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論文

Role of Alkyl Chain Branching in the Self-Assembly of Nitrilotriacetamide-Based Lanthanide Extractants

上田 祐生; 小林 徹; 中村 聡志; 伴 康俊; 金田 結依; 生田目 望; Micheau, C.; 徳永 紘平; 中部 倫太郎; 金子 政志*; et al.

Langmuir, 42(1), p.1613 - 1626, 2026/01

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Chemistry, Multidisciplinary)

溶媒抽出系における金属イオンの選択性を支配する構造要因の理解は、高レベル放射性廃棄物の分離変換プロセスを高度化する上で極めて重要である。本研究では、代表的なランタニドとしてランタン(La)とネオジム(Nd)を対象に、ニトリロトリアセトアミド(NTAamide)抽出剤のアルキル側鎖分岐度が抽出挙動に及ぼす影響を系統的に調査した。分子量は同一だがアルキル分岐度の異なる4種類の抽出剤(いずれもアミド鎖の1本が炭素数8)を用い、硝酸濃度に対する分配比を測定した。さらに、LaおよびNdの局所配位構造を拡張X線吸収微細構造(EXAFS)で解析し、有機相における超分子的凝集挙動を小角中性子散乱(SANS)で評価した。その結果、EXAFS解析から、LaおよびNdの内圏配位環境はアルキル分岐度の影響をほとんど受けないことが明らかとなった。一方、SANS解析からは、分岐の少ない抽出剤ほど低硝酸濃度で大きな凝集体を形成し、特にNdにおいては凝集体形成が抽出を促進し、難溶性錯体の沈殿を防いでいることが示された。これらの結果は、アルキル分岐度が超分子的凝集挙動を強く制御し、それが抽出挙動を支配していることを示している。本研究は、ランタニドおよびアクチニドの溶媒抽出において、選択性向上のための新しい設計概念として「ナノスケール構造制御」の可能性を示すものである。

論文

Desorption of cesium from Fukushima soils using a mechanochemical method

金田 結依; 小林 徹; 辻 卓也; 本田 充紀; 横山 啓一; 万福 裕蔵*; 矢板 毅*

Clays and Clay Minerals, 73, p.e26_1 - e26_8, 2025/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:40.06(Chemistry, Physical)

福島の土壌に豊富に含まれる粘土鉱物である風化黒雲母(WB)に収着した安定セシウム(Cs)の脱着挙動を、ボールの衝突による物理的粉砕と化学反応を促進する湿式プロセスを組み合わせたメカノケミカル(MC)法を用いて調査した。その結果、シュウ酸溶液を用いた場合、粘土鉱物の層状構造に大きな影響を与えることなく、ある程度Csを脱着した。一方、塩化アンモニウム溶液では層状構造の剥離が確認され、安定的なCsの脱着をもたらした。福島で採取された実土壌試料においては、塩化アンモニウム溶液を用いたMC法により$$^{137}$$Csの80%が脱着された。対照的に、シュウ酸溶液ではすべての試料で放射性Csを十分に脱着できるとは限らなかった。これらの結果から、塩化アンモニウム溶液を用いたMC法は、層状構造の剥離と化学的相互作用による相乗効果によって、粘土鉱物の層間から放射性Csの脱着を効果的に促進することが示唆された。

論文

Sustainable thermoelectric materials; Utilizing Fukushima weathered biotite via molten salt treatment

本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*

AIP Advances (Internet), 14(5), p.055034_1 - 055034_6, 2024/05

 被引用回数:5 パーセンタイル:51.45(Nanoscience & Nanotechnology)

本研究は、希少かつ有毒な物質から得られる従来の熱電材料に代わるものとして、福島風化黒雲母(WB)を利用することを検討したものである。WBは粉砕、分級、溶融塩処理による熱処理を経て650$$^{circ}$$Cから850$$^{circ}$$Cの範囲で半導体に類似した導電性を示す結晶を生成した。WBと得られた結晶の電気伝導度とゼーベック係数を評価した結果、高温熱電応用への可能性が示された。その結果、WBは無次元特性値(ZT)0.015を達成し、650$$^{circ}$$Cを超える熱電材料としての可能性を示した。

