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石井 康友; 松永 剛; 奥村 義和
プラズマ・核融合学会誌, 91(4), p.296 - 297, 2015/04
幅広いアプローチ活動便り(54)では、IFMIF/EVEDA事業委員会の開催、IFERC事業委員会とIFERC-CSC研究会の開催、サテライト・トカマク(JT-60SA)計画の進展に関して報告している。第15回IFMIF/EVEDA事業委員会には、高津議長をはじめ、日欧の委員と専門家, ナスター事業長, 事業チーム等31名が参加し、事業計画案等を審議し、BA運営委員会に対する技術的な勧告をまとめた。第16回IFERC事業委員会には、メゾニエ議長をはじめ、日欧の委員と専門家、中島事業長、事業チーム等32名が参加し、2014年度の年次報告、事業計画の改訂案等を審議し、BA運営委員会に対する技術的な勧告をまとめた。IFERC-CSC研究会には、国内の研究プロジェクト代表者等39名が参加し、各プロジェクトの成果報告とCSC利用に関する意見交換が行われた。JT-60SAでは、真空容器組立作業が進展し、並行して周辺機器や関連建屋の整備が順調に進んでいる。これら、BA活動における主要な出来事を国内コミュニティーに対して情報発信する。
石井 康友; 松永 剛; 奥村 義和
プラズマ・核融合学会誌, 91(2), p.161 - 162, 2015/02
幅広いアプローチ活動だより(53)では、IFMIF原型加速器入射器における初ビームの成功、IFMIF/EVEDA事業液体リチウムターゲット実証試験の完遂、サテライト・トカマク(JT-60SA)計画の進展に関して報告している。BA協定の下、六ヶ所サイトの国際核融合エネルギー研究センターで進められているIFMIF(国際核融合材料照射施設)の工学設計・工学実証活動(IFMIF/EVEDA事業)では、IFMIF原型加速器の入射器の据付調整が完了し、2014年11月よりビーム調整試験が開始された。さらに、中性子源となるリチウムターゲットの成立性に関わる工学実証試験については、大洗研究開発センターに実機規模のリチウム試験ループを製作して、約2年間にわたりその実証試験を実施してきた。2014年10月末でこの試験が目標を上回る成果を達成し、成功裏に完了した。また、那珂研究所で進められているJT-60SAの建設では、三次元CADソフトCATIAを用いて各部品の設計が行われている。これまでの建設状況とあわせて、最新状況をJT-60SAのホームページで順次公開している。これら、BA活動における主要な出来事を国内コミュニティーに対して情報発信する。
石井 康友; 松永 剛; 奥村 義和
プラズマ・核融合学会誌, 90(12), p.827 - 828, 2014/12
幅広いアプローチ活動だより(52)では、第15回幅広いアプローチ(BA)運営委員会の開催、第14回IFMIF/EVEDA事業会合の開催、第15回IFERC事業会合の開催、サテライト・トカマク(JT-60SA)計画の進展に関して報告している。第15回BA運営委員会には、欧州から委員3名と専門家8名、日本側から委員4名と専門家7名、各事業長及び各事業委員会議長他の計30名が参加し、IFMIF/EVEDA事業、IFERC事業、及びサテライト・トカマク計画事業の2015年作業計画を承認した。第14回IFMIF/EVEDA事業委員会には委員6名(日本側委員3名、欧州側委員3名)、専門家12名(日本側専門家7名、欧州側専門家5名)、IFMIF/EVEDA事業チーム員8名が参加し、IFMIF/EVEDAに関する各活動の進展状況が報告された。第15回IFERC事業委員会には、委員6名(日本側委員3名、欧州側委員3名)、専門家16名(日本側専門家7名、欧州側専門家9名)、IFERC事業チーム員9名が参加し、IFERC事業の状況報告、IFERC事業の2015年作業計画が議論された。JT-60SA計画の進展状況として、真空容器組立作業がJT-60本体室で順調に進展していることが報告された。これら、BA活動における主要な出来事を国内コミュニティーに対して情報発信する。
石井 康友; 松永 剛
プラズマ・核融合学会誌, 90(10), p.641 - 643, 2014/10
幅広いアプローチ活動便り(51)では、原型炉R&D棟へのJET(Joint European Torus)ダストの搬入、BA原型炉設計及び安全性に係る共同研究合同会合の開催、サテライト・トカマク(JT-60SA)計画の進展状況に関して報告している。2014年8月18日、六ヶ所研究所の原型炉R&D棟に、JETで行われたITER模擬運転で得られた、タングステンを表面にコーティングした炭素タイル及びベリリウムタイルの試験試料が搬入され、資料分析の準備が開始された。また、7月30-31日に、六ヶ所の国際核融合エネルギー研究センターにおいてBA原型炉設計及び安全性に係る共同研究合同会合が開催され、日欧の原型炉設計研究の現状や個別の設計課題等について活発な議論が行われた。また、那珂核融合研究所では、JT-60SAトカマク本体に加え加熱装置の開発も順調に進んでいる。これら、BA活動における主要な出来事を国内コミュニティーに対して情報発信する。
