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論文

Addendum: Site occupancy of interstitial deuterium atoms in face-centred cubic iron

町田 晃彦*; 齋藤 寛之*; 杉本 秀彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 片山 芳則*; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.

Nature Communications (Internet), 15, p.8861_1 - 8861_2, 2024/10

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Multidisciplinary Sciences)

前回の論文(Nature Commun. 5, 5063 (2014))では、988Kと6.3GPaで収集した中性子粉末回折パターンのリートベルト精密化によって、fcc Fe金属格子に溶解したD原子のサイト占有率を調べた。fcc金属格子には、八面体サイトと四面体サイトの2つのD原子収容可能な格子間サイトがある。リートベルト精密化により、D原子は主に八面体サイトを0.532占有し、わずかに四面体サイトを0.056占有することがわかった。その後、Antonov (Phys. Rev. Mater. 2019))による密度汎関数理論(DFT)計算の結果、四面体サイトの占有エネルギーは八面体サイトの占有エネルギーよりも著しく高く、988Kの高温でも四面体サイトの占有は起こりにくいことがわかった。消衰補正は粉末回折パターンに適用されることはまれであり、前回の精密化には含まれていなかった。その結果、八面体の占有率は0.60に増加し、四面体の占有率はゼロに減少した。D原子の八面体サイトのみの占有は、以前の結果とは対照的ではあるが、DFT計算と一致している。

論文

Hydroxyl group/fluorine disorder in deuterated magnesium hydroxyfluoride and behaviors of hydrogen bonds under high pressure

He, X.*; 鍵 裕之*; 小松 一生*; 飯塚 理子*; 岡島 元*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 町田 真一*; 阿部 淳*; 後藤 弘匡*; et al.

Journal of Molecular Structure, 1310, p.138271_1 - 138271_8, 2024/08

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Physical)

重水素化ヒドロキシフルオロマグネシウム[理想組成はMg(OD)F]のO-D$$cdotcdotcdot$$F水素結合の高圧応答を中性子粉末回折とラマン分光法を用いて調べた。常温でのリートベルト解析の結果、化学組成はMg(OD)$$_{0.920(12)}$$F$$_{1.080(12)}$$であり、結晶構造中で水酸基/フッ素(OD/F)が無秩序化して、2つの水素結合配置が生じていることが分かった。構造解析の結果、水素結合配置は9.8GPaまで維持され、圧力による水素結合の強化は見られなかった。常圧でのラマンスペクトルでは、2613, 2694, 2718cm$$^{-1}$$に3つの水酸基伸縮バンドが観測された。O-D伸縮モードの周波数が高いことから、ヒドロキシル基は弱い水素結合相互作用、あるいは水素結合を持たないことが示唆された。20.2GPaまでは、2694cm$$^{-1}$$を中心とするモードは圧力によってブルーシフトを示し、水素結合は圧縮されても強化されないことが明らかになった。これは、中性子回折の結果と一致した。水素結合の存否と、常圧および高圧での水酸基のブルーシフトの原因について議論した。

論文

Hydrogen occupation and hydrogen-induced volume expansion in Fe$$_{0.9}$$Ni$$_{0.1}$$D$$_x$$ at high $$P-T$$ conditions

市東 力*; 鍵 裕之*; 柿澤 翔*; 青木 勝敏*; 小松 一生*; 飯塚 理子*; 阿部 淳*; 齋藤 寛之*; 佐野 亜沙美; 服部 高典

American Mineralogist, 108(4), p.659 - 666, 2023/04

 被引用回数:5 パーセンタイル:76.36(Geochemistry & Geophysics)

Fe$$_{0.9}$$Ni$$_{0.1}$$H$$_x$$(D$$_x$$)の12GPa, 1000Kまでの高温高圧下における相関係と結晶構造をその場X線及び中性子回折測定により明らかにした。今回実験した温度圧力下において、Fe$$_{0.9}$$Ni$$_{0.1}$$H$$_x$$(D$$_x$$)ではFeH$$_x$$(D$$_x$$)とは異なり、重水素原子は面心立方構造(fcc)中の四面体サイトを占有しないことが明らかになった。単位重水素あたりの水素誘起膨張体積$$v_mathrm{D}$$は、fcc相で2.45(4) $AA$^3$$、hcp相で3.31(6) $AA$^3$$であり、FeD$$_x$$におけるそれぞれの値より著しく大きいことが明らかになった。また、$$v_mathrm{D}$$は温度の上昇に伴いわずかに増加した。この結果は、鉄に10%ニッケルを添加するだけで、金属中の水素の挙動が劇的に変化することを示唆している。$$v_mathrm{D}$$が圧力に関係なく一定であると仮定すると、地球内核の最大水素含有量は海洋の水素量の1-2倍であると推定される。

