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報告書

鉛ビスマス要素技術開発装置を用いたフリーズシールバルブの開発

斎藤 滋; 山口 和司*; 吉元 秀光*; 大林 寛生; 佐々 敏信

JAEA-Technology 2022-032, 51 Pages, 2023/03

JAEA-Technology-2022-032.pdf:4.51MB

長寿命放射性廃棄物の核変換を実現するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)が研究を進めている加速器駆動システム(ADS; Accelerator Driven System)では、核破砕ターゲット及び未臨界炉心冷却材として鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic alloy)を採用している。将来のADSの開発に向けて材料照射データベースを構築するため、J-PARCでは陽子照射施設の検討を進めている。陽子照射施設にはLBEループが設置され、核破砕環境かつ流動LBE中での材料照射試験が可能である。陽子照射施設において、LBEを安全に利用するためにいくつか解決すべき課題の一つとして、運転停止後にループ内のLBEをドレンタンクに導くためのドレンバルブがスラグ等を噛み込むことによって発生するスローリークがある。この問題を解決するため、JAEAでは液体金属系統の一部を融点以下に冷却することで配管中のLBEを固化して閉止する、フリーズシールバルブ(FSV)採用を検討した。まず、水冷式及び空冷式のFSV試験体を製作し、既設の鉛ビスマス要素技術開発装置の試験部に取り付け、動作・性能確認試験を行った。試験の結果、水冷式FSVは設計通りの性能を発揮することが確認された。本報告書では鉛ビスマス要素技術開発装置ならびに各FSV試験体の概要と各部の詳細、動作・性能確認試験結果について述べる。

報告書

鉛ビスマス高温腐食ループ(OLLOCHI)の開発

斎藤 滋; Wan, T.*; 大久保 成彰; 北 智士*; 大林 寛生; 佐々 敏信

JAEA-Technology 2021-034, 94 Pages, 2022/03

JAEA-Technology-2021-034.pdf:5.91MB

長寿命放射性廃棄物の核変換を実現するため、日本原子力研究開発機構(JAEA)が研究を進めている加速器駆動システム(ADS; Accelerator Driven System)では、核破砕ターゲット及び未臨界炉心冷却材として鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic alloy)を採用している。ADSとともに、将来のADSの開発に向けて材料照射データベースを構築するためJ-PARCで検討を進めている陽子照射施設を実現するためには、LBEを安全に利用するために解決すべき課題が多い。特に、T91(改良9Cr-1Mo鋼)やSUS316LなどのADSの主要な鋼材に対して、400-550$$^{circ}$$Cの温度範囲におけるLBE流動下の腐食データは、ADSや陽子照射施設の設計に不可欠である。その際、鋼材の腐食抑制に大きく影響するLBE中酸素濃度も腐食データベースの重要なパラメータとなる。そこで、JAEAはLBEと鋼材の共存性試験並びにLBE取扱いに関連した技術開発を目的として、"OLLOCHI(Oxygen-controlled LBE LOop for Corrosion tests in HIgh-temperature)"と名付けた大型の腐食試験ループを新たに製作した。OLLOCHIはLBE中酸素濃度を自動調整する機能を有し、高温部及び低温部の最高使用温度はそれぞれ550$$^{circ}$$C、450$$^{circ}$$Cであり、ADSの設計値を包含するように設定している。2,000時間以上に及ぶループの特性試験の結果、設計通りの性能を発揮することが確認された。本報告書ではOLLOCHIの概要と各機器の詳細、特性試験結果ならびに今後の試験計画について述べる。

論文

Flow measurement in high temperature liquid metal by using electro-magnet probe

有吉 玄; 大林 寛生; 斎藤 滋; 佐々 敏信

Proceedings of 19th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-19) (Internet), 10 Pages, 2022/03

液体重金属を核破砕ターゲットおよび冷却材として利用する核変換施設の建設には、液体重金属の流動特性を事前に明らかにしておくことが重要となる。鉛ビスマス共晶合金(LBE)は、加速器駆動システムや高速炉等の革新的原子力システムにおける核破砕ターゲットや冷却材の候補材料とされており、J-PARCではLBEを利用した核破砕ターゲットシステムの構築に向けた技術開発を推進している。通常、LBEの流動特性は汎用数値流体力学(CFD)コードを用いて予測・把握されるが、このようにCFDコードが多用される一つの要因は、高温液体重金属流れに対する計測手法の確立が不十分なことである。そこで原子力機構では、小型電磁石を使用した局所流速計を開発した。開発した流速計は480$$^{circ}$$CのLBEへ適用され、誘導起電力と流速の良好な相関が得られることが実証された。

