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佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Beerwerth, R.*; 金谷 佑亮*; 牧井 宏之; 水飼 秋菜*; 永目 諭一郎; 長 明彦; 豊嶋 厚史; et al.
Journal of the American Chemical Society, 140(44), p.14609 - 14613, 2018/11
被引用回数:26 パーセンタイル:74.05(Chemistry, Multidisciplinary)第一イオン化エネルギー(IP)は、原子の価電子軌道に関する情報を与える。99番元素アインスタイニウムよりも重いアクチノイドのIP
は、一度に一つの原子しか扱うことのできない実験の難しさから、これまでに実験的に測定された例はなかった。我々は表面電離法を応用した新しい測定手法により、103番元素ローレンシウム(Lr)のIP
測定に成功し、Lrが弱く束縛された最外殻電子をもつことを強く示唆する結果を得た。一方、Lrとは対象的に、102番元素ノーベリウムは充填された5f軌道および7s軌道をもつために、アクチノイド中最高のIP
をもつと考えられている。表面電離法によるIP
決定法をNoおよび100番元素フェルミウム, 101番元素メンデレビウムに適用することにより求められた各IP
から、5f軌道への電子の充填に伴ってIP
が単調に増加し、Noで最も大きくなることを確かめることができた。このことから、f軌道に電子が充填され、アクチノイド系列がLrで終わることを実験的に確かめた。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Stora, T.*; 佐藤 望*; 金谷 佑亮; 塚田 和明; Dllmann, C. E.*; Eberhardt, K.*; Eliav, E.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 131, p.05001_1 - 05001_6, 2016/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.9表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、対象原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られており、この関係を利用することで、イオン化エネルギーを決定することができる。新たに開発したガスジェット結合型表面電離イオン源を用いて、低生成断面積・短寿命のためにイオン化エネルギーが測定されていない重アクチノイド元素フェルミウム, アインスタイニウム, ノーベリウムそしてローレンシウムのイオン化効率を測定することにより、これらの第一イオン化エネルギーを初めて実験的に決定したので報告する。
Eichler, R.*; 浅井 雅人; Brand, H.*; Chiera, N. M.*; Di Nitto, A.*; Dressler, R.*; Dllmann, Ch. E.*; Even, J.*; Fangli, F.*; Goetz, M.*; et al.
EPJ Web of Conferences, 131, p.07005_1 - 07005_7, 2016/12
被引用回数:2 パーセンタイル:63.91近年、物理的な前段分離装置を活用することにより、超重元素の比較的不安定な単一分子の合成と研究が気相化学研究によって可能になった。非常に揮発性の高い106番元素のヘキサカルボニル錯体Sg(CO)の合成は最近の大きな成果である。この成功を受けて、中心金属原子と周囲の配位子間の第一乖離エネルギーの測定を第2世代の実験として実施した。管状の分解反応装置を用いた手法を開発し、短寿命のMo(CO)
, W(CO)
, Sg(CO)
錯体に適用することに成功した。
Steinegger, P.*; 浅井 雅人; Dressler, R.*; Eichler, R.*; 金谷 佑亮*; 水飼 秋菜*; 永目 諭一郎; Piguet, D.*; 佐藤 哲也; Schdel, M.; et al.
Journal of Physical Chemistry C, 120(13), p.7122 - 7132, 2016/04
被引用回数:21 パーセンタイル:61.73(Chemistry, Physical)超重元素の吸着エンタルピー測定のため、真空クロマトグラフィーという新しい実験手法の開発を行い、短寿命タリウム同位体を用いて実証実験を行った。原子力機構タンデム加速器を用いて短寿命タリウム同位体を合成し、オンライン同位体分離装置を用いてイオン化・質量分離したタリウムイオンビームを真空等温クロマトグラフィー装置に導入し、SiO表面に対するタリウム原子の吸着の温度依存性を測定した。その結果から吸着エンタルピーを158KJ/molと決定した。タリウムは113番元素の同族元素であり、本研究で開発した真空クロマトグラフィー法は、半減期1秒オーダーの超重元素の化学研究を可能にすると期待される。
Usoltsev, I.*; Eichler, R.*; Wang, Y.*; Even, J.*; Yakushev, A.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; et al.