石井 康友; 松永 剛
プラズマ・核融合学会誌, 90(8), p.506 - 507, 2014/08
2014年6月3-5日に開催された第5回IFMIF/EVEDA原型加速器技術会合、原型加速器用RFシステムの受入試験、5月に開始されたJT-60SA真空容器の組立開始、5月19-23日に開催された第3回JT-60SA日欧研究調整会議に関して報告している。第5回IFMIF/EVEDA原型加速器技術会合では、六ヶ所研究所における据付、調整作業の状況、各機器におけるそれぞれ担当機関からの準備状況等38件が報告された。また、欧州が調達する原型加速器用RFシステムについて、原子力機構、F4E、プロジェクトチーム立ち会いのもと性能検査(受入試験)が、スペイン・マドリッド近郊のINDRA社の現地工場で実施され良好な試験結果が得られた。また、那珂核融合研究所では、超伝導トカマクJT-60SAの真空容器組立作業を2014年5月からJT-60本体室で開始された。第3回JT-60SA日欧研究調整会議では、JT-60SAの研究計画を策定、JT-60SAに関する日欧共同研究の議論及び情報交換が行われた。これら、BA活動における主要な出来事を国内コミュニティーに対して情報発信する。
石井 康友; 松永 剛
プラズマ・核融合学会誌, 90(6), p.349 - 350, 2014/06
幅広いアプローチ活動だより(49)では、2014年4月10日に六ヶ所村の国際核融合エネルギー研究センターにおいて開催された第14回BA運営委員会の状況、及び原子力機構那珂研内の超伝導コイル巻線棟で2013年12月に完成した超伝導平衡磁場コイル(EFコイル)の状況を国内の核融合コミュニティーに対して報告している。第14回BA運営委員会には、欧州からカリニャーニ・ディ・ノボリ欧州委員会研究総局エネルギー局ITER課長(欧州代表団長)を含め委員2名と専門家3名、日本側から磯谷文部科学省大臣官房審議官(日本代表団長)を含め委員4名と専門家19名、3事業の事業長、及び事業委員会議長他の計34名が参加し、IFMIF/EVEDA事業、IFERC事業、サテライト・トカマク計画事業の3事業の2013年年次報告を承認され、事業計画を更新された。また、那珂研究所では、メーカーの工場で作成されたEF4コイル(外径4.4m、重量30トン)より更に大きいEF5コイル(外径8.2m、重量23トン)とEF6コイル(外径10.5m、重量33トン)を那珂研内の超伝導コイル巻線棟にて製作を行い、2013年12月に完成した。これら、BA活動における主要な出来事を国内コミュニティーに対して情報発信する。
廣田 真; Morrison, P. J.*; 石井 康友; 矢木 雅敏; 相羽 信行
Nuclear Fusion, 53(6), p.063024_1 - 063024_11, 2013/06
被引用回数:9 パーセンタイル:36.15(Physics, Fluids & Plasmas)トカマク放電中の鋸歯状崩壊現象を理解するため、無衝突プラズマ中で起きる速い磁気リコネクションのメカニズムを解析した。非線形の変位写像に対するエネルギー原理を用いることで、電子慣性によって駆動されるテアリングモードの爆発的成長を解析的に予測した。(磁気島の幅が電子慣性長より大きくなった)非線形段階では、ポテンシャルエネルギーの減少が線形段階よりも急峻になることがわかり、それがリコネクションの加速の要因となる。こうした理想流体の運動による自由エネルギーの解放は、非定常かつ強い対流を生成し、それは高温トカマクにおける小さな散逸効果では阻止することはできない。スラブ配位における直接数値シミュレーションにより、この非線形成長の理論予測を立証した。
諫山 明彦; 松永 剛; 石井 康友; 坂本 宜照; 森山 伸一; 鎌田 裕; 小関 隆久; JT-60チーム
Plasma and Fusion Research (Internet), 5, p.037_1 - 037_6, 2010/10
本論文では、JT-60Uにおけるの新古典テアリングモード(NTM)の回転周波数の磁気島幅依存性について記述している(はポロイダルモード数、はトロイダルモード数)。電子サイクロトロン電流駆動の位置を変えることにより磁気島幅を能動的に変化させた結果、磁気島幅の増加とともに回転周波数が減少することがわかった。また、モード周波数が「NTM安定化後のモード周波数」の半分程度になったとき、モード周波数が遷移的に変化し、回転周波数が遷移前の20%程度までに減少することがわかった。また、高いモード周波数から低いモード周波数への遷移時の磁気島幅はその逆の遷移時の磁気島幅より20%程度大きく、ヒステリシスが存在することがわかった。さらに、一連の変化は、プラズマと周辺導体との相互作用を考慮したモデルとよい一致を示すことがわかった。
荒木 政則; 林 君夫; 飛田 健次; 西谷 健夫; 谷川 博康; 野澤 貴史; 山西 敏彦; 中道 勝; 星野 毅; 小関 隆久; et al.
