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浅井 晋一郎*; 岡崎 竜二*; 寺崎 一郎*; 安井 幸夫*; 小林 航*; 中尾 朗子*; 小林 賢介*; 熊井 玲児*; 中尾 裕則*; 村上 洋一*; et al.
Journal of the Physical Society of Japan, 82(11), p.114606_1 - 114606_6, 2013/11
被引用回数:6 パーセンタイル:44.12(Physics, Multidisciplinary)LaCo Rh
O
について中性子および放射光X線回折実験を行い、Co
イオンのスピン状態と結晶構造との関連を調べた。10KにおけるLaCo
Rh
O
では、Co(Rh)O
八面体のCo(Rh)-O間距離は理論値と一致し、格子体積は温度低下によって減少した。また、この格子体積の減少に伴って高スピン状態の比率は減少した。これらの結果から、Co
イオンのスピン状態は高スピン状態と低スピン状態が混在したものであり、高スピン状態は、Rh
イオンの置換によって生じたピン止め効果に加え熱励起によって発現することがわかった。
石垣 功; 大野 新一
原子力工業, 40(2), p.7 - 11, 1994/00
原研高崎研究所で進めているイオンビームによる放射線高度利用研究の現状と成果を中心とした特集号に、放射線高度利用研究計画の全体を概略的に紹介した。イオンビーム利用研究の放射線利用研究の中での位置付け、イオンビームと物質との相互作用、イオンビームの特徴、その特徴と高度利用計画の研究課題類(分野)との係わり等を解説した。また、研究施設としての加速器群及び内装実験設備についても、その概要を記述するとともに、施設の利用制度について紹介した。
徳永 興公; 石垣 功
エネルギー, 26(2), p.77 - 80, 1993/02
最近目ざましい発展をとげている放射線の利用について、工業、医療、農業及び環境保全の分野の現状についてサーベした。工業分野においては、耐熱電線の製造、発泡ポリエチレンの製造、熱収縮チューブの製造、フロッピーディスクの表面処理等に放射線が用いられている。医療分野では、医療用品の滅菌への放射線利用が化学薬品による滅菌にとってかわりつつある。また、農業分野においては、食品照射とともに害虫駆除を不妊虫放飼法により行い成功している。さらに、放射線利用の新展開として排煙、廃水、汚泥の処理を放射線を用いて行う研究が脚光をあびている。特に、電子ビームによる排煙処理については、現在、3ヶ所においてパイロット試験が実施中であり、実用化も間近かいところまできている。
S.Zhu*; 久米 民和; 石垣 功
Radiation Physics and Chemistry, 42(1-3), p.421 - 424, 1993/00
被引用回数:8 パーセンタイル:63.93(Chemistry, Physical)照射小麦の発芽試験による検知法について検討した。照射小麦を25~28Cの室温で5日間、シャーレ上で発芽させ、発芽率及び芽と根の長さを測定した。発芽率は3.3kGyで減少することが認められた。10kGyの照射では完全に発芽は阻害された。芽及び根の伸長は0.3kGyで小さくなり、0.5kGy以上では顕著に阻害された。0.5kGyでの芽の長さは20mm程度であり、5日以上培養してもそれ以上伸びなかった。古い種子では発芽率の減少が認められるが、芽の長さを測定することにより、照射小麦と区別することができた。以上の結果、発芽試験法は照射小麦の検知に適した方法であると考えられた。
伊藤 均; H.O.Rashid*; N.Sangthong*; Adulyatham, P.*; P.Rattagool*; 石垣 功
Radiation Physics and Chemistry, 42(1-3), p.279 - 282, 1993/00
被引用回数:7 パーセンタイル:60.63(Chemistry, Physical)本研究では輸入冷凍エビ12試料について総菌数、大腸菌群、各種病原菌の分布をしらべた。総菌数は1g当り、310
~6
10
