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橋本 俊輔*; 山口 聡*; 原田 雅史*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 大石 一城*
Journal of Colloid and Interface Science, 638, p.475 - 486, 2023/05
被引用回数:2 パーセンタイル:55.84(Chemistry, Physical)最近、粒子分率から計算される理論的に予測された値と比較して、ベース液体と分散された固体ナノ粒子で構成されるナノ流体の熱伝導率の異常な改善が報告されている。一般に、気体と液体の熱伝導率の値は、並進運動中の分子の平均自由行程によって支配される。ここでは、ナノ粒子の周りの液体分子の振動挙動がこれらの熱伝導率の増加に寄与している可能性を示す確かな証拠を提示する。
中島 健次; 菊地 龍弥*; 河村 聖子; 神原 理*
EPJ Web of Conferences, 272, p.02012_1 - 02012_8, 2022/11
パルス源の冷中性子チョッパー分光計であるAMATEASで、単一測定条件での時間枠を増やす試みのいくつかを紹介する。方法の1つは、飛行時間図で介在する軌道を許可することにより、で選択可能な使用可能な幅を増やすことができるということである。われわれの経験に基づいて、パルス源でのチョッパー分光計でのパルス繰り返し周波数増倍に基づく多色測定の条件について説明する。広帯域多色測定の最適化と一般化された定式化された条件が提案される。既存の分光計および最適化されたチョッパー分光計の基準設計へのわれわれのアイデアの適用についても説明し、パルス整形チョッパーを変更することによって効率を改善するさらなる可能性を示唆する。
Yang, J.*; Ren, W.*; Zhao, X.*; 菊地 龍弥*; Miao, P.*; 中島 健次; Li, B.*; Zhang, Z.*
Journal of Materials Science & Technology, 99, p.55 - 60, 2022/02
被引用回数:6 パーセンタイル:45.20(Materials Science, Multidisciplinary)物性測定と中性子散乱を組み合わせることにより、面心立方高エントロピー合金CrMnFeCoNiの磁気および熱輸送特性を調べた。DCおよびAC帯磁率は、温度領域全体で反強磁性および強磁性相互作用が共存する常磁性挙動を示し、それぞれ、常磁性から反強磁性への遷移、反強磁性から強磁性への遷移、およびスピン凍結に対応して、約80, 50、および20Kで3つの異常が見られる。電気伝導率と熱伝導率はNiに比べて大幅に低下しており、格子熱伝導率の温度依存性はガラスのようなプラトーを示す。非弾性中性子散乱測定は弱い非調和性を示唆し、熱輸送は欠陥散乱によって支配されると思われる。
橋本 俊輔*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 蒲沢 和也*; 柴田 薫; 山田 武*
Journal of Molecular Liquids, 342, p.117580_1 - 117580_8, 2021/11
被引用回数:3 パーセンタイル:24.84(Chemistry, Physical)エチレングリコール水溶液中に二酸化ケイ素(SiO)ナノ粒子を分散したナノ流体の準弾性中性子散乱測定(QENS)およびパルス磁場勾配核磁気共鳴分析(PFGNMR)を行った。研究目的は、このナノ流体の熱伝導率が理論値を超えて増加するメカニズムを解明することだった。得られた実験結果は、SiOナノ粒子の周りの液体分子の運動が非常に制限されているため、SiOナノ粒子の添加により、エチレングリコール水溶液中の液体分子の自己拡散係数が低下していることを示す。そして温度一定の条件で、SiOナノ流体中で、液体分子の自己拡散係数が減少するにつれて、熱伝導率が増加した。
川北 至信; 菊地 龍弥*; 田原 周太*; 中村 充孝; 稲村 泰弘; 丸山 健二*; 山内 康弘*; 河村 聖子; 中島 健次
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011071_1 - 011071_6, 2021/03
ヨウ化銅は高温固相で、ヨウ素イオンが作る面心立方格子の隙間を銅イオンが動く超イオン伝導体になることで知られている。溶融相でも、集団的あるいは協調的なイオンの運動を示す特徴がある。MDシミュレーションにおいて、銅イオンの拡散がヨウ素イオンより非常に速いこと分かっている。Cu-Cu部分構造因子にはFSDPと呼ばれる構造を持ち、銅の分布に中距離秩序があることを示している。さらに、Cu-Cu部分二体分布関数は、Cu-Iで形成される最近接分布に深く入り込んでいる。そうした溶融CuIの異常的振る舞いの原因を解明するために、J-PARCの物質・生命科学実験施設に設置されたディスクチョッパー分光器AMATERASを用いて、中性子準弾性散乱(QENS)実験を行った。構造可干渉性のQENSから得られた動的構造因子を理解するため、モード分布解析を行った。その結果、ヨウ素イオンの運動が局所的に閉じ込められた空間で揺らぐような運動であること、一方銅イオンはヨウ素イオンより速く拡散する運動をしていることが分かった。
