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今富 大介*; 石川 遼典*; 仲田 玲*; 伊東 達矢; Han, K.*; 長迫 実*; Xu, X.*; 大森 俊洋*; 貝沼 亮介*
Journal of Phase Equilibria and Diffusion, 45(1), p.3 - 17, 2024/02
Mn-Zn二元系における相平衡を、組成分析、結晶構造解析、熱分析により実験的に決定した。これまでの報告と比較し、相、相、相の存在領域に違いが見られた。相の領域から急冷した試料でMn相と同じ不規則な体心立方構造が確認されたため、-B2の単相域は確認できなかった。先行研究において、相が,,相に分離しているかどうかが論争になっていきたが、拡散対といくつかの合金組成の調査により、相、相、相は分離しておらず、単一の相となっていることが示された。さらに、熱分析によって対応する不変系反応が検出されなかったことから、相はZn過剰領域には存在しない。
横山 賢治; 石川 眞*
International Handbook of Evaluated Reactor Physics Benchmark Experiments (CD-ROM), p.ZPPR-LMFR-EXP-001, 002, 005, 006 - Appendix M, D, G, G, 2023/00
OECD/NEAの国際炉物理ベンチマークハンドブック(IRPhEP)には、JUPITER計画のNa冷却MOX燃料高速炉を模擬した9つのZPPR炉心(ZPPR-9, 10A, 10B, 10C, 13A, 17A, 18A, 18C, 19A)の実験データが炉物理ベンチマーク問題として登録されている。ZPPR炉心のas-builtモデル(幾何形状を忠実に模擬したモデル)を作成するには、ZPPRベンチマーク問題にEXCELファイルとして添付されているAMMモデル(All Master Model)とドロワマスターモデルを使う。通常はこれらのファイルの情報を使うことで完全なas-builtモデルを再現できるが、一つ例外があり、いくつかの炉心の「吸収材安全ロッド(Poison Safety Rod: PSR)」,「シムロッド(Shim Rod)」と呼ばれるナロードロワ(ドロワ:燃料を装荷するための引き出し)については完全には再現できない。これらのナロードロワには、緊急時炉停止や臨界調整のために吸収材を挿入するために片側半分に空隙が設けてある。このため、ナロードロワの方向を決めるためには、空隙がどちらにあるのかをAMMモデルやドロワマスターモデルで明示しなければならない。残念ながら、JUPITER-Iシリーズ炉心(ZPPR-9, 10A, 10B, 10C)では、このナロードロワの方向が区別されていなかった。このため、アルゴンヌ国立研究所(ANL)実験者が作成したオリジナルの実験炉心図や燃料装荷記録から、これらの4つの炉心のナロードロワの方向を調査した。これらの4つの炉心のas-builtモデルを作成できるようにするため、この調査結果に基づいてナロードロワの方向を、これらのベンチマーク問題の新しい付録としてEXCELファイルの形でまとめた。
横山 賢治; 石川 眞*
Annals of Nuclear Energy, 154, p.108100_1 - 108100_11, 2021/05
被引用回数:1 パーセンタイル:15.09(Nuclear Science & Technology)高速炉のような新型炉の設計において、核特性の予測精度を向上させることは重要な課題である。炉定数調整法(核データ調整法)はこの課題に対する有力な方法論の一つである。炉定数調整法の考え方は1964年に初めて提案されたが、その実用化に向けては長期間に亘って研究が行われている。理論式の確立に約10年間を要したが、実用化に向けては半世紀以上に亘って研究開発が行われている。この分野の研究活動は依然として活発であり、新しい原子炉を開発するためには予測精度の向上が必要不可欠であることを示唆している。2020年3月に逝去されたMassimo Salvatores氏は炉定数調整法の最初の提案者の一人であるとともに、実用化に向けて偉大な貢献を行った研究者である。この分野における同氏の業績をレビューすることは、炉定数調整法の方法論の歴史をレビューすることとほぼ同じことを意味する。われわれはこのレビューがこの分野において今後何を開発すべきかを示唆するものになると期待する。このレビューは、a)炉定数調整法の方法論の確立と、b)実用化に関する成果の二つのテーマで構成される。更に、前者については、炉定数調整法の理論と炉定数調整法の適用必要となる感度係数の数値解法に関する研究の観点からレビューを行う。後者については、積分実験データの利用、不確かさの定量化と設計目標精度の評価、核データ共分散開発の促進の観点からレビューを行う。
岩佐 直仁*; 石川 竣喜*; 久保野 茂*; 榊原 昂浩*; 小湊 和也*; 西尾 勝久; 松田 誠; 廣瀬 健太郎; 牧井 宏之; Orlandi, R.; et al.