論文

Behavior of light elements in iron-silicate-water-sulfur system during early Earth's evolution

飯塚 理子*; 後藤 弘匡*; 市東 力*; 福山 鴻*; 森 悠一郎*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 鍵 裕之*

Scientific Reports (Internet), 11(1), p.12632_1 - 12632_10, 2021/06

 被引用回数:4 パーセンタイル:28.83(Multidisciplinary Sciences)

FeNi合金からなる地球核は、H, C, O, Si, Sなどの軽元素を含んでいると考えられている。その中でHは、宇宙に最も存在する元素であり、最も有望な候補である。これまでの我々の中性子回折実験から、鉄-水系において、水素が他の元素より優先的に鉄に取り込まれることが分かっている。今回、初期地球の組成で水を含んだ鉄-ケイ酸塩系において、Sが及ぼす影響を調べた。その結果、一連の鉄の相転移、含水ケイ酸塩の脱水酸基およびカンラン石・輝石の形成を観察した。またFeの共存相としてFeSが現れた。Hがいる条件でもFeSの格子体積が一定であることから、FeSに水素は入らず、FeSはむしろFeの水素化を阻害することがわかった。高温高圧下から回収された試料を観察すると、FeにはHとSが入っており、HおよびSはFe(H$$_{x}$$)-FeS系の融点を下げる効果があることが分かった。一方回収試料には、C, O, Siなどの他の軽元素は含まれていないため、地球核形成時には、まずFeH$$_{x}$$およびFeSができ、その後さらに高温高圧下でFeHxやFeSが融解した後でないと、それらは核に取り込まれないことが分かった。

論文

Neutron diffraction study of hydrogen site occupancy in Fe$$_{0.95}$$Si$$_{0.05}$$ at 14.7 GPa and 800 K

森 悠一郎*; 鍵 裕之*; 柿澤 翔*; 小松 一生*; 市東 力*; 飯塚 理子*; 青木 勝敏*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; et al.

Journal of Mineralogical and Petrological Sciences, 116(6), p.309 - 313, 2021/00

 被引用回数:2 パーセンタイル:11.56(Mineralogy)

地球のコアは、対応する圧力温度条件下で純鉄よりも密度が10%低いため、いくつかの軽元素を含んでいると考えられている。水素はその有力候補であるため、これまで主にFe-H系の相平衡関係や物性が調べられてきた。この研究では、14.7GPaおよび800Kでのhcp-Fe$$_{0.95}$$Si$$_{0.05}$$水素化物の重水素のサイト占有率を調べるために、その場中性子回折実験によりFe-Si-Hシステムを具体的に調べた。リートベルト解析の結果、hcp-Fe$$_{0.95}$$Si$$_{0.05}$$水素化物はhcp格子の格子間八面体サイトにのみ重水素(D)が0.24(2)占有することが判明した。Feに2.6wt%Siを添加する(つまりFe$$_{0.95}$$Si$$_{0.05}$$)ことによるDのサイト占有率への影響は、Fe-D系の先行研究で得られた結果と比較して無視できる程度であった(Machida et al., 2019)。

論文

Crystal and magnetic structures of double hexagonal close-packed iron deuteride

齋藤 寛之*; 町田 晃彦*; 飯塚 理子*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 舟越 賢一*; 佐藤 豊人*; 折茂 慎一*; 青木 勝敏*

Scientific Reports (Internet), 10, p.9934_1 - 9934_8, 2020/06

 被引用回数:5 パーセンタイル:20.11(Multidisciplinary Sciences)

