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二宮 博正; 秋場 真人; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 林 伸彦; 細金 延幸; 池田 佳隆; 井上 信幸; et al.
Journal of the Korean Physical Society, 49, p.S428 - S432, 2006/12
現在検討が進められているJT-60のコイルを超伝導コイルに置き換える計画(トカマク国内重点化装置計画)の概要について述べる。本計画はITER及び原型炉への貢献を目指しているが、その位置づけ,目的,物理設計及び装置設計の概要,今後の計画等について示す。物理設計については、特に高い規格化ベータ値を実現するためのアスペクト比,形状因子及び臨界条件クラスのプラズマや完全非誘導電流駆動のパラメータ領域等について、装置については物理設計と整合した設計の概要について示す。
菊池 満; 玉井 広史; 松川 誠; 藤田 隆明; 高瀬 雄一*; 櫻井 真治; 木津 要; 土屋 勝彦; 栗田 源一; 森岡 篤彦; et al.
Nuclear Fusion, 46(3), p.S29 - S38, 2006/03
被引用回数:13 パーセンタイル:41.76(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置(NCT)計画は、大学における成果を取り込みつつJT-60Uに引き続き先進トカマクを進めるための国内計画である。NCTのミッションは発電実証プラントに向けて高ベータ定常運転を実現するとともに、ITERへの貢献を図ることである。高ベータ定常運転を実現するために、装置のアスペクト比,形状制御性,抵抗性壁モードの帰還制御性,電流分布と圧力分布の制御性の機動性と自由度を追求した。
土屋 勝彦; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤井 常幸; 藤田 隆明; 藤原 正巳*; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; et al.
Fusion Engineering and Design, 81(8-14), p.1599 - 1605, 2006/02
被引用回数:1 パーセンタイル:9.98(Nuclear Science & Technology)JT-60定常高ベータ装置(トカマク国内重点化装置)は、経済的な核融合炉の実現を目指した定常高ベータプラズマ運転の実証が重要なミッションの一つである。現在、プラズマ形状及びアスペクト比について広いパラメータ領域で研究を行えるように、装置の物理的・技術的設計検討を進めている。本装置の目標とする高ベータプラズマは、自由境界MHD安定性限界を超えた領域にあるため、電子サイクロトロン加熱による新古典テアリングモードの抑制に加えて、安定化板及び容器内コイルを用いた壁不安定性モードの抑制など、さまざまなMHD不安定性の制御手法を駆使する必要がある。それらを踏まえて、今回は、高ベータと臨界条件クラスのプラズマを同時に達成できるプラズマパラメータの解析評価、及び自由境界MHD安定性限界を超えた高ベータプラズマの非誘導電流駆動制御シナリオの検討結果について報告する。また、広いパラメータ領域で定常高ベータプラズマ運転を実現させるための装置設計の現状に関して、超伝導コイル及び放射線遮へい材を中心に報告する。
玉井 広史; 秋場 真人; 疇地 宏*; 藤田 隆明; 濱松 清隆; 橋爪 秀利*; 林 伸彦; 堀池 寛*; 細金 延幸; 市村 真*; et al.
Nuclear Fusion, 45(12), p.1676 - 1683, 2005/12
被引用回数:15 パーセンタイル:45.53(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク国内重点化装置の設計研究をまとめた。装置の設計は、プラズマのアスペクト比と形状制御性に関して自由度を広く確保できることが求められている。これは、ITERと平行して研究を進めるとともに、定常高ベータプラズマ運転についての科学的なデータベースをDEMOへ提供する観点から重要である。この目標に合致するように、プラズマのアスペクト比と形状の自由度の確保について、これまで比較的困難であったダイバータ排気性能との両立が図られるように装置設計を行った。この装置設計に基づいて、閉じ込め,安定性,電流駆動,ダイバータプラズマ等の物理性能を評価し、主目的である定常高ベータプラズマを実現するための制御方法を検討した。
Zegers, R. G. T.*; 住浜 水季*; Ahn, D. S.*; Ahn, J. K.*; 秋宗 秀俊*; 浅野 芳裕; Chang, W. C.*; Dat, S.*; 江尻 宏泰*; 藤村 寿子*; et al.