論文

Remote handling technology for lead-bismuth spallation target system

大林 寛生; 吉元 秀光*; 北 智士*; 八巻 賢一*; Wan, T.*; 斎藤 滋; 佐々 敏信

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011048_1 - 011048_6, 2021/03

J-PARC is performing R&Ds aimed at realizing an experimental facility applying a spallation target system in order to contribute to development of a lead-bismuth eutectic (LBE) cooled accelerator-driven system. The target system utilizes LBE as a spallation target material and as a primary coolant. The main purpose of the facility is to understand the compatibility of candidate structural materials under flowing high temperature LBE with proton / neutron irradiation, and reflect it in ADS design. 400 MeV - 250 kW pulsed proton beam strikes a target vessel containing irradiation samples during operation. Among the components installed to the target system, in particular the target vessel is exposed not only the corrosive LBE flow, but also highly irradiation by the target operation. It is essential to establish remote exchanging technology of the target vessel that can avoid exposing workers to high radiation environment. This paper describes recent status of a planning remote exchanging procedure of the target vessel and presents the result of a demonstrative experiment. The series of remote operation procedure was successfully demonstrated by experiments using a mock-up apparatus and developed remote jigs. As further issues, we planning several minor modification capable shortening of operation time.

論文

250 kW LBE spallation target for ADS development in J-PARC

佐々 敏信; 斎藤 滋; 大林 寛生; 有吉 玄

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011051_1 - 011051_6, 2021/03

マイナーアクチノイド核変換のための加速器駆動システム(ADS)実現のため、JAEAはJ-PARCに陽子ビーム照射施設の建設を提案している。施設は鉛ビスマス液体合金(LBE)を安全に利用するための技術課題の解決のために計画されている。LBE冷却ADSの運転温度域を包含する陽子・中性子ビーム照射が可能な施設として250kWのLBE核破砕ターゲットを設置する。施設建設に不可欠な酸素濃度制御技術や遠隔操作によるターゲット保守技術、核破砕ターゲット設計などの研究開発が行われており、ターゲットモックアップや材料腐食試験のための大型LBE試験ループが整備されている。最新の250kW鉛ビスマス核破砕ターゲットの開発状況を報告する。

論文

Status of LBE study and experimental plan at JAEA

斎藤 滋; Wan, T.*; 大久保 成彰; 大林 寛生; 渡辺 奈央; 大平 直也*; 木下 秀孝; 八巻 賢一*; 北 智士*; 吉元 秀光*; et al.

JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011041_1 - 011041_6, 2021/03

原子力機構(JAEA)では、鉛ビスマス共晶合金(LBE)を核破砕中性子発生のターゲット並びに炉心冷却材として使用する、核変換用の加速器駆動システム(ADS)の研究をしている。中性子は、1.5GeVの陽子ビーム入射による核破砕反応によって生成される。ADS開発に重要な材料照射データを取得するため、J-PARCにLBE中性子生成ターゲットを備えた照射施設の建設を提案している。LBEターゲット実用化のためには多くの技術的な課題があり、JAEAでは様々な研究開発を行っている。腐食研究に関しては、OLLOCHIの調整運転と機能試験が開始された。LBE使用する上で重要な技術である酸素濃度制御技術の開発も行っている。大型LBEループ実験では、IMMORTALを使用して、定常および過渡状態の試験を行った。機器の分野では、LBEループシステムの重要な技術として、超音波流量計とフリーズシールバルブの開発を進めている。照射施設の設計に重要なLBE中の不純物挙動の研究も開始した。本論文では、JAEAにおけるLBE関連研究の現状と研究計画について報告する。

報告書

鉛ビスマス試験装置データ処理ツールの製作

八巻 賢一*; 北 智士*; 大林 寛生; 有吉 玄; 斎藤 滋; 佐々 敏信

JAEA-Technology 2020-021, 26 Pages, 2021/02

JAEA-Technology-2020-021.pdf:2.34MB

計測機器のデジタル化が進むとともに、大型試験装置はPLC(Programmable Logic Controller)制御が主体となり、多くの試験装置がデジタル化されるようになった。また、データ記憶装置の大容量化により、PLCが管理する計測値を、実験期間全般にわたって記録可能となった。これらの記録から、鋼材の腐食試験時の環境の影響や、動特性試験時に生じた変化や異常等の現象を、多角的に分析することが容易になった。一方、長時間に及ぶ試験においては、記録されたデータ数が膨大になり、データ処理や異常を分析する際のデータ抽出に多くの時間と労力を必要とすることになった。また、PLC毎に異なるログデータ仕様にも注意し、正確にデータを整合する必要も生じている。そこで、現在核変換ディビジョンに設置する鉛ビスマス試験装置のPLCからのデータを、任意に抽出・結合・処理するためのツールを作成し、データ分析に要する作業の効率化を図った。