Physical Review C, 103(1), p.015801_1 - 015801_5, 2021/01
被引用回数:1 パーセンタイル:17.58(Physics, Nuclear)The Be(He,)Be()Li reaction was studied at (He)=30 MeV to deduce the branching ratios of of resonant state at 18.91 - 20.1 MeV in Be, which are necessary to extract the Be(, )Li reaction rate relevant to the Be destruction in the big bang nucleosynthesis, from the Li(,)Be reaction cross section. The decay protons from Be to the ground and first excited states in Li were well-separately measured. The ratio of the 19.235-MeV state was deduced to be 3.41.9%. The 19.86- and 20.1-MeV states were found to decay dominantly into the first excited and ground states of Li, respectively.
杉野 和輝; 沼田 一幸*; 石川 眞; 竹田 敏一*
Annals of Nuclear Energy, 130, p.118 - 123, 2019/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)MAサンプル照射試験解析では、一般に解析精度向上のため、照射期間に渡る中性子照射量をドシメータデータによりスケーリングする。そのような場合、通常の一般化摂動論により得られる燃焼感度係数に対して、燃焼感度係数における相殺効果を考慮するための適切な補正が必要となる。それゆえに、中性子照射量のスケーリング効果を考慮するための、新しい燃焼感度係数の計算式を導出した。更に、得られた燃焼感度係数とJENDL-4.0に基づく断面積共分散データを用いて、断面積起因の不確かさ評価を行った。
横山 賢治; 杉野 和輝; 石川 眞; 丸山 修平; 長家 康展; 沼田 一幸*; 神 智之*
JAEA-Research 2018-011, 556 Pages, 2019/03
高速炉用統合炉定数ADJ2010の改良版となるADJ2017を作成した。統合炉定数は、核設計基本データベースに含まれる臨界実験解析等で得られるC/E値(解析/実験値)の情報を、炉定数調整法により実機の設計に反映するためのものであり、核データの不確かさ(共分散)、積分実験・解析の不確かさ、臨界実験に対する核データの感度等の情報と統合して炉定数を調整する。ADJ2017は、前バージョンのADJ2010と同様に、我が国の最新の核データライブラリJENDL-4.0をベースとしているが、マイナーアクチニド(MA)や高次化Puに関連する積分実験データを重点的に拡充した。ADJ2010では合計643個の積分実験データを解析評価し、最終的に488個の積分実験データを採用して統合炉定数を作成した。これに対して、ADJ2017では、合計719個の核特性の解析結果に対する総合評価を行い、最終的に620個の積分実験データを採用して統合炉定数を作成した。ADJ2017は、標準的なNa冷却MOX燃料高速炉の主要な核特性に対してADJ2010とほぼ同等の性能を発揮するとともに、MA・高次Pu関連の核特性に対しては、積分実験データのC/E値を改善する効果を持っており、核データに起因する不確かさを低減することができる。ADJ2017が今後、高速炉の解析・設計研究において広く利用されることを期待する。ADJ2017の作成に用いた積分実験データは、高速炉の炉心設計の基本データベースとして有効活用できると期待される。
Chadwick, M. B.*; Capote, R.*; Trkov, A.*; Herman, M. W.*; Brown, D. A.*; Hale, G. M.*; Kahler, A. C.*; Talou, P.*; Plompen, A. J.*; Schillebeeckx, P.*; et al.