Physical Review Letters, 91(9), p.092001_1 - 092001_4, 2003/08
被引用回数:128 パーセンタイル:94.9(Physics, Multidisciplinary)=1.5-2.4GeVで(,),(,)反応に対するビーム偏極非対称が初めて測定された。この結果は未決定のハドロン共鳴や反応機構解明に用いられる。
中野 貴志*; Ahn, D. S.*; Ahn, J. K.*; 秋宗 秀俊*; 浅野 芳裕; Chang, W. C.*; 伊達 伸*; 江尻 宏泰*; 藤村 寿子*; 藤原 守; et al.
Physical Review Letters, 91(1), p.012002_1 - 012002_4, 2003/07
被引用回数:1006 パーセンタイル:99.86(Physics, Multidisciplinary)との両粒子を前方で測定することにより、Cを標的にしたn n光反応を研究した。1.54GeV/Cに25MeV/C以下の幅の鋭いバリオン共鳴ピークを観測した。この共鳴ピークのストレンジネス()は+1であった。この状態は5つのクォーク()がと中性子に崩壊した状態であると解釈される。
中村 裕之*; 山崎 朋明*; Giri, S.*; 今井 英人*; 志賀 正幸*; 小嶋 健児*; 西 正和*; 加倉井 和久*; 目時 直人
Journal of the Physical Society of Japan, 69(9), p.2763 - 2766, 2000/09
被引用回数:61 パーセンタイル:87(Physics, Multidisciplinary)S=1/2バナジウム三角格子BaVSの30Kにおける異常が、NMRで調べられた結果考えられていたように軌道秩序によるものではなく、q=(0.226, 0.226 0)に磁気ピークが生じる不整合な磁気秩序によるものであることを明らかにした。磁気転移以上でも、秩序状態と同じ反強磁性磁気相関が、金属-非金属転移によって生じたスピンギャップよりも低エネルギー側の励起として観察され、この温度領域で、一種のスピン液体的な状態にあることを明らかにした。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 12, p.433 - 437, 1991/05
被引用回数:34 パーセンタイル:86(Engineering, Biomedical)16900~41300の重量平均分子量(Mw)をもつ無定形ポリ(L-ラクチド-Co-グリコライド、70:30mol%)を触媒の存在下開環重合によって調製した。この場合、分子量は分子量調節剤(ラウリルアルコール)を用いてコントロールした。このポリマーのin vivo分解パターンはS-型を示す。前立腺治療薬をMw=24000のポリマー中に包括し、in vivo分解とin vivo放出の関係を調べた。その結果、ポリマーからin vivoにおいて放出した薬物の累積放出量はポリマーの分解パターンとよく対応することが分かった。
今井 剛; 牛草 健吉; 池田 佳隆; 内藤 磨; 吉田 英俊; 関 正美; 伊丹 潔; 永島 圭介; 上原 和也; 永島 孝
核融合研究, 65(SPECIAL ISSUE), p.99 - 118, 1991/03
低域混成波帯(LHRF)の電流駆動実験を行い、2MA、3秒の非誘導電流駆動、最大電流駆動積(ne・R・I)~12.510mMAを実現した。ダイバータ配位が、ホットスポットを抑制するのに有効である。電流駆動効率を改善するには、高Te、低有効電荷数が良いことがわかるとともに、マルチジャンクション型の結合系を用いることにより、磁場方向の屈折率(N)のスペクトルを最適化することが有効であることを実験的に示し、通常の電流駆動用結合系に比し、30~40%の改善を達成するとともに、最大3.410mA/Wの電流駆動効率を実現した。低域混成波電流駆動により電流分布制御、及び、鋸歯状振動の抑制が可能であること、また、電流立上げ時の磁束節約が可能であることを、明らかにした。
今井 剛; 牛草 健吉; 池田 佳隆; 内藤 磨; 吉田 英俊; 関 正美; 根本 正博; 佐藤 正泰; 小出 芳彦; 上原 和也; et al.