プラズマ・核融合学会誌, 86(4), p.231 - 239, 2010/04
ITER計画を支援するとともに、核融合エネルギーの早期実現に向けての活動を行う幅広いアプローチ(BA)活動は、この目的のためにITERの建設期間中にさまざまな研究開発を行う日欧の共同事業である。ここでは、国際核融合エネルギー研究センター事業の活動の概要について説明するとともに、現在の進捗状況及び今後の計画・展望について述べる。
石井 康友
Plasma and Fusion Research (Internet), 5, p.002_1 - 002_7, 2010/01
本論文では、ティアリングモードに対して安定な共鳴面において、外部揺動により磁気島が発生する新しい物理機構を報告している。磁場閉じ込めプラズマでは、閉じ込め性能の劣化をもたらす磁気島の抑制・制御が緊急の研究課題である。新古典ティアリングモード(NTM)では、ティアリング安定な共鳴面に、他の巨視的電磁流体(MHD)現象が外部揺動となって種磁気島が形成される。プラズマ中心領域や端領域で発生するMHDモードが、このような巨視的MHD現象として考えられる。しかしながら、これまでの理論モデルでは、観測される巨視的MHD現象とNTM発生との因果関係の説明が困難であった。本研究では、トカマク・プラズマ中で一般的に存在するプラズマ流効果を含むMHDシミュレーションにより、外部揺動の振幅が臨界値以下でも磁気島の急激な成長が起こる物理機構を発見した。本研究では、実験的に観測される巨視的MHD現象とNTM発生との間の因果関係を説明する新しい物理モデルを提案した。
石井 康友; Smolyakov, A. I.*; 武智 学
Nuclear Fusion, 49(8), p.085006_1 - 085006_10, 2009/08
被引用回数:29 パーセンタイル:70.17(Physics, Fluids & Plasmas)反転磁気シアプラズマは高性能トカマクプラズマを生成するための有力なプラズマ配位の1つであるが、低プラズマ圧力領域でのディスラプション発生確率が高く、このようなディスラプションの機構解明と回避手法の開発が緊急の研究課題である。本論文では、プラズマ回転効果を含む自発的DTM,外部駆動型DTMの非線形MHDシミュレーションを行うことにより、内外共鳴面で観測される揺動の差異を説明する物理モデルを構築するとともに、外部揺動による低圧力ディスラプションのトリガー機構を解明した。また、強い回転シアにより、自発的及び外部駆動型DTMの非線形不安定化が抑制できることを明らかにした。
石井 康友; Smolyakov, A. I.*
Plasma and Fusion Research (Internet), 3, p.048_1 - 048_7, 2008/08
本研究では、回転プラズマ中に外部揺動により駆動される磁気島の発生と成長に関して、非線形電磁流体(MHD)シミュレーションにより得られた新たな知見を、プラズマ・核融合学会において招待講演として発表する。本研究により、高温プラズマに対応するプラズマパラメータ領域では、外部駆動磁気島の急激な成長を引き起こす過程が、これまでの理論モデルとは異なることを明らかにした。また、非線形段階に新たな成長領域が存在することを発見した。このような外部駆動磁気島は、トカマクプラズマの性能劣化を引き起こす重要な機構の1つとして重要な研究課題となっている。これまでの研究では、磁気島が剛体として運動すると仮定していた。しかしながら、高温プラズマに対応する低抵抗性プラズマパラメータでの非線形シミュレーションを行ったところ、磁気島は剛体ではなく特異な形状変形を引き起こすことが明らかになった。また、このような特異な形状変形が2次的磁気再結合を引き起こすことを明らかにした。
石井 康友; 安積 正史; Smolyakov, A. I.*
Nuclear Fusion, 47(8), p.1024 - 1032, 2007/08
