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岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 嶋村 圭介*; 小林 秀和; 永井 崇之; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
Journal of Nuclear Materials, 570, p.153962_1 - 153962_13, 2022/11
モリブデンの溶解度を高める効果があるリンを含む模擬核廃棄物ガラス試料を作製し、放射光X線吸収微細構造(XAFS)分析によりいくつかの構成元素を、ラマン分光分析によりその配位構造を分析した。分析では、リンの添加量や廃棄物積載率の違いによる局所構造および化学状態の変化を系統的に調べた。その結果、最大廃棄物量30wt%(MoO 1.87mol%に相当)においても、モリブデン酸塩化合物による結晶相は観察されなかった。廃棄物充填率を上げると酸化が進行し、リンを添加すると還元が進行した。さらに、それらの酸化と還元の効果が相殺されるケースもみられた。特定元素の周辺局所構造は、主に廃棄物充填率の影響を受けるZn、廃棄物充填率とリン添加の両方の影響を受けるCe、どちらの影響も受けないZr元素に分類された。Moと他の元素の分析結果の比較から、添加したリンは遊離されたPO
構造単位として存在し、モリブデン酸イオンに配位するアルカリ金属を奪い取っている可能性があると考えられた。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2022-008, 37 Pages, 2022/10
ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、原料ガラスや模擬廃棄物ガラスを対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、原料ガラス成分のホウ素(B)やケイ素(Si)、廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態等を評価した。模擬廃棄物ガラスの化学的安定性を把握するため、浸出試験に供した模擬廃棄物ガラス表面を対象に、FeのL、L
吸収端及びCsのM
、M
吸収端XANESスペクトルを測定した。その結果、浸出時間の経過とともにガラス試料重量の減少や浸出液中の溶出元素濃度の増加が確認された状況と同様、CsのM
、M
吸収端XANESスペクトルが消失し、FeのL
、L
吸収端スペクトル形状が変化することを確認した。また、浸出試験後の模擬廃棄物ガラスは、ラマン分光測定でも観察されたように表面に化合物層を形成するため、明瞭なBのK吸収端XANESスペクトルは得られないことが分かった。Na
O濃度によるSi局所構造への影響を確認するため、Na
O濃度が異なる原料ガラスを対象に、全電子収量法(PEY)でSiのK吸収端XANESスペクトルを測定した。その結果、Na
O濃度が高くなるとSiのK吸収端ピークエネルギーは低下し、7wt%Na
O前後でピーク強度が高くなることを確認した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2021-010, 62 Pages, 2022/01
ホウケイ酸ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その化学組成によって変化する。本研究は、原料ガラスや模擬廃棄物ガラス試料を対象に軟X線領域のXAFS測定を実施し、ホウ素(B),酸素(O)やケイ素(Si)及び廃棄物成分の鉄(Fe)やセシウム(Cs)の化学的状態及び局所構造を評価した。化学組成や原料ガラス形態が異なるガラス試料をXAFS測定し、B及びOのK吸収端XANESスペクトルを比較すると、NaO濃度がB-Oの配位構造へ与える影響は廃棄物成分濃度による影響よりも大きく、OのK吸収端前に出現するプリエッジの高さはガラス試料に含まれるFe等の第一遷移金属元素の濃度に依存することが分かった。長期化学的耐久性を評価した浸出試験前後のガラス試料表面をXAFS測定し、OのK吸収端XANESスペクトルから、浸出試験後試料表面に新たな化合物相が形成した可能性があり、ラマン分光測定結果からも浸出試験後の試料表面状態に変化が観察された。またCsのM吸収端のXANESスペクトルから、浸出試験後試料表面のCsの消失が確認でき、Csは浸出液へ溶出し易いと考えられる。Na
