Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
丹羽 正和; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*; 國分 陽子; 生田 正文*
Island Arc, 29(1), p.e12341_1 - e12341_26, 2020/01
被引用回数:6 パーセンタイル:29.87(Geosciences, Multidisciplinary)海溝型巨大地震に伴う地殻変動の傾向を明らかにする研究開発の一環として、宮崎平野を事例対象として、完新世堆積物の詳細な化学分析及び微化石分析を行い、陸成層から海成層への急激な環境変化を伴う層準を特定した。さらに、放射性炭素年代測定及び既往のテフラ分析の結果に基づき、この急激な環境変化を伴う層準が、歴史記録によって指摘されている1662年の寛文日向灘地震に伴う沈降に起因する可能性が高いことを明らかにした。
丹羽 正和; 黒澤 英樹*; 小坂 英輝*; 生田 正文*; 高取 亮一*
JAEA-Data/Code 2017-009, 71 Pages, 2017/06
2011年東北地方太平洋沖地震から1ヶ月後に発生した福島県浜通りの地震では、それまで地質断層であるという見解もあった正断層が活動しており、地殻変動の規則性、継続性に基づく地質環境の長期予測の観点からは、地層断層の再活動が地層処分のサイト選定や安全評価に及ぼす影響を検討しておく必要がある。そこで筆者らは、海溝型地震などによる地殻応力・歪の変化に伴い地質断層が再活動する可能性を評価する手法を構築する目的で、南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端部に位置し、沿岸域に正断層の存在が知られている宮崎平野を対象とした事例研究を進めてきた。本報告書は、宮崎平野における主に川南断層の活動履歴や活動性を明らかにするための地形・地質調査および試料分析の内容を取りまとめたものである。
生田 正文*; 丹羽 正和; 檀原 徹*; 山下 透*; 丸山 誠史*; 鎌滝 孝信*; 小林 哲夫*; 黒澤 英樹*; 國分 陽子; 平田 岳史*
地質学雑誌, 122(3), p.89 - 107, 2016/03
既往文献の火山ガラス屈折率データからは識別が困難であった桜島の歴史時代の噴火(文明,安永,大正)軽石について、本研究では火山ガラスの水和部と未水和部とを区別して屈折率測定を行い、斜方輝石の屈折率も含めてそれぞれの軽石に違いがあることを見出した。一方、宮崎平野南部で掘削したコアに含まれる軽石濃集層に対して鉱物組成分析、火山ガラスの形態分類や屈折率測定、斜方輝石の屈折率測定、火山ガラスの主成分・微量元素同時分析、および炭質物の放射性炭素年代測定を行い、本研究による桜島歴史噴火軽石の分析と比較した結果、軽石濃集層は桜島文明テフラに対比されることが判明した。桜島文明テフラは、軽石の状態で宮崎平野南部まで到達していた可能性が高い。本研究における軽石濃集層の給源の同定結果は、宮崎平野における地震イベント堆積物の年代決定において重要な示準となりうる。
生田 正文; 丹羽 正和; 高取 亮一*; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*
JAEA-Data/Code 2014-002, 246 Pages, 2014/06
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震(Mw9.0)による津波災害を契機に、津波堆積物を用いた海溝型巨大地震に関する研究が注目を集めている。一方、日向灘に面する宮崎平野は、歴史時代に日向灘あるいは南海トラフを震源とする大規模な地震による津波に襲われたことが知られている。しかしながら堆積物として津波の痕跡を確認するなど、その証拠を科学的に明らかにした地質学的な研究例は未だ無い。本研究では、宮崎平野の完新世の堆積物を事例に、津波堆積物の認定手法の高度化のほか、数千年オーダでの局所的な隆起・沈降のプロセスの解明等に取り組んでおり、これまでに堆積物の記載、採取および各種分析等を進めてきた。本データ集は、これらの結果を取りまとめ、報告するものである。
安江 健一; 浅森 浩一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 國分 陽子; 末岡 茂; 幕内 歩; 生田 正文; 松原 章浩; 田村 肇; et al.