個検出され、大腸菌群はEnterobcterが若干検出される程度である。サルモネラ菌は各試料とも全く検出されなかった。一方、病原性ビブリオ菌であるV.parahaemolyticus,V.minicas,V.alginolyticus,V.vulnibicus,V.fluvialisとリステリア菌は熱帯産の試料から広く分離された。総菌数は4~5kGyで90~99%殺菌され、病原性ビブリオ菌、リステリア菌、サルモネラ菌は凍結下3kGyで殺菌可能である。照射による異臭発生は室温下照射では2.5kGyで検知されるが、凍結下の照射では5kGy以上の線量でも無視できる。また脂質の過酸化物価も室温照射では4kGy以上で急増するが、凍結下では10kGy以下では変化が少なかった。トリメチルアミン含量も10kGy以下では全く増加しなかった。
伊藤 均; 大木 由美*; 渡辺 祐平; 須永 博美; 石垣 功
Radiation Physics and Chemistry, 42(4-6), p.597 - 600, 1993/00
被引用回数:2 パーセンタイル:29.96(Chemistry, Physical)本研究では、医療用具の滅菌に制動放射X線利用の実用化を目的としてBacillus属芽胞のX線照射の効果を線及び電子線照射の場合と比較を行った。その結果、ガラス繊維濾紙での無添加系では、B.pumilus,B.subtilis,B.megaterium,B.brevis芽胞の放射線感受性は
線、電子線、X線で大差がなかった。一方、芽胞に対する添加物の影響については、
線、電子線、X線ともに保護効果が現れて、電子線での効果が顕著でX線は電子線の中間か電子線に近くなり、これらの差は線量率によるものと思われる。このため、X線での滅菌条件も電子線と同じ規格基準が適用可能である。しかし、X線の場合、コンベアでの移動照射は照射野に大きな線量率分布があるため、線量評価には注意を要する。
S.Zhu*; 久米 民和; 石垣 功
JAERI-M 92-014, 25 Pages, 1992/02
照射小麦の検知法の開発を目的として、小麦の照射による種々の変化について検討した。発芽試験では、芽の伸長が500Gyで著しく阻害され、貯蔵中も変化しなかった。発芽率の減少は、3300Gyで検出された。胚芽の酵素活性を発芽試験装置(バイタスコープ)で測定した場合には、10kGyで検知できた。アミノ酸分析では、10kGyでリジンの減少が認められたが、わずかな変化であり検知に用いるのは難しいと考えられた。化学発光強度は、照射線量に比例して高くなったが、貯蔵中に減少した。10kGy照射した場合では、3ヶ月貯蔵後でも検知できた。ESR測定では、皮を除いた小麦のg値2.0055におけるシグナルが線量に比例して増加した。これらの方法の中で、発芽試験法が最も感度がよく、照射小麦の検知法として効果的であった。
Z.A.Kadir*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Radiation Physics and Chemistry, 39(6), p.535 - 539, 1992/00
ポリプロピレンには、透明性と剛性を上げるために各種造核剤が添加されている。この造核剤によるポリプロピレンの耐放射線性について調べた。照射による酸化劣化は、造核剤により促進される。通常良く使われるポリプロピレン(MFI=15~20)では、滅菌線量の25kGy照射で耐放射線性の指標である伸びがほとんどなくなる。この造核剤添加ポリプロピレンは球晶サイズの小さい微結晶から成る。したがって、結晶の界面で劣化するポリプロピレンは、照射により結晶内に生成したラジカルが短時間のうちに界面に移るために劣化しやすくなるものと考えられる。
石垣 功; 吉井 文男
Radiation Physics and Chemistry, 39(6), p.527 - 533, 1992/00
医療用具には種々のポリマーが使用されているが、本論文ではポリプロピレンを中心に放射線滅菌における電子線と線による照射効果について述べる。ポリプロピレンは、電子線照射の方が
線よりも酸化劣化が少なく、これは化学発光量の測定から明らかにした。