O濃度が異なる原料ガラスと希土類酸化物を添加したガラス試料を対象に、SiのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、Na
O濃度が高くなるに従いSiのK吸収端ピークが低エネルギー側にシフトし、また希土類酸化物の種類によってSi周辺構造への影響が異なることを確認した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 小島 一男*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
JAEA-Research 2020-009, 48 Pages, 2020/09
廃棄物ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、その廃棄物ガラスの化学組成によって変化する。本研究では原料ガラスや模擬廃棄物ガラス試料を作製し、軟X線領域のXAFS測定によりホウ素(B),酸素(O)及び廃棄物成分のセリウム(Ce)やセシウム(Cs)等の化学的状態及び局所構造を評価した。化学組成や原料ガラス形態等が異なるガラス試料を対象に、BのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、NaO濃度が高くなるとB-Oの4配位sp
構造(BO
)の存在比が高まる傾向を確認した。また、OのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、OのK吸収端スペクトルで観察されるプリエッジの高さは、試料中のFe濃度に依存することを確認した。長期化学的耐久性を評価した浸出試験前後のガラス試料表面を対象に、BのK吸収端XANESスペクトルを測定した結果、浸出試験後に試料表面のB-Oの4配位sp
構造(BO
)の存在比が高まる傾向を確認した。また、CeやCsのM吸収端等のXANESスペクトルを測定した結果、表層に存在するCeは浸出試験により酸化され、表層のCsの多くが浸出試験後に失われていることを確認した。また、XAFS測定に供したガラス試料の状態をラマン分光測定で確認した結果、原料ガラス形態や作製方法によって同様な化学組成であってもラマンスペクトルが異なることを確認した。
永井 崇之; 捧 賢一; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 山岸 弘奈*; 太田 俊明*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 高橋 友恵*; et al.
JAEA-Research 2019-003, 94 Pages, 2019/09
廃棄物ガラス中のガラス成分や廃棄物成分の局所構造は、固化体の化学組成によって変化する。本研究は、リン又はバナジウムを添加したホウケイ酸ガラスと模擬廃液から模擬廃棄物ガラス試料を作製し、廃棄物濃度によるガラス成分の軽元素や廃棄物成分の希土類元素等の化学状態及び局所構造をXAFS測定により評価した。
永井 崇之; 岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 廣野 和也*; 本間 将啓*; 小林 博美*; 高橋 友恵*; et al.
JAEA-Research 2018-007, 87 Pages, 2018/11
本研究は、資源エネルギー庁の「放射性廃棄物の減容化に向けたガラス固化技術の基盤研究事業」における、高レベル放射性廃液の充填率を高められる原料ガラス組成の開発として実施した。候補組成であるバナジウム(V)添加ガラス原料カレットへ模擬高レベル放射性廃液を混合溶融して作製した模擬廃棄物ガラス試料を対象に、レーザアブレーション(LA)法ICP-AES分析, ラマン分光測定及び放射光XAFS測定により評価を実施した。
岡本 芳浩; 永井 崇之; 塩飽 秀啓; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*
日本原子力学会和文論文誌, 16(4), p.180 - 190, 2017/12