論文

EXAFS investigation of strontium adsorption onto weathered biotite

本田 充紀; 金田 結依; 矢板 毅

AIP Advances (Internet), 13(1), p.015314_1 - 015314_6, 2023/01

 被引用回数:6 パーセンタイル:44.00(Nanoscience & Nanotechnology)

粘土鉱物の一種である風化黒雲母に対するSr$$^{2+}$$の収着効率について検討した。放射性廃棄物処理問題の一つである福島第一原子力発電所事故による汚染水処理において、Sr$$^{2+}$$とCs$$^{+}$$の除去は重要である。そこで、福島に多く存在する風化黒雲母を用いたSrイオンの吸着方法の開発に着目した。溶融塩処理を施し、塩化ストロンチウム(SrCl$$_{2}$$)の添加質量比が1:1, 1:5, 1:10とそれぞれ1倍,5倍,10倍と増加するにつれ、収着Sr$$^{2+}$$量は単純に増加した。次に、風化黒雲母の結晶構造をX線回折(XRD)分析により評価した。その結果、WBはSr$$^{2+}$$を吸着した後も元の結晶構造を保持していることを確認した。WB中のSr$$^{2+}$$の局所的な吸着構造を調べるために、広域X線吸収微細構造(EXAFS)分析を実施した。その結果、Sr$$^{2+}$$が低吸着の場合はSiO$$_{4}$$層とAl$$_{2}$$O$$_{3}$$層に優先的に収着し、高吸着の場合はSiO$$_{4}$$層に主に収着することを明らかした。

論文

Extended X-ray absorption fine structure spectroscopy measurements and ${it ab initio}$ molecular dynamics simulations reveal the hydration structure of the radium(II) ion

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 小林 恵太; 田中 万也; 小林 徹; 谷田 肇; 下条 晃司郎; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.

iScience (Internet), 25(8), p.104763_1 - 104763_12, 2022/08

 被引用回数:22 パーセンタイル:63.61(Multidisciplinary Sciences)

ラジウム(Ra)は環境汚染やがん治療の観点から注目を集めている元素である。しかし、安定同位体が存在せず扱いが難しいことから、物理化学的に重要な水和構造さえも原子レベルでの観測が行われていない。本研究では、世界で初めて、広域X線吸収微細構造(EXAFS)法を用いたRa水和構造の解明を行った。また、第一原理計算による水和構造解明も実施し、実験ではわからない水分子のダイナミクスの解明を行った。両者の比較も行ったところ、実験と計算の結果はよく一致し、Raの第一水和圏における配位数や酸素との距離を解明した他、アナログ元素であるバリウムに比べて水分子の配位が弱いことがわかった。これらはRaの環境挙動解明やがん治療開発等に資する結果である。

論文

Marking actinides for separation; Resonance-enhanced multiphoton charge transfer in actinide complexes

松田 晶平; 横山 啓一; 矢板 毅; 小林 徹; 金田 結依; Simonnet, M.; 関口 哲弘; 本田 充紀; 下条 晃司郎; 土井 玲祐; et al.

Science Advances (Internet), 8(20), p.eabn1991_1 - eabn1991_11, 2022/05

 被引用回数:13 パーセンタイル:47.61(Multidisciplinary Sciences)

fブロック元素は化学的性質が類似している。一方、それらの電子スペクトルではf電子準位間の光学遷移が明瞭に異なる。このf-f遷移波長での共鳴励起によって元素の酸化状態を制御することができれば、化学的な分離が難しいfブロック元素の精密分離技術が生まれる可能性がある。これまでに3つのランタノイド元素で共鳴多光子還元が観測されているが、アクチノイドでの共鳴多光子反応は報告例はなかった。本研究では硝酸水溶液においてアクチノイドの一つである三価アメリシウムの共鳴多光子電荷移動による光酸化を観測した。また、硝酸錯体が一次過程に寄与することが示唆された。

論文

EXAFSによるRaの水和状態と粘土鉱物への吸着状態の解明

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; 松田 晶平; et al.