線では、試料の表面と表面より深いところまで酸化するのに対し、電子線では表面でのみの酸化であった。ポリプロピレンの耐放射線性を上げるには、エチレンを添加した共重合体、高分子量ポリプロピレンおよび溶融成形後急冷により得た試料であることが分った。
野々宮 孝*; 伊藤 均; 森本 明徳*; 山城 富男*; 石垣 功; 岩槻 和男*; 提 孝正*
食品照射, 26(1-2), p.19 - 26, 1992/00
現在輸入されている畜産物の種類は多岐にわたっており、これら畜産物について動物検疫上特に問題となる家畜のウイルス性疾病として、口蹄疫、牛疫、アフリカ豚コレラなどの海外の悪性伝染病がある。その侵入防止対策としては薬品による消毒が行われているが、全ての品目に適用できないし、効果も不十分である。これまでDNAウイルスについては約20kGyで凍結下で消毒できることを明らかにしており、今回はRNAウィルスについて検討した。ここでは、分子サイズの異なる4種のウイルスを用いたが、いずれもDNAウイルスより抵抗性が強く、ドライアイス凍結下では30kGyが消毒に必要な線量であった。この場合血清の中和抗体価や電気泳動による泳動パターンも非照射と比べ変化は認められなかった。一方、室温では約6~16kGyで血清蛋白の変性が認められた。この結果は血液製剤の消毒にも応用可能と思われる。
H.O.Rashid*; 伊藤 均; 石垣 功
World J. Microbiol. Biotechnol., 8, p.494 - 499, 1992/00
被引用回数:22 パーセンタイル:59.1(Biotechnology & Applied Microbiology)東南アジア等の国々からの輸入冷凍エビ8試料中の総細菌数は1g当り210
~4
10
個であり、大腸菌群はEnterobacterが若干検出され、サルモネラ菌は全く検出されなかった。一方、ビブリオ菌は66株分離され、V.para haemolyticusとV.alginolyticusが多くを占め、V.mimicusやV.vulnificus、V.fluvialisも若干検出された。リステリア菌についても4試料中2試料からL.monocytogenesが若干分離された。冷凍エビ中でのビブリオ菌やAeromonas hydrophilaのガンマ線殺菌線量は3kGyで十分であり、L.monocytogenesも3.5kGyで99.99%の殺菌が可能である。従って、輸入冷凍エビ中の病原性細菌を殺菌し、総細菌数を衛生基準以下に低減するためには3~5kGyの線量が必要と思われる。
吉井 文男; 須永 博美; 幕内 恵三; 石垣 功; K.Bahari*
医科器械学, 61(9), p.387 - 392, 1991/09
比較的分子量の高いポリプロピレン単独重合体とプロピレン共重合体の電子線照射によりタングステン板から発生した交換X線による放射線損傷が電子線とガンマー線の場合と比較した。ポリプロピレンには照射中と照射後の保存中の二つの劣化がある。その劣化はX線、電子線及びガンマー線とで大きな差はないが、電子線に比べるとわずかにX線の方が劣化しやすい。放射線酸化は、ガンマー線X線
電子線であり、これはそれぞれの照射の線量率と良く対応し、酸化が最も起きにくい電子線が最も劣化しにくかった。材質損傷では酸化でみられるようなガンマー線とX線との差は認められなかった。以上の結果から、電子線照射による変換X線は材質損傷が電子線とガンマー線と比べ大きな差がなく、透過力もあることから医療用具の放射線滅菌の有用な方法となると考えられる。
伊藤 均; 大木 由美*; 渡辺 祐平; 須永 博美; 石垣 功
防菌防黴誌, 19(4), p.161 - 166, 1991/00
制動放射X線の滅菌条件を明らかにすることを目的としてBacillus pumilus E601株、B.subtilis IAM1069株、B.megaterium S31株、B.brevis S5株の芽胞について制動放射X線、線、電子線の放射線感受性の比較を行なった。ガラス繊維濾紙上で添加物が無い状態で乾燥した場合、各菌株の放射線感受性はX線、
線、電子線でほとんど差がなく、D