4-6GPaの圧力で1023-300Kに降温中の鉄重水素化物の中性子回折パターンを測定した。二重六方晶構造を持つ$$varepsilon$$'重水素化物は温度圧力に応じて他の安定または準安定相と共存し、673K, 6.1GPaではFeD$$_{0.68(1)}$$、603K, 4.8GPaではFeD$$_{0.74(1)}$$の組成を持つ固溶体を形成した。300Kに段階的に降温する際、D組成は1.0まで上昇し、一重水素化物FeD$$_{1.0}$$を生成した。4.2GPa, 300Kにおけるdhcp FeD$$_{1.0}$$において溶け込んだD原子は、中心位置から外れた状態で二重六方格子の八面体空隙のすべてを占めていた。また、二重六方晶構造は12%の積層欠陥を含んでいた。また磁気モーメントは2.11$$pm$$0.06B/Feであり、Feの積層面内で強磁性的に並んでいた。

論文

高温高圧下での鉄-ケイ酸塩-水系の中性子回折その場観察

飯塚 理子*; 八木 健彦*; 後藤 弘匡*; 奥地 拓生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美

波紋, 27(3), p.104 - 108, 2017/08

水素は太陽系で最も豊富にある元素で、地球核に含まれる軽元素の最も有力な候補である。しかしながら水素は、X線では見えないこと、常圧下では鉄から簡単に抜け出てしまうことから、その溶解量やプロセスは未知である。本研究では、J-PARCのPLANETを用い、鉄-含水鉱物系の高温高圧下中性子その場観察実験を行った。その結果、約4GPaで含水鉱物の分解によって生じた水が鉄と反応し鉄酸化物と鉄水素化物を生成することを確認した。この時生じた鉄水素化物は、さらに温度を挙げても安定であった。この反応は1000Kで起きたが、その他の物質に関して融解は起きなかった。このことは、地球形成期初期に水素が、他の軽元素に先んじて鉄に溶けることを示唆している。

論文

Hydrogenation of iron in the early stage of Earth's evolution

飯塚 理子*; 八木 健彦*; 後藤 弘匡*; 奥地 拓生*; 服部 高典; 佐野 亜沙美

Nature Communications (Internet), 8, p.14096_1 - 14096_7, 2017/01

AA2016-0524.pdf:0.73MB

 被引用回数:49 パーセンタイル:87.87(Multidisciplinary Sciences)

地球の核の密度は純鉄の密度よりも低く、核の中の軽い元素は長年の問題である。水素は太陽系内で最も豊富な元素であり、したがって重要な候補の1つである。しかし、これまで水素の鉄への溶解過程は不明であった。ここでは、高圧高温その場中性子回折実験を行い、含水鉱物の混合物が加熱されると、含水鉱物が脱水された直後に鉄が水素化されることを明らかにしている。これは、地球の進化の初期に、蓄積された原始物質が熱くなったときに、他の物質が溶けこむ前に水素の鉄への溶解が起こったことを意味する。これは、水素が地球進化の過程で鉄に溶解した最初の軽元素であり、その後のプロセスにおいて他の軽元素の挙動に影響を及ぼす可能性があることを示唆している。

論文

照射が向きそうな食品向きそうにない食品

千葉 悦子*; 飯塚 友子*; 市川 まりこ*; 鵜飼 光子*; 菊地 正博; 小林 泰彦

放射線と産業, (137), p.29 - 32, 2014/12

世界では食品照射が実用化されているが、日本では照射じゃがいも以外は食品衛生法で禁止され体験的な判断が難しい状況にある。本稿では我々の体験実験から、食品照射の良さを伝えやすい具体例を挙げ、健全なリスコミを推進したい。ニンニク, 次郎柿(甘柿), 白桃(モモ), ぶどう(4種), グリーンピース, 筍, 梨(新高・幸水), リンゴ(つがる・ふじ・シナノスイート), 乾燥果実(ブルーベリー・イチジク), 栗, ちりめんじゃこ, 茶(緑茶・紅茶・ウーロン茶), 牛乳, おつまみ昆布, かつお節削り節, 香辛料の保存性と食味の観点から照射の向き・不向きについて紹介した。りんごやぶどうは品種により向き不向きが異なる。乾燥果実では、脱酸素剤なしのブルーベリーは異臭がしたが、イチジクは問題なかった。照射時の酸素の有無等の条件や、料理の種類を含む使い方等により照射の向き不向きは異なり、限定的にしか使えない食品が多い。結果がばらつき向き不向きが判然としないものも多い。これまでの体験から、照射が非常に向くものは限られ、消費者は「今後、照射を許可される食品が増えても、適用対象は限定的」と冷静に考えられるだろう。