Nuclear Data Sheets, 148, p.189 - 213, 2018/02
被引用回数:67 パーセンタイル:98.17(Physics, Nuclear)CIELO国際協力では、原子力施設の臨界性に大きな影響を与える重要核種(U, U, Pu, Fe, O, H)の中性子断面積データの精度を改善し、これまで矛盾していると考えられた点を解消することを目的として研究が行われた。多くの研究機関が参加したこのパイロットプロジェクトは、IAEAの支援も受けて、OECD/NEAの評価国際協力ワーキングパーティ(WPEC)のSubgroup 40として組織された。本CIELOプロジェクトは、新たな実験研究や理論研究を行う動機付けとなり、測定データを正確に反映し臨界性の積分テストに優れた新たな一連の評価済みライブラリとして結実した。本報告書は、これまでの研究成果と、本国際協力の次の段階の計画概要をまとめたものである。
Chadwick, M. B.*; Capote, R.*; Trkov, A.*; Kahler, A. C.*; Herman, M. W.*; Brown, D. A.*; Hale, G. M.*; Pigni, M.*; Dunn, M.*; Leal, L.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 146, p.02001_1 - 02001_9, 2017/09
被引用回数:6 パーセンタイル:95.04(Nuclear Science & Technology)CIELO共同研究では中性子断面積データの改善及びこれまでの評価で見られた断面積の不一致を解決することを目的として、原子力の臨界性に大きな影響を与える5核種(O, Fe, U, Pu)の中性子断面積を評価している。この国際パイロットプロジェクトでは、経済協力開発機構・原子力機関・核データ評価国際協力ワーキングパーティに設置されたサブグループ40の下でIAEAからのサポートを受けて、実験並びに理論的な研究を活発に実施している。これらの研究を通じて測定データを精度よく反映し、さらに臨界性に関する積分テストで良い結果を示す新しい評価済ライブラリを開発している。
Palmiotti, G.*; Salvatores, M.*; 横山 賢治; 石川 眞
NEA/NSC/R(2016)6 (Internet), 42 Pages, 2017/05
For providing useful and physical feedback to nuclear data evaluators from cross section adjustment results, it is necessary to assess the reliability of the adjustment results. In addition, useless and unphysical systematic effects may occur in the cross section adjustments. In order to avoid the compensation effects and to point out systematic effects, several criteria with associated parameters/indices are recommended to be used. This document summarizes the methodology with the definitions of the parameters/indices. On the other hand, covariance data play an important role in the cross section adjustment. As one of contributions to the nuclear data evaluators, several comments or recommendations on the covariance data are described. To make the comments concrete and useful, the covariance data of the latest evaluated nuclear data libraries, JENDL-4.0 and ENDF/B-VII.1 are treated. The surveyed nuclides are five isotopes that are most important for fast reactor application. The two latest evaluated nuclear-data libraries supply excellent covariance data from the viewpoints of both quality and quantity. However, it is also true that the evaluation of the covariance data has not yet been matured or converged on the satisfactory level in their applications, therefore, the close communication on the evaluation of the covariance data is indispensable between the nuclear-data evaluators and users.
大釜 和也; 池田 一三*; 石川 眞; 菅 太郎*; 丸山 修平; 横山 賢治; 杉野 和輝; 長家 康展; 大木 繁夫
Proceedings of 2017 International Congress on Advances in Nuclear Power Plants (ICAPP 2017) (CD-ROM), 10 Pages, 2017/04
Detailed model verification & validation (V&V) and uncertainty quantification (UQ) procedure for our deterministic neutronics design methodology including the nuclear library JENDL-4.0 for next generation fast reactors was put into shape based on a guideline for reliability assessment of simulations published in 2016 by the Atomic Energy Society of Japan. The verification process of the methodology was concretized to compare the results predicted by the methodology with those by a continuous-energy Monte Carlo code, MVP with their precise geometry models. Also, the validation process was materialized to compare the results by the methodology with a fast reactor experimental database developed by Japan Atomic Energy Agency. For the UQ of the results by the methodology, the total value of the uncertainty was classified into three factors: (1) Uncertainty due to analysis models, (2) Uncertainty due to nuclear data, and (3) Other uncertainty due to the differences between analysis models and real reactor conditions related to the reactor conditions such as fuel compositions, geometry and temperature. The procedure to evaluate the uncertainty due to analysis models and uncertainty due to nuclear data was established.
