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Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴; 岩橋 弘之; 廣沢 孝志; 渡辺 将久; 佐藤 宗一
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 331(12), p.5631 - 5640, 2022/12
被引用回数:4 パーセンタイル:59.75(Chemistry, Analytical)Snは2011年の福島第一原子力発電所事故により環境中に放出された可能性のある長半減期核分裂生成物であり、こうした核種のモニタリングは周辺環境及び放射性廃棄物を適切に管理・処理していくために重要である。本研究では、TEVA resinによるHClフリーな固相抽出分離とICPタンデム質量分析計(ICP-MS/MS)を組み合わせた放射性ガレキ中の
Sn分析手法を提案した。TEVA resinによるコンクリートマトリクスからのSnの回収率は95%以上であった。同重体である
Te及び試料マトリクスに由来する多原子イオンによるスペクトル干渉は、固相抽出による化学分離とICP-MS/MSとの組み合わせにより効果的に低減することができ、Teの除染係数は10
に達した。本手法でのコンクリートマトリクスにおける
Snの方法定量下限値は、12.1pg g
(6.1mBq g
)となり、コンクリートガレキ中の
Snを分析する手法として十分な感度を有することを確認した。
太田 祐貴; Do, V. K.; 古瀬 貴広; 佐野 友一; 岩橋 弘之; 本間 駿太; 一條 祐里奈; 黒澤 きよ子*; 遠藤 翼*; 元木 良明*; et al.
no journal, ,
Sn(半減期: 約21万年)は、
線放出核種であり長半減期であることから、放射能測定による低い濃度レベルでの定量では煩雑な前処理と長時間の測定を要する。近年開発されたトリプル四重極誘導結合プラズマ質量分析装置(以下、ICP-MS/MS)は、同重体や多原子イオンの影響を効果的に除去でき、簡易な前処理と短時間測定で高感度の分析が可能である。本研究では、ICP-MS/MSによる
Sn測定条件の最適化を行い、妨害核種の
Te等によるスペクトル干渉の影響を評価することで、福島第一原子力発電所から発生する放射性がれきを対象とした
Sn分析に対するICP-MS/MSの適用性を検討した。
岩橋 弘之; Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴; 本間 駿太; 黒澤 きよ子*; 元木 良明*; 廣沢 孝志
no journal, ,
Pdは、長半減期(650万年)
線放出核種であるため、放射能分析では煩雑な分離作業と長時間の測定が必要となる。ICP-MS/MSは2つの四重極マスフィルタによる質量数の選別とコリジョンリアクションセル(CRC)によりスペクトル干渉を低減させることで、短時間で高感度な分析が可能と考えられる。そこで、本研究では、Pdに対して、高い選択性を有する抽出クロマトグラフィーと、ICP-MS/MSを組み合わせることで高感度かつ簡易迅速な
Pd分析手法の開発を試みた。本報では、抽出クロマトグラフィーによるPdの分離条件およびICP-MS/MSによる
Pd測定条件の最適化を行い、放射性がれきへの適用性を評価した結果について報告する。
Do, V. K.; 古瀬 貴広; 太田 祐貴; 佐野 友一; 岩橋 弘之; 本間 駿太; 一條 祐里奈; 黒澤 きよ子*; 遠藤 翼*; 元木 良明*; et al.
no journal, ,
本報では、HClフリーのコンクリートマトリクスからのSnの分離・回収手法について報告する。固相抽出前のコンクリート溶解液処理として2つの手法を検討し、その後、TEVAレジンを用いた固相抽出試験を実施した。その結果、本手法によるコンクリートマトリクスからのSnの分離・回収は高い回収率と再現性を示した。本研究では、ICP-MSによりSnの測定するためのコンクリート瓦礫からのSnの分離手法の検討を行った。
Banjarnahor, I. M.; Do, V. K.; 元木 良明*; 太田 祐貴; 岩橋 弘之; 黒澤 きよ子*; 古瀬 貴広
no journal, ,
Seは純粋なベータ放射性核種であり、福島第一原子力発電所発の事故により環境中に放出された可能性のある長寿命核分裂生成物の一つである。福島第一原子力発電所の廃炉を促進するためには、簡易かつ信頼性の高い放射性核種の分析手法が必要となる。そこで本研究では、化学分離と誘導結合プラズマトリプル四重極型質量分析法(ICP-MS/MS)を組み合わせた簡易な
Seの分析手法を開発し、定量の際に妨害となる同重体等試料マトリックスを効果的に除去できることを見出した。また、実際の廃棄物への適用性を確認するため代表的な廃棄物性状であるコンクリートマトリックスでの試験についても併せて実施した。本報告ではこれらの試験によって得られた
Seの定量下限値等・当該分析手法の性能について報告する。
田中 康之; Do, V. K.; 元木 良明*; 太田 祐貴; 岩橋 弘之; 黒澤 きよ子*; 古瀬 貴広
no journal, ,
ICP-MS/MSとしてAgilent8900トリプル四重極ICP-MSを用いたUの測定方法について検討した。本装置は、測定可能な最大質量電荷比が275であることから、リアクションガスに酸素を用いたマスシフト法を適用することで、
U
O
Oの測定が可能になる。これにより従来の手法と比較して
Uのスペクトル干渉の低減による
Uの高感度測定が可能になると考えられる。そこで、本研究ではICP-MS/MSによる質量電荷比268での
Uの最適な測定条件を検討した内容を報告する。
Do, V. K.; 太田 祐貴; Banjarnahor, I. M.; 相田 玲奈; 村上 絵理奈; 本間 駿太; 岩橋 弘之; 古瀬 貴広
no journal, ,
福島第一原子力発電所(1F)由来の放射性廃棄物分析を行う大熊分析研究センターでは、2022年10月より中・低線量の廃棄物試料を取り扱う第1棟のホット運用が開始され、1F廃棄物の受入れ、分析が開始された。測定対象核種の中で長半減期核種の測定については、従来の放射能測定法では複雑な前処理操作と長時間の測定が必要となる一方、ICP-MS法は感度及び測定時間の面でアドバンテージがある。特にハイエンドモデルであるICP-MS/MSは装置自体が高い分離性能を有しており効果的にスペクトル干渉を低減できることから、前処理における化学分離プロセスの簡略化が可能となり、更なる簡易・迅速化が見込める。本発表では、Zr,
Mo,
Pd,
Sn,
Seなどの長半減期核種について、1F廃棄物試料への適用を目的としたICP-MS/MSによる分析法の研究開発に関する最近の成果を報告する。