模擬ガラス中のロジウムの化学状態を調べるために、X線吸収微細構造(XAFS)およびイメージングXAFS分析を実施した。ガラス中のロジウムの化学形は、EXAFSデータの線形結合解析の結果から、84%がRhO、残り16%がRh金属と見積もられた。イメージングXAFS分析によると、ルテニウムと共存しているロジウムの化学形は、RhO
であった。これは、模擬ガラス中に、安定な(Ru,Rh)O
固溶体が存在することを示唆している。一方、ルテニウムと分布が一致しないロジウムの化学形は金属であった。ガラス中の金属ロジウムは、凝集体になる傾向があった。これらの結果から、ロジウムの化学状態は、ルテニウム元素の存在とその分布に強く影響を受けると結論付けられた。
永井 崇之; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 西澤 代治; 大山 孝一; 小林 秀和; 山下 照雄; 天本 一平
no journal, ,
アルカリ酸化物や希土類酸化物を添加したホウケイ酸ガラスの凝固試料を対象にラマン分光測定を行い,添加した酸化物によるホウケイ酸ガラスのラマンスペクトルを比較評価した。
西澤 代治; 猪瀬 毅彦*; 山川 敦*; 大山 孝一; 永井 崇之
no journal, ,
レーザアブレーション(LA)法により模擬ガラス固化体中の含有元素濃度を定量するため、CeO及びNd
O
を添加調製したガラス試料に照射条件を変えてYAG-5
レーザ照射を行い、ICP-AESの測定を行った。今次大会では、LA法ICP-AESのYAG-5
レーザ照射条件依存性、及びガラス試料の元素分析例等を報告する。
猪瀬 毅彦*; 西澤 代治; 山川 敦*; 大山 孝一; 永井 崇之
no journal, ,
希土類酸化物のCeO, Nd
O
を添加調製したガラス試料を対象に、レーザアブレーション(LA)法ICP-AESによる模擬ガラス固化体含有元素の濃度測定を行い、溶液法ICP-AESによる測定結果と比較評価を行った。今次大会では、LA法と溶液法との比較、モックアップ溶融炉流下ガラスの元素分析への適用について報告する。
永井 崇之; 西澤 代治; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 関 克巳*; 大山 孝一; 狩野 茂
no journal, ,
模擬廃液固化体ガラス中に含まれる溶存種の酸化還元挙動を評価するため、溶融ホウケイ酸ガラスのCV測定手法を検討するとともに、模擬廃液固化体ガラスを対象に900CでのCV測定を試みた結果について報告する。
永井 崇之; 捧 賢一; 大山 孝一; 佐藤 修彰*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
no journal, ,
ガラス固化処理プロセスにおいて、高レベル廃液中のRuはルテニウム酸ナトリウムを経てRuO針状結晶として析出すると考えられる。当該プロセス中のRu挙動を理解するには、ルテニウム酸ナトリウムの生成過程を把握する必要があり、本研究ではルテニウム酸ナトリウムの合成及び評価を行った。研究の結果、Ru化合物とNaNO
を混合し、NaNO
の熱分解温度以上に加熱するとNa
RuO
, Na
RuO
, Na
RuO
等のルテニウム酸ナトリウムを合成でき、生成したNa
RuO
は1000
C付近まで熱的に安定であることが分かった。
西澤 代治; 猪瀬 毅彦*; 大山 孝一; 永井 崇之
no journal, ,
ガラス固化技術開発に係るガラス試料の元素分析手法を迅速化・高度化を目指し、レーザアブレーション(LA)法ICP-AESの適用を検討している。本報では、LA法ICP-AESの特徴である局所的かつリアルタイムの測定性能を活用し、レンガ成分やYP等の異物(不純物)を含むガラス試料を対象に、試料中の未溶解物の検出性及びガラス中への異物溶解量の定量性を検討した。LA法ICP-AESによるガラス試料の元素分析の結果、試料中に析出したYPやレンガ成分の検出及びガラス中への溶解量の定量が迅速に行えることを明らかにした。
猪瀬 毅彦*; 西澤 代治; 大山 孝一; 宮内 厚志; 永井 崇之
no journal, ,
ガラス固化体の元素分析技術として、レーザアブレーション(LA)法ICP-AESの適用を目指した開発を進めている。今回、模擬ガラス固化体試料に含まれるアルカリ金属元素,希土類元素,白金族元素及び装置腐食生成物の遷移金属元素等の定量性を評価し、元素分析技術として適用できることを確認した。