Radiochimica Acta, 104(3), p.141 - 151, 2016/03
被引用回数:29 パーセンタイル:95.75(Chemistry, Inorganic & Nuclear)周期表第6族元素で最も重いSgのヘキサカルボニル錯体の熱的安定性を調べることを目指して、短寿命MoおよびW同位体を用いてヘキサカルボニル錯体を合成し、その合成および解離条件を調べた。チューブ状の反応装置を用いてヘキサカルボニル錯体を解離させ、第1解離エネルギーを導出できるかテストした。第6族元素のヘキサカルボニル錯体の解離を調べるには、反応表面として銀が最適であることがわかった。Mo(CO)およびW(CO)
の解離が起こる反応表面温度は、それらの第1解離エネルギーと相関があることがわかり、この方法を用いてSg(CO)
の第1解離エネルギーを決定できる見通しを得た。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; Borschevsky, A.*; Stora, T.*; 佐藤 望; 金谷 佑亮; 塚田 和明; Dllmann, Ch. E.*; Eberhardt, K.*; Eliav, E.*; et al.
Nature, 520(7546), p.209 - 211, 2015/04
被引用回数:103 パーセンタイル:97.85(Multidisciplinary Sciences)表面電離イオン化過程におけるイオン化効率は、対象原子の第一イオン化エネルギーに依存することが知られており、この関係を利用することで、イオン化エネルギーを決定することができる。ガスジェット結合型表面電離イオン源を用いて、低生成断面積・短寿命のためにイオン化エネルギーが測定されていない重アクチノイド元素ローレンシウム(Lr)のイオン化効率を測定することに成功した。希土類元素のイオン化効率測定により得られたイオン化エネルギーとイオン化効率の相関関係から、Lrの第一イオン化エネルギーを決定したので報告する。
Even, J.*; Ackermann, D.*; 浅井 雅人; Block, M.*; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Dllmann, Ch. E.*; Eichler, R.*; Fan, F.*; 羽場 宏光*; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(3), p.2457 - 2466, 2015/03
被引用回数:14 パーセンタイル:78.53(Chemistry, Analytical)金属カルボニル錯体の迅速その場合成を、核分裂や核融合反応によって生成される短寿命同位体を用いた実験によって実証した。高い反跳エネルギーを持つ短寿命核反応生成物を一酸化炭素分子と直接反応させることでカルボニル錯体を合成し、高い揮発性を持つ錯体のみをガス気流によって迅速に搬送し、化学分析・測定装置にかけて検出した。この手法を用いることで、Mo, Tc, Ru, Rh, W, Re, Os, Irの短寿命同位体の揮発性カルボニル錯体の合成に成功した。一方、HfとTaの揮発性錯体は検出されなかった。この手法は超重元素シーボーギウム(原子番号106)の化学研究に既に適用されており、また短寿命遷移金属同位体を用いた核科学研究の様々な分野への応用が今後期待される。
佐藤 哲也; 浅井 雅人; 佐藤 望; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 大江 一弘*; 宮下 直*; 金谷 佑亮; 長 明彦; Schdel, M.; et al.
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 303(2), p.1253 - 1257, 2015/02
被引用回数:8 パーセンタイル:59.96(Chemistry, Analytical)ローレンシウム(Lr, Z=103)の第一イオン化エネルギー決定のため、超重元素研究グループでは原子力機構タンデム加速器に設置されたオンライン質量分離器(ISOL)に用いることのできる、He/CdIガスジェット結合型表面電離イオン源の開発を進めている。本装置を用いて、核反応によって生成した短寿命Lr同位体および種々の短寿命希土類元素同位体のイオン化を行った。その結果、短寿命ローレンシウム同位体
Lrを初めてイオン化・質量分離することに成功した。さらに、希土類元素を用いて得られた実効イオン化エネルギーとイオン化効率との相関関係から、Lrのイオン化エネルギーを初めて実験的に見積もった。
Even, J.*; Yakushev, A.*; Dllmann, Ch. E.*; 羽場 宏光*; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; Brand, H.*; Di Nitto, A.*; Eichler, R.*; Fan, F. L.*; et al.