論文

Current Status of R&D and PIE Program for ADS Material Development in JAEA

斎藤 滋; 大久保 成彰; 大林 寛生; Wan, T.; 菅原 隆徳; 佐々 敏信; 前川 藤夫

JPS Conference Proceedings (Internet), 28, p.071003_1 - 071003_6, 2020/02

原子力機構は、加速器駆動システム(ADS: Accelerator-Driven Systems)の設計に必要な材料照射データベースを作成し、流動LBE中での照射効果について研究するため、J-PARCに陽子照射施設の建設を計画している。この照射施設では、鉛ビスマス共晶合金(LBE: Lead-Bismuth Eutectic)の核破砕ターゲットに250kWの陽子ビームを入射し、ADSの構造材候補材についてLBE流動下での照射試験を実施する。この照射施設を実現するために、様々な研究開発が行われている。LBEターゲットとターゲット台車の設計検討ついては概念設計を終えた。要素技術開発として大型のLBEループが製作され、本格運転へ向け準備中である。LBEループのための酸素濃度制御システムも開発された。遠隔操作によるターゲット交換試験も進捗している。照射試料の照射後試験フローは完成し、照射後試験技術について検討を進めている。その他、TEF-Tの実現に向けた現在の研究開発状況についても報告する。

論文

Steady-state and transient experiments in mock-up of J-PARC LBE spallation target system using mock-up loop "IMMORTAL"

大林 寛生; 八巻 賢一; 北 智士; 吉元 秀光; Wan, T.; 斎藤 滋; 佐々 敏信

Proceedings of 18th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-18) (USB Flash Drive), p.262 - 274, 2019/08

J-PARCでは、ADS候補構造材の高温LBE流動下条件での陽子/中性子照射環境への適応性を把握し、将来設計に反映することを目的として、LBE核破砕ターゲットを用いた実験施設の建設が計画されている。施設に導入するターゲットシステムでは、400MeV-250kWのパルス陽子ビームをターゲット容器に入射させることによって材料照射データが取得する計画である。IMMORTALは、当該システムの一次冷却系の実現可能性を検証することを目的として製作されたモックアップ試験ループであり、遠隔保守性を考慮した機器配置を含めて実装されているほとんどの機器(電磁ポンプ(EMP)、熱交換器、計装など)には、実際のLBEターゲットと同じ設計が反映されている。本ループを用いた統合試験の結果、一次系の各機器が重大な問題等を生じることなく長時間の運転を達成することができた。また、過大ビーム入射事象や冷却材流量の低下などの過渡事象の模擬実験により、熱交換器の性能評価を行う共に、RELAP5-3Dを使用したLBEループシステムの安全性解析モデルを検証するためのいくつかの実験データを取得した。

報告書

TEF-T統括制御システムプロトタイプ機の開発

酒井 健二; 大林 寛生; 斎藤 滋; 佐々 敏信; 菅原 隆徳; 渡邊 聡彦*

JAEA-Technology 2019-009, 18 Pages, 2019/07

JAEA-Technology-2019-009.pdf:2.34MB

大強度陽子加速器施設(J-PARC)では、加速器駆動システム(ADS)による 核変換技術に関する基礎的な研究を行う核変換実験施設(TEF)の建設を計画している。その中のADSターゲット試験施設(TEF-T)では、鉛・ビスマス共晶(LBE)ターゲットに陽子ビームを照射することで、ADS独自の構成要素に関するシステム技術を研究開発する。TEF-Tでは、施設全体の安全かつ円滑な運転を実現するために全体制御システム(GCS)を構築する。GCSは、その役割に応じて、ネットワーク系(LAN), 統括制御系(ICS), インターロック系(ILS), タイミング配信系(TDS)など幾つかのサブシステムで構成される。特にICSは施設全体の包括的な運転制御から運転データの収集・蓄積・配信までGCSの中心的な役割を担う。我々はICSのプロトタイプ機を開発して、通信速度・容量、運転操作性・安定動作などの性能を具体的に評価し、ICSの実機設計に反映させることにした。本報ではICSプロトタイプ機の製作と、そのLBEターゲット技術開発装置への応用について報告する。