核融合研究, 65(SPECIAL ISSUE), p.119 - 132, 1991/03
低域混成波帯の高周波を、トカマクの種々のパラメータ領域の加熱に応用し、電子加熱(LHEH)、イオン加熱(LHIH)、そして、中性粒子ビーム(NB)との同時加熱(NB+LH)の全てにおいて、良好な加熱結果が得られた。高プラズマ電流化と、ペレット入射との組合わせが、表面でのパラメトリック不安定性を、抑制できた。6keVの電子温度が、LHEH領域で、又、核融合積~110mkeVsが、ペレット+LHで得られた。NB+LHでは、ビーム加速による閉じ込めの改善や、波のトカマクの中での伝搬に関する知見を得ることができた。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
Int. J. Pharm., 67, p.67 - 77, 1991/00
被引用回数:31 パーセンタイル:78.12(Pharmacology & Pharmacy)放物線型のin vivo分解パターン(5週で100%分解)をもつ低分子量DL-乳酸ポリマー(Mn=1400)とS字型の分解パターン(10週の誘導期間)をもつ高分子量DL-ラクチド(Mn=11500)を溶融混合した。黄体形成ホルモン・放出ホルモン拮抗体(LH-RH agonist)をブレンドポリマーに包括し、ポリマーのin vivo分解における誘導期間と包括系からのLH-RH agonistの放出パターンの関係をラット背中皮下埋入実験によって調べた。薬物の初期多量放出(バースト現象)は、高分子量ポリマーをブレンドすることによって抑制され、結果的に最も長期間にわたっての一定持続放出が75%高分子量ポリマーも含むブレンドポリマー系で認められた。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*; 河原田 うめ子*; 鈴木 慶二*
J. Biomed. Mater. Res., 25, p.315 - 328, 1991/00
被引用回数:17 パーセンタイル:57.5(Engineering, Biomedical)グリコール酸(GA)とラクトン(BL:-グチロラクトン、VL:-バレロラクトン、CL:-カプロラクトン)からなる低分子量ポリエステルを無触媒系の縮合反応によって合成し、ドラッブデリバリーシステムへの生分解型ポリマーとしての用途を検討した。85mol-%GA含有ポリマー(Mn=2900100)は、いずれの系においても、結晶・固体で放物線型のin vivo分解パターンを示した。これに対し、非結晶・ペースト状ポリ(GA/CL、50/50mol-%)のin vivo分解パターンは、ポリマーの分子量が増加すると、放物線型直線型S-字型へと変化した。[Leu、des-Gly]-LHRHエチルアミド(前立腺癌治療薬)を、これらのポリマー中に包括し、担体のin vivo分解過程での薬物の放出挙動および薬理効果について、ウイスター系ラットを用いて検討した。放物線型分解パターンをもつポリマー系からの薬物の放出は初期にバースト現象がみられた。しかし、このバースト現象は、S-字型のそれぞれでは、著しく抑制された。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Polymer, 31, p.2006 - 2014, 1990/10
被引用回数:111 パーセンタイル:96.32(Polymer Science)エステル酵素分解型の低分子量コポリエステルを得るため、L-乳酸(LA)と-カプロラクトン(CL)を窒素雰囲気・無触媒下200Cの温度で直接脱水縮合法によって合成した。この反応は環状CLの加水分解生成物(直鎖状6-ヒドロキシカプロン酸)と直鎖状LAの縮合によって進む。反応メカニズムおよびポリマーの特性はGPC、H-NMR、C-NMR、X線回折などによって調べた。ガラス転移温度と結晶性の結果から、ポリマーの形態を固体状(0-15mol-%CL組成範囲)、ペースト状(30-70mol-%CL組成範囲)、ワックス状(85-100mol-%CL組成範囲)の3つの状態に分類した。