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石山 新太郎; 今堀 良夫*; 伊丹 純*; Koivunoro, H.*
Global Journal of Medical Research; F, 15(4), p.1 - 5, 2015/11
ボロン薬剤BPAを投与したがん患者PETデータからCBEファクターを求めるための決定論的石山-今堀モデル(I-Iモデル)を提案している。本論文では、実際のがん患者にBPAを投与後の動的PETデータからシグモイド関数近似を行い、I-Iモデル中のNth/Nmax値を一義的に求められることを示すことで様々な重篤度の患者33ケースで個別にCBEファクターを求めることを示した。
石山 新太郎; 今堀 良夫*; 伊丹 純*; Koivunoro, H.*
Journal of Cancer Therapy, 6(8), p.759 - 766, 2015/08
ダイナミックPET法により計測された脳腫瘍患者の腫瘍ならびに正常細胞中に静脈注射された10BPA薬剤の濃度からBNCT治療のためのCBEファクターの導出を石山-今堀モデルを用いて精度よく算出することができた。
石山 新太郎; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Journal of Chemistry and Chemical Engineering, 8(9), p.870 - 875, 2014/09
BNCT用中性子ターゲットインサートPdの0.1-5keV VH照射特性をXAFSで計測することにより、下記結論を得た。(1)照射により1.1-3倍の顕著なエッジジャンプが低照射量域で観察された。(2)このことからPd 4d軌道のホール数の増加を意味している一方、比較材であるAgには変化はみられなかった。(3)同照射条件で0.12-0.66eVのエッジシフトが生じるとともに、重照射時には急激は減少が見られた。(4)Pd内に蓄積されている注入イオンはH
の状態で存在している。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
日本金属学会誌, 78(8), p.317 - 321, 2014/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Metallurgy & Metallurgical Engineering)BNCT用Liターゲットの運転中の蒸発損耗を防ぐためN/H
O添加環境下でのLiターゲット表面における窒化合成実験を超高真空容器内で行うとともに、H
Oを添加した窒素ガス中でのリチウム窒化直接合成において観察された表面汚染の主要原因を探るべくXPSによる計測も実施し、その結果下記結論が得られた。(1)1
10
Paの超高真空容器内室温状態において101.3PaN
ガス添加によりLi表面に窒化反応が生じる。(2)13.3-80Pa/1.33-4.7Pa N
/H
O混合ガス中で合成された窒化リチウム化合物表面で顕著なO及びCによる汚染が観察された。(3)0.013-0.027Pa/0-0.005Pa N
/H
O混合ガスの場合、窒化反応ならびにO及びCによる汚染は観察されなかった。(4)O及びCによる表面汚染は1.33Pa以上の過剰なH
O添加により助長される。(5)XPS計測の結果、Li-N化合物表面にLi
CO
の生成することが示された。以上の結果、リチウムは窒素ガス中のH
Oの存在に敏感に反応するものの、H
Oの存在が室温においてLiとN
ガスとの反応を促進する助剤として機能することに関する実験事実は得られなかった。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
日本金属学会誌, 78(8), p.322 - 325, 2014/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Metallurgy & Metallurgical Engineering)ホウ素中性子捕獲治療法のためのリチウムターゲット表面に合成した蒸発防止用LiN表面層のO及びCの表面汚染を低減するための1123Kまでの超真空加熱試験を実施した結果、主要な汚染要素であるH
O, Li化合物であるLiOH及びLi
CO
は1123Kまでの真空加熱による分解除去できることがわかった。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
日本金属学会誌, 78(4), p.137 - 141, 2014/04