論文

Design of LBE spallation target for ADS Target Test Facility (TEF-T) in J-PARC

斎藤 滋; 大林 寛生; Wan, T.; 大久保 成彰; 菅原 隆徳; 遠藤 慎也; 佐々 敏信

Proceedings of 13th International Topical Meeting on Nuclear Applications of Accelerators (AccApp '17) (Internet), p.448 - 457, 2018/05

原子力機構は、加速器駆動システム(ADS: accelerator-driven systems)の設計に必要なデータを得るために、J-PARC計画の中でADSターゲット実験施設(TEF-T: Target Test Facility)の建設を計画している。TEF-Tでは、鉛ビスマス共晶合金(LBE: Lead-Bismuth Eutectic)の核破砕ターゲットに250kWの陽子ビームを入射し、ADSの構造材候補材についてLBE流動下での照射試験を実施する。TEF-Tを実現するために、様々な研究開発が行われている。LBEターゲットとターゲット台車の設計検討は大きく進捗した。ターゲットループの保守と照射試料の照射後試験を行うホットセルについては概念設計を終えた。要素技術開発として、TEF-TターゲットのモックアップループとLBE流動下での材料腐食データを得るためのループが製作され、本格運転へ向け準備中である。LBEループのための酸素濃度制御システムも開発された。遠隔操作によるターゲット交換試験も実施中である。その他、TEF-Tの実現に向けた現在の研究開発状況についても報告する。

論文

Status of LBE corrosion test loop "OLLOCHI" and experiments at JAEA

斎藤 滋; 大久保 成彰; 大林 寛生; 佐々 敏信

NEA/CSNI/R(2017)2 (Internet), p.195 - 200, 2017/06

原子力機構において研究が進められている加速器駆動システム(ADS: Accelerator Driven System)では、核破砕ターゲット及び炉心冷却材として鉛ビスマス共晶合金(LBE; Lead-Bismuth Eutectic)が採用される。将来のADSやJ-PARCに建設が計画されている、ADSターゲット実験施設(TEF-T)の実現には、LBEに関する多くの解決すべき課題がある。特に、T91(改良9Cr-1Mo鋼)やSUS316Lなどの鋼材に関して、400-550$$^{circ}$$Cの温度範囲で酸素濃度制御下かつLBE流動下の腐食データは不可欠である。原子力機構では高温での腐食データを得るために、"OLLOCHI (Oxygen-controlled LBE LOop Corrosion tests in HIgh-temperature)"と名付けられた新しい腐食試験ループを設計・製作した。高温部配管はT91製で、加熱器や膨張タンク容器は2.25Cr-1Mo鋼製である。これら高温部の最高温度は550$$^{circ}$$Cである。低温部は配管、機器類ともにSUS316L製で、これら低温部の最高温度は450$$^{circ}$$Cである。2016年春までにOLLOCHIは、加熱器や試験片交換ボックスなどの改造と、LBE無しでの調整運転を終えた。酸素センサーと酸素濃度制御システムは間もなく導入され、その後LBE有りでの調整運転と酸素濃度制御試験を開始する予定である。さらに来春までに分岐した試験部それぞれにも流量計が付加される予定である。これらの試験や改造と平行して、試験片ホルダー内の流れの分布を明らかにするため、試験部の流動解析を行う予定である。

論文

Design of 250kW LBE spallation target for the Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC)

佐々 敏信; 斎藤 滋; 大林 寛生; 菅原 隆徳; Wan, T.; 山口 和司*; 吉元 秀光

NEA/CSNI/R(2017)2 (Internet), p.111 - 116, 2017/06

日本原子力研究開発機構(JAEA)は、加速器駆動システム(ADS)を用いた高レベル放射性廃棄物に起因する環境負荷の低減を提案している。ADSを実現するため、J-PARC計画の一環として、核変換実験施設(TEF)の計画している。JAEAが提案するADSは鉛ビスマス共晶合金(LBE)を未臨界炉心の冷却材及び核破砕ターゲットとして採用している。J-PARCのTEFを活用し、ADSの設計に必要なデータを収集し、LBE利用の技術課題の解決を図る。250kWのLBE核破砕ターゲットをTEFに設置し、材料照射データベースを構築する。TEFを建設するために必須な様々な技術開発として、酸素濃度制御技術、計測機器開発、遠隔操作によるターゲット保守技術とともにターゲットの詳細設計を実施している。250kW核破砕ターゲット最適化の最新の状況を報告する。