JAEA-Research 2013-047, 109 Pages, 2014/03
本報は、深地層の科学的研究のうち、「地質環境の長期安定性に関する研究」について、第2期中期計画期間(平成22年度平成26年度)の3年目である平成24年度に実施した研究開発に係る成果を取りまとめたものである。第2期中期計画期間においても第1期中期計画に引き続き、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を反映できるよう、(1)概要調査などに必要となる、自然現象に関する過去の記録や現在の状況を調査するための体系的な技術の整備(調査技術の開発・体系化)、(2)変動シナリオを考慮した安全評価の基盤となる、将来の自然現象に伴う地質環境の変化を予測・評価するための手法の整備(長期予測・影響評価モデルの開発)のほか、(3)最先端の分析装置などを用いた放射年代測定や鍵層の高分解能同定法などによる編年技術の高度化(年代測定技術の開発)を進めている。本報では、それぞれの研究分野に係る科学的・技術的背景を解説するとともに、主な研究成果および今後の課題などについて述べる。
安江 健一; 浅森 浩一; 丹羽 正和; 花室 孝広; 國分 陽子; 幕内 歩; 生田 正文; 松原 章浩; 石丸 恒存; 梅田 浩司
JAEA-Review 2013-023, 42 Pages, 2013/10
本書は、高レベル放射性廃棄物の地層処分における地質環境の長期安定性に関する研究についての第2期中期計画期間(平成22年度-平成26年度)における平成25年度の研究開発計画を述べたものである。本計画の策定にあたっては、「地質環境の長期安定性に関する研究」基本計画-第2期中期計画に基づき、第1期中期計画期間(平成17年度-平成21年度)における研究成果、平成22年度から平成24年度の研究成果、関係研究機関の動向や大学などで行われている最新の研究成果、実施主体や規制機関のニーズなどを考慮した。研究の実施にあたっては、最終処分事業の概要調査や安全審査基本指針などの検討・策定に研究成果を適時反映できるよう、(1)調査技術の開発・体系化、(2)長期予測・影響評価モデルの開発、(3)年代測定技術の開発の三つの枠組みでこれを推進していく。
生田 正文; 丹羽 正和; 鎌滝 孝信*; 高取 亮一*
no journal, ,
2011年東北地方太平洋沖地震の際には、それまで地質断層であると考えられてきた湯ノ岳断層や井戸沢断層が活動した。このように海溝型地震に伴う沿岸域の地殻応力場の変化が、断層の活動性に及ぼす影響を評価することは、地質環境の長期安定性に関する研究において重要な課題として挙げられる。本研究では、宮崎平野を事例研究対象として、正断層型活断層と海溝型巨大地震の関連性を解明するための調査・分析を行っている。宮崎平野は、南海トラフ巨大地震の想定震源域の西端部に位置し、正断層の存在が知られている。これまでの調査では、正断層については、周辺部の基礎データを取得した。巨大地震に伴う津波堆積物については、歴史記録に記されている古地震による地盤沈降を地質学的手法により明らかにした。
生田 正文; 丹羽 正和; 高取 亮一; 黒澤 英樹*; 小坂 英輝*
no journal, ,
太平洋側の沿岸域に分布する活断層の中には、海溝型地震に誘発されて活動したものが知られている。2011年東北地方太平洋沖地震の際も、本震の1か月後に福島県浜通りの正断層が地震断層として活動した。プレート収束帯に位置する日本列島には正断層の分布が少なく、福島県浜通りの地震が発生するまでは、沿岸域の正断層を海溝型地震に誘発されて活動したものと捉えて本格的に研究された事例は皆無であった。そこで演者らは、宮崎県の沿岸域に正断層の分布が指摘されていることに着目し、これらの断層の活動履歴と、日向灘を含む地域の海溝型地震の履歴に関する研究を進めている。本発表ではおもに前者の内容について、空中写真判読及び地形・地質の現地踏査の進捗状況を報告する。
丹羽 正和; 生田 正文; 高取 亮一; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*
no journal, ,
平野部は一般に、その広さだけ堆積物を受け入れる堆積盆を有することを示唆し、構造的な沈降域であることが想定される。その一方で、宮崎平野のように、広い平野を持つにもかかわらず隆起速度の大きい地域も存在する。本研究では、宮崎平野の完新世の隆起・沈降プロセスを詳細に解明し、日向灘を含む地域の海溝型地震などとの関係について検証するため、堤間湿地での露頭観察及び浅層ボーリングによるコア採取を行った。その結果、過去の隆起・沈降にかかわるイベントが記録されている可能性が高い堆積物を検出することができた。本発表では、堆積環境の復元や堆積年代の推定を目的とした微化石やテフラの分析、放射性炭素年代測定、間隙水の水質分析などの進捗状況を報告する。
生田 正文; 佐藤 善輝; 丹羽 正和; 鎌滝 孝信*; 黒澤 英樹*; 高取 亮一*
no journal, ,
宮崎平野周辺は巨大地震モデル検討会(2012)による津波想定で震源断層域に新たに日向灘を含めるモデルが示されるなど、南海トラフ地震に注目が集まっている。一方で、日向灘を震源とする巨大地震については、未解明な点が多く残されている。文書記録から宮崎平野南部の島山地域では、1662年寛文日向灘地震により、高さ45mの津波が到達し、地盤が約1m沈降した(羽鳥、1985)と推定されているが、これまでに地質学的データからその実態を検証した事例はなかった。そこで本研究では、島山地域を対象として地質調査を行うとともに、コア試料を用いて微化石や化学成分について分析を行い、沈降域周辺の堆積環境の復元を試みた。得られた堆積年代の暦年較正値は、沈降以前の淡水環境の堆積物(A層)がAD1435
1605年頃、沈降によって生じた入江を埋積した海水
汽水環境の堆積物(B層)がAD1520
1810年頃、その上位のシルト
砂からなる汽水
海水環境の堆積物(C層)がAD1640
1810年頃となる。この結果は、B層基底標高を境とする堆積環境の変化が1662年寛文日向灘地震に伴う地殻変動に対応するものであることを示す。
生田 正文; 丹羽 正和; 高取 亮一*; 鎌滝 孝信*; 田辺 裕明; 黒澤 英樹*
no journal, ,
2011年東北地方太平洋沖地震以降、日本列島沿岸域の隆起・沈降の長期的な傾向の再評価が求められている。本研究では、平野部であるにもかかわらず約1mm/yrもの隆起速度が推定されている宮崎平野を事例対象として、地震に伴う隆起・沈降の痕跡に関する現地調査を行った。宮崎平野では、1662年の寛文地震により、宮崎市内の河口付近で約1m沈降したことが歴史記録に記されている。先ずはこの1662年の地震を地質学的に明らかにするために、局所的な沈降に伴う堆積環境の変化や津波などのイベント堆積物に関する記載・分析(珪藻化石分析及び水質分析など)を行った。その結果、歴史記録で示されている沈降域で、地震による沈降により海水が流入し、陸地から海(海浜・内湾)へと周辺環境が変化したことを示唆する痕跡が見つかった。堆積物の放射性炭素年代測定に基づくと、この古堆積環境の急激な変化は、1662年の地震に対応する沈降イベントであると推定される。