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楡井 真実; 古府 麻衣子; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 河村 聖子; 村井 直樹; 原田 正英; 稲村 泰弘
Journal of Neutron Research, 26(2-3), p.75 - 82, 2024/09
We investigated neutron flux at a sample position and energy resolution of a direct-geometry disk-chopper spectrometer AMATERAS under various chopper conditions and compared them with simulations and calculations. The measured flux was comparable to other similar spectrometers with high flux. The resolution when using a pulse-shaping chopper was in close agreement with the analytical calculations, including the thickness of the disk chopper, the sample size, and the penetration depth into the detector. It is found that the chopper, placed at the intermediate distance of the primary spectrometer, works as a pulse shaper that optimizes the flux and resolution below the incident energy of 10 meV.
江村 優軌; 高井 俊秀; 菊地 晋; 神山 健司; 山野 秀将; 横山 博紀*; 坂本 寛*
Journal of Nuclear Science and Technology, 61(7), p.911 - 920, 2024/07
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Nuclear Science & Technology)Boron carbide (BC)- stainless steel (SS) eutectic reaction behavior is one of the most important issues in the core disruptive accidents (CDAs) of sodium-cooled fast reactors (SFRs). In this study, the immersion experiments using BC pellets with molten SS were conducted to evaluate the CDA sequences such as contact event of solid BC with degraded core materials including SS at very high temperature. The immersion experiment aims at understanding the kinetic behavior of solid BC-liquid SS reaction based on the reduced thickness of BC pellet after the experiment in the temperature ranges from 1763 to 1943 K, which is higher than the temperature of solid BC-solid SS reaction. Based on the kinetic consideration of the reaction rate constants for solid BC-liquid SS reaction, it was found that similar temperature dependency was identified between solid BC-liquid SS and solid BC-solid SS. Besides, the reaction rate constants of solid BC-liquid SS were smaller than those of solid BC-solid SS extrapolated in higher temperature region by two or more orders of magnitude due to two different evaluation method for BC side/SS side. It was confirmed that this difference was reasonable through the consideration of previous reaction tests in solid-solid contact for BC side/SS side.
堂田 哲広; 中峯 由彰*; 吉村 一夫; 桑垣 一紀; 浜瀬 枝里菜; 横山 賢治; 菊地 紀宏; 森 健郎; 橋立 竜太; 田中 正暁
計算工学講演会論文集(CD-ROM), 29, 6 Pages, 2024/06
ナトリウム冷却高速炉(SFR)開発で得た豊富な知識(ナレッジ)を活用するとともに、最新の数値シミュレーション技術を組み合わせた統合評価手法(ARKADIA)の開発の一環として、SFRの概念設計段階の最適化をサポートするARKADIA-Designを開発している。ARKADIA-Designは、3つのシステム(仮想プラントライフシステム(VLS)、評価支援・応用システム(EAS)、知識管理システム(KMS))で構成され、設計最適化フレームワークが各システムのインターフェースを通じて3つのシステム間の連携を制御する。本研究では、炉心設計最適化における例題を対象に、これまでに開発してきた設計最適化フレームワークのVLSでの連成解析及びVLSとEASとの連携による最適化の制御機能を統合したプロトタイプを構築し、設計最適化フレームワークのSFR設計最適化プロセスへの適用性を確認した。
堂田 哲広; 加藤 慎也; 浜瀬 枝里菜; 桑垣 一紀; 菊地 紀宏; 大釜 和也; 吉村 一夫; 吉川 龍志; 横山 賢治; 上羽 智之; et al.
