=Y, Ho-Lu)のFeサイト置換物質である。LuFeCuOについては、1/3 1/3 0付近にジグザグ型の散漫なストリークとスポットが観測された。これは、この系の三角格子上でFeとCuがイオン秩序していることを示す。このイオン秩序は、FeOにおいて観測されている、電気双極子を伴う鉄電荷秩序構造と類似構造である。すなわち、このイオン秩序構造が室温での100程度の誘電率の起源と考えられる。実空間観察からは、510nmのナノサイズのドメインが観測された。一方、LuFeCoOについては、ハニカム型の電子線回折パターンが観測された。これは、極めて小さい領域でのFeとCoの秩序構造と考えられ、LuFeCuO同様、この秩序構造が1000程度の誘電率の起源と推測される。また、LuFeCoOにおいては実空間においてドメイン構造は観測されなかった。
永目 諭一郎; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 秋山 和彦; 石井 康雄; 佐藤 哲也; 平田 勝; 西中 一朗; 市川 進一; et al.
Radiochimica Acta, 93(9-10), p.519 - 526, 2005/00
被引用回数:30 パーセンタイル:87.1(Chemistry, Inorganic & Nuclear)東海研究所タンデム加速器を用いて進めてきた超重元素(104番元素)ラザホージウム(Rf)の単一原子レベルでの化学挙動研究について報告する。特に短寿命(78秒)で数分間に1原子の割合で生成するRfのイオン交換挙動を調べるために開発した自動迅速イオン交換分離装置の概要を紹介する。また最近得られたRfのフッ化物錯体のイオン交換挙動について詳しく述べる。これはRfのフッ化水素酸溶液中での陰イオン交換挙動が、周期表同族元素であるジルコニウムやハフニウムの挙動とは大きく異なっていて、Rfのフッ化物形成に相対論効果が寄与している可能性を指摘する興味深い結果である。
羽場 宏光*; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 秋山 和彦; 西中 一朗; 平田 勝; 矢板 毅; 市川 進一; 永目 諭一郎; et al.
Journal of the American Chemical Society, 126(16), p.5219 - 5224, 2004/04
被引用回数:43 パーセンタイル:72.51(Chemistry, Multidisciplinary)Cm(O,5n)Rf反応で生成する104番元素ラザホージウム(Rf)のフッ化物錯体のイオン交換挙動を単一原子レベルで明らかにした。Rfの陰イオン交換挙動は、周期表同族元素であるジルコニウム(Zr)やハフニウム(Hf)の挙動とは明らかに異なることがわかり、Rfのフッ化物形成に相対論効果が寄与している可能性を指摘した。
羽場 宏光; 塚田 和明; 浅井 雅人; 後藤 真一*; 豊嶋 厚史; 西中 一朗; 秋山 和彦; 平田 勝; 市川 進一; 永目 諭一郎; et al.
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences, 3(1), p.143 - 146, 2002/06
われわれの研究グループでは、超アクチノイド元素である104番元素ラザホージウム(Rf)の溶液化学実験を進めている。まず、Rfの同族元素Zr並びにHfに加え擬4族元素Thの放射性トレーサーを製造し、バッチ法により1.1-13.1M HNO並びに1.0-11.5M HCl系における陰イオン交換分配係数を系統的に測定した。また、Rfの単一原子の化学実験を行うために、繰り返し実験が可能な迅速イオン交換分離装置(AIDA)を開発した。原研タンデム加速器を用いて、Ge(O,xn),Gd(O,xn)並びにCm(O,5n)反応によってそれぞれ Zr,Hf並びにRfを製造し、4.0-11.5M HCl並びに8.0M HNO系における陰イオン交換実験を行った。塩酸系では、7.0-11.5Mの範囲でRfの分配係数は塩酸濃度の増加とともに急激に増加し、陰イオン塩化物錯体([Rf(OH)Cl],[RfCl])の形成を示唆した。また、樹脂への吸着性の強さは、RfZrHfの順であることがわかった。一方、8.0M HNO系では、Rfは同族元素ZrとHfと同様に陰イオン交換樹脂に対して低い吸着性を示し、ThやPuと全く異なることがわかった。
羽場 宏光; 塚田 和明; 浅井 雅人; 西中 一朗; 阪間 稔*; 後藤 真一*; 平田 勝; 市川 進一; 永目 諭一郎; 金子 哲也*; et al.
Radiochimica Acta, 89(11-12), p.733 - 736, 2002/02
被引用回数:14 パーセンタイル:68.97(Chemistry, Inorganic & Nuclear)われわれの研究グループでは、超アクチノイド元素の化学挙動実験を計画している。最近、原研タンデム加速器を用いて加速されるO,FをCmターゲットに照射し、それぞれRf,Dbの合成に成功した。これらの核種の測定は新しく開発した線連続測定装置を用いて行い、親娘の-相間事象によって確認した。化学挙動実験の最初としてRfの溶液化学実験を計画している。その準備として、Rfの同族元素Zr並びにHfに加え擬4族元素Th並びにPuの放射性トレーサを製造し、硝酸-フッ酸、硝酸並びに塩酸系においてイオン交換の分配係数を系統的に測定した。またRfのone-atom-at-atime chemistryを目指し、繰り返実験が可能な高速液体クロマトグラフ装置を開発しテストを行った。
塚田 和明; 豊嶋 厚史; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 秋山 和彦*; 石井 康雄; 當銘 勇人*; 西中 一朗; 佐藤 哲也; 市川 隆俊; et al.
no journal, ,
Rf及び同族元素のZr, Hfの塩酸系並びに塩酸メタノール混合系における陰イオン交換挙動を調べ、3者の吸着挙動が類似した傾向を示すことを明らかにした。また、同溶液中におけるZr及びHfの錯イオン形成及び樹脂への吸着化学種に関する情報をEXAFS法によって得た。その結果、Zr及びHfの吸着挙動変化は、塩素が6配位した陰イオン錯体の形成とよく一致し、同様の挙動を示すRfも同溶液中で[RfCl]という構造をとることが推測できる。