中川 洋; 米谷 佳晃*; 中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥*; 稲村 泰弘; 片岡 幹雄*; 河野 秀俊*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011101_1 - 011101_6, 2021/03
5'CGCGCGCG'3 and 5'CGCGCGCG'3のDNAについて、軽水と重水のコントラストを利用した中性子準弾性散乱による水和水ダイナミクスを測定した。この2つのDNAは計算機によってそれぞれ硬い分子と柔らかい分子であることが分かっている。どちらの配列も約240KにDNAと水和水のどちらも動力学転移が観測された。転移温度以上では、水和水の平均自乗変位は硬い配列の方が小さかった。また水和水の緩和時間は硬いほうが長かった。ピコ秒時間スケールの水和水ダイナミクスは配列依存的なDNAの硬さと関係していることを示唆した。
中島 健次; 河村 聖子; 古府 麻衣子; 村井 直樹; 稲村 泰弘; 菊地 龍弥*; 若井 大介*
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011089_1 - 011089_7, 2021/03
J-PARCに設置されている冷中性子ディスクチョッパー型分光器AMATERASの近況について報告する。最後に報告を行った2017年以降、新たな検出器の増設、散乱真空槽の真空系の更新作業(継続中)等を行っている。また、分解能について再調査を実施した。この他、2018年、2019年のJ-PARCの1MW試験時に試験測定も行った。今後の高度化計画についても触れる。
Zhai, Y.*; Luo, P.*; 長尾 道弘*; 中島 健次; 菊地 龍弥*; 川北 至信; Kienzle, P. A.*; Z, Y.*; Faraone, A.*
Physical Chemistry Chemical Physics, 23(12), p.7220 - 7232, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:24.84(Chemistry, Physical)2-Propanol was investigated, in both the liquid and supercooled states, as a model system to study how hydrogen bonds affect the structural relaxation and the dynamics of mesoscale structures, of approximately several Angstroms, employing static and quasi-elastic neutron scattering and molecular dynamics simulation. Dynamic neutron scattering measurements were performed over an exchanged wave-vector range encompassing the pre-peak, indicative of the presence of H-bonding associates, and the main peak. The dynamics observed at the pre-peak is associated with the formation and disaggregation of the H-bonded associates and is measured to be at least one order of magnitude slower than the dynamics at the main peak, which is identified as the structural relaxation. The measurements indicate that the macroscopic shear viscosity has a similar temperature dependence as the dynamics of the H-bonded associates, which highlights the important role played by these structures, together with the structural relaxation, in defining the macroscopic rheological properties of the system. Importantly, the characteristic relaxation time at the pre-peak follows an Arrhenius temperature dependence whereas at the main peak it exhibits a non-Arrhenius behavior on approaching the supercooled state. The origin of this differing behavior is attributed to an increased structuring of the hydrophobic domains of 2-propanol accommodating a more and more encompassing H-bond network, and a consequent set in of dynamic cooperativity.