Proceedings of 20th International Topical Meeting on Nuclear Reactor Thermal Hydraulics (NURETH-20) (Internet), p.946 - 959, 2023/08
安全かつ経済的で持続可能な先進的原子炉を実現するために革新的設計システム(ARKADIA)を開発している。本論文では、ARKADIAの一部である設計研究のためのARKADIA-Designに着目し、炉心設計の数値解析手法の妥当性確認について紹介する。ARKADIA-Designでは、炉物理、熱流動、炉心構造、燃料ピン挙動の解析コードを組み合わせたマルチフィジックス解析により、ナトリウム冷却高速炉の炉心性能を解析する。これらの解析の妥当性を確認するため、実験データ及び信頼できる数値解析結果を選定し、検証マトリックスを作成する。解析コードのモデル及び検証マトリクスの代表的な確認解析について説明する。
橋本 俊輔*; 山口 聡*; 原田 雅史*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 大石 一城*
Journal of Colloid and Interface Science, 638, p.475 - 486, 2023/05
被引用回数:6 パーセンタイル:68.06(Chemistry, Physical)最近、粒子分率から計算される理論的に予測された値と比較して、ベース液体と分散された固体ナノ粒子で構成されるナノ流体の熱伝導率の異常な改善が報告されている。一般に、気体と液体の熱伝導率の値は、並進運動中の分子の平均自由行程によって支配される。ここでは、ナノ粒子の周りの液体分子の振動挙動がこれらの熱伝導率の増加に寄与している可能性を示す確かな証拠を提示する。
中島 健次; 菊地 龍弥*; 河村 聖子; 神原 理*
EPJ Web of Conferences, 272, p.02012_1 - 02012_8, 2022/11
パルス源の冷中性子チョッパー分光計であるAMATEASで、単一測定条件での時間枠を増やす試みのいくつかを紹介する。方法の1つは、飛行時間図で介在する軌道を許可することにより、で選択可能な使用可能な幅を増やすことができるということである。われわれの経験に基づいて、パルス源でのチョッパー分光計でのパルス繰り返し周波数増倍に基づく多色測定の条件について説明する。広帯域多色測定の最適化と一般化された定式化された条件が提案される。既存の分光計および最適化されたチョッパー分光計の基準設計へのわれわれのアイデアの適用についても説明し、パルス整形チョッパーを変更することによって効率を改善するさらなる可能性を示唆する。
大島 宏之; 森下 正樹*; 相澤 康介; 安藤 勝訓; 芦田 貴志; 近澤 佳隆; 堂田 哲広; 江沼 康弘; 江連 俊樹; 深野 義隆; et al.
Sodium-cooled Fast Reactors; JSME Series in Thermal and Nuclear Power Generation, Vol.3, 631 Pages, 2022/07
ナトリウム冷却高速炉(SFR: Sodium-cooled Fast Reactor)の歴史や、利点、課題を踏まえた安全性、設計、運用、メンテナンスなどについて解説する。AIを利用した設計手法など、SFRの実用化に向けた設計や研究開発についても述べる。
Yang, J.*; Ren, W.*; Zhao, X.*; 菊地 龍弥*; Miao, P.*; 中島 健次; Li, B.*; Zhang, Z.*
Journal of Materials Science & Technology, 99, p.55 - 60, 2022/02
被引用回数:9 パーセンタイル:53.39(Materials Science, Multidisciplinary)物性測定と中性子散乱を組み合わせることにより、面心立方高エントロピー合金CrMnFeCoNiの磁気および熱輸送特性を調べた。DCおよびAC帯磁率は、温度領域全体で反強磁性および強磁性相互作用が共存する常磁性挙動を示し、それぞれ、常磁性から反強磁性への遷移、反強磁性から強磁性への遷移、およびスピン凍結に対応して、約80, 50、および20Kで3つの異常が見られる。電気伝導率と熱伝導率はNiに比べて大幅に低下しており、格子熱伝導率の温度依存性はガラスのようなプラトーを示す。非弾性中性子散乱測定は弱い非調和性を示唆し、熱輸送は欠陥散乱によって支配されると思われる。
橋本 俊輔*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 蒲沢 和也*; 柴田 薫; 山田 武*
Journal of Molecular Liquids, 342, p.117580_1 - 117580_8, 2021/11
被引用回数:3 パーセンタイル:20.58(Chemistry, Physical)エチレングリコール水溶液中に二酸化ケイ素(SiO)ナノ粒子を分散したナノ流体の準弾性中性子散乱測定(QENS)およびパルス磁場勾配核磁気共鳴分析(PFGNMR)を行った。研究目的は、このナノ流体の熱伝導率が理論値を超えて増加するメカニズムを解明することだった。得られた実験結果は、SiOナノ粒子の周りの液体分子の運動が非常に制限されているため、SiOナノ粒子の添加により、エチレングリコール水溶液中の液体分子の自己拡散係数が低下していることを示す。そして温度一定の条件で、SiOナノ流体中で、液体分子の自己拡散係数が減少するにつれて、熱伝導率が増加した。
山野 秀将; 高井 俊秀; 古川 智弘; 菊地 晋; 江村 優軌; 神山 健司; 福山 博之*; 東 英生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; et al.