日高 昭秀; 中野 佳洋; 渡部 陽子; 新井 信義; 澤田 誠; 金井塚 清一*; 加藤木 亜紀; 嶋田 麻由香*; 石川 智美*; 海老根 雅子*; et al.
JAEA-Review 2016-011, 208 Pages, 2016/07
原子力機構では、アジアにおける原子力技術の平和利用のための人材育成に貢献するため、文部科学省からの受託事業として、1996年から講師育成事業(ITP)を実施している。ITPは講師育成研修(ITC)、フォローアップ研修(FTC)、原子力技術セミナーからなり、アジア諸国を中心とする国々(現在、11ヵ国)の原子力関係者を我が国に招聘し、放射線利用技術等に関する研修、セミナーを行うことにより、母国において技術指導のできる講師を育成している。また、我が国からアジア諸国への講師派遣を通じて、各国の原子力関係者の技術及び知識の向上を図っている。さらに、作成したニュースレターを広く配布することにより、各国で得られた技術情報等を国内の原子力施設の立地地域等に広く提供している。本報では、これらについて概要を記載すると共に、今後、原子力人材育成事業を効果的に実施するための課題等について報告する。
横山 賢治; 丸山 修平; 沼田 一幸; 石川 眞; 竹田 敏一*
Proceedings of International Conference on the Physics of Reactors; Unifying Theory and Experiments in the 21st Century (PHYSOR 2016) (USB Flash Drive), p.1906 - 1915, 2016/05
As a part of the ongoing project "Study on Minor Actinides Transmutation Using Monju Data", MA-related integral experimental data in the world have been extensively collected and evaluated with most-detailed analysis methods. Improvement of analysis prediction accuracy for fast reactor core parameters based on the cross-section adjustment technique has been investigated by utilizing the newly-evaluated MA-related and existing general, i.e. not only specific to MA-related, integral experimental data. As a result, it is found that these data enable us to significantly improve the prediction accuracy for both the MA-related and general nuclear parameters. Furthermore, the adjustment result shows possibilities of the integral experiment data to make feedback to the differential nuclear data evaluation.
渡部 陽子; 新井 信義; 澤田 誠; 金井塚 清一; 嶋田 麻由香*; 石川 智美*; 中村 和幸
JAEA-Review 2015-026, 38 Pages, 2015/11
日本原子力研究開発機構では、原子力発電の導入計画を進めているアジア諸国における原子力技術の平和利用を目的とした人材育成の一環として、特定の分野に精通した技術者や専門家を増やすための「原子力技術セミナー」を実施している。東京電力福島第一原子力発電所事故以降、これらアジア諸国において放射線に関する正しい知識を普及する要望が高まったことを踏まえ、2012年度に原子力技術セミナーの中に新たに「放射線基礎教育コース」を立ち上げた。本コースは、2014年度で3回目の実施となり、アジア8か国から15名の研修生が参加した。2014年度のコースでは、これまでの研修生からのアンケートを基にカリキュラムを再構成し、国際交流と放射線基礎実習を兼ね備えた「高校生との合同実習」を新たに企画した。その他、本コースで使用する放射線学習資料の作成等の新たな試みを行った。本報では、これらの新たな試みについて詳細に記載すると共に、今後、原子力人材育成事業を効果的に実施するため、本コースの準備、開催状況及び評価についても報告する。