Science, 345(6203), p.1491 - 1493, 2014/09
被引用回数:59 パーセンタイル:83.25(Multidisciplinary Sciences)超重元素の新しい錯体、106番元素シーボーギウム(Sg)のカルボニル錯体の合成に初めて成功し、その吸着特性を低温熱クロマトグラフィー・線測定装置COMPACTを用いて調べた。理化学研究所の気体充填型反跳イオン分離装置GARISを用いて合成及び前段分離された短寿命核反応生成物
Sgを、ヘリウムと一酸化炭素の混合ガス中に打ち込み、カルボニル錯体を合成した。生成したカルボニル錯体のうち揮発性の高いもののみをガス気流によってCOMPACTへと搬送し、低温熱クロマトグラフィー測定を行った。検出されたSgカルボニル錯体の吸着エンタルピーは-50kJ/molと求まり、この高い揮発性からこの錯体は6配位のSg(CO)
であると結論した。これまで超アクチノイド元素では単純な無機錯体しか合成されたことがなく、本研究は超アクチノイド元素における初めての有機金属錯体合成の成果である。
豊嶋 厚史; Li, Z.*; 浅井 雅人; 佐藤 望; 佐藤 哲也; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮; 北辻 章浩; 塚田 和明; 永目 諭一郎; et al.
Inorganic Chemistry, 52(21), p.12311 - 12313, 2013/11
被引用回数:5 パーセンタイル:25.52(Chemistry, Inorganic & Nuclear)本研究では、フロー電解クロマトグラフィー装置を用いメンデレビウム(Md)の還元挙動を調べた。クロマトグラフィーカラムに適切な電位を印加することにより、安定なMdをMd
へと還元できた。Md
+e
Md
反応の還元電位を標準水素電極に対して-0.16
0.05Vと決定した。
佐藤 哲也; 佐藤 望; 浅井 雅人; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 大江 一弘; 宮下 直; Schdel, M.; 金谷 佑亮*; 永目 諭一郎; et al.
Review of Scientific Instruments, 84(2), p.023304_1 - 023304_5, 2013/02
被引用回数:16 パーセンタイル:60.98(Instruments & Instrumentation)アクチノイド元素ローレンシウム(Lr, Z=103)の第一イオン化エネルギー決定のため、超重元素研究グループでは原子力機構タンデム加速器に設置されたオンライン質量分離器(ISOL)用He/CdIガスジェット結合型表面電離イオン源の開発を進めている。本装置を用いて、核反応によって生成した短寿命Lr同位体及び対応するランタノイド元素Lu同位体のイオン化を試みた。その結果、
Lrを初めてイオン化、質量分離することに成功した。イオン源温度2600Kのとき、Lrのイオン化効率は、イオン源表面がレニウムの場合42%、タンタルのとき24%であり、両者ともLuに比べて高かった。このことは、Lrのイオン化はLuに比べて容易であり、Lrの第一イオン化エネルギーがLuよりも低いことを示唆している。
浅井 雅人; 金谷 佑亮*; 佐藤 哲也; 塚田 和明; 大江 一弘; 佐藤 望; 豊嶋 厚史
Journal of Nuclear and Radiochemical Sciences (Internet), 12(1), p.5 - 10, 2012/06
福島第一原子力発電所の事故で汚染された土壌中の放射能を測定するため、体積線源中のI,
Cs,
Csに対するGe検出器検出効率校正について検討した。
Cs,
Cs,
Hf,
Zrを含む溶液を土壌と混合して土壌標準線源を作製し、
I,
Cs,
Csの各
線に対する検出効率を精密に決定した。溶液中の放射能濃度は、同じ溶液で点線源を作製し、決定した。得られた検出効率を用いて、土壌試料中の
Csの各
線に対するカスケードサムの補正量を実験的に評価した。体積線源に対するカスケードサムの補正量を簡単に計算するため、平均の検出効率を用いた簡易計算法について検討し、計算結果と実験値との比較からその有効性を検証した。