Proceedings of 28th International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 28) (Internet), 11 Pages, 2021/08
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故(CDA)評価における重要な課題の一つに、制御棒材の炭化ホウ素(BC)とステンレス鋼(SS)の共晶溶融反応及び移動挙動がある。CDAの数値解析では、このような挙動のシミュレーションはこれまで行われたことがないため、物理モデルを開発しそれをCDA解析コードに組み入れる必要がある。本研究では、BC-SS共晶溶融実験,共晶溶融の熱物性計測,共晶溶融反応の物理モデル開発に焦点を当てている。共晶実験では、可視化実験,反応速度実験,材料分析を行う。物性は液相から固相までの範囲で測定する。これらの反応速度や物性を基に、シビアアクシデント解析コードのための物理モデルを開発する。本発表はプロジェクト全体概要及び2019年度までの進捗概要について報告する。この論文における具体的成果は、SSプール中にBCペレットを置いたBC-SS共晶溶融実験の数値解析を通じて、CDA解析コードSIMMER-IIIにおける共晶反応を記述する物理モデルの妥当性を確認したことである。
中島 健次; 河村 聖子; 古府 麻衣子; 村井 直樹; 稲村 泰弘; 菊地 龍弥*; 若井 大介*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011089_1 - 011089_7, 2021/03
J-PARCに設置されている冷中性子ディスクチョッパー型分光器AMATERASの近況について報告する。最後に報告を行った2017年以降、新たな検出器の増設、散乱真空槽の真空系の更新作業(継続中)等を行っている。また、分解能について再調査を実施した。この他、2018年、2019年のJ-PARCの1MW試験時に試験測定も行った。今後の高度化計画についても触れる。
川北 至信; 菊地 龍弥*; 田原 周太*; 中村 充孝; 稲村 泰弘; 丸山 健二*; 山内 康弘*; 河村 聖子; 中島 健次
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011071_1 - 011071_6, 2021/03
ヨウ化銅は高温固相で、ヨウ素イオンが作る面心立方格子の隙間を銅イオンが動く超イオン伝導体になることで知られている。溶融相でも、集団的あるいは協調的なイオンの運動を示す特徴がある。MDシミュレーションにおいて、銅イオンの拡散がヨウ素イオンより非常に速いこと分かっている。Cu-Cu部分構造因子にはFSDPと呼ばれる構造を持ち、銅の分布に中距離秩序があることを示している。さらに、Cu-Cu部分二体分布関数は、Cu-Iで形成される最近接分布に深く入り込んでいる。そうした溶融CuIの異常的振る舞いの原因を解明するために、J-PARCの物質・生命科学実験施設に設置されたディスクチョッパー分光器AMATERASを用いて、中性子準弾性散乱(QENS)実験を行った。構造可干渉性のQENSから得られた動的構造因子を理解するため、モード分布解析を行った。その結果、ヨウ素イオンの運動が局所的に閉じ込められた空間で揺らぐような運動であること、一方銅イオンはヨウ素イオンより速く拡散する運動をしていることが分かった。
中川 洋; 米谷 佳晃*; 中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥*; 稲村 泰弘; 片岡 幹雄*; 河野 秀俊*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011101_1 - 011101_6, 2021/03
5'CGCGCGCG'3 and 5'CGCGCGCG'3のDNAについて、軽水と重水のコントラストを利用した中性子準弾性散乱による水和水ダイナミクスを測定した。この2つのDNAは計算機によってそれぞれ硬い分子と柔らかい分子であることが分かっている。どちらの配列も約240KにDNAと水和水のどちらも動力学転移が観測された。転移温度以上では、水和水の平均自乗変位は硬い配列の方が小さかった。また水和水の緩和時間は硬いほうが長かった。ピコ秒時間スケールの水和水ダイナミクスは配列依存的なDNAの硬さと関係していることを示唆した。
Zhai, Y.*; Luo, P.*; 長尾 道弘*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 川北 至信; Kienzle, P. A.*; Z, Y.*; Faraone, A.*
Physical Chemistry Chemical Physics, 23(12), p.7220 - 7232, 2021/03
被引用回数:4 パーセンタイル:28.78(Chemistry, Physical)2-Propanol was investigated, in both the liquid and supercooled states, as a model system to study how hydrogen bonds affect the structural relaxation and the dynamics of mesoscale structures, of approximately several Angstroms, employing static and quasi-elastic neutron scattering and molecular dynamics simulation. Dynamic neutron scattering measurements were performed over an exchanged wave-vector range encompassing the pre-peak, indicative of the presence of H-bonding associates, and the main peak. The dynamics observed at the pre-peak is associated with the formation and disaggregation of the H-bonded associates and is measured to be at least one order of magnitude slower than the dynamics at the main peak, which is identified as the structural relaxation. The measurements indicate that the macroscopic shear viscosity has a similar temperature dependence as the dynamics of the H-bonded associates, which highlights the important role played by these structures, together with the structural relaxation, in defining the macroscopic rheological properties of the system. Importantly, the characteristic relaxation time at the pre-peak follows an Arrhenius temperature dependence whereas at the main peak it exhibits a non-Arrhenius behavior on approaching the supercooled state. The origin of this differing behavior is attributed to an increased structuring of the hydrophobic domains of 2-propanol accommodating a more and more encompassing H-bond network, and a consequent set in of dynamic cooperativity.