大泉 昭人; 神 智之*; 石川 眞; 久語 輝彦
Annals of Nuclear Energy, 81, p.117 - 124, 2015/07
被引用回数:6 パーセンタイル:45.29(Nuclear Science & Technology)燃焼によるアクチノイド組成変化の物理メカニズムを把握することは、バックエンド施設設計の妥当性や信頼性の必要条件を満たすために不可欠である。したがって、核データ等の物理量に起因する不確かさは定量的な分析が必要となる。本論文では、軽水炉MOX燃料を対象とし、一般化摂動論に基づいた核データ感度を用い、燃焼によるアクチノイド組成変化の物理メカニズムの分析手法を示す。まず、燃焼チェーン上に反応率を示した図を用い、燃焼によるアクチノイド組成変化の基本的な物理メカニズムについて議論する。次に、燃焼感度解析を用い、アクチノイドが生成される物理メカニズムについて詳細な分析を行う。ここでは、例としてCmとPuが生成される物理メカニズムについて分析する。最終的に、燃焼チェーン上に反応率を示した図と燃焼感度解析の組み合わせにより、アクチノイドの生成源の同定や核反応の間接的な影響の評価までできることを示す。また、燃焼感度係数の適用例として、核データ精度向上の優先度の判断に有用となる、核データ共分散と組み合わせた評価手法を紹介する。また、付録には、アクチノイドや反応を感度の傾向別に分類した結果を載せている。
冨澤 宏光*; 佐藤 尭洋*; 小川 奏*; 渡川 和晃*; 田中 隆次*; 原 徹*; 矢橋 牧名*; 田中 均*; 石川 哲也*; 富樫 格*; et al.
High Power Laser Science and Engineering, 3, p.e14_1 - e14_10, 2015/04
被引用回数:6 パーセンタイル:34.07(Optics)自由電子レーザー(FEL)は、共振器を使用しない自己増幅自発放射(SASE)方式を用いている。この方式では、自然放射光を種光としてレーザー発振・増幅するため、発振したレーザー光のスペクトルや時間波形がスパイク状構造になる欠点がある。この問題点を解決するために、短波長光源である高次高調波をFELにインジェクションし、スペクトルや時間波形にスパイク構造のないフルコヒーレント化された極端紫外領域(波長61.2nm)のシードFEL光の発生に成功した。しかしながら、外部からのコヒーレント光をシード光として用いる場合、電子バンチとシード光のタイミングドリフトにより、シードFEL光の出力ゆらぎが大きくなり、発生頻度も減少する問題がある。この問題点を解決するために、電気光学(Electro-Optic: EO)効果を利用したタイミングモニターを開発し、FEL装置の診断セクションに導入した。これにより、シードFEL光(波長61.2nm)の発生頻度が約0.3%から約25%に向上し、最大出力20Jが得られた。また、検討中の水の窓領域でのシードFELについても報告する。
横山 賢治; 石川 眞
Nuclear Data Sheets, 123, p.97 - 103, 2015/01
被引用回数:10 パーセンタイル:57.61(Physics, Nuclear)日本の高速炉解析と設計における共分散データの利用の現状について紹介する。臨界実験データや実機運転データのような積分データを採用して、炉心設計値の精度を向上させるために、ベイズの定理に基づく炉定数調整法を利用している。JENDL-4.0の公開後、新しい調整炉定数セットADJ2010の開発プロジェクトを開始し、2013年に完成させた。本論文では、ADJ2010の最終結果を簡潔に述べる。また、ADJ2010の結果について、核データ共分散の利用と影響の観点から議論する。このために、「動きやすさ」、「調整駆動力」、「調整潜在力」という3つの指標を新しく導入する。
石川 眞; 池上 哲雄*; 三田 敏男*
Nuclear Science and Engineering, 178(3), p.335 - 349, 2014/11