放射化学, (45), p.28 - 30, 2022/03

ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を分子レベルで解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。本稿では特に水和構造の結果について詳細に述べる。

口頭

ランタノイド元素の抽出に及ぼすアルキル鎖の影響

上田 祐生; 小林 徹; 中村 聡志; 伴 康俊; 金田 結依; 生田目 望; 徳永 紘平; 金子 政志*; 元川 竜平

no journal, , 

高レベル放射性廃液(HLW)に含まれるマイナーアクチノイド(MA)や核分裂生成物の効率的な分離手法の開発は、原子力分野における最重要課題の一つである。JAEAは、使用済み核燃料溶解液の再処理とHLWからのMA分離を統合した分離プロセスである「SELECTプロセス」を開発した。このプロセスでは、2種類のアミドアミン抽出剤が用いられるが、トリアミドアミン抽出剤は「直鎖」アルキル鎖をもつ分子が優れた抽出能力を示すのに対し、ジアミドアミン抽出剤は「分岐」アルキル鎖をもつ分子が優れた抽出能力を示す。これらの抽出剤はいずれもアミノ基またはアミド基が金属イオンと相互作用することで抽出するが、金属イオンと直接相互作用しないアルキル鎖が抽出分離性能に及ぼす影響は、未だ曖昧な解釈しかなされていないのが現状である。本研究では、アルキル鎖が異なる4種のトリアミドアミン抽出剤によるランタンとネオジムの抽出挙動を比較するとともに、広域X線微細構造解析による錯体構造と小角中性子散乱測定による会合・凝集状態を観察することで、側鎖アルキル鎖が金属イオンの抽出に及ぼす影響を明らかにした。

口頭

ガラス固化体の高品質化・発生量低減のための白金族元素回収プロセスの開発,18; フェロシアン化物担持用セラミックス担体の合成と収着特性

天本 一平; 小林 秀和; 菖蒲 康夫; 長谷川 良雄*; 内海 和夫*; 竹下 健二*; 稲葉 優介*; 尾上 順*; 越坂 亜希子*; 金田 結依*

no journal, , 

これまで試作してきた無機多孔質体のうち、耐酸性は良好であるが、白金族元素(PGM)に対する収着作用に劣るSiO$$_{2}$$質多孔質体に、フェロシアン化物を含浸させた吸着剤を合成したところ、一部のPGMに対する収着効果が著しく向上したためSiO$$_{2}$$質多孔質体をフェロシアン化物担持用材料として利用できる可能性が高まった。

口頭

土壌粘土鉱物を用いた溶融塩電解による低環境負荷熱電材料の探索

本田 充紀; 後藤 琢也*; 金田 結依; 矢板 毅

no journal, , 

福島環境回復に係る研究を推進している。解決すべき課題の1つに福島の除去土壌が挙げられるが、その除去土壌は路盤材などへの再生利用が検討されている。福島の土壌からセシウムを除去する技術を研究してきた中で、除去後の粘土鉱物に新たな機能(例えば熱電物性など)を付与することで、再生利用が加速できると考えた。土壌粘土鉱物はSi, Al, Feなどから構成されており、低環境負荷材料である。そこで、土壌粘土鉱物を溶融塩電解により還元処理し、その特性を検討した。熱拡散率測定の結果、溶融塩電解未処理の試料では温度依存性を示さなかったのに対し、-1.4Vの溶融塩電解処理試料では温度依存性を示し、熱電物性に有意な差を示した。

口頭

EXAFSによるRaの水和状態と粘土鉱物への吸着状態の解明

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; et al.

no journal, , 

ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たないため分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていない。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合した。粘土鉱物において、Raは内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。

口頭

Structure-Making Ionsを用いたイオン交換反応による粘土鉱物からのセシウム脱離評価

金田 結依*; 鈴木 伸一; 矢板 毅

no journal, , 

原子力発電所の事故によって放出された放射性セシウムは、土壌中の2:1型の粘土鉱物の層間に入り込むと強く固定され、従来のイオン交換法では除去することが困難であることが報告されている。そこで本研究では、2:1型粘土鉱物の黒雲母とイライトを対象とし、それらの層間へ水分子のネットワーク構造を構築するイオン(Structure-Making Ions : SMI)を挿入することで、層間を拡げて層構造を破壊せずに133Csを脱離させることを検討した。SMIを用いて長時間の撹拌試験を行った場合と、短時間の撹拌の都度新しいSMIに交換し、繰返し撹拌試験を行った場合では、後者の繰り返しSMIを用いた方がCs脱離率の若干の増加及び層間の顕著な拡張が確認された。このことから新しいSMI溶液を用いた撹拌を繰返し行うことで、粘土鉱物の層内に水和したイオンの侵入が促進されたと考えられる。一方、粘土鉱物からのSMIによるCs脱離率は5割程度に留まることが示された。この結果は、層構造が変化しても固定されたままCsが層間に存在することを示すものである。今後、Cs脱離率の更なる向上を目指した撹拌条件やSMI濃度依存性などを検討すると共に、SMIにより層構造を変化させても層間に存在するセシウムの状態分析等を実施する予定である。

