Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
仲庭 哲津子*; 深田 はるみ*; 井上 達矢*; 合田 正貴*; 中井 良子*; 桐井 康行*; 安達 基泰; 玉田 太郎; 瀬川 新一*; 黒木 良太; et al.
Biochemistry, 51(42), p.8410 - 8421, 2012/10
被引用回数:20 パーセンタイル:44.47(Biochemistry & Molecular Biology)タンパク質キナーゼは、さまざまな疾病の治療のための創薬標的タンパク質となっている。C-Jun-N末端キナーゼ1(JNK1)に存在する遊離型システインの機能・安定性・構造への効果を調べるために、そのシステイン残基に系統的に変異導入を実施した。JNK1の3つ及び7つのシステインに変異導入したM3変異体とM7変異体は、大腸菌発現実験において、M0野生型JNK1よりも、それぞれ5及び2倍高く発現した。凝集の時間依存性を分析したSDS-PAGEの結果から、M3とM7は凝集しにくいことが示された。走査型熱量計で熱安定性を評価したところ、M0野生型JNK1, M3変異体及びM7変異体は、いずれも3状態で遷移し、熱変性することが示された。2.6分解能の結晶構造解析の結果、M3変異体の構造は野生型と同等であった。以上より、(1)最も高く生産され、(2)凝集に対する安定性が改善され、(3)構造も野生型と同等であったM3変異体が、今後JNK1の構造と機能の関係を調べるために最も適した変異体であると結論した。
玉田 太郎; 木下 誉富*; 栗原 和男; 安達 基泰; 大原 高志; 今井 啓祐*; 黒木 良太; 多田 俊治*
Journal of the American Chemical Society, 131(31), p.11033 - 11040, 2009/07
被引用回数:61 パーセンタイル:79.62(Chemistry, Multidisciplinary)セリンプロテアーゼの触媒機構を理解することを目的として、ブタ膵臓エラスターゼの高分解能中性子及びX線構造解析を正四面体型中間体を模倣する阻害剤と複合体の状態で実施した。同一の大型単結晶を用いた室温における測定の結果、1.65分解能の中性子回折データ及び1.2
分解能のX線回折データを取得した。また、別の結晶を用いて100K下で0.94
分解能のX線回折データも併せて取得した。今回の解析は、セリンプロテアーゼとしてはこれまでで最も高分解能で実施された中性子構造解析例である。中性子とX線の両解析結果から、His57とAsp102の間に形成された水素結合は結合距離が2.60
と短く、強い水素結合であると判明したものの、水素原子はHis57に結合していた。この結果は、一説として唱えられている低障壁水素結合の特徴(水素原子がドナーとアクセプターの中間付近に存在する)は満たすものではなく、低障壁水素結合仮説を否定するものであった。また、中性子解析結果から、いわゆるオキシアニオンホールの形成とオキシアニオンホール中に阻害剤由来の酸素原子が酸素陰イオンの状態で存在していることが明瞭に示された。これより、セリンプロテアーゼの触媒機構において正四面体型中間体構造の安定化に対するオキシアニオンホールの役割が明らかになった。
岩瀬 彰宏*; 大野 裕隆*; 石川 法人; 馬場 祐治; 平尾 法恵; 園田 健*; 木下 幹康*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 267(6), p.969 - 972, 2009/03
被引用回数:39 パーセンタイル:90.80(Instruments & Instrumentation)二酸化セリウム(CeO)に対する高エネルギー重イオンの照射効果を調べるため、CeO
の焼結体に室温で200MeVのキセノンイオンを照射した。照射試料及び未照射試料について、X線光電子分光スペクトル(XPS)を測定した。XPSスペクトルを解析した結果、照射試料においては、セリウムの原子価状態の一部が4価から3価に変化していることがわかった。そこでイオンの照射量に対するCe
の生成量を定量的に調べた。その結果、セリウムの還元に対応する酸素原子のはじき出し量は、3%から5%であった。この値は、CeO
と200MeVイオンの弾性衝突のみで説明するには大きすぎると考えられる。この結果は、200MeVのキセノンイオン照射によって誘起される電子励起の寄与によって酸素のはじき出しが起こることを示唆するものである。
一宮 尚志*; Uberuaga, B. P.*; Sickafus, K. E.*; 西浦 廉政*; 板倉 充洋; Chen, Y.*; 金田 保則*; 木下 幹康
Journal of Nuclear Materials, 384(3), p.315 - 321, 2009/02
被引用回数:33 パーセンタイル:88.02(Materials Science, Multidisciplinary)軽水炉で使用される二酸化ウラン燃料中の酸素欠陥の移動プロセスを、温度加速法を用いて研究した。格子間酸素原子の移動は酸素欠損より遅いが、格子間原子がクラスターになると欠損より速く動くことがわかった。この結果は高燃焼度燃料のリム組織形成や平面欠陥といった現象の生成メカニズムを解明するための有力な手がかりである。
大野 裕隆*; 岩瀬 彰宏*; 松村 大樹; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 石川 法人; 馬場 祐治; 平尾 法恵; 園田 健*; 木下 幹康
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 266(12-13), p.3013 - 3017, 2008/06
被引用回数:62 パーセンタイル:95.76(Instruments & Instrumentation)200MeV Xeイオンを照射したCeOにおける照射損傷を広域X線吸収微細構造(EXAFS)測定及びX線光電子分光(XPS)測定により評価した。その結果、照射後にCeの周りの酸素欠損が生じていること,Ceの価数が+4から+3に変化していることが明らかになった。
園田 健*; 木下 幹康*; 石川 法人; 左高 正雄; 知見 康弘; 大久保 成彰; 岩瀬 彰宏*; 安永 和史*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 266(12-13), p.2882 - 2886, 2008/06
被引用回数:33 パーセンタイル:87.03(Instruments & Instrumentation)高エネルギーイオン照射したCeOのイオントラック構造とその蓄積の効果を電子顕微鏡観察の手段を使って調べた。特に、FIB(集束イオンビーム:Focused Ion Beam)を用いることによって、照射方向の微細組織の深さ依存性について調べることができた。その結果、電子系に伝達されるエネルギー密度が、閾値16keV/nm以上のときにのみイオントラックが観測されることがわかった。また、高照射量領域でのイオントラックの蓄積が、照射表面の面粗度の上昇に寄与していることがわかった。
大野 裕隆*; 松村 大樹; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 石川 法人; 園田 健*; 木下 幹康*; 岩瀬 彰宏*
Materials Research Society Symposium Proceedings, Vol.1043, p.179 - 183, 2008/00
200MeVのXeイオンを照射させたセリア薄膜に対して、照射効果をX線吸収分光によって調べた。それにより、Ceにおける酸素の配位数が照射により減少していることがわかり、また、Debye-Waller因子は増大していることがわかった。一方、Ce-O原子間距離は精度範囲以上の変化は観測されなかった。高密度の電子励起状態がセリアに与える影響を考察した。
木下 幹康*; Geng, H. Y.*; Chen, Y.*; 金田 保