中村 充孝; 菊地 龍弥*; 川北 至信
Physica B; Condensed Matter, 567, p.61 - 64, 2019/08
被引用回数:1 パーセンタイル:4.56(Physics, Condensed Matter)最近、非弾性中性子散乱実験(INS)データから変換した実空間動的構造因子を用いた多結晶NaIのフォノンダイナミクスに関する研究報告を行った。この研究は、通常のINS実験条件(Q 5)であっても、物理的に十分意味のある実空間ダイナミクス情報が得られることを示したものであり、これまでに蓄積されてきた大量のINSデータの再利用と新たな視点での研究推進を促すものである。今回の発表では、解析の適用可能性とその限界について詳しく議論する。
菊地 龍弥*; 川北 至信
Physica B; Condensed Matter, 567, p.51 - 54, 2019/08
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Condensed Matter)Real time and real space analysis for quasielastic neutron scattering (QENS) by means of the regularization method to estimate a spectrum has been developed. In our formalism, a mediation function between a dynamic structure factor, , and a time-space correlation function, ,is estimated to minimize the sum of the least square fitting term for in a space and the regularization term for in a space. On the application to liquid bismuth which shows complicate static local structure, it is shown that a distribution function for Gaussian superposition to represent has good characters as a mediating function. The calculated from the estimated mediation function showed a good agreement with the experimental even for small acoustic phonon excitation in a low region and gave more or less reasonable estimation of dynamic structure beyond the measured range. In addition of the main property of that the ability to focus onto the relaxation process at a specific atomic distance helped us to understand a complicated layered structure in liquid bismuth, possibility of easy separation of self-diffusion from coherent QENS is shown.
菊地 龍弥*; 中島 健次; 河村 聖子; 稲村 泰弘; 中村 充孝; 若井 大介*; 青山 和弘*; 岩橋 孝明*; 神原 理*
Physica B; Condensed Matter, 564, p.45 - 53, 2019/07
被引用回数:1 パーセンタイル:4.56(Physics, Condensed Matter)AMATERASはJ-PARC物質・生命科学実験施設に設置された冷中性子チョッパー型分光器である。この9年に亘る運用の中で得られたバッググラウンド(意図せずにデータ収集系に集積されるシグナル)についての知見をまとめた。それらは、ビームライン上にある物質から発生するガンマ線、ビームライン上にある機器から発生するブラッグ反射, 空気散乱, 電気ノイズ, 宇宙線などである。それらについてまとめると共に今後の可能な対策について述べる。これらは、同種の分光器にとっても役立つ情報となると期待する。
川北 至信; 菊地 龍弥*
波紋, 29(2), p.91 - 94, 2019/05
ビスマスは結晶相ではパイエルス歪に基づいた二重層状構造を有する。液相では、単純な充填モデルでは解釈できない複雑な静的構造を示し、パイエルス歪が液体中にも残っているのではないかと考えられてきた。我々は、J-PARC物質・生命科学実験施設に設置されたBL14アマテラス分光器を用いて液体Biの中性子準弾性散乱(QENS)を測定し、そのコヒーレントQENSを解析した。時空相関関数から、長距離側に肩構造をもつ最近接分布が4つの成分からなり、30ピコ秒程度の長い緩和時間を示す長短2種類の相関と、ピコ秒以下の短い緩和時間をもつ中間的な距離の相関および最も長い距離をもつ相関があることが分かった。このことは、液体Bi中に層状構造が存在する直接的な証拠になる。本記事では、上記の成果とともに、時空相関関数によってコヒーレントQENSを解析する手法について報告している。
Li, B.*; 川北 至信; 河村 聖子; 菅原 武*; Wang, H.*; Wang, J.*; Chen, Y.*; 河口 沙織*; 河口 彰吾*; 尾原 幸治*; et al.