Liang, X.; Li, Z.; 塚田 和明; 豊嶋 厚史; 浅井 雅人; 佐藤 哲也; 佐藤 望; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮; 永目 諭一郎
no journal, ,
106番元素シーボーギウム(Sg)に対してフッ化水素酸と硝酸の混合水溶液系での陰イオン交換挙動実験に関する研究を進めるため、同族元素であるWとMoを対象に同分離系における分配係数とその平衡到達時間を得た。Wに対するバッチ実験の結果から、常温での平衡到達時間は数日を要するが、溶液温度70Cでは平衡到達時間が大きく改善することが明らかになった。また、70
CにおけるHF濃度に対するWとMoの分配係数変化は、10
Mから1.0MのHF濃度範囲において、Moの分配係数は小さくほぼ一定であるのに対し、WはHF濃度に依存して変化することがわかった。このことは、両者の違いをもとにSgの分配係数を測定し比較することで、本水溶液系におけるSgのフッ化物イオン錯体形成に関する新たな情報を得る可能性を示している。
佐藤 望; 浅井 雅人; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史; Li, Z.; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮*; 市川 進一; 永目 諭一郎; et al.
no journal, ,
超重元素の第一イオン化ポテンシャル(IP)は、強い相対論効果を受けた価電子状態を議論するうえで重要な値であるが、超重元素は生成量が少なく短い寿命で壊変するため、原子番号100以上の元素に対してはいまだに測定されていない。103番元素ローレンシウム(Lr)は、5f7s
7pで表される電子配置を持ち、最外殻電子の束縛エネルギーが小さいため、他のアクチノイド元素や同様の電子配置をとるランタノイド元素ルテチウムよりもIPが低くなることが理論から予想されている。本研究グループでは、LrのIPを表面電離効率比較法で測定するため、原子力機構においてオンライン質量分離装置(ISOL)に用いるガスジェット搬送装置結合型表面電離型イオン源の開発を行ってきた。本討論会では、装置開発の現状と、研究対象とする
Lr(半減期27秒)の合成実験について報告する。
佐藤 哲也; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 笠松 良崇*; Li, Z.; 佐藤 望; 菊池 貴宏; Liang, X. H.*; 金谷 佑亮*; et al.
no journal, ,
超重元素ドブニウム(Db, Z=105)の化学的性質を明らかにするため、Db及び周期表上の同族元素である5族元素Nb, Taの揮発性塩化物を合成しオンラインで気相化学分離を行う実験装置の開発を行った。タンデム加速器で合成した短寿命同位体Nb及び
Taを実験対象として、本実験装置における揮発性塩化物の合成条件を最適化し、その最適条件のもとで、オンライン等温ガスクロマトグラフ挙動を観測した。その結果、Taの塩化物に比べてNbの塩化物がより揮発性が高いことを確認し、また、得られた両元素の揮発性塩化物の吸着エンタルピーは、これまでに報告されている昇華エンタルピーの傾向と一致しており、本実験装置によって揮発性の違いによる分離が可能であることが確認できた。本実験装置をDbに適用することで、Dbと同族元素との比較研究が可能である。
佐藤 哲也; 塚田 和明; 浅井 雅人; 豊嶋 厚史; 佐藤 望; Li, Z.; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮*; 永目 諭一郎; Schdel, M.
no journal, ,
超アクチノイド元素ドブニウム(Db, Z=105)の化学的性質を明らかにするため、Db及び同族元素である5族元素Nb, Taの揮発性塩化物を対象としたオンライン気相化学分離装置の開発を進めた。Dbを模擬する目的でNb及びTaの短寿命核種を用い、本装置における5族元素Nb, Taの等温ガスクロマトグラフ挙動を調べるとともに、同一の条件下においてDbの揮発性化合物の生成・分離に成功した。
豊嶋 厚史; 大江 一弘; Li, Z.*; 浅井 雅人; 佐藤 望; 佐藤 哲也; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮*; 北辻 章浩; 塚田 和明; et al.