論文

J-PARC transmutation experimental facility programme

佐々 敏信; 武井 早憲; 斎藤 滋; 大林 寛生; 西原 健司; 菅原 隆徳; 岩元 大樹; 山口 和司; 辻本 和文; 大井川 宏之

NEA/CSNI/R(2015)2 (Internet), p.85 - 91, 2015/06

福島第一原子力発電所の事故以降、核変換技術が放射性廃棄物処理に有効な技術として注目されている。日本原子力研究開発機構(JAEA)では、マイナーアクチノイド(MA)の核変換を行うための、鉛ビスマス(Pb-Bi)を核破砕ターゲット及び冷却材に使用する加速器駆動システム(ADS)を提案している。ADSの設計に不可欠なデータを取得するため、原子力機構ではJ-PARC計画の中で核変換実験施設(TEF)の建設を検討している。TEFは400MeV-250kWのPb-Bi核破砕ターゲットを持つADSターゲット試験施設(TEF-T)及び低出力の陽子ビームでMA燃料を装荷した炉心を駆動する核変換物理実験施設(TEF-P)から構成する。TEF-Tでの主な研究項目として、ADS構造材候補の照射試験、Pb-Biターゲットの運転試験及び陽子ビーム窓の寿命を決めるための実験を実施する。ターゲットが定格出力で運転される際には、ターゲット周辺に高速中性子場が形成されるため、これを多目的に利用することも検討している。基礎物理研究や核データ測定などの実験が提案されており、実験ホールの配置概念の検討を進めている。報告では、ADS核変換を実現するためのロードマップとともに、TEF建設のための設計研究活動を報告する。

論文

Progress review of research and development on accelerator driven system in JAEA

大井川 宏之; 辻本 和文; 佐々 敏信; 倉田 有司; 武井 早憲; 斎藤 滋; 西原 健司; 大林 寛生; 菅原 隆徳; 岩元 大樹

KURRI-KR(CD)-40 (CD-ROM), p.16 - 30, 2013/00

原子力機構では、高レベル放射性廃棄物に含まれるマイナーアクチノイド(MA)の核変換を目的とした加速器駆動核変換システム(ADS)の研究開発を進めている。熱出力800MWのADSが1基で、電気出力1GWの軽水炉10基で生じるMAを核変換できる。原子力機構では、超伝導陽子加速器、核破砕ターゲットとビーム窓、未臨界炉心の核設計と安全性評価等に関するさまざまな研究開発を進めている。さらに、核変換技術に関する基礎的な実験を行うため、J-PARCの第2期計画として核変換実験施設の建設を検討している。

論文

Transmutation by Adiabatic Resonance Crossing Experiment (TARC) benchmarking

Ismailov, K.*; 西原 健司; 佐々 敏信; 菅原 隆徳; 齊藤 正樹*

Annals of Nuclear Energy, 38(10), p.2180 - 2186, 2011/10

 被引用回数:4 パーセンタイル:32.36(Nuclear Science & Technology)

本研究では断熱的共鳴横断効果による核変換実験(TARC)のベンチマークを行った。JENDL-HE, JENDL-4, JENDL-3.3、及び、LA-150ライブラリを用い、MCNPXコードにより計算を行った。得られた中性子束,共鳴反応のエネルギーと時間の相関、及び、$$^{99}$$Tcと$$^{127,129}$$Iの核変換率を実験と比較し、以下の知見を得た。(1)JENDL-4の鉛に対する0.01eV-100eVの中性子弾性散乱断面積はほかの核データよりも良い。(2)JENDL-HE(JENDL-3.3)の1-3MeVの非弾性散乱断面積は、実験の誤差が大きいものの、ほかよりも良い。(3)$$^{129}$$I核変換の解析にはJENDL-4の$$^{129}$$I捕獲断面積を用いるべきである。

論文

Role of ADS in the back-end of the fuel cycle strategies and associated design activities; The Case of Japan

大井川 宏之; 辻本 和文; 西原 健司; 菅原 隆徳; 倉田 有司; 武井 早憲; 斎藤 滋; 佐々 敏信; 大林 寛生

Journal of Nuclear Materials, 415(3), p.229 - 236, 2011/08

 被引用回数:49 パーセンタイル:95.81(Materials Science, Multidisciplinary)

