Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
深田 幸正; 青柳 佑海人*; 横山 美沙紀*; 堀部 陽一*; 狩野 旬*; 金田 美優*; 藤井 達生*; 吉越 章隆; 小畠 雅明; 福田 竜生; et al.
Journal of Electronic Materials, 54, p.686 - 692, 2025/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Engineering, Electrical & Electronic)カーボンナノウォール(CNW)は、基板に対して垂直に配向した高密度の多層グラフェンである。我々はメタンやエチレン等の炭化水素ガスを用いないCNWの簡易的な合成方法を開発した。この方法ではCNWの原料として固体炭素を用いる。アルゴンガスへのマイクロ波照射によって発生したアルゴンプラズマが固体炭素源に衝突すると炭素プラズマが生成する。この炭素プラズマが800から900C程度の基板に数分間衝突し続けるとCNWが形成されることがわかった。CNWを構成する多層グラフェンの品質、サイズ、層間距離は、ラマン分光法、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡を用いて評価した。さらに、我々はCNWの構造に着目し吸着材としての応用可能性を調べた。CNWを陰極として用いることでCs水溶液中のCsの吸着を試みた。陰極として用いたCNWをX線光電子分光(XPS)で調べた結果、CsはCNWを構成するグラフェン層の間に吸着することがわかった。また、電着時間が長ければ長いほどグラフェン層間へのCsの吸着が増加することが分かった。この吸着効果は放射性同位元素である
Csを含む汚染水の浄化等の用途に有用であると考えられる。
堀部 陽一*; 森 茂生*; 池田 直*; 吉井 賢資; 前野 宏志*; 村上 恭和*
Ferroelectrics, 584(1), p.20 - 30, 2021/00
被引用回数:2 パーセンタイル:11.12(Materials Science, Multidisciplinary)鉄3d電子の電荷秩序により強誘電性を示すRFeO
につき(R: Y, Lu)、希土類イオン半径の異なる2つの系の結晶構造と電荷秩序構造の温度変化を透過電子顕微鏡観測により調べた。この系はFe-Oの三角格子が積み重なった2次元性の強い構造を持つが、YFe
O
およびLuFe
O
の両者とも、電子線回折像は室温以上において3次元的な電荷秩序構造の存在を示した。また、実空間像の観測からは、YFe
O
の電荷秩序のほうが、LuFe
O
のそれよりも3次元性が強いことが判明した。この実験事実を結晶構造と関連付けて説明した。Fe-O面内方向の格子定数を基準とした場合、面間方向の格子定数は、Y系のほうがLu系のほうが短くなる。すなわち、面間方向のFe電子の相互作用はY系のほうが強いと推測される。よって、YFe
O
はFe-O面内の2次元的な電荷秩序に加え、面間方向の電荷秩序も発達しやすい系であり、結果として3次元的な等方向的な秩序相が出現しやすいと結論した。
吉井 賢資; 池田 直*; 西畑 保雄; 真栄田 大介*; 福山 諒太*; 永田 知子*; 狩野 旬*; 神戸 高志*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
Journal of the Physical Society of Japan, 81(3), p.033704_1 - 033704_4, 2012/03
被引用回数:12 パーセンタイル:56.50(Physics, Multidisciplinary)磁性と誘電性が共存するマルチフェロイックFe
O
(
=Y, Er, Tm, Yb, Lu and In)の交換バイアスを観測した。小さい
イオンの場合(
=Tm, Yb, Lu and In)、100-150K以下で交換バイアス磁場は1kOe以上の大きな値を示した。この性質は、強磁性的相互作用と反強磁性相互作用の競合に由来する磁気的グラス状態により発現する。交換バイアス磁場は、
イオンを小さくすると大きくなる傾向を示した。すなわち、
サイト元素を置換することにより交換バイアスを制御できる可能性が示され、応用的にも興味深い結果が得られた。
堀部 陽一*; 池田 直*; 吉井 賢資; 森 茂生*
Physical Review B, 82(18), p.184119_1 - 184119_5, 2010/11
被引用回数:9 パーセンタイル:39.42(Materials Science, Multidisciplinary)電子強誘電性を示す標記酸化物につき、透過電子線回折により低温構造を調べた。100K以下で、/14 2/7 1/14という特徴的な長周期構造を持つ鉄電荷秩序が現れることを見いだした。これは誘電性を持たない構造であり、また、室温近傍の強誘電状態である、1/3 1/3
/2(
:整数)とは全く異なる状態である。低温での高分解能実空間像からは、FeとY相両方に超格子変調構造が見られた。これらにより、この系特有の長周期構造がY層の格子歪に由来すること、すなわちこの系の誘電性がFe層の電荷秩序状態のみならず希土類層の歪みに左右されていることを議論する。
堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*
Physical Review B, 80(9), p.092104_1 - 092104_4, 2009/09
被引用回数:18 パーセンタイル:58.32(Materials Science, Multidisciplinary)電子強誘電体YFeO
について、酸素量と構造の関係を透過電子線回折によって調べた。低温から温度を上げたときの回折パターンは、強誘電相での鉄電荷秩序に由来する(1/3 1/3 1/2)反射から、約100K以上の常誘電相では(1/3 1/3