no journal, ,
電気化学クロマトグラフィーを用いたメンデレビウム(Md)の電気化学的研究について発表する。原子力機構タンデム加速器施設において、Cm(
B,4
)反応によって
Mdを合成した。電極に負電圧を印可すると、Mdは0.1M HCl水溶液によって溶出した。この溶離挙動はSr
やEu
に類似しており、最も安定なMd
からMd
への還元に成功したことを明確に示している。また、Mdの還元割合の変化から還元電位を標準水素電極に対して-0.18Vと決定した。
佐藤 望; 浅井 雅人; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史; Li, Z.*; 大江 一弘; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮*; Schdel, M.; et al.
no journal, ,
第一イオン化ポテンシャル(IP)は価電子の束縛エネルギーを反映するため、その値から電子状態に関する知見を得ることができる。最も重いアクチノイド元素である103番元素ローレンシウム(Lr)のIP測定は、7p軌道に充填された電子状態を初めて明らかにするという点で興味深い。現在われわれは、タンデム加速器施設において、LrのIP測定を行うためガスジェット搬送装置結合型表面電離イオン源の開発を進めている。これまでに、Lrを模擬したさまざまなランタノイド元素のイオン化効率の温度依存性を測定し、イオン化効率はイオン源温度に伴って増加すること、同一元素間では同位体の半減期に依存せず、イオン化に要する時間がLrの寿命に比べて十分に短いことなどを明らかにした。加えて、観測されたイオン化効率は、元素のIPだけでなく沸点に代表される蒸気圧特性にも依存することが示唆され、IP測定には蒸気圧特性を考慮したモデルの構築が必要であることがわかった。
豊嶋 厚史; Li, Z.*; 浅井 雅人; 佐藤 望; 佐藤 哲也; 大江 一弘; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮*; 北辻 章浩; 塚田 和明; et al.
no journal, ,
本研究では、フロー電解クロマトグラフ法を用いて101番元素メンデレビウム(Md)の酸化還元電位を測定した。原子力機構タンデム加速器においてCm(
B, 4
)反応により半減期27分の
Mdを合成した。KCl/Heガスジェット法により核反応生成物を化学室に搬送した後、HDEHPカラムを用いてKClを除去した。その後、フロー電解カラム装置を用いて0.10M HCl水溶液中におけるMdの溶離挙動を調べた。Ag/AgCl参照電極に対して-0.3Vから-0.6Vまでの電圧をカラム電極に印加した。印加電圧-0.3Vでは、Mdの溶離挙動は
Bk
と同じであった。これは、この電圧ではMd
が2価に還元されていないことを示している。一方、-0.6Vでは、MdはSr
と類似した溶離挙動を示した。この挙動は、Md
をMd
に還元することに成功したことを示している。これらの印加電圧の変化に対するMdの挙動の変化から、その酸化還元電位を-0.40
0.03Vと決定した。
佐藤 望; 浅井 雅人; 塚田 和明; 佐藤 哲也; 豊嶋 厚史; Li, Z.*; 菊池 貴宏; 金谷 佑亮*; Schdel, M.; 永目 諭一郎; et al.
no journal, ,
103番元素ローレンシウム(Lr)の第一イオン化ポテンシャル(IP)は、他のアクチノイドと比較して低い値となることが理論的に予測されている。そこでわれわれの研究グループでは、生成量が少なくかつ短寿命の重元素に対しても適用できると考えられる表面電離比較法に基づいたLrのIP測定に向けて、タンデム加速器施設の同位体分離装置に設置した表面電離イオン源の開発を進めている。これまでに、表面電離比較法によるIP測定に必要なイオン化効率の温度依存性を、同族元素であるランタノイド元素を対象に測定することに成功し、イオン化効率はイオン源温度に伴って増加すること、また同一元素間では同位体の半減期に依存せず、イオン化に要する時間はLrの寿命と比べて十分に短いことがわかった。加えて、観測されたイオン化効率は、各元素のIPだけでなく沸点も影響していることが示唆された。