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報告書

日本-IAEA合同原子力エネルギーマネジメントスクールの概要; 2016年

山口 美佳; 日高 昭秀; 生田 優子; 村上 健太*; 富田 明*; 広瀬 大也*; 渡邉 正則*; 上田 欽一*; 生井澤 賢*; 小野瀬 貴利*; et al.

JAEA-Review 2017-002, 60 Pages, 2017/03

JAEA-Review-2017-002.pdf:9.41MB

IAEAは、将来原子力エネルギー計画を運営管理するリーダーとなる人材の育成を目的とした原子力エネルギーマネジメントスクールを2010年より世界各国で開催している。原子力機構は、日本原子力人材育成ネットワークの事務局として、同ネットワークに参加している東京大学、日本原子力産業協会及び原子力国際協力センターとともに、2012年よりIAEAと共催という運営形態で上記スクールを日本で継続的に開催している。2016年は、IAEAの専門家を講師とした講義とともに、日本開催の特徴を生かしつつ、日本人専門家の協力を得て、福島第一原子力発電所事故の教訓、日本の原子力分野における経験・技術の紹介などを含む独自性のある講義を提供した。施設見学では、多様な原子力関連施設の見学を福井県及び神戸市で実施した。本スクールの開催を通して、我が国の若手人材の国際化および新規原子力導入国等の人材育成へ貢献することができ、また、我が国とIAEAとの協力関係の促進に資することができた。加えて、関係機関が一体となって協力し合い開催することにより、国内の原子力人材育成ネットワークの協力関係を強化することができた。

論文

Effect of helium on irradiation creep behavior of B-doped F82H irradiated in HFIR

安堂 正己; 野澤 貴史; 廣瀬 貴規; 谷川 博康; 若井 栄一; Stoller, R. E.*; Myers, J.*

Fusion Science and Technology, 68(3), p.648 - 651, 2015/10

 被引用回数:1 パーセンタイル:12.03(Nuclear Science & Technology)

照射下クリープに及ぼすヘリウムの影響を調べるために、F82H鋼およびボロン添加したF82H鋼の圧力管を準備し、573Kおよび673Kにて6dpaまでの中性子照射を行った。照射後、これらの圧力管の径を非接触型レーザーシステムにて測定し、クリープひずみの解析を行った。この結果、573K, 673Kにて照射されたF82H鋼のクリープひずみは約260MPaおよび170MPaの応力までそれぞれ直線的に増加することがわかった。特に673K照射材では、いくらかの$$^{10}$$BN添加F82H鋼のクリープひずみは、ヘリウムの発生しない$$^{11}$$BN添加F82H鋼に比べて増加する傾向にあった。この原因として、ボロンによって発生したヘリウムによりバブルが形成し、わずかなスウェリングが生じたためと考えられる。

論文

Physical properties of F82H for fusion blanket design

廣瀬 貴規; 野澤 貴史; Stoller, R. E.*; 濱口 大; 酒瀬川 英雄; 谷川 尚; 谷川 博康; 榎枝 幹男; 加藤 雄大*; Snead, L. L.*

Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1595 - 1599, 2014/10

 被引用回数:31 パーセンタイル:94.05(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト/マルテンサイト鋼(RAF / M)は、増殖ブランケットの最も有望な候補材料である。しかし、設計解析に用いられるRAF/Mの物性値の評価例は非常に限られている。本研究では、設計解析に使用される材料特性データについて再評価するとともに、F82Hの複数ヒートについて新たに物性値を評価した結果を報告する。これまで、F82Hの熱伝導率はIEAラウンドロビン試験の中間報告値が国内外で広く参照されてきたが、複数ヒートの測定結果と比較すると、総じて20%程度過大に評価していることが明らかとなった。また、物性への中性子照射効果の一例として、573K及び673 Kにおいて、6dpaまで中性子照射したF82Hとその溶接部における抵抗率は、最大で6%低下することを明らかにした。

論文

R&D status on water cooled ceramic breeder blanket technology

榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 中島 基樹; 佐藤 聡; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 林 巧; 山西 敏彦; et al.

Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1131 - 1136, 2014/10

 被引用回数:17 パーセンタイル:84.87(Nuclear Science & Technology)

我が国の原型炉ブランケット開発の最重要ステップとして、水冷却固体増殖テストブランケット・モジュール(TBM)の開発が進められている。TBM試験と原型炉ブランケット開発のために、モジュール製作技術開発、増殖増倍材ペブル製作技術、トリチウム生成率評価試験と構造設計が行われている。実機構造材F82Hを用いた製作技術開発は、F82Hの工学物性値の評価結果に基づいて実施され、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の接合、厚さ90mmの後壁の実規模モックアップの製作に成功した。モジュール筐体モックアップの製作を検討している。また、トリチウム生産のために必要な技術として、高温での耐久性に優れた先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発を進めた。また、核融合中性子研究施設(FNS)を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。

論文

Compatibility of Ni and F82H with liquid Pb-Li under rotating flow

金井 亮彦*; Park, C.*; 登尾 一幸*; 笠田 竜太*; 小西 哲之*; 廣瀬 貴規; 野澤 貴史; 谷川 博康

Fusion Engineering and Design, 89(7-8), p.1653 - 1657, 2014/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:36.81(Nuclear Science & Technology)

The present study reports the compatibility of a reduced-activation ferritic steel F82H and Ni exposed to liquid Pb-Li flow using a rotating disk apparatus at 873 K. Cross-sectional observations revealed that grain boundary attack of Pb caused a liquid metal embrittlement of Ni and formation of pitting holes and Cr-depleted zone in F82H.

論文

材料の物性値に対する放射線照射誘起効果,2-6; 圧力管型試験片を用いたF82H鋼の照射下クリープの評価

安堂 正己; 野澤 貴史; 廣瀬 貴規; 谷川 博康

プラズマ・核融合学会誌, 90(1), p.64 - 67, 2014/01

核融合炉ブランケット構造材料の第一候補材である低放射化フェライト鋼F82Hの照射クリープ特性評価のため、圧力管型クリープ試験片を用い、照射温度300$$sim$$500$$^{circ}$$CにてHFIR炉で中性子照射試験を行ったところ、熱クリープの生じない300$$^{circ}$$Cでの照射においてクリープ変形が生じることが負荷応力とひずみ量の関係から明らかとなった。また従来のFFTFでの高照射量データとの比較を行い、照射クリープ速度(ひずみ/照射量)-負荷応力での整理を行ったところ、高照射量での結果と類似の傾向を示すことがわかった。論文では、圧力管型クリープ試験片を用いた照射下クリープ試験及び評価についての概要についても紹介した。

論文

Irradiation response in weldment and HIP joint of reduced activation ferritic/martensitic steel, F82H

廣瀬 貴規; Sokolov, M. A.*; 安堂 正己; 谷川 博康; 芝 清之; Stoller, R. E.*; Odette, G. R.*

Journal of Nuclear Materials, 442(1-3), p.S557 - S561, 2013/11

 被引用回数:6 パーセンタイル:49.64(Materials Science, Multidisciplinary)

The objective of this work is to investigate irradiation response in the joints of F82H. The joints of F82H were prepared using TIG welding, EB welding and Hot-Isostatic-Pressing (HIP). As for weld joints, mechanical specimens were cut out of weld-metal (WM), heat-affected-zone (HAZ). These specimens were irradiated in an instrumented irradiation capsule, RB-15J in HFIR at Oak Ridge National Laboratory. The irradiation temperature was controlled at 573 and 673 K using liquid lithium as a heating medium, and the irradiation dose was up to 6 dpa. Tensile tests after 573 K irradiation revealed that the hardening in WM and base metal (BM) are greater than 300 MPa. On the other hand, HAZ exhibits about half of that of the WM and BM. Since the HAZ is the weakest part in the joint even before irradiation, neutron irradiation significantly enhances the weakness of the HAZ and it could be in danger of local deformation at this region.

論文

Development of the water cooled ceramic breeder test blanket module in Japan

榎枝 幹男; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 鈴木 哲; 落合 謙太郎; 今野 力; 河村 繕範; 山西 敏彦; 星野 毅; 中道 勝; et al.