山野 秀将; 高井 俊秀; 古川 智弘; 菊地 晋; 江村 優軌; 神山 健司; 福山 博之*; 東 英生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; et al.
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 10 Pages, 2020/08
ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故(CDA)評価における重要な課題の一つに、制御棒材の炭化ホウ素(BC)とステンレス鋼(SS)の共晶溶融反応及び移動挙動がある。CDAの数値解析では、このような挙動のシミュレーションはこれまで行われたことがないため、物理モデルを開発しそれをCDA解析コードに組み入れる必要がある。本研究では、BC-SS共晶溶融実験、共晶溶融の熱物性計測、共晶溶融反応の物理モデル開発に焦点を当てている。共晶実験では、可視化実験,反応速度実験,材料分析を行う。物性は液相から固相までの範囲で測定する。これらの反応速度や物性を基に、シビアアクシデント解析コードのための物理モデルを開発する。本発表はプロジェクト全体概要及び2018年度までの進捗概要について報告する。この論文における具体的成果は、共晶溶融実験において固化したBC-SS共晶試料のホウ素濃度分布で、これはコンピュータコードに組み込まれた共晶物理特性の検証に用いられる。
山野 秀将; 高井 俊秀; 古川 智弘; 菊地 晋; 江村 優軌; 神山 健司; 福山 博之*; 東 英生*; 西 剛史*; 太田 弘道*; et al.
Proceedings of International Nuclear Fuel Cycle Conference / Light Water Reactor Fuel Performance Conference (Global/Top Fuel 2019) (USB Flash Drive), p.418 - 427, 2019/09
制御棒材の炭化ホウ素(BC)とステンレス鋼(SS)の共晶溶融反応及び移動挙動は、ナトリウム冷却高速炉の炉心損傷事故(CDA)評価における重要な課題の一つである。CDAの数値解析では、このような挙動のシミュレーションはこれまで行われたことがないため、物理モデルを開発しそれをCDA解析コードに組み入れる必要がある。本研究では、BC-SS共晶溶融実験、共晶溶融の熱物性計測、共晶溶融反応の物理モデル開発に焦点を当てている。共晶実験では、可視化実験,反応速度実験,材料分析を行う。物性は液相から固相までの範囲で測定する。これらの反応速度や物性を基に、シビアアクシデント解析コードのための物理モデルを開発する。本発表はプロジェクト全体概要及び平成29年度までの進捗概要について報告する。この論文における具体的成果は、共晶溶融実験において固化したBC-SS共晶試料のホウ素濃度分布で、これはコンピュータコードに組み込まれた共晶物理特性の検証に用いられる。
菊地 龍弥*; 中島 健次; 河村 聖子; 稲村 泰弘; 中村 充孝; 若井 大介*; 青山 和弘*; 岩橋 孝明*; 神原 理*
Physica B; Condensed Matter, 564, p.45 - 53, 2019/07
被引用回数:1 パーセンタイル:4.22(Physics, Condensed Matter)AMATERASはJ-PARC物質・生命科学実験施設に設置された冷中性子チョッパー型分光器である。この9年に亘る運用の中で得られたバッググラウンド(意図せずにデータ収集系に集積されるシグナル)についての知見をまとめた。それらは、ビームライン上にある物質から発生するガンマ線、ビームライン上にある機器から発生するブラッグ反射, 空気散乱, 電気ノイズ, 宇宙線などである。それらについてまとめると共に今後の可能な対策について述べる。これらは、同種の分光器にとっても役立つ情報となると期待する。
Li, B.*; 川北 至信; 河村 聖子; 菅原 武*; Wang, H.*; Wang, J.*; Chen, Y.*; 河口 沙織*; 河口 彰吾*; 尾原 幸治*; et al.