)型の散漫散乱へと変わり、さらに高温の数百K以上ではジグザグ型の散漫散乱へと変化した。また、酸素欠損を増やした試料での測定からは、Fe-O面間の相関は減少するが、[110]方向の超構造は残ることがわかった。これらの結果から、表記系における、2次元面内の電荷秩序の安定性とFe-O面間の相互作用の重要性について議論する。
松尾 祥史*; 平田 秋彦*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*
Ferroelectrics, 380(1), p.56 - 62, 2009/06
被引用回数:6 パーセンタイル:28.47(Materials Science, Multidisciplinary)誘電体LuFeO
(
=Cu, Co)につき、透過電子線回折測定によってナノ構造を観察した。この系は、われわれが発見した電荷秩序型新規強誘電体
Fe
O
(
=Y, Ho-Lu)のFeサイト置換物質である。LuFeCuO
については、1/3 1/3 0付近にジグザグ型の散漫なストリークとスポットが観測された。これは、この系の三角格子上でFe
とCu
がイオン秩序していることを示す。このイオン秩序は、
Fe
O
において観測されている、電気双極子を伴う鉄電荷秩序構造と類似構造である。すなわち、このイオン秩序構造が室温での100程度の誘電率の起源と考えられる。実空間観察からは、5
10nmのナノサイズのドメインが観測された。一方、LuFeCoO
については、ハニカム型の電子線回折パターンが観測された。これは、極めて小さい領域でのFe
とCo
の秩序構造と考えられ、LuFeCuO
同様、この秩序構造が1000程度の誘電率の起源と推測される。また、LuFeCoO
においては実空間においてドメイン構造は観測されなかった。
吉井 賢資; 池田 直*; 道内 尊正*; 横田 祐輔*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
Journal of Solid State Chemistry, 182(7), p.1611 - 1618, 2009/06
被引用回数:15 パーセンタイル:50.31(Chemistry, Inorganic & Nuclear)YbFeMn
O
の磁性と誘電性を調べた(0
x
1)。この系は、筆者らが発見した新しいマルチフェロイック物質RFe
O
(R=Y, Ho-Lu)のFeサイト置換系である。粉末X線回折測定を行ったところ、xが0から1の間で混晶となっていることを観測した。放射光吸収分光からは、Mnの価数は2+であることがわかった。この結果から、xとともに低温磁化が小さくなるという、磁化測定の結果を定性的に説明した。また、磁気転移温度及び誘電率は、xを増加するとともに減少した。この結果を、Feサイトの電子移動の減少によって説明した。すなわち、筆者らのこれまでの関連系の実験結果から、RFe
O
と同構造系の磁性と誘電性は電子移動によって支配されており、イオン変位が重要である通常の誘電体とは異なることを提言した。また、RFe
O
でのMn置換に関する応用可能性についても簡単に言及した。
森 茂生*; 篠原 聡*; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*
Japanese Journal of Applied Physics, 47(9), p.7595 - 7598, 2008/09
被引用回数:13 パーセンタイル:46.08(Physics, Applied)新規強誘電体Fe
O
(
=Y,Ho-Lu)の一つであるYFe
O
の性質を、おもに電子線回折によって調べた。室温における測定では、強誘電性の起源である、ab面内に3倍周期を持つ鉄電荷秩序が観測された。また、c軸方向には2倍の長周期構造が発生していることもわかった。温度を変えて行った測定では、高温600K近傍では、基本単位格子(空間群
)に由来する反射のみが観測された。温度を下げると、500K近傍では、上述のab面内の3倍周期構造が現れ、室温近傍ではそれに加えてc軸方向に2倍周期が現れる。試料温度100K以下では、[119]方向に7倍周期という、この物質に特徴的な構造が出現することがわかった。これらの結果を、誘電特性と関連付けて議論する。
吉井 賢資; 池田 直*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
Inorganic Chemistry, 47(14), p.6493 - 6501, 2008/07
被引用回数:28 パーセンタイル:72.81(Chemistry, Inorganic & Nuclear)InFeO
, InFeCuO
及びInGaCuO
の磁性と誘電性について調べた。これらは、鉄電荷の秩序化で強誘電性を発現する、新規強誘電体RFe
O
(R:希土類)と同じ構造を持つ酸化物である。放射光吸収分光からは、インジウムの原子価は3+であり、構成イオンの価数は対応する希土類系と同様である。物性測定からも、対応する希土類系と類似の性質が見いだされた。特徴的な結果として、磁気転移温度と誘電率が、InFe
O
, InFeCuO
及びInGaCuO
の順に低下することが見いだされた。この結果を交流電気抵抗率と照らし合わせ、RFe
O
構造を持つ物質の誘電性が電子の移動と関係していることを提案する。これは、通常の誘電体のように、イオンの変位によって誘電性を発現する機構とは異なるものである。
松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*; 森 茂生*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(1), p.31 - 34, 2008/03
最近われわれは、LuFeO
が、鉄イオンの電荷が実空間整列することで強誘性を示すという、全く新しいタイプの強誘電体であることを見いだした。本研究では、この物質の鉄を銅に置き換えた、LuFeCuO