Fusion Engineering and Design, 87(7-8), p.1363 - 1369, 2012/08

 被引用回数:33 パーセンタイル:93.74(Nuclear Science & Technology)

核融合ブランケットの開発においては、ITERの核融合環境を用いて、モジュール規模で増殖ブランケットの試験を行う、ITERテストブランケット・モジュール(TBM)試験は、原型炉へ向けた重要なマイルストンである。我が国は、水冷却固体増殖TBMを主案として試験を実施するためにその製作技術開発を進めている。我が国は、これまでに開発した接合技術を用いて、実規模のモジュールの第一壁,側壁,増殖材充填容器、の製作に成功するとともに、第一壁と側壁の組合せ試験にも成功した。さらに、厚さ90mmの後壁の製作技術についても、模擬材料を用いたモックアップの製作を終了した。モジュール製作技術をほぼ見通した。また、トリチウム生産のために必要な技術として、先進増殖・増倍材ペブル製作技術の開発や、核融合中性子を用いたトリチウム生成回収試験による、トリチウム生産技術開発についても進展した。本報告ではこれらのTBM開発の最新の成果を報告する。

論文

Long-term properties of reduced activation ferritic/martensitic steels for fusion reactor blanket system

芝 清之; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 酒瀬川 英雄; 實川 資朗

Fusion Engineering and Design, 86(12), p.2895 - 2899, 2011/12

 被引用回数:32 パーセンタイル:93.26(Nuclear Science & Technology)

低放射化フェライト/マルテンサイト鋼F82Hの熱時効特性を400$$sim$$650$$^{circ}$$Cの温度範囲で、最長10万時間まで調べた。熱時効後のミクロ組織,析出物,引張特性,シャルピー衝撃特性等を調べた。Laves相は550$$sim$$650$$^{circ}$$Cの温度範囲で、また、1万時間以上では550$$sim$$650$$^{circ}$$Cの温度範囲でM$$_{6}$$C炭化物が生成した。これらの析出物は特に550$$sim$$650$$^{circ}$$Cの温度範囲で材料の靭性を大きく劣化させた。引張特性への時効の効果は大きくはなかったが、650$$^{circ}$$Cでは1万時間以上の時効で大きな軟化を示した。析出物の増加は延性にも影響を及ぼしたが、深刻な劣化ではなかった。析出物の増加は材料の靭性を大きく劣化させ、特に、650$$^{circ}$$Cでは結晶粒界への粗大なLaves相の析出によりDBTTが大きく上昇した。結晶粒界へのLaves相の析出は延性破壊時の吸収エネルギー(USE)も低下させ、シャルピー衝撃試験の結果から、F82H鋼の使用可能範囲は、550$$^{circ}$$Cで3万時間程度であることが明らかとなった。

論文

Irradiation hardening in F82H irradiated at 573 K in the HFIR

廣瀬 貴規; 大久保 成彰; 谷川 博康; 安堂 正己; Sokolov, M. A.*; Stoller, R. E.*; Odette, G. R.*

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.108 - 111, 2011/10

 被引用回数:13 パーセンタイル:74.14(Materials Science, Multidisciplinary)

F82Hは日米協力照射試験プログラムの下で、過去20年以上にわたって研究が進められてきた。これらの結果、F82Hは673K以上では60dpaまで照射硬化しないことが明らかとなった。本研究では照射硬化が顕著になる573KにおけるF82H照射試験の最新の結果を要約する。この研究で使用された材料はF82H-IEA及び改良鋼である。照射後の強度試験によりF82Hの照射硬化は9dpa付近で飽和し、その耐力は1GPaであることが明らかとなった。延性の低下も同様に9dpaで飽和した。また、照射の前にF82H-IEAより優れた延性を示した熱処理改良鋼の照射後延性は、標準的なF82Hのそれと同じレベルになることを得た。これはブランケット製作工程で生じたHAZ等の軟化部では延性低下が顕著となることを意味する。一方、ブランケット製作工程の熱履歴下で優れた組織安定性を示すTa増量鋼F82H-mod3の照射応答は、F82H-IEAと同等でありTaの悪影響は認められなかった。したがって、mod3材はHIPによって製造されるブランケットの構造材料として有効であると言える。

論文

Heat treatment effect on fracture toughness of F82H irradiated at HFIR

大久保 成彰; Sokolov, M. A.*; 谷川 博康; 廣瀬 貴規; 實川 資朗; 沢井 友次; Odette, G. R.*; Stoller, R. E.*

Journal of Nuclear Materials, 417(1-3), p.112 - 114, 2011/10

 被引用回数:10 パーセンタイル:65.84(Materials Science, Multidisciplinary)