永井 崇之; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*; 関 克巳*
no journal, ,
使用済核燃料再処理プロセスで発生した高レベル放射性廃液は、ガラス溶融炉内でホウケイ酸ガラス原料と溶融混合し、化学的に安定なガラス固化体に処理する。ガラス溶融炉の加熱は交流通電によるジュール熱を利用するため、通電による酸化還元反応を示す化学種の存在が想定され、溶融ガラスに含まれる化学種を対象に酸化還元挙動の評価を進めている。本報では、溶融ガラス中の溶解度が低いRuOを対象に、Ru含有ホウケイ酸ガラスをCV測定しRuO
の酸化還元挙動を評価した。
永井 崇之; 捧 賢一; 大山 孝一; 佐藤 修彰*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
no journal, ,
ガラス固化体中のRuO針状結晶はルテニウム酸ナトリウムを経て生成すると考えられることから、Na
RuO
とガラス原料の主成分であるSiO
の高温反応を観察し、900
C以上でRuO
が生成することを確認した。
猪瀬 毅彦*; 西澤 代治*; 宮内 厚志; 大山 孝一; 山川 敦*; 永井 崇之
no journal, ,
ガラス溶融炉モックアップ試験への適用拡大を図るべく、レーザ照射条件及びエアロゾル輸送系他の改善を進め、ICP発光強度の繰り返し再現性を向上させた。モックアップ試験流下ガラスを用いて、元素濃度定量の向上を図った結果について報告する。
永井 崇之; 捧 賢一; 大山 孝一; 佐藤 修彰*; 猪瀬 毅彦*; 佐藤 誠一*; 畠山 清司*
no journal, ,
ガラス固化プロセスでは、廃液が乾燥・脱硝を経てガラス原料と反応し、ルテニウム酸ナトリウムを生成すると想定される。また、廃液乾燥時に生成するランタニド硝酸塩も脱硝時に複合化合物の生成が予想され、ルテニウム硝酸塩を添加した反応実験の結果、ルテニウムを含む複合化合物が生成する可能性を見出した。
大山 孝一; 猪瀬 毅彦*; 宮内 厚志; 西澤 代治*; 永井 崇之
no journal, ,
使用済燃料再処理の工程で発生する高レベル放射性廃液を化学的に安定なガラス固化体に加工するための技術開発を行っており、各種試験で分取したガラス試料を評価するためには試料中の元素濃度分析が必要である。元素濃度分析法としてICP発光分析法は精確に元素濃度を定量できるが、溶液試料を対象とするため、試料の溶液化処理が煩雑で長時間を要する。我々は、ガラス試料の元素濃度分析の迅速化及び高度化を目指して、試料の溶液化処理に代わる前処理としてレーザアブレーション法(LA法)の開発を進めている。本件では、模擬廃液を用いた実規模大のガラス溶融炉模擬試験(模擬試験)ガラス試料について短時間かつ精確な元素濃度定量の可能性を検討した。その結果、約3週間にわたる模擬試験で分取したガラス試料の1試料あたりの元素濃度定量を、LA法では12時間程度、溶液法では1
2日程度で対応でき、LA法では試験期間中にタイムリーに分析結果を報告することが可能であった。また、短時間で得られたLA法の定量値は試料の溶液化処理後に得られた定量値とおおむね一致することを確認した。よってLA法は、模擬試験におけるガラス試料の元素濃度定量に適用できると判断した。
猪瀬 毅彦*; 大山 孝一; 宮内 厚志; 西澤 代治*; 永井 崇之
no journal, ,
使用済燃料再処理工程で発生する高レベル放射性廃液は、ホウケイ酸ガラス原料と混合溶融し化学的に安定なガラス固化体とする。実験試料のホウケイ酸ガラス試料を評価するために濃度分析が必要であり、分析作業軽減化の観点からレーザアブレーション(LA)法ICP-AESの適用を進めている。そこで我々は、適切なレーザ照射条件及び検量線用標準試料について検討した。その結果、高い発光強度と連続したアブレーションが得られる周波数20Hz、エアロゾル排出のタイムラグが小さいHeガス流量1000mL/minの条件で、相対標準偏差が小さく抑えられた。一方、レーザ強度6J/cm以上で相対標準偏差が大きくなる。以上から適切なレーザ照射条件として、Heガス流量1000mL/min、レーザ強度3
5J/cm
、周波数20Hzを選定した。検量線用標準試料は、測定試料のガラス組成に類似させることで検量線の相関係数0.999以上を担保可能であった。