口頭

溶融塩処理による風化黒雲母からの熱電変換材料創製

本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*; 矢板 毅

no journal, , 

2011年に発生した福島第一原子力発電所(1F)事故から12年が経過し、福島県内で発生した汚染土壌は除去土壌として管理されている。除去土壌からCsを除去する技術開発の過程で得た複数の結晶鉱物の機能性に着目し熱電変換材料としての可能性を検討している。本研究では、結晶鉱物についての熱電特性評価(電気伝導率,熱拡散率,ゼーベック係数)について報告する。

口頭

Thermoelectric properties of Fukushima weathered biotite for thermoelectric conversion materials

本田 充紀; 金田 結依; 早川 虹雪*; 村口 正和*; 飯野 千秋*; 小田 将人*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*; 矢板 毅

no journal, , 

本研究では、WBおよび溶融塩法の各条件を系統的に変えてできた多結晶鉱物に対し種々の熱電変換特性を調べるために、熱電3物性特性評価(OZMA-1-S1)を同一試料により実施した。マクロおよびミクロな構造は、種々のX線分析と第一原理計算により同定した。WBの電気伝導特性について、黒雲母系は通常室温では電気的絶縁体として知られているが、粉砕,分級,溶融塩処理後に焼結した結果、650-850$$^{circ}$$Cの温度領域において1.49E-04 [$$mu$$V/K]オーダーの値を示し半導体程度の電気伝導特性であることが分かった。また同温度領域のゼーベック係数測定では、-2.0E+05 [$$mu$$V/K]と高い値を観測した。得られた結果から無次元性能指数${it ZT}$を算出すると、${it ZT}$=0.29が得られた。溶融塩処理した多結晶鉱物についての熱電特性評価結果については、同温度領域の電気伝導特性評価ではWBよりも高い電気伝導特性を得た。これらの結果から、WBを利用することで、650$$^{circ}$$C以上の高温領域では有用な熱電変換特性を示すことを示唆された。

口頭

熱電材料創製へむけた土壌粘土鉱物の熱電3物性評価

本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*; 矢板 毅

no journal, , 

東日本大震災、福島第一原子力発電所事故から10年が経過し福島県内で発生した汚染土壌は除染され除去土壌として管理されている。我々は除去土壌に含まれ放射性Csが強く吸着することが知られている福島風化黒雲母の減容・再生利用へ向けた研究を推進している。本研究では、土壌粘土鉱物や溶融塩電解した土壌粘土鉱物の熱電材料としての素質を明らかにするために熱電物性(ゼーベック係数,導電率,熱拡散率)評価を実施したので報告する。

口頭

湿式ボールミル法を用いた粘土鉱物のセシウム吸着サイトの構造破壊とそのイオン脱離

金田 結依; 小林 徹; 松村 大樹; 辻 卓也; 本田 充紀; 横山 啓一; 矢板 毅

no journal, , 

福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性セシウムは土壌中の2:1型粘土鉱物に収着し、特異吸着的にセシウムを強く捕捉するサイトにより脱離が非常に困難である。本研究では、福島県の土壌にも多く含まれる2:1型粘土鉱物である風化黒雲母を対象とし、ボールミルを用いた物理粉砕と簡単な化学処理を併用した、鉱物層構造の物理的破壊と化学抽出を同時進行させることによるセシウムの脱離を検討した。その結果、1mol/Lの塩化アンモニウム溶液でボールミル処理を行うことで、XRD測定とXAFS測定から粘土鉱物の層構造が破壊されたことを確認し、層間内部に収着したセシウムが効率よく脱離することが分かった。