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Metallurgy & Metallurgical Engineering)BNCT用リチウムターゲット表面の直接窒化を0.1MPaの窒素ガス雰囲気で実施した。さらにLiN膜膜合成後の汚染除去を目的としたリチウムターゲットのAr
スパッタリングを行うとともに、これら成膜特性をXPSにより評価した。その結果下記結論が得られた。目的としたリチウムターゲットのAr
スパッタリングを行うとともに、これら成膜特性をXPSにより評価した。その結果下記結論が得られた。(1)窒素ガス雰囲気でのリチウム表面に均一な窒化リチウム化合物が直接合成された。(2)窒化中のリチウム表面に顕著な色調変化が観察された。(3)窒化処理によりリチウム表面に生成された窒化リチウム物は化学的量論組成に近いLi
Nであり、その表面はO及びCにより汚染されやすい。
石山 新太郎; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Materials Transactions, 55(4), p.658 - 663, 2014/03
被引用回数:3 パーセンタイル:16.56(Materials Science, Multidisciplinary)Li/Pd/Cu三層中性子発生ターゲットの3KeV H照射を行い、ターゲットの生じる物理的化学的特性変化をXPS及びXAFSを用いて調べた結果、下記成果を得た。(1)無電解メッキによるPd/Cuターゲットの境界面結合は物理的結合である。(2)H
照射によりPd 4
のエッジジャンプが生じた。これは照射により4
バンド内にホールが生じたことを意味している。(3)Pd 4
に0.9eVの化学シフトが照射により生じた。これはPd内にPdH
化合物が生成したものを考えられる。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Materials Transactions, 55(3), p.539 - 542, 2014/01
被引用回数:2 パーセンタイル:11.56(Materials Science, Multidisciplinary)BNCT治療装置のリチウムターゲット表面の蒸発防止を目的に窒化した表層汚染除去を高温乖離法で行った結果、下記結論を得た。(1)1023Kまでの乖離処理によりLiN表層のコンタミ層で融点が1023K以下のものの除去は可能である。(2)主要な汚染化合物はH
Oのほか、LiOH並びにLi
CO
が考えられ、これらは高真空中で残存しているH
O及びCO
とのLi
N分解反応により生じたものである。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Materials Transactions, 54(12), p.2233 - 2237, 2013/12
被引用回数:5 パーセンタイル:30.45(Materials Science, Multidisciplinary)BNCT治療装置用リチウムターゲット表面にN/H
O混合ガスを超高真空中で吹きかけ、低温低圧での窒化実験を行った結果、下記結論が得られた。(1)1
10
Paの超高真空中で101.3PaN
ガスによりリチウム表面にリチウム-窒素化合物が形成した。(2)13.3
80Pa/1.33
4.7PaN
/H
O混合ガスの吹きかけにより生成した化合物表面にO及びCの顕著なコンタミが発生した。(3)しかしながら、0.013
0.027Pa/1.33
4.7PaN
/H
Oの条件下では窒化もコンタミを生じなかった。(4)O及びCのコンタミは1.33PaH
O以上の過剰添加により増長する。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
日本金属学会誌, 77(11), p.509 - 513, 2013/11
被引用回数:1 パーセンタイル:10.05(Metallurgy & Metallurgical Engineering)真空蒸着/イオン注入法により合成したBNCT治療用中性子発生源リチウムターゲットの熱的安定性をレーザー加熱実験により検証した結果、下記結論を得た。(1)N
イオン注入により表面窒化したターゲットのリチウム蒸発温度が120K程度上昇し、ターゲット自体の熱的耐久性が向上した。(2)また、
真空蒸着/イオン注入法による損傷したターゲットの再補修が可能である。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Materials Transactions, 54(9), p.1760 - 1764, 2013/09