Nature, 567(7749), p.506 - 510, 2019/03
被引用回数:182 パーセンタイル:99.31(Multidisciplinary Sciences)冷却は現代社会では、世界における25-30%の電力が空調や食料保存に用いられるように、重要である。従来の気化、圧縮で冷却を行う方法は、温暖化などの観点から限界が来ている。有望な代替手段として固体の熱量効果を用いた冷却方法が注目を集めている。しかしながら、この方法は、現在候補に挙げられている物質ではエントロピー変化の小ささや巨大な磁場を必要とするところなどから性能に限界がある。そこで我々は柔粘性結晶における圧力誘起の相転移で冷却が起こる巨大圧力熱量効果を報告する。柔粘性結晶の一つであるネオペンチルグリコールのエントロピー変化は室温近傍において単位キログラム、単位温度あたり、約389ジュールであった。圧力下の中性子散乱実験の結果から、そのような巨大圧力熱量効果は分子配向の非秩序化、巨大な圧縮率、極めて非線形性の強い格子ダイナミクスの組み合わせに由来することが明らかになった。我々の研究により、柔粘性結晶における巨大圧力熱量効果発現の微視的機構が明らかとなり、次世代の固体を使った冷却技術の確立に筋道を付けることができた。
中村 充孝; 菊地 龍弥*; 蒲沢 和也*; 川北 至信
Physica B; Condensed Matter, 551, p.351 - 354, 2018/12
被引用回数:2 パーセンタイル:10.13(Physics, Condensed Matter)実空間における動的構造関数G()は、非弾性中性子散乱実験により得られる動的構造因子S()から導出される。本研究では、典型的なアルカリハライド結晶であるNaIにG()解析を適用した。NaIは、構成元素の質量差が大きいために光学フォノンと音響フォノンのエネルギー差が大きくなるが、この特性はG()解析の妥当性を評価する上で有効である。J-PARCのフェルミチョッパー分光器四季で測定したNaI粉末のS()に対して、最大エントロピー法を利用した新開発の解析ソフトウェアを使ってG()に変換したところ、LAモードとTOモードが逆位相で振動することを見出した。この結果は物理的に妥当なものであり、G()解析の有用性を如実に示している。本発表ではさらなる解析結果について報告を行う予定である。
川北 至信; 菊地 龍弥*; 稲村 泰弘; 田原 周太*; 丸山 健二*; 花島 隆泰*; 中村 充孝; 鬼柳 亮嗣; 山内 康弘*; 千葉 薫*; et al.
Physica B; Condensed Matter, 551, p.291 - 296, 2018/12
被引用回数:11 パーセンタイル:47.29(Physics, Condensed Matter)単元素液体金属の中には、その静的構造が剛体球充填モデルでは全く表せない、複雑な構造を有する物質がある。液体ビスマスは、構造因子のメインピークの高波数側に非対称な肩構造を有する。二体分布関数の第一ピークと第二ピークの距離の比が1:2で、一次元的に配列しているような奇妙な値を示すとともに、第一ピークの長距離側に明確な肩構造を有する。二種類の直径の異なる剛体球からなるモデルでは、構造因子の肩構造が生じることから、こうした単元素液体金属の複雑性の起源として、短時間だけ生じる共有結合や、金属イオンを遮蔽する電子が有効二体間ポテンシャルに作り出す振動(フリーデル振動)など、まったく物理的描像が異なる仮説がいくつかなされている。そこで我々は液体ビスマスの中性子準弾性散乱を、J-PARCのMLFに設置された冷中性子ディスクチョッパー分光器を用いて測定し、液体ダイナミクスを動的相関関数から調べた。その結果、二体分布関数の第一ピークの肩構造の緩和時間が、第一ピークや第二ピークなどその他の主要構造に比べて著しく長いことが分かった。
中島 健次; 河村 聖子; 菊地 龍弥*; 古府 麻衣子; 川北 至信; 稲村 泰弘; 神原 理*; 青山 和弘*; 若井 大介*; 原田 正英; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1021(1), p.012031_1 - 012031_5, 2018/06
被引用回数:5 パーセンタイル:94.29(Nuclear Science & Technology)We report recent issues that have been encountered by AMATERAS, which is a cold-neutron disk-chopper spectrometer installed at the Materials and Life Science Experimental Facility at J-PARC. After the last ICANS meeting held in 2014, AMATERAS has continued its user program. On the other hand, the spectrometer has faced several problems, such as a weak shield at the beam dump, failure of one of the chopper disks and many such problems, which we are currently investigating. Further, several instrumental improvements have been performed, such as background reduction, fixing badly designed parts and other such improvements. Our extensive experience obtained in the period of more than 7 years on one of the world's first pulse-shaping chopper spectrometers may help other researchers who are operating or planning to construct similar spectrometers.