値はB.pumiluで1.5~1.6kGy、B.subtilisで1.4~1.5kGy、B.megateriumで1.9~2.0kGy、B.brevisで1.6~2.0kGyとなった。ガラス繊維濾紙上で添加物のペプトン2%+グリセリン1%で乾燥した場合、各菌株の電子線での感受性は、
線と比べ若干低下した。添加物共存下での放射線抵抗性の増加はX線でも認められそれは
線と電子線の中間であった。セルロース濾紙の場合、添加物による放射線抵抗性はB.megateriumとB.brerisのみ増加した。
伊藤 均; 大木 由美*; 石垣 功
防菌防黴誌, 19(11), p.577 - 583, 1991/00
海外からの稲藁製品の検疫処理に適用させることを目的として、植物病原性微生物、特に糸状菌のガンマ線と電子線による殺菌効果を調べた。稲藁中の総細菌数は1g当り310
~3
10
個検出され、主にPseudomonas,Flarobacterium, Arthrobacter,Erviniaなどで占められていた。稲藁の主要ミクロフローラを形成している細菌類は5kGyで殺菌されてしまうが、5~12kGyでDeinococcus proteolyticusとPseudomonas radioraが生残していた。また、変敗糸状菌の一種であるDimorphosporaも8kGyでも生残していた。稲藁から分離した26株の乾燥系でのD
値は0.067M燐酸緩衝液中でのD
値に比べて1.1~2.5倍になりInduction doseは1.5~10倍になった。稲藁中の植物病原性糸状菌を1g当り10
以下に減らすのに必要な線量はガンマ線で7~8kGy、電子線で10kGyであることを明らかにした。
M.T.Razzak*; 吉井 文男; 幕内 恵三; 石垣 功
Journal of Applied Polymer Science, 43, p.883 - 890, 1991/00
被引用回数:6 パーセンタイル:38.08(Polymer Science)放射線加硫した後の天然ゴムラテックス(RVNRL)にメチルメタクリレート(MMA)を放射線グラフト重合した天然ゴム(RVNRL-g-PMMA)の熱可塑性エラストマー(TPE)としての加工性を評価した。乾燥したRVNRL-g-PMMAを素練りし、80Cのユーダーで混練すると熱可塑的になるが、この場合は、20rpmと比較的遅い回転速度で混練時間1時間を要した。混練時間は、未加硫天然ゴムラテックスにMMAをグラフト重合したもの(NRL-g-PMMA)を15%程RVNRL-g-PMMAに添加すると物性値を低下させることなく20分に短縮でき、ブレンドにより加工性が改善できた。得られたTPEは強度については市販のオレフィン系およびスチレン系TPEとほぼ同じで、伸びおよび硬度はMMA含有量によりそれらより広い範囲で変えることができた。したがって、放射線グラフト重合により新しいTPEが調製できた。
金子 信忠*; 伊藤 均; 石垣 功
日本食品工業学会誌, 38(11), p.1025 - 1032, 1991/00
7種の香辛料について5から80kGyの線量で線を照射した。各香辛料中の脂質に対する照射の影響は過酸化物価、ヨウ素価、酸価及びガスクロマトグラフィーによってしらべた。その結果、各香辛料中の過酸化物価は照射による影響は少く、ナツメッグで他の香辛料より過酸化物価の増加が著しかったのは脂質含量が高いためと思われる。ヨウ素価及び酸価の変化も過酸化物価と相関性があった。脂質のGC分析の結果では50kGy照射しても成分変化は全く検出することができなかった。精油成分についてもヘッドスペースガスクロとGC-MSで分析したが、照射による成分組成の変化は認められず、炭化水素及び含酸素化合物に分画した後のガスクロ分析でも成分変化は検出できなかった。一方、加熱殺菌されたクローブでは低沸点化合物の減少が明確に認められた。
三友 宏志*; 河野 昂*; 渡辺 祐平; 伊藤 均; 石垣 功
Reports on Progress in Polymer Physics in Japan, 34, p.415 - 416, 1991/00