分離変換技術は高レベル放射性廃棄物(HLW)の放射性毒性の総量を大幅に削減するとともに、処分場の可処分容量を増加させる可能性を持つ。加速器駆動核変換システム(ADS)は、階層型核燃料サイクルにおいてHLW中のマイナーアクチノイド(MA)を効果的に核変換するための強力なツールであり、軽水炉から高速炉への移行期に柔軟に対応できるとともに、高速炉サイクルと共存することでサイクル全体の信頼性や安全性を補強することができる。原子力機構では鉛ビスマス冷却ADSの設計を進めており、特に未臨界炉と核破砕ターゲットの設計に注力している。日本では、原子力委員会が2008年から2009年にかけてチェックアンドレビューを行い、分離変換技術の導入効果,研究開発の現状及び今後の進め方が議論された。

報告書

鉛ビスマス冷却加速器駆動システムを用いた核変換技術の成立性検討

辻本 和文; 西原 健司; 武井 早憲; 菅原 隆徳; 倉田 有司; 斎藤 滋; 大林 寛生; 佐々 敏信; 菊地 賢司*; 手塚 正雄; et al.

JAEA-Research 2010-012, 59 Pages, 2010/07

JAEA-Research-2010-012.pdf:2.0MB

加速器駆動システム(ADS)において核破砕ターゲット及び冷却材として用いられる鉛ビスマス共晶合金(LBE)に関する研究やビーム窓候補材料に対する照射試験等により新たに得られたデータや知見に基づき、ADS概念の再構築を行い、その成立性を検討した。炉心の核・熱設計では、燃料被覆管候補材である改良9Cr-1Mo鋼のLBE中での最高使用温度の目安値を550$$^{circ}$$Cと設定し、熱出力800MWを維持するのに必要なビーム電流を可能な限り低減する概念を構築した。この炉心概念について、1サイクル600日の運転期間中の燃料被覆管及びビーム窓の健全性評価を行った。その結果、温度及び腐食並びに未照射条件での構造強度について、高い成立性を有することを確認した。材料特性に対する照射影響に関しては、既存データからの類推等により実機ADSの使用条件下においては影響がそれほど大きくはないことを示したが、今後の実験データのさらなる拡充が必要であり、その結果によっては運転サイクルの短縮等の対処が必要となる。ADSの安全性に関する検討では、レベル1PSA(確率論的安全評価)及び基準外事象の過渡解析を行い、炉心損傷及び損傷に伴う再臨界の可能性が非常に低いことを明らかにした。

報告書

JRR-3 1次冷却材ポンプの保守管理

大内 靖弘; 伊藤 匡聡; 大場 敏充; 川又 諭; 石崎 勝彦

JAEA-Technology 2009-038, 38 Pages, 2009/07

JAEA-Technology-2009-038.pdf:2.87MB

JRR-3の主要な冷却設備である1次冷却系設備では、4基の1次冷却材ポンプにより冷却材を循環して炉心で生じた熱を除熱している。原子炉の安全安定運転を行うためには1次冷却材ポンプの性能を維持することが必要であり、そのため原子炉の供用運転を開始して以来、定期的な点検保守を実施してきた。本報告書は、1次冷却材ポンプの点検保守項目及び記録についてまとめるとともに、1次冷却材ポンプの経年変化を明らかにし、今後の保守管理に資するものである。

論文

Research and development programme on ADS in JAEA

武井 早憲; 大内 伸夫; 佐々 敏信; 濱口 大; 菊地 賢司*; 倉田 有司; 西原 健司; 大林 寛生; 斎藤 滋; 菅原 隆徳; et al.

Proceedings of International Topical Meeting on Nuclear Research Applications and Utilization of Accelerators (CD-ROM), 11 Pages, 2009/05

原子力機構は長寿命放射性核種の核変換処理を目指した加速器駆動未臨界システム(ADS)の研究開発を進めている。原子力機構が提案するADSは、超伝導陽子加速器で熱出力800MWの鉛ビスマス冷却タンク型未臨界炉を駆動するものである。将来のADSの設計研究としては、超伝導陽子加速器用クライオモジュールの製作と試験、現存する加速器の運転データに基づく陽子加速器の信頼性評価などを行っている。J-PARCプロジェクトの核変換実験施設計画については、マイナーアクチノイド燃料を取り扱うための実験装置を含めた設計研究を進めている。

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