被引用回数:9 パーセンタイル:31.54(Physics, Fluids & Plasmas)本研究では、トカマクプラズマの性能劣化を引き起こす重要な機構の1つである、流れのあるプラズマ中での外部揺動による磁気島の形成機構を調べた。トカマクプラズマでは種々の外部揺動により、本来安定な領域に磁気島が形成される場合がある(外部駆動磁気島)。これまでは、外部駆動磁気島が急激に成長するための外部揺動の臨界値が主な研究対象であった。本研究では、高温プラズマに対応した低衝突領域での外部駆動磁気島の非線形成長を数値シミュレーションで調べることにより、新たな非線形成長領域が存在することを見いだした。この領域では、初期に形成されたX-点が変形し、2次的な磁気再結合が生じる。これまでは、磁気島の内部に働くトルクは一様で、磁気島は剛体として扱われてきた。しかし本研究により、磁気島内部に働くトルクの分布は非一様であり、これまでの予測とは異なる磁気島の変形をもたらすことがわかった。このような磁気島の変形が2次的磁気再結合を引き起こしている。このようなX点近傍での磁場のトポロジー変化は、ブートストラップ電流の分布変化を通じて、新古典ティアリングモードの発生臨界値に影響すると考えられる。
石井 康友; 安積 正史; Smolyakov, A. I.*
Proceedings of 21st IAEA Fusion Energy Conference (FEC 2006) (CD-ROM), 8 Pages, 2007/03
本研究では、トカマクプラズマの性能劣化を引き起こす磁気島形成の機構を、プラズマ中の流れを考慮して、数値シミュレーションにより調べた。トカマクプラズマでは磁気島形成を引き起こすティアリング不安定性に対して、独立状態では安定と考えられる磁気面において磁気島が形成される現象が観測されている。このような安定な磁気面での磁気島形成は、外部摂動に起因すると考えられているが、その詳細過程は未解明である。本研究では、広範な抵抗値領域に対して数値シミュレーションを行うことにより、低い抵抗値領域で抵抗効果が顕著になる領域が存在することを明らかにした。これまでの研究では、強制磁気島は内部構造を持たない剛体として取り扱われていた。しかしながら、本研究により、磁気島の内部における非一様なトルク分布が磁気島の変形を引き起こし、初期のX点近傍での2次的な磁気再結合が生じていることが明らかになった。このようなX点近傍での磁場のトポロジー変化は、X点近傍でのブートストラップ電流の変化を通じて、新古典ティアリングモードの発生臨界値に影響すると考えられる。
関本 均; 本田 修三*; 加藤 翔太*; 落合 由記子*; 米山 香織*; 米山 弘一*; 竹内 安智*; 河地 有木; 藤巻 秀; 鈴井 伸郎; et al.
JAEA-Review 2006-042, JAEA Takasaki Annual Report 2005, P. 125, 2007/02
To share the absorbed nitrogen with host plant would be one of strategy for survival of root parasites. Translocation of Nnitrate or Nammonium in the root system of red clover infected by broomrapes ( Sm.) was examined by a positron emitting tracer imaging system (PETIS). PETIS images indicated that the distribution ration of NH in the shoot to in the whole - infected plant was lower than in no-infected plant, indicating that easily compared with NO.