論文

Phase transitions and hydrogen bonding in deuterated calcium hydroxide; High-pressure and high-temperature neutron diffraction measurements

飯塚 理子*; 小松 一生*; 鍵 裕之*; 永井 隆哉*; 佐野 亜沙美; 服部 高典; 後藤 弘匡*; 八木 健彦*

Journal of Solid State Chemistry, 218, p.95 - 102, 2014/10

 被引用回数:7 パーセンタイル:32.07(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

重水素化したカルシウム水酸化物(Ca(OD)$$_{2}$$)の高圧その場中性子散乱実験を、J-PARCのパルス中性子を用い、パリ-エジンバラプレスとマルチアンビルプレスを用いて行った。常圧には回収できない、高圧常温相の水素位置を含めた原子位置を初めて求めた。高圧下において水素結合が曲がっていることが明らかになり、これはラマン分光の結果と調和的である。高温高圧相に関しては、先行研究の常圧下に回収して求められた構造と一致した。これらの観測結果から、高圧下における相転移はCaO多面体で構成される層のスライドと、Ca原子の変位、Ca-O再構成と水素結合の配向の変化によりおこることが明らかとなった。

論文

Site occupancy of interstitial deuterium atoms in face-centred cubic iron

町田 晃彦; 齋藤 寛之; 杉本 秀彦*; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝*; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.

Nature Communications (Internet), 5, p.5063_1 - 5063_6, 2014/09

 被引用回数:66 パーセンタイル:87.50(Multidisciplinary Sciences)

鉄と水素との反応は水素脆性などな材料科学の問題や、地球内核の鉄中の水素の有無なども地球科学の問題を考える上で重要であり、広く興味が持たれている。鉄は高温高水素圧力下において水素化物を形成するが、常温常圧では不安定であるため、水素化物の形成過程や状態を観測するには高温高圧力下でその場観察を行う必要がある。本研究ではJ-PARC/MLFのBL11 PLANETを利用して高温高圧力下中性子回折実験を実施し、鉄の重水素化過程および面心立方晶構造の鉄重水素化物における重水素原子の占有位置と占有率の決定を行い、これまで考えられていた八面体サイトだけでなく四面体サイトの一部も重水素原子が占有することを世界で初めて明らかにした。さらに量子力学的計算に基づいて二つのサイトを占有するメカニズムについて考察を行った。

論文

Pressure responses of portlandite and H-D isotope effects on pressure-induced phase transitions

飯塚 理子*; 鍵 裕之*; 小松 一生*; 牛嶋 大地*; 中野 智志*; 佐野 亜沙美; 永井 隆哉*; 八木 健彦*

Physics and Chemistry of Minerals, 38(10), p.777 - 785, 2011/12

 被引用回数:11 パーセンタイル:34.50(Materials Science, Multidisciplinary)

含水鉱物ポートランダイト(Ca(OH)$$_{2}$$)の高圧下におけるラマンスペクトル,IRスペクトル及びX線回折実験を行った。ラマンスペクトル,IRスペクトルの測定では、Ca(OH)$$_{2}$$では高圧相への相転移がCa(OD)$$_{2}$$よりも低圧でおき、相転移圧力には同位体による違いがあった。X線回折実験では高圧相が28.5GPaまで安定に存在し、以前報告のあったアモルファス化は静水圧条件下では見られないことが明らかになった。

論文

放射線照射によるニンニクの萌芽発根抑制効果

小林 泰彦; 菊地 正博; 等々力 節子*; 齊藤 希巳江*; 桂 洋子*; 亀谷 宏美*; 市川 まりこ*; 飯塚 友子*; 千葉 悦子*; 鵜飼 光子*

食品照射, 45(1-2), p.26 - 33, 2010/09

収穫から約2か月後の青森県産ニンニクに30Gy以上の$$gamma$$線を照射することによってほぼ完全に萌芽と発根を抑制できることがわかった。現在行われている低温倉庫でのCA貯蔵と高温処理の組合せよりも、低コストでニンニクの品質保持と周年供給が可能になるかもしれない。照射時期が1か月遅くなると萌芽抑制の効果は若干低下した。照射後の貯蔵温度による影響も考えられる。我が国で照射によるニンニク芽止め処理を実用化するには、生産地での収穫から出荷までの貯蔵環境を模擬しつつ、現在行われている周年供給のための長期貯蔵法と、品質及びコストの両面で比較検討する必要がある。