これらのポリマーの酵素分解性を調べたところ、最も強い分解活性はRhizopus delemen起源のリパーゼ酵素を用いた時に観察された。この場合、酵素分解はポリマーの形態に強く依存し、ペースト状ポリマーか酵素による分解作用を最も受けやすいことが判明した。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Biomaterials, 11, p.441 - 446, 1990/08
被引用回数:13 パーセンタイル:57.32(Engineering, Biomedical)70%L-乳酸(LA)を含む低分子量・無定形コポリエステルを種々のDL-オキシ酸(DL-LA:DL-乳酸、DL-HBA:DL--ヒドロキシ-n-酪酸、DL-HIVA:DL--ヒドロキシ-iso-吉草酸、DL-HICA:DL--ヒドロキシ-iso-カプロン酸)と無触媒下で直接脱水縮合させることにより合成した。ドラッグデリバリーシステムの生分解型担体としてのこれらのポリマーのin vivo性能は動物実験によって評価した。その結果、in vivo分解パターンは、担体の種類によって、放物線型(LA/DL-HBA)、直線型(LA/DL-LA)、そしてS-字型(LA/DL-HIVA、LA/DL-HICA)からなることが分かった。ポリマー複合体からの薬物の一定速度でのin vivo放出は、LA/DL-HICA系が最も効果的で、約15週の期間にわたって45g/dayの速度で維持された。この効果は血中薬物濃度および薬理作用の結果から示唆された。
福崎 裕延*; 吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Makromol. Chem., 191, p.731 - 736, 1990/04
Mn=1600-4800の非晶性コポリマーをL-乳酸(LA)とDL-ヒドロキシイソカプロン酸(HICA)の無触媒・直接脱水縮合反応によって合成した。このコポリマーはdrog delivery systemへの応用に対し生分解型材料として有用である。この場合、in vivo分解パターンはポリマーの分子量と密接に関係しており、分子量の増加によってそのパターンが放物線型からS-字型へと変化することが分かった。LH-RH類似物質(des-Gly-[D-Len]-LH-RH ethylamide)を圧融着法によって針状に成形したポリマー中に複合化し、その複合体針のin vivo性能を動物実験から評価した。S-字型分解・放出パターンからなるCopoly(LA/HICA,70/30mol-%)(Mn=2200)複合体針の場合、血清薬物濃度は15週の実験期間を通して、約3.5ng/mlで一定レベルを維持した。
松尾 秀人; 湊 和生; 今井 久
JAERI-M 90-009, 24 Pages, 1990/02
高温工学試験研究炉(HTTR)の炉心用黒鉛材料IG-110の諸特性に対する高温照射効果は、JMTR、JRR-2およびHFR等でのキャプセル照射実験によってかなり明らかにされてきている。しかし、実際の炉心黒鉛ブロックでは温度や中性子照射量がブロックの位置によって異なり、発生した照射および熱応力が照射効果に影響することも考えられる。このため大型黒鉛ブロックの諸特性の照射効果を明らかにするための一つの方法として、OGL-1で照射した第4次~第7次黒鉛ブロックから試験片を採取し、熱膨張率、電気比抵抗、ヤング率等の特性変化を調べ、小型試験片の照射効果と比較した。熱膨張率の照射による変化傾向は小型試験片の照射効果と必ずしも一致しないがその照射による変化量は小さく、小型試験片の特性値の変動内であった。また、電気比抵抗やヤング率は小型試験片の場合と類似した変化傾向を示した。
辻 俊二; 牛草 健吉; 池田 佳隆; 今井 剛; 伊丹 潔; 根本 正博; 永島 圭介; 小出 芳彦; 河野 康則; 福田 武司; et al.