熱処理条件及び微量添加元素を変化させた低放射化フェライト鋼F82Hの照射硬化及び破壊靭性について調べた。試料は、標準材であるF82H-IEA材,IEA材に各種熱処理を加えたMod1シリーズ及びF82Hにタンタルを0.1%添加したMod3材である。これらの試料をHFIR炉で300$$^{circ}$$Cにて約18dpaまで照射した。照射後の硬さ試験の結果、Mod3材の照射硬化はIEA材と同程度であった。また、Mod1シリーズは、熱処理条件によって照射硬化が比較的抑えられる傾向を示した。破壊靭性試験から求めたMod3材の脆性遷移温度は、IEA材に比べて低く、室温付近であった。また、Mod1材も同様に室温付近であった。以上の結果から、熱処理条件の絞込み及び微量添加元素の調整が、照射後の遷移温度上昇の抑制に効果的であることが明らかになった。

論文

Numerical simulation of turbulent flow of coolant in a test blanket module of nuclear fusion reactor

関 洋治; 大西 陽一*; 吉河 朗; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 大図 章; 江里 幸一郎; 鶴 大悟; 鈴木 哲; 横山 堅二; et al.

Progress in Nuclear Science and Technology (Internet), 2, p.139 - 142, 2011/10

日本原子力研究開発機構は、ITERでの核融合環境下で総合的機能試験が実施される予定のテストブランケットモジュール($$TBM$$)として、水冷却方式固体増殖ブランケットの研究開発を進めてきた。$$TBM$$は、おもに第一壁,2つの側壁,後壁と増殖材充填に必要な隔壁であるメンブレンパネルによって構成される。また、冷却材である高温高圧水(入口温度553K,出口温度598K, 15MPa)は、TBM内部の並行多流路管群を流動する。本研究では、数値流体計算の結果を実規模大並列多流路の実験値と比較することにより、実現象との整合性を実証し、機器設計に際する流体挙動及び侵食腐食の予測手法の確立を目的とする。TBM側壁内部に存在する並列多流路管内を流れる冷却材を対象に、乱流モデル及びLES(標準スマゴリンスキーモデル)を用いて、数値流体計算を実施した。流体計算による室温条件での各流量分配は、複雑流路である実規模大並列多流路の実験値とほぼ一致することを確認した。数値流体計算の予測手法の妥当性を示したことにより、高温高圧水条件の設計に際しても有効な予測手段の一つとして実証した。

論文

Fabrication of first wall component of ITER test blanket module by HIPping reduced activation ferritic/martensitic steel

廣瀬 貴規; 榎枝 幹男; 荻原 寛之*; 谷川 博康

Advances in Technology of Materials And Materials Processing Journal, 13(1), p.34 - 38, 2011/00

Reduced activation ferritic martensitic (RAFM) steels are leading candidate structural material for the blanket system of fusion reactors. HIP process is the key technology to fabricate the first wall (FW) with built-in cooling channels for ITER test blanket module. This paper summarizes the current status of our investigation on optimization of HIP condition to obtain the excellent joints and evaluation of FW fabrication process. The pre-HIP treatments, such as pre-heating condition to degas, were optimized to decrease oxidation on the joint surfaces which cause degradation of impact properties. With optimized pre-HIP treatment conditions, toughness of the joint was as well as that of the base metal. As for a component fabrication, a FW full-scale mockup has been developed using a RAFM. The deformation due to HIP process was within allowance level due to bracing. Moreover, fine-grained microstructure was obtained with optimized HIP condition and post HIP heat treatment.

論文

Irradiation temperature determination of HFIR target capsules using dilatometric analysis of silicon carbide monitors

廣瀬 貴規; 大久保 成彰; 谷川 博康; 加藤 雄大*; Clark, A. M.*; McDuffee, J. L.*; Heatherly, D. W.*; Stoller, R. E.*

DOE/ER-0313/49, p.94 - 99, 2010/12

The objective of this work is to determine the irradiation temperatures of the HFIR target capsules JP-26 and JP-27, which were conducted under the Collaboration on Fusion Materials between Japan Atomic Energy Agency and the United States Department of Energy. The irradiation temperatures of the HFIR target capsules JP-26 and JP-27 were determined by dilatometric analysis of silicon carbide (SiC) passive temperature monitors. The monitors from holders for SSJ3 tensile specimens demonstrated good agreement with the design temperatures derived from finite element model (FEM) analysis and were consistent with post-irradiation hardness of F82H. Although the irradiation temperatures for some bend-bar (PCCVN and DFMB) holders were higher than FEM analysis, hardness tests on irradiated F82H implied that actual irradiation temperatures were close to the design temperatures.