の性質を調べた。誘電率測定からは、300K付近において誘電分散が見いだされ、この物質が常誘電体であることがわかった。また、透過電子線回折実験から、ジグザグ上の散漫散乱が見られた。さらに、この実験の実空間像観察からは、10nm程度のナノサイズドメインが見られ、鉄イオンと銅イオンの実空間秩序が存在することがわかった。この秩序構造は、LuFe
O
の鉄イオンの電荷秩序と類似のイオン配列である。これらの結果から、鉄イオンと銅イオンの短距離秩序構造がこの物質の誘電性の起源であることが示唆される。
喜多川 修二*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 鈴木 宗泰*; 野口 祐二*; 西原 禎文*; 細越 裕子*; 森 茂生*
Transactions of the Materials Research Society of Japan, 33(1), p.27 - 30, 2008/03
BiFeO-BaTiO
混晶系の強誘電ドメイン構造について、透過電子顕微鏡測定及び磁化・誘電率測定によって調べた。BiFeO
においては大きな強誘電ドメインが観測されるが、25%BaTiO
を混ぜた0.75BiFeO
-0.25BaTiO
においては、ドメインサイズが20
30nm程度に小さくなることがわかった。さらにBaTiO
を増やした0.66BiFeO
-0.33BaTiO
では、局所的な歪場に起因するツイード的なパターンが観測された。さらに、広い領域の電子顕微鏡実空間像の観測から、強誘電ドメインの分布とその分極方向について議論した。
喜多川 修二*; 尾崎 友厚*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 森 茂生*
Ferroelectrics, 376(1), p.122 - 128, 2008/00
被引用回数:16 パーセンタイル:55.42(Materials Science, Multidisciplinary)(1-x)BiFeO-xBaTiO
の強誘電ドメイン構造について、透過電子線回折によって調べた。x=0の系(BiFeO
)は、強誘電性と磁気秩序が共存するマルチフェロイック系であり、カレントトピックスとなっている物質である。また、x=1のBaTiO
は古くからよく知られた強誘電体である。両者の混晶を作ることで誘電性・磁性の特性が向上することを目指して、近年盛んに研究が行われている。電子線回折実験の結果、x=0.25の試料では、BiFeO
(x=0)に存在する大きな強誘電ドメインが、混晶化によって20-30nm程度の小さなドメインへと変化していることがわかった。ドメインの自発分極とその方向は、暗視野像の観測によって決定した。xに対する強誘電ドメインの構造変化や温度変化についても調べたので報告する。
吉井 賢資; 池田 直*; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
Physical Review B, 76(2), p.024423_1 - 024423_12, 2007/07
被引用回数:100 パーセンタイル:93.36(Materials Science, Multidisciplinary)標記の酸化物の磁性と誘電性について調べた。Fe
O
に関しては、磁気転移温度が250Kで、室温で10000程度の比誘電率を示した。前者は鉄スピンの弱強磁性、後者は鉄イオンの電荷秩序に由来するものであることは従来の研究からわかっている。鉄サイト置換したところ、磁気転移温度も比誘電率も、
Fe
O
,
Fe
O
,
GaCuO
の順に低下することがわかった。また、鉄サイト置換系では、磁気秩序は
Fe
O
に比べて短距離秩序となっていること、また、誘電ドメインのサイズにばらつきが生ずることがわかった。これらの実験事実を、3d遷移金属間の電子移動と関連して議論する。
松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*; 吉井 賢資; 池田 直*
Journal of Magnetism and Magnetic Materials, 310(2, Part2), p.e349 - e351, 2007/03
LuFeO
の鉄を銅に置換した場合の電荷秩序構造の変化を透過電子顕微鏡と磁化測定によって調べた。LuFe
O
の鉄イオンの電荷秩序は、10-20nmの領域の3倍周期の秩序構造によって特徴付けられることがわかった。ところが、鉄を置換したLuFeCuO
においては、電荷秩序は抑えられるとともに結晶の局所歪が散漫散乱として観測された。磁化測定からは、LuFe
O
の磁気転移温度が250K付近に対し、LuFeCuO
のそれは50K程度であった。以上の実験結果は、鉄を銅に置換したことによる希釈効果に由来すると考えた。
松尾 祥史*; 篠原 聡*; 森 茂生*; 堀部 陽一*; 吉井 賢資; 池田 直*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.966 (Internet), 6 Pages, 2007/03
透過電子顕微鏡により、LuFeO
の電荷秩序につき、Fe
をCu
に置換した効果について調べた。LuFe
O
の電荷秩序は、3倍周期を持つ10-20nmスケールのドメインの存在によって特徴付けられる。一方、Cu置換した場合(LuFeCuO
)には、電荷秩序は起こらなくなり、局所歪みが発生することが観測された。実空間の格子像からは、三角格子上のFe
とCu
の短距離秩序を持つナノスケールのクラスターの存在が見いだされた。また、磁化測定からは、LuFeCuO
の磁気転移温度は50Kと、LuFe
O
の250Kより大幅に低いことがわかった。
池田 直*; 大隅 寛幸*; 大和田 謙二; 石井 賢司; 稲見 俊哉; 加倉井 和久; 村上 洋一*; 吉井 賢資; 森 茂生*; 堀部 陽一*; et al.