Physical Review Letters, 64(9), p.1023 - 1026, 1990/02
被引用回数:55 パーセンタイル:88.38(Physics, Multidisciplinary)トカマクのリミタ放電において、低域混成波電流駆動によるHモードが世界で初めて実現された。1.74+2.23GHzや1.74+2.0GHzのように、2つの異なる周波数で高周波パワーを加えるのが、Hモード達成に効果的である。水素プラズマにおいて高周波パワーのしきい値は1.2MWであり、ジュール加熱パワーと同等であるくらい低い。プラズマ表面に局在化した不安定性をともなわない準定常状態が、顕著な不純物の蓄積を起こすことなく最大3.3秒間持続した。エネルギー閉じ込め時間の改善は最大30%であるが、それは粒子閉じ込め改善による電子密度上昇で大部分嫁いでいる。高周波パワーがビームイオンに吸収されるとHモードからLモードに遷移することから、低域混成波によって発生する高速電子がHモード実現に有利に働いている可能性がある。
吉田 勝; 浅野 雅春; 熊倉 稔; 片貝 良一*; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Colloid and Polymer Science, 268(8), p.726 - 730, 1990/00
被引用回数:8 パーセンタイル:43.19(Chemistry, Physical)L-アラニル-L-アラニル--エテル-L-グルタミル-L-ラクテル(AlaAlaGlu(oE)Lac)の繰り返しからなるポリマーを合成し、このポリマーの粒子化を溶媒蒸発法で検討した。ポリマー(200mg)を含むクロロホルム/ジクロロ酢酸(98/2%)溶液(10ml)を1%ポリビニルアルコール水溶液(200ml)にそそぎ、30C400rpmで攪拌した時、58m径の球状粒子を得た。この場合、系中のジクロロ酢酸は粒子形成に最も重要な役割を果たす。一方、AlaAlaGlu(oE)Lacポリマーは、その主鎖にエステル結合とペプチド結合をもつため、エステラーゼ酵素とプロテアーゼ酵素作用によって分解を受けることが期待される。ポリマー粒子をウイスター系ラットの背中皮下に埋め込み、その分解性を調べたところ、25週目で完全に分解消失することが分かった。この粒子に薬物を包括し、粒子からの薬物の放出性及びラット前立腺におよぼす薬理作用も同時に調べた。
浅野 雅春; 福崎 裕延*; 吉田 勝; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
Drug Des. Delivery, 5, p.301 - 320, 1990/00
1400-16900の数平均分子量(Mn)をもつDL-乳酸ポリマー(PLA)を合成し、それのin vivo分解パターンを動物の背中皮下に埋め込むことによって調べた。Mnが1600以下のPLAでは、その分解パターンは放物線型で、Mn=2000以上になると分解に誘導期を示すS-字型になることが分かった。この場合、S-字型分解パターンに見られる誘導期はMnに強く依存し、Mnが大きくなると、より長期間になる傾向を示した。これらのポリマー担体に薬物を包括し、担体のin vivo分解パターンと薬物のin vivo放出パターンの関係および動物の前立腺におよぼす薬理作用についても調べた。放物線型のin vivo分解パターンをもつPLAの場合、薬物のin vivo放出は数週間以内で殆ど完結した。これに対し、S-字型のそれは、初期段階にみられる薬物の急激な放出を抑制できることが判明した。結果的に、最も強い薬理効果はMn=2000のPLA系で12週の期間にわたって観察された。
浅野 雅春; 吉田 勝; 福崎 裕延*; 熊倉 稔; 真下 透*; 湯浅 久子*; 今井 強一*; 山中 英寿*
European Polymer Journal, 26(1), p.29 - 33, 1990/00
被引用回数:10 パーセンタイル:49.32(Polymer Science)32-67%の結晶性をもつpoly(-プロピオラクトン)(PL)を種々の有機溶媒系を用いて低温放射線固相重合によって合成した。この場合、結晶性は、有機溶媒の種類もしくは己の量をかえることによってコントロールできる。このポリマーは、主鎖にエステル結合をもつため、生体酵素作用によって分解を受ける。このような分解は、ポリマーの結晶性に強く依存し、結果的に結晶性の減少が分解を加速する。in vivo実験系において、20週埋入後のポリマーの分解率(y)と結晶性(x)の関係は、直線となり、そこでの回帰曲線はy=1.701x+120.6(=0.985)になることが分った。