微生物産生ポリエステルであるPHBおよびその共重合体Poly(HB-CO-20mol%HV)を線照射し、線量に対する分子量、融点およびガラス転移点の低下を調べた。PHBおよびP(HB-CO-HV)のDSC測定から求めた融点は照射線量に対してはほぼ直線的に低下するが、空気中照射に比べ真空中の方がその低下は小さい。また、GPCから求めた数平均分子量は低線量照射で急激に低下するが、その後は線量に対して徐々に低下した。真空中ではその度合いが小さくなり、酸素の影響が明らかに見られた。ほぼ同じ分子量を示す真空中照射試料の融点は空気中のそれより約15
C低いところに現れ、細かく結晶が壊されているにもかかわらず分子間架橋のために分子量が高く見積もられているものと推定された。またガラス転移温度も空気中では直線的に低下したが、真空中ではS字型曲線に沿った減少を示し、架橋の生成が転移温度の低下を遅延させたと考えられる。
大木 由美*; 伊藤 均; 石垣 功
食品照射, 26(1-2), p.47 - 50, 1991/00
細菌芽胞についてはガンマ線と電子線での感受性の比較がすでに行われており、ガンマ線より電子線の方が空気依存下では若干抵抗性となる傾向が認められている。一方糸状菌については、まだこれらの検討はほとんど行われていない。そこで本研究ではAspergillus属とFusarium属の菌株及び自然界から分離した不完全菌類を用いて感受性の比較を行った。各菌はPDAで培養後ペプトン、グリセリン、グルタミン酸ナトリウム水溶液で集め脱脂綿上で乾燥した後照射した。Aspergillus属は、線でのD
値は0.3~0.4kGy、Induction Doseは0.2kGy、電子線ではやや抵抗性となり肩も大きくなった。Fusarium属は、
線でD
値は1.0~1.5kGy、Induction Doseも1.0~1.5kGy、電子線ではAspergillus属と同様に両値は大きくなった。不完全菌類についても、すべて
線に比べて電子線でやや抵抗性となる傾向が認められた。
O.R.Harun*; 伊藤 均; 石垣 功
食品照射, 26(1-2), p.40 - 42, 1991/00
海外より輸入されてくる冷凍エビは年々増加しており食中毒菌やコレラ菌汚染が問題となることがある。本研究では東南アジア等から輸入されてくる冷凍エビを中心に腸炎ビブリオ菌等の各種の病原性ビブリオ菌やサルモネラ菌、リステリア菌の分布を調べると共に殺菌線量の検討を行なった。その結果、多くの試料からVibrio paraphaemolyticus、V.alginolyticus、V.valnificus、V.fluvialisが分離され、コレラ菌と近縁のV.mimicusも1試料から分離された。さらにListeria monocytogenesがいくつかの冷凍エビより若干分離された。サルモネラ菌は各試料とも全く検出されなかった。このことから、ビブリオ菌は東南アジアなど熱帯地域の海水に生息し汚染の原因になると思われる。凍結下でのビブリオ菌の殺菌線量は約3kGy以下であり、リステリア菌は4~5kGyであった。
伊藤 均; B.Jintana*; M.G.Zenaida*; 石垣 功
食品照射, 26(1-2), p.43 - 46, 1991/00
東南アジアから輸入されてくる香辛料からしばしば、Aspergillus flavasが検出され、飼料用輸入穀類でもA.flavusの混入又はアフラトキシンの汚染が問題となっている。これまで、A.flavusに放射線を照射するとアフラトキシン生産能が増大するとか、突然変異により強力なアフラトキシン生産株が誘導されるという懸念が示されてきた。A.flavusのコロニーや形態による相対的な突然変異率は線量と共に増加したが、これらの変異は植え継ぎにより元に復帰する傾向が認められた。さらに6回まで繰り返し照射を行ったが変異率の著しい増加は認められなかった。A.flavusのS46、E11、E14株は白米や合成培地でアフラトキシンを生成し、低線量照射で生成能が若干促進される傾向が認められたがその差は誤差範囲であった。一方、照射後の分離株は植え継ぎによりアフラトキシン生産能が低減した。香辛料ではアフラトキシンは生成されなかった。