論文

Packing experiment of breeder pebbles into water cooled solid breeder test blanket module for ITER

廣瀬 貴規; 関 洋治; 谷川 尚; 谷川 博康; 鶴 大悟; 榎枝 幹男; 芹沢 久*; 山岡 弘人*

Fusion Engineering and Design, 85(7-9), p.1426 - 1429, 2010/12

 被引用回数:8 パーセンタイル:53(Nuclear Science & Technology)

固体増殖水冷却方式のITERテストブランケットモジュール開発の一環として、低放射化フェライト鋼を用いた実規模トリチウム増殖層を試作した。トリチウム増殖層は、中性子効率の観点から、薄肉の部材で製作することが必要であり、1.5$$times$$4$$times$$990mm$$^{3}$$の薄板と$$Phi$$11$$times$$1$$times$$990mm$$^{3}$$の円管をファイバーレーザ溶接法により接合し、74$$times$$112$$times$$990mm$$^{3}$$のトリチウム増殖層を試作した。この方法により、強度低下が問題となる溶接熱影響部を最小化し、構造材料が冷却水に接する部分への溶接熱影響を排除することに成功した。さらに試作した増殖層へLi$$_{2}$$TiO$$_{3}$$ペブルを充填し、X線CT検査によりその充填率が増殖層に渡ってほぼ均質であることを確認した。

論文

Numerical simulation of turbulent flow of coolant in a test blanket module of nuclear fusion reactor

関 洋治; 大西 陽一*; 吉河 朗; 谷川 尚; 廣瀬 貴規; 大図 章; 江里 幸一郎; 鶴 大悟; 鈴木 哲; 横山 堅二; et al.

Proceedings of Joint International Conference of 7th Supercomputing in Nuclear Application and 3rd Monte Carlo (SNA + MC 2010) (USB Flash Drive), 4 Pages, 2010/10

日本原子力研究開発機構は、ITERでの核融合環境下で総合的機能試験が実施される予定のテストブランケットモジュール(TBM)として、水冷却方式固体増殖ブランケットの研究開発を進めてきた。TBMは、おもに第一壁,2つの側壁,後壁と増殖材充填に必要な隔壁であるメンブレンパネルによって構成される。また、冷却材である高温高圧水(入口温度553K,出口温度598K,15MPa)は、TBM内部の並行多流路管群を流動する。本研究では、数値流体計算の結果を実規模大並列多流路の実験値と比較することにより、実現象との整合性を実証し、機器設計に際する流体挙動及び侵食腐食の予測手法の確立を目的とする。TBM側壁内部に存在する並列多流路管内を流れる冷却材を対象に、乱流モデル及びLES(標準スマゴリンスキーモデル)を用いて、数値流体計算を実施した。流体計算による室温条件での各流量分配は、複雑流路である実規模大並列多流路の実験値とほぼ一致することを確認した。数値流体計算の予測手法の妥当性を示したことにより、高温高圧水条件の設計に際しても有効な予測手段の一つとして実証した。

報告書

核融合原型炉SlimCSの概念設計

飛田 健次; 西尾 敏*; 榎枝 幹男; 中村 博文; 林 巧; 朝倉 伸幸; 宇藤 裕康; 谷川 博康; 西谷 健夫; 礒野 高明; et al.