Nature, 567(7749), p.506 - 510, 2019/03
被引用回数:278 パーセンタイル:99.46(Multidisciplinary Sciences)冷却は現代社会では、世界における25-30%の電力が空調や食料保存に用いられるように、重要である。従来の気化、圧縮で冷却を行う方法は、温暖化などの観点から限界が来ている。有望な代替手段として固体の熱量効果を用いた冷却方法が注目を集めている。しかしながら、この方法は、現在候補に挙げられている物質ではエントロピー変化の小ささや巨大な磁場を必要とするところなどから性能に限界がある。そこで我々は柔粘性結晶における圧力誘起の相転移で冷却が起こる巨大圧力熱量効果を報告する。柔粘性結晶の一つであるネオペンチルグリコールのエントロピー変化は室温近傍において単位キログラム、単位温度あたり、約389ジュールであった。圧力下の中性子散乱実験の結果から、そのような巨大圧力熱量効果は分子配向の非秩序化、巨大な圧縮率、極めて非線形性の強い格子ダイナミクスの組み合わせに由来することが明らかになった。我々の研究により、柔粘性結晶における巨大圧力熱量効果発現の微視的機構が明らかとなり、次世代の固体を使った冷却技術の確立に筋道を付けることができた。
川北 至信; 菊地 龍弥*; 稲村 泰弘; 田原 周太*; 丸山 健二*; 花島 隆泰*; 中村 充孝; 鬼柳 亮嗣; 山内 康弘*; 千葉 薫*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 551, p.291 - 296, 2018/12
被引用回数:11 パーセンタイル:45.42(Physics, Condensed Matter)単元素液体金属の中には、その静的構造が剛体球充填モデルでは全く表せない、複雑な構造を有する物質がある。液体ビスマスは、構造因子のメインピークの高波数側に非対称な肩構造を有する。二体分布関数の第一ピークと第二ピークの距離の比が1:2で、一次元的に配列しているような奇妙な値を示すとともに、第一ピークの長距離側に明確な肩構造を有する。二種類の直径の異なる剛体球からなるモデルでは、構造因子の肩構造が生じることから、こうした単元素液体金属の複雑性の起源として、短時間だけ生じる共有結合や、金属イオンを遮蔽する電子が有効二体間ポテンシャルに作り出す振動(フリーデル振動)など、まったく物理的描像が異なる仮説がいくつかなされている。そこで我々は液体ビスマスの中性子準弾性散乱を、J-PARCのMLFに設置された冷中性子ディスクチョッパー分光器を用いて測定し、液体ダイナミクスを動的相関関数から調べた。その結果、二体分布関数の第一ピークの肩構造の緩和時間が、第一ピークや第二ピークなどその他の主要構造に比べて著しく長いことが分かった。
中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥*; 古府 麻衣子; 川北 至信; 稲村 泰弘; 神原 理*; 青山 和弘*; 若井 大介*; 原田 正英; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012031_1 - 012031_5, 2018/06
被引用回数:6 パーセンタイル:93.40(Nuclear Science & Technology)We report recent issues that have been encountered by AMATERAS, which is a cold-neutron disk-chopper spectrometer installed at the Materials and Life Science Experimental Facility at J-PARC. After the last ICANS meeting held in 2014, AMATERAS has continued its user program. On the other hand, the spectrometer has faced several problems, such as a weak shield at the beam dump, failure of one of the chopper disks and many such problems, which we are currently investigating. Further, several instrumental improvements have been performed, such as background reduction, fixing badly designed parts and other such improvements. Our extensive experience obtained in the period of more than 7 years on one of the world's first pulse-shaping chopper spectrometers may help other researchers who are operating or planning to construct similar spectrometers.