口頭

放射性廃棄物中のアクチニドの分析のための蛍光プローブを用いるキャピラリー電気泳動分離分取法の検討

原賀 智子; 菱沼 行男*; 金田 結依*; 石森 健一郎; 高橋 邦明

no journal, , 

放射性廃棄物の処分に向けて、廃棄物試料中のアクチニド(Th, U, Np, Pu, Am, Cm)を簡易・迅速に分析する方法を開発することを目的として、キャピラリー電気泳動法の適用性を検討している。本検討では、試料分取機能を付加したキャピラリー電気泳動装置を新規に整備し、アクチニドのうち、$$alpha$$線放出核種であるCm-244と蛍光プローブを混合した試料溶液を調製して、試料分取試験を実施した。その結果、新たに付加した試料分取部のうち、分取用溶液の流速やキャピラリー内径を調整することにより、電気泳動が可能であることを示し、さらに、アクチニドに対して安定な錯体を形成する蛍光プローブを用いることにより、電気泳動中にアクチニドの泳動挙動をモニタしながら、試料成分を分取することに成功した。

口頭

ラジウムの水和構造及び粘土鉱物への吸着構造の解明

山口 瑛子; 永田 光知郎*; 田中 万也; 小林 恵太; 奥村 雅彦; 小林 徹; 下条 晃司郎; 谷田 肇; 関口 哲弘; 金田 結依; et al.

no journal, , 

ラジウム(Ra)は環境挙動の解明が急務な元素であるが、安定同位体を持たず希ガスのラドンを生成するといった取り扱いの難しさから分光法の適用が難しく、水和構造でさえも十分に解明されていなかった。本研究では、Raの広域X線吸収微細構造(EXAFS)を測定し、世界で初めてRaの水和状態及び粘土鉱物への吸着状態を解明した。水和構造について第一原理計算を実施した結果、実験値と計算値は整合的であり、さらに第一原理計算ではアナログ元素であるバリウムについても計算を実施し、両者の比較も行った。これらの結果を比較したところ、Raは粘土鉱物に対して内圏錯体を形成し、環境中でRaが粘土鉱物に固定されることが示唆された。

口頭

溶融塩電解した土壌粘土鉱物の熱電物性

本田 充紀; 金田 結依; 村口 正和*; 早川 虹雪*; 小田 将人*; 飯野 千秋*; 石井 宏幸*; 後藤 琢也*; 矢板 毅

no journal, , 

2011年に発生した震災,原子力発電所事故から10年が経過し、福島県内で発生した汚染土壌は除去土壌として中間貯蔵施設等で管理されている。我々は除去土壌からセシウムを除去する技術開発の中でセシウム除去後の結晶鉱物の機能性に着眼し熱電材料としての可能性を探索している。今回、土壌を溶融塩電解して得られた結晶鉱物に対する熱電物性評価(電気伝導率,熱拡散率,ゼーベック係数)および構造解析を実施したので報告する。

口頭

繰り返し化学処理による粘土鉱物からのセシウム脱離評価

金田 結依; 横山 啓一; 矢板 毅

no journal, , 

福島第一原子力発電所の事故によって放出された放射性Csは、土壌中の2:1型粘土鉱物(2$$mu$$m以下)などに選択的に収着することが知られている。特に、鉱物層間内部に侵入し特異吸着しているCsは、従来のイオン交換法では除染が非常に困難である。そこで本研究では福島県の土壌に多く含まれる2:1型層状鉱物である黒雲母とバーミキュライト化過程の黒雲母(以後風化黒雲母)を対象とし、水分子のネットワーク構造を構築・強化するイオン(Structure-Making Ions: SMI)を使用した繰り返し化学処理により、鉱物層間を拡げ、結果として層構造を破壊せずに、Csを脱離させることを検討した。黒雲母ではSMI溶液を用いた1時間の撹拌後、SMI溶液を新たなものと交換してさらに1時間撹拌する操作を計5回繰り返し行った。風化黒雲母ではさらに、超音波分散機を用いてSMI溶液による同様の繰り返し処理を行った。その結果、繰り返し処理により鉱物層内に水和したSMIが侵入し、鉱物層間の顕著な拡張が確認され、90%以上のCs脱離に成功した。

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