被引用回数:4 パーセンタイル:26.41(Materials Science, Multidisciplinary)癌治療用中性子源リチウムターゲットの使用時の損耗を防ぐためリチウム表面を窒化する技術を酸素や水分のない高真空状態で実施した結果、リチウム真空蒸着法並びに窒素イオン注入法により従来リチウム窒化合成に必要とされていた酸素や水分の存在なしでその合成並びに再合成に成功した。その結果リチウム表面に窒化物を合成後のリチウムターゲットの蒸発温度をリチウム単体の温度より120K高くすることに成功した。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Materials Transactions, 54(9), p.1765 - 1769, 2013/09
被引用回数:5 パーセンタイル:30.45(Materials Science, Multidisciplinary)BNCT用リチウムターゲットの蒸発損耗防止を目的に、0.1MPa窒素ガス中でターゲット表面の直接窒化によるLiN薄膜生成実験を548K以下で実施した結果、(1)276
548Kにおいてリチウム表面にLi
N薄膜を生成できることがわかった。生成表面にはO及びCによりコンタミが見られた。(2)生成膜速度はリチウム融点温度以下では0.02
0.5wt.%で、融点以上で1
5wt.%であった。(3)Li
N表面のOによるコンタミはArスパッタにより除去可能である。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 293, p.42 - 47, 2012/12
被引用回数:13 パーセンタイル:67.57(Instruments & Instrumentation)ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の中性子源として、プロトン照射により発生する中性子を用いることが計画されており、そのための中性子発生用ターゲットとして金属リチウムが候補に挙がっている。しかし金属リチウムは熱的に不安定であり、高フルエンスのイオン照射によりブリスタリングを起こすという問題がある。そこで熱的に安定な窒化リチウムに着目し、真空中でリチウムをその場蒸着した後、低エネルギー窒素イオンを照射することにより窒化リチウムのその場生成を試みた。表面状態変化を放射光光電子分光法で調べた結果、表面層には化学量論組成(LiN)に近い窒化リチウム層が生成していることがわかった。また得られた窒化リチウム層は、空気中に3か月間放置しても安定であり、BNCTの中性子発生用ターゲットとして有望であることがわかった。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 288, p.18 - 22, 2012/10
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)の中性子源として、原子炉の中性子以外に、加速器から発生する中性子を用いることが計画されており、そのための中性子発生用ターゲット材として金属リチウムが候補にあがっている。しかしリチウムターゲットは高フルエンスのプロトンの照射効果によってブリスタリングを起こすため、リチウムを真空中で繰り返しその場蒸着して安定なリチウム層を作成する技術の開発が必要である。そこで本研究では、銅表面上にパラジウムを電着した基板に真空中でリチウムを蒸着する3層構造のターゲットを提案し、作成した3層構造の表面・界面の化学結合状態を放射光を用いたX線光電子分光法(XPS)及びX線吸収微細構造法(XAFS)により調べた。その結果、蒸着したリチウム表面には、1層以下のごく薄い水,炭酸などが吸着しているものの、バルクの化学状態は金属リチウムであり、真空中でのその場蒸着によって新たな金属リチウム層を繰り返し作成できることがわかった。またリチウムとパラジウムの界面にはPd-Li合金と思われる層が生成しており、それがリチウム薄膜の安定性に寄与していることが明らかとなった。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 288, p.18 - 22, 2012/10
被引用回数:15 パーセンタイル:71.62(Instruments & Instrumentation)BNCT治療装置用の中性子発生源リチウムターゲットにおける放射線損傷の低減化を図るためLi/Pd/Cu三層構造ターゲットモデルを新規提案し、電解メッキ技術とその場真空蒸着技術を融合化することにより同ターゲットモデルの試作を試みた。その結果、その場真空蒸着法によりPd/Cu上に均質なLi層を形成できること、補修時を想定し再蒸着できること並びにLi蒸着膜とPdは金属結合による強固な固着形態をしていることがわかった。
古林 徹*; 原田 康雄*; 松藤 成弘*; 長谷川 智之*; 遠藤 章; 森林 健悟; 赤羽 恵一*; 上原 周三*; 今堀 良夫*; 加藤 洋*; et al.