池内 和彦*; 菊地 龍弥*; 中島 健次; 梶本 亮一; 脇本 秀一; 藤田 全基*
Physica B; Condensed Matter, 536, p.717 - 719, 2018/05
被引用回数:2 パーセンタイル:10.13(Physics, Condensed Matter)銅酸化物高温超伝導体の過剰ドープ領域における低エネルギーの磁気励起の構造の詳細を調べるために、我々は、LaSrCuOの中性子非弾性散乱実験を行った。過去に報告されたように、非整合な磁気相関に対応した = (0.5 , 0.5)/(0.5, 0.5 )を中心とした磁気励起を明瞭に観測した。それに加えて、を中心とした円環状の励起も観測された。円環の半径(=0.109)は、磁気相関の非整合性(=0.118)より小さい。このことは、円環状の磁気励起は非整合な磁気相関とはその原因を異にしていることを示唆している。LaSrCuOの磁気励起はこのように2種類の励起を持つことが示唆される。
池内 和彦*; 菊地 龍弥*; 中島 健次; 梶本 亮一; 脇本 秀一; 藤田 全基*
Journal of Physics; Conference Series, 969(1), p.012024_1 - 012024_5, 2018/04
被引用回数:1 パーセンタイル:52.34(Physics, Applied)Inelastic neutron scattering experiments were performed to investigate the effect of Fe substitution on the magnetic excitation spectra in a heavily hole-doped cuprate system LaSrCuFeO. Well-defined low-energy magnetic excitations, associated with a static magnetic order, were observed at the incommensurate (IC) positions. The incommensurability of 0.144 (r.l.u) was larger than that of 0.125 (r.l.u) in LSCO with = 0.25, suggesting an increase of incommensurability by Fe substitution. In addition to the obvious effect on IC excitations, we show the emergence of ring-shaped magnetic excitations by Fe-substitution. These results are incompatible with a simple pinning scenario of the stripe order, which is characterized by local spin correlations. The metallic aspect of the low-energy part of the magnetic excitation, which underlies high-temperature superconductivity in over-doped cuprate systems, would be enhanced/induced by Fe substitution.
末國 晃一郎*; Lee, C. H.*; 田中 博己*; 西堀 英治*; 中村 篤*; 笠井 秀隆*; 森 仁志*; 臼井 秀知*; 越智 正之*; 長谷川 巧*; et al.
Advanced Materials, 30(13), p.1706230_1 - 1706230_6, 2018/03
被引用回数:54 パーセンタイル:89.81(Chemistry, Multidisciplinary)高性能デバイスとしての熱電材料には、高い電気伝導度と低い熱伝導度という相反する要求を同時に満たす必要がある。本研究では、テトラへドライト(Cu,Zn)(Sb,As)Sの結晶構造とフォノンダイナミクスを調べ、平面内に配位している銅原子のラットリング運動がフォノンを効率良く散乱することを見出した。これらの知見は、平面配位構造を有する高性能熱電材料の新たな開発指針を与えるものである。
Li, B.; Wang, H.*; 川北 至信; Zhang, Q.*; Feygenson, M.*; Yu, H. L.*; Wu, D.*; 尾原 幸治*; 菊地 龍弥*; 柴田 薫; et al.
Nature Materials, 17(3), p.226 - 230, 2018/03
被引用回数:124 パーセンタイル:96.93(Chemistry, Physical)As a generic property, all substances transfer heat through microscopic collisions of constituent particles. A solid conducts heat through both transverse and longitudinal acoustic phonons, but a liquid employs only longitudinal vibrations. As a result, a solid is usually thermally more conductive than a liquid. In canonical viewpoints, such a difference also serves as the dynamic signature distinguishing a solid from a liquid. Here, we report liquid-like thermal conduction observed in the crystalline AgCrSe. The transverse acoustic phonons are completely suppressed by the ultrafast dynamic disorder while the longitudinal acoustic phonons are strongly scattered but survive, and are thus responsible for the intrinsically ultralow thermal conductivity. This scenario is applicable to a wide variety of layered compounds with heavy intercalants in the van der Waals gaps, manifesting a broad implication on suppressing thermal conduction. These microscopic insights might reshape the fundamental understanding on thermal transport properties of matter and open up a general opportunity to optimize performances of thermoelectrics.