被引用回数:4 パーセンタイル:30.65(Nuclear Science & Technology)OECD/NEAの国際炉物理ベンチマークプロジェクト(IRPhEP)の一環として、日米の共同研究として実施されたJUPITER計画の中から、9つのZPPR実験炉心が大型高速増殖炉物理を研究するためのベンチマークとして整備された。これらのベンチマーク炉心は、均質炉心及び非均質炉心、クリーン炉心及び工学模擬炉心、600-1,000MWe級の種々の炉心サイズ、様々な炉心核特性を含む非常に広範なものとなっている。最近、詳細な実験情報をオリジナル実験記録から新たに発掘して、これらを詳細に検討することにより、正確なベンチマークモデルと定量的な実験誤差評価を確立することに成功した。整備されたベンチマークは、ZPPR実験の重要な炉物理特性の本質を維持しながら、ベンチマークのユーザーが利用しやすいように、非均質セルモデル, 3次元炉心構造などについて不必要な煩雑さを避けている。さらに、このベンチマークでは、ZPPR実験炉心のas-built情報を完全な形で電子情報として含んでいるので、ユーザーが新たなベンチマークモデルを構築することも可能である。これらのZPPRベンチマークを最新手法で解析した結果、これらは炉物理解析手法の改良と核データの検証に有効であることが分かった。
横山 賢治; 石川 眞
Nuclear Science and Engineering, 178(3), p.350 - 362, 2014/11
被引用回数:1 パーセンタイル:8.75(Nuclear Science & Technology)燃焼反応度係数の炉物理ベンチマーク問題を提供するために、1970年代の高速実験炉「常陽」MK-Iの定格出力運転中に取得された過剰反応度と積算熱出力の関係に関する実験データを評価・解析した。MK-Iの定格出力運転後に得られた知見や最新の炉物理解析手法による解析を活用することで、考えられ得るすべての不確かさの要因を評価・定量化した。一方で、この評価データは広く利用されることを期待して、国際炉物理ベンチマーク実験プロジェクト(IRPhEP)に登録された。この論文では、燃焼反応度係数のノミナル値及び主要な誤差要因である測定技術の不確かさに焦点を絞って説明する。
石井 哲朗; 長 明彦; 西尾 勝久; 浅井 雅人; 石川 法人; 松田 誠
JAEA-Review 2014-002, 238 Pages, 2014/08
原子力機構-東海タンデム加速器施設は、高性能で多様な重イオンビームを提供できることから、原子核物理、原子核化学、核医学用RI生成、原子物理、照射効果などの基礎科学研究への利用を推進してきた。2011年3月に発生した東北地方太平洋沖地震など、タンデム加速器を取り巻く情勢は大きく変化している。このような状況であるが異分野の研究者間で活発な討論を行うため、しばらく中断していたワークショップ「タンデム領域の重イオン科学」を開催することとした。本研究会では、ここ数年間で得た成果を報告していただくとともに、各分野の最近の研究動向を概説した。本研究会は、2013年7月2、3日、原子力科学研究所研究1棟において、約60名の参加のもと、20件の口頭発表と28件のポスター発表が行われた。本報告集は、研究会で口頭発表されたスライドをまとめた資料集である。
Chadwick, M. B.*; Dupont, E.*; Bauge, E.*; Blokhin, A.*; Bouland, O.*; Brown, D. A.*; Capote, R.*; Carlson, A. D.*; Danon, Y.*; De Saint Jean, C.*; et al.
Nuclear Data Sheets, 118, p.1 - 25, 2014/04
被引用回数:108 パーセンタイル:98.48(Physics, Nuclear)CIELO(Collaborative International Evaluated Library Organization)は核反応データの評価作業を国際協力により実施するためのワーキンググループである。CIELOでは国際的な核データコミュニティから専門家を集め、既存の評価済ライブラリや測定データ、モデル計算の間にある矛盾を明らかにし、その原因を取り除き、より信頼性の高いデータを開発することを目的としている。最初の取り組みとして、最重要核種であるH, O, Fe, U, Puを対象とする予定である。この論文ではこれらの最重要核種の評価済データ及び積分結果をレビューし、評価間の矛盾を調査する。また、この枠組みで実施する核データ評価に関する作業計画をまとめている。