Nature, 436(7054), p.1136 - 1138, 2005/08
被引用回数:846 パーセンタイル:99.76(Multidisciplinary Sciences)SPring-8の放射光を用いた共鳴X線散乱実験,焦電気測定及び誘電分散測定により、混合原子価鉄イオンを含む複合酸化物LuFeO
は、全く新しいカテゴリーに属する強誘電体であることがわかった。本系では、三角格子上において、鉄イオン間に電荷相互作用のフラストレーションが存在する。このフラストレーションは、2価と3価の鉄イオンの長周期電荷秩序構造を安定化し、その結果として、電子の密度分布変調による誘電分極を発生する。この強誘電発現機構は、基礎科学的に興味深いだけでなく、電荷・スピン・軌道といった電子の自由度により制御された、次世代の強誘電デバイス開発の可能性をも提供する大きなインパクトを持つものである。
吉井 賢資; 米田 安宏; 池田 直*; 松尾 祥史*; 星山 卓也*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
no journal, ,
電子強誘電体RFeO
(R:希土類)について、Feを他の元素に置換した場合の物性等について調べた。固相反応法により合成した場合、MnはFeと連続固溶し、RFe
Mn
O
の化学式において、0
x
1の範囲で単相試料が得られた。一方、Cuなど他の元素を置換した場合には、限られた範囲でしか元素置換は行えなかった。たとえば、Ga置換する場合には、Feの全量に対して20パーセントほどの置換しか行えなかった。磁性・誘電性測定からは、元素置換した場合には、磁化及び誘電率は低下することがわかった。RFe
O
の誘電性の起源から推測し、これはFeイオンサイト間の電気伝導が抑えられたためと考えた。これらのほか、電子線回折や放射光実験の結果も加え、元素置換した場合のRFe
O
の性質についての多角的なデータを報告・議論する。
吉井 賢資; 池田 直*; 岡島 由佳; 米田 安宏; 松尾 祥史*; 堀部 陽一*; 森 茂生*
no journal, ,
鉄電荷の実空間秩序によって強誘電性を示す新規強誘電体RFeO
につき(R:希土類)、その鉄サイト置換物質及び、希土類サイトをインジウムに置換した物質に関して磁性と誘電性を調べた。実験の結果、磁気転移温度と誘電率の値が抵抗率と相関を持って変化をすることがわかった。RFe
O
の誘電性の発現機構から考え、この結果は、この系の磁性も誘電性も、電子の移動に由来することを示唆する。
深田 幸正; 青柳 佑海人*; 横山 美沙紀*; 堀部 陽一*; 狩野 旬*; 金田 美優*; 藤井 達生*; 吉越 章隆; 小畠 雅明; 福田 竜生; et al.
no journal, ,
カーボンナノウォール(CNW)は層状グラフェンが基板に対して垂直に成長した物質である。特徴的な構造を持つCNWは様々な応用が検討されており、それらの一つに、電気化学的手法を用いた吸着材としての利用がある。我々はArプラズマ中に設置した活性炭から生成されるプラズマをシリコン基板に照射することでCNWの合成に成功した。合成したCNWの状態を調べるために走査型電子顕微鏡と透過型電子顕微鏡を用いた。これらの結果から、100200nm程度のサイズを持つ数枚のグラフェンの積層構造がシリコン基板に対して垂直に形成されていることが分かった。これを負極として10mmol/Lの塩化セシウム水溶液に浸漬させ、4mAの電流を一定時間印加してCsイオンを吸着させたサンプルを得た。X線光電子分光の結果は電気化学的手法を用いることによってCsイオンがグラフェンの層間に取り込まれたことを示唆する。