石井 康友; 安積 正史*; Smolyakov, A. I.*
Journal of Plasma Physics, 72(6), p.1243 - 1248, 2006/12
被引用回数:1 パーセンタイル:3.50(Physics, Fluids & Plasmas)本研究では、トカマクプラズマの性能劣化を引き起こす磁気島形成の機構を、プラズマ中の流れを考慮して、数値シミュレーションにより調べた。トカマクプラズマでは磁気島形成を引き起こすティアリング不安定性に対して、独立状態では安定と考えられる磁気面において磁気島が形成される現象が観測されている。このような安定な磁気面での磁気島形成は、外部摂動に起因すると考えられているが、その詳細過程は未解明である。これまでの理論的予測では、プラズマ流が存在すると、磁気島を形成するための外部摂動の臨界値が存在し、その臨界値が抵抗値及び粘性値に依存すると考えられていた。本研究では数値シミュレーションにより、現実のトカマク放電のパラメータ領域近傍では、この臨界値が抵抗値には依存するが、粘性値にはほぼ依存しないことを明らかにした。また、流れのあるプラズマ中でのこのような磁気島の成長には、散逸依存領域と散逸非依存領域が存在することを見いだした。
武智 学; 藤田 隆明; 石井 康友; 小関 隆久; 鈴木 隆博; 諫山 明彦; JT-60チーム
Nuclear Fusion, 45(12), p.1694 - 1699, 2005/12
被引用回数:7 パーセンタイル:24.26(Physics, Fluids & Plasmas)強い内部輸送障壁(ITB)と中心に平坦な圧力区分布を有する負磁気シアプラズマは非常に高い閉じ込め性能を有するが、頻繁に低いベータにもかかわらずディスラプションに至る。ディスラプションに至るMHD揺動とMSEによる詳細な電流分布計測を行ったところ2つのタイプのディスラプションが観測された。一つは安全係数が整数付近で観測される前兆振動を伴わないものであり、もう一つは10msの成長率を持つITB付近から表面まで広がるn=1の前兆振動を伴うものである。これらのディスラプションの特徴を説明するために次のような簡単なモデルを導入した。表面のMHD不安定性とこれと同じモード数に対応するITB付近のMHD不安定性が同時に不安定になった場合にディスラプションに至る。このモデルを用いると観測されるディスラプションは周辺部のモードがトリガーとなるものと内部のモードがトリガーとなるものに分類可能であることがわかった。
石井 康友; 安積 正史; 岸本 泰明
Theory of Fusion Plasmas, ISPP21, p.213 - 226, 2004/00
逆転磁気シアプラズマにおける重要な電磁流体不安定性の1つであるダブルティアリングモード(DTM)の非線形不安定化過程と、それによるDTMの爆発的成長に関して報告する。DTMの長時間成長を調べるための高精度数値シミュレーションを行うことにより、新しい非線形不安定化過程とそれに付随する新しい磁気再結合過程が存在することを明らかにした。この現象はトカマクプラズマの高性能化を阻害するディスラプション現象の解明に貢献するとともに、太陽フレア等の天体プラズマにおける未解明の爆発現象の研究に貢献する可能性がある。
石井 康友; 安積 正史; 岸本 泰明
Physics of Plasmas, 10(9), p.3512 - 3520, 2003/09
被引用回数:13 パーセンタイル:39.03(Physics, Fluids & Plasmas)負磁気シアプラズマで重要となるダブルティアリングモード(DTM)の非線形不安定化過程における電流点形成の詳細な過程と、その爆発的成長領域での役割を明らかにした。電流点形成は、これまでに知られている電流シートを伴った磁気再結合過程とは反対に、DTMの成長とともに磁気再結合領域に形成されるプラズマ電流の縦横比(逆アスペクト比)が増大することを初めて明らかにした。異なった抵抗値に対しては、形成される電流点の逆アスペクト比,絶対値が異なる。この性質が、爆発敵領域での非線形成長率の抵抗値非依存性の原因であることを明らかにした。さらに、トロイダル配位でのシミュレーションを行うことにより、乱雑磁場中においても、コヒーレントな電流点構造が形成・維持される可能性を示した。
石井 康友; 安積 正史; 岸本 泰明; Leboeuf, J. N.*
Nuclear Fusion, 43(7), p.539 - 546, 2003/07
被引用回数:29 パーセンタイル:63.23(Physics, Fluids & Plasmas)JT-60Uの負磁気シアプラズマの低ディスラプションで観測される時定数遷移現象が、ダブルティアリングモード(DTM)の非線形不安定化現象で説明できる可能性を示した。JT-60U実験データに基づく平衡配位に対して、トロイダル線形抵抗性MHD解析を行うことにより、抵抗性交換型モードが不安定なパラメータ領域においても、DTMが最大不安定モードとなりえることを明らかにした。さらに、円柱プラズマに対する非線形MHDシミュレーションを行うことにより、DTMの非線形不安定化とそれに伴う電流点形成に起因する時定数遷移現象の存在を明らかにした。また、トロイダルプラズマに対する非線形MHDシミュレーションを行うことにより、乱雑磁場中でも電流点が形成されることを示し、トカマクプラズマ中での電流点の実現可能性を示した。