JAEA-Review 2006-002, 101 Pages, 2006/02
本報告書は、医学用の原子分子・原子核データに興味を持っている分野の専門家の方々を対象にしたアンケート調査結果を、おもに放射線に関係した物理工学の専門家の視点から分析しまとめたものである。以下の3点の重要性を確認した。(1)医学を支えている物理工学,化学薬学などの基礎データと、医学の直接的な関連データに大きく分類すると、基礎データより関連データがより重要な医学分野では、生体に関連するデータの整備を、その使い勝手の良さも含めて行う必要がある。(2)基礎データは、データの質,量,精度など、現状でも多くの医療現場の要求にほぼ十分に対応できていた。ただし、情報化社会の状況でのデータの利用ついては、医学分野に特化した特殊ファイルと、それを生体の関連データに反映させる理論や計算コード等の利用システムの整備など、総合的に体制を整備していく時期にある。(3)利用分野の発展には、基礎データの完成度を高めておくことは不可欠なことから、限りある資源や人材を効率的に活用するという現実を直視しながら、基礎データの整備拡充を、今後とも地道に計画的に継続性を持って進めていく必要がある。
石山 新太郎; 今堀 良夫*
no journal, ,
BNCT装置における中性子発生部のLiターゲットのブリスタリング損傷を低減するため、薄膜Li/Pd/Cu三層構造の新しいターゲットの開発を行い、このターゲットモデルに対して3KeV Hの照射実験を行い、XPS及びXAFSによる照射前後における特性評価を実施した。その結果、照射前後におけるターゲットモデル表面ならびに各接合界面について下記結果が得られた。(1)高純度Cu表面にPd薄膜を表面電着させたPd/CuターゲットモデルにおけるPd/Cu界面結合は物理結合によるものである。(2)H
照射によりLi/Pd界面におけるPd 4dバンドのホール密度増加ならびに電子共有によるLi/Pd共有結合の増強が図られる。
古林 徹*; 原田 康雄*; 松藤 成弘*; 長谷川 智之*; 遠藤 章; 森林 健悟; 赤羽 恵一*; 上原 周三*; 今堀 良夫*; 加藤 洋*; et al.
no journal, ,
医学物理分野において、原子分子及び原子核衝突過程に関係したデータは利用頻度が高く、またそのデータの種類も多岐に渡る。本発表では、日本原子力研究所シグマ研究委員会の医学用原子分子・原子核データグループによって、平成17年に実施されたアンケート調査に基づき、医学物理分野でのこれらのデータ利用の観点からニーズの現状を分析し得られた以下の結果を報告する。(1)医学物理利用分野では、汎用的な原子・原子核のデータのみならず、特に生命科学・生体に関連する分子データの整備を、現在の情報通信技術を活用した利便性の高い形態で行う必要がある。(2)従来の基礎データ(原子分子・原子核データ)も医学物理分野に特化した特殊ファイルやそれを生体の関連データに反映させる理論や計算コード等の利用システムの充実など、利用目的にマッチしたデータ形式や利用形態に整備しなおす時期にある。(3)広く医学利用を含めて、環境科学,産業や宇宙科学・天文など利用分野の発展には基礎データの完成度を高めておくことは不可欠であり、その整備拡充を今後とも計画的に継続性を持って進めていく必要がある。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
no journal, ,
BNCT中性子源リチウムターゲットをその場で製作するためのリチウム真空蒸着/窒素イオン注入法によりLiN/Li/Pd/Cu四層構造ターゲットモデルを試作し、熱的・化学的安定性を調べた。その結果、水や酸素を制限した高真空状態での四層構造モデルの製作では表面のC及びOによる汚染を極力抑えることができた。さらに、リチウム表面を窒化することによりターゲット蒸発温度を120Kあげることができた。さらにこれを大気暴露した場合、窒化しないターゲットに比べて表面の汚染が少なく安定していた。しかしながら、大気暴露後の汚染は重Arスパッターでは除去できなかった。
石山 新太郎; 馬場 祐治; 藤井 亮*; 中村 勝*; 今堀 良夫*
no journal, ,
実装配備が予定されているBNCT治療装置のLiターゲット部のin-situ蒸着とイオン注入とを融合化させた量子ビーム融合化技術によるLiN/Li/Pd/Cu
積層ターゲットモデルの合成に成功した。本モデルは長時間大気暴露後も安定した特性を有することが明らかとなった。