口頭

柿への放射線照射の効果や影響

千葉 悦子*; 飯塚 友子*; 市川 まりこ*; 内田 健*; 鵜飼 光子*; 菊地 正博; 小林 泰彦

no journal, , 

世界の多くの国で実用化されている食品照射が日本で理解されない理由として、国民の不安や、国民的コンセンサスの不足が言われる。そこで食のコミュニケーション円卓会議の有志は、食品照射について体験実験を通して自ら実感し、その情報を発信している。2011年に実験した柿の結果を踏まえ、照射後長く保存した場合の、照射の影響の有無や照射による食味の変化について実験を進めた。今回は、硬めだが何とか食べられる程度に熟した柿を照射し、20日間前後まで保存した試料について検討した結果を報告する。2011年に未熟柿を用い同じ産地・品種で実験した際にも、照射すると軟らかく熟す傾向が見られたが、今回、食べ頃の最後ぎりぎりまで追熟したところ、必ずしも照射品が軟らかいわけではなかった。このことから、照射後低温で保管すると食べ頃の時期がやや長くなる傾向があると考えられ、「熟度の調整」がしやすいようだ。今回、長期保存による著しい劣化はなかったので、柿の検疫処理として照射を検討する価値があるだろう。

口頭

市民が体験した食品照射の素朴な実感

市川 まりこ*; 飯塚 友子*; 蒲生 恵美*; 小堀 恵美子*; 渋谷 美智子*; 志保沢 久子*; 千葉 悦子*; 横山 勉*; 福冨 文武*; 等々力 節子*; et al.

no journal, , 

食品照射は、殺菌・殺虫・芽止め技術としての有用性と、食品としての健全性・安全性の知見に基づき、世界各国で実用化が進められ、特にアジア地域での拡大が著しいと言われている。しかし日本では、馬鈴薯の芽止め照射を除いて法的に禁止され、諸外国で多く実用化されている香辛料の照射殺菌も禁止されたままとなっている。その理由の一つが、リスク管理やリスク評価機関,研究者,事業者,一般市民の間での、相互理解の不足と考えられる。食品照射については、実際の照射食品を見る機会がなく、照射の現場も見たことがないままに、イメージや感情に左右された議論しかできていない現状にある。そこで、食品照射に関する生活科学の視点による実験体験を通して得られた素朴な実感を率直なメッセージとして発信することにより、一般の消費者にとってわかりやすい建設的な議論を広げるための取り組みを始めた。

口頭

高温高圧力下における鉄の重水素化過程のその場中性子回折

町田 晃彦; 齋藤 寛之; 服部 高典; 佐野 亜沙美; 遠藤 成輝; 綿貫 徹; 片山 芳則; 飯塚 理子*; 佐藤 豊人*; 松尾 元彰*; et al.

no journal, , 

高温高圧力下における金属の水素化反応を利用することによって、これまで新規水素化物の探索や水素誘起超多量空孔形成に関する研究が多く実施されている。水素-金属系で観測される現象の理解には格子間水素の情報が必要であるが、これまで高温高圧力下における結晶構造のその場観察は放射光X線回折実験に限られており、格子間水素の情報を得ることができなかった。我々はJ-PARC・MLFに建設された超高圧中性子回折装置PLANETを利用して、高温高圧力下での鉄の重水素化反応過程における中性子回折その場観察を実施し、反応過程の中性子回折パターンの取得に成功した。約680$$^{circ}$$Cにおける回折パターンに対してリートベルト解析を行い、この温度圧力条件での重水素組成と占有サイトの最適化を試みた。これらの結果について詳細に報告する。