JAEA-Research 2010-019, 194 Pages, 2010/08

JAEA-Research-2010-019-01.pdf:48.47MB
JAEA-Research-2010-019-02.pdf:19.4MB

発電実証だけでなく、最終的には経済性までを一段階で見通しうる核融合原型炉SlimCSの概念設計の成果を報告する。核融合の開発では、これまで、1990年に提案されたSSTR(Steady State Tokamak Reactor)が標準的な原型炉概念とされてきたが、本研究はSSTRより軽量化を図るため小規模な中心ソレノイドを採用して炉全体の小型化と低アスペクト比化を図り、高ベータ及び高楕円度(グリーンワルド密度限界を高めうる)を持つ炉心プラズマにより高出力密度を目指した。主要パラメータは、プラズマ主半径5.5m,アスペクト比2.6,楕円度2.0,規格化ベータ値4.3,核融合出力2.95GW,平均中性子壁負荷3MW/m$$^{2}$$とした。この炉概念の技術的成立性を、プラズマ物理,炉構造,ブランケット,超伝導コイル,保守及び建屋の観点から検討した。

論文

Interfacial properties of HIP joints between beryllium and reduced activation ferritic/martensitic steel

廣瀬 貴規; 安堂 正己; 荻原 寛之*; 谷川 博康; 榎枝 幹男; 秋場 真人

Fusion Engineering and Design, 85(5), p.809 - 812, 2010/08

 被引用回数:2 パーセンタイル:19.27(Nuclear Science & Technology)

ITERテストブランケットモジュール第一壁開発の一環として、熱間等方圧加圧法(HIP: Hot Isostatic Pressing)により、プラズマ対抗材料であるベリリウムとブランケットの構造材料である低放射化フェライト/マルテンサイト鋼F82Hの異材継手を試作した。接合強度特性試験,接合界面の微細組織観察及び接合界面の元素分析の結果から、HIPはF82Hの焼き戻し温度条件で実施することが有効であることを得た。接合強度は、F82H側へのベリリウム拡散距離の二乗に反比例する傾向を示した。拡散の抑制には、ベリリウム表面へのクロム蒸着が有効であり、試作した継手はITER遮蔽ブランケット第一壁におけるベリリウムと銅合金の異材継手と同等以上の強度を達成した。

論文

Manufacturing technologies of breeding blanket components using reduced activation ferritic/martensitic steel

廣瀬 貴規; 谷川 博康; 榎枝 幹男

Proceedings of 2010 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2010) (CD-ROM), p.263 - 266, 2010/07

低放射化フェライト鋼は、通常厚肉部材として使用される市販の9Cr系耐熱鋼の類似鋼であるが、水冷式固体増殖方式増殖ブランケットでは薄肉構造として使用され、その製作工程では、熱間等方圧加圧法(HIP法)やファイバー・レーザー溶接のような新しい技術が必要である。本研究では、これらの技術を利用し、低放射化フェライト鋼製の実規模部品の試作及び試作品の性能試験を行い、非照射環境で試作品がブランケットの運転条件の元で健全であることを確認した。HIP法で製作した第一壁構造体は、熱負荷試験により接合欠陥に起因するホットスポットがないことを確認し除熱特性の健全性を評価できた。しかし、HIP接合で導入され得る面欠陥は既存の非破壊検査技術では検出が極めて困難であるが、接合部の破壊靱性を大幅に低下させることが知られている。したがって、この面欠陥を非破壊で検出する検査手法の開発が必要であるといえる。

論文

Compact DEMO, SlimCS; Design progress and issues

飛田 健次; 西尾 敏; 榎枝 幹男; 川島 寿人; 栗田 源一; 谷川 博康; 中村 博文; 本多 充; 斎藤 愛*; 佐藤 聡; et al.

Nuclear Fusion, 49(7), p.075029_1 - 075029_10, 2009/07

 被引用回数:125 パーセンタイル:98.18(Physics, Fluids & Plasmas)

最近の核融合原型炉SlimCSに関する設計研究では、おもに、ブランケット,ダイバータ,材料,保守を含む炉構造の検討に重点を置いている。この設計研究における炉構造の基本的考え方とそれに関連する課題を報告する。楕円度のついたプラズマの安定化と高ベータ化のため、セクター大の導体シェルを交換ブランケットと固定ブランケット間に設置する構造とした。また、ブランケットには、加圧水冷却,固体増殖材を採用することとした。従来の原型炉設計で検討していた超臨界水冷却を利用するブランケット概念に比べ、トリチウム自給を満足するブランケット概念の選択肢はかなり絞られる。ダイバータ技術やその材料について考慮すると、原型炉のダイバータ板での熱流束上限は8MW/m$$^{2}$$以下とすべきであり、これは原型炉で取り扱うパワー(すなわち、アルファ加熱パワーと電流駆動パワーの和)に対して大きな制約となりうる。

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