口頭

香辛料への放射線照射の効果や影響

飯塚 友子*; 千葉 悦子*; 市川 まりこ*; 鵜飼 光子*; 菊地 正博; 小林 泰彦

no journal, , 

放射線照射は香辛料の色や香り、風味などの品質劣化を回避できる優れた殺菌殺虫手段である。これまで香辛料の食味試験では計量スプーンを用いていたため、今回は秤を用いて重さを合わせて比較した。過熱蒸気殺菌処理済み及び未処理の香辛料11種: 桂皮,カルダモン,ターメリック,赤唐辛子,クミン,コリアンダー,タイム,オレガノ,白コショウ,黒コショウ(以上、粉末), ロリエの葉(原体)を入手し、未処理品の半分を10kGy照射することで、加熱品,未処理品,照射品を用意して、この3区について色や香りの官能評価を行った。このうち、7種類の香辛料を使ってチキンカレーを作り、加熱品と照射品の比較をした。11種類の官能検査では、照射品で違いを感じなかったが、加熱品については違いを感じている人がどの香辛料でも多かった。風味の官能検査では、加熱品では色も風味も大きくばらついたが、照射品では色も風味も変化が小さかった。辛口カレーにすると、加熱品より照射品の方が風味も辛味も強く、好ましいという結果になった。日頃食べ慣れているカレーの好みや違いもあり、辛味や刺激の強いものを官能検査する場合には、調理や量の工夫や改善が必要と感じた。

口頭

覆土工における排水能力の評価

岡田 真理子*; 生田 勇輝*; 飯塚 敦*; 河井 克之*; 坂尾 亮太; 小原 義之

no journal, , 

岡山県と鳥取県の県境付近に位置する日本原子力研究開発機構の人形峠環境技術センターの廃砂たい積場では、鉱山保安法に基づき危害及び鉱害の防止を目的として跡措置工事を実施した。跡措置工事では、鉱さいへの雨水浸透量を低減することを目的のひとつとして覆土を設置した。複数の層から構成される覆土により雨水の覆土下位への浸透を抑制し、覆土に勾配を設けることで、側方に設置した排水路へ浸透した雨水を排水する構造である。本研究では覆土内の雨水の挙動の評価を目的として、覆土材料に対する土の保水性試験等の土質試験結果を参考とし、覆土内の浸透流解析を行った。解析には、土/水/空気連成有限要素解析プログラム「DACSER-MP」を用いた。

口頭

茶への放射線照射の効果や影響

飯塚 友子*; 市川 まりこ*; 千葉 悦子*; 鵜飼 光子*; 菊地 正博; 小林 泰彦

no journal, , 

食のコミュニケーション円卓会議では、食品照射について体験実験を通して自ら実感し、その情報を発信している。以前、インド国内及び欧州向けに殺菌目的で照射されたフェアトレード商品のティーバッグが過って日本に輸入され自主回収となったことがある。われわれはできるだけ広範囲の食品について食品照射の体験を積み上げたいと考え、殺菌線量での茶の照射を試した。紅茶・緑茶・ウーロン茶の茶葉に対して、照射をしても十分に美味ならば、照射処理が実用化できるかもしれないと考え、香りや風味の変化など品質と嗜好性への影響を検討した。その結果、茶3種類とも、照射が向くようだとわかった。これまで照射して味や風味が良い意味で強くなることは、香辛料以外ではあまり体験したことがなかったので、興味深かった。有用な食品照射技術について社会に発信し、実りあるリスクコミュニケーションを通じて消費者利益に繋げたい。

口頭

照射処理による野菜等の日持ち向上効果に関する検討

飯塚 友子*; 市川 まりこ*; 小堀 恵美子*; 渋谷 美智子*; 志保沢 久子*; 等々力 節子*; 鵜飼 光子*; 菊地 正博; 小林 泰彦

no journal, , 

食品照射は、食品や農産物の保存,食中毒防止,検疫処理に有効な技術の一つとして世界各国で実用化が進められているが、日本では馬鈴薯の芽止め照射を除いて法的に禁止されている。国民の不安が根強く、国民的コンセンサスが不足との意見もあるが、一般の消費者は、照射とはどんなものか、何も実感が持てないまま、自分の考えで判断したいと願う消費者でさえ、具体的な情報が得られずに途方に暮れているのが現状である。そこで、食のコミュニケーション円卓会議では、実験観察の体験を通して照射のメリットやデメリットを自分たちで実感してみようと思い立った。まず、傷みやすい野菜類の照射による日持ち向上効果について検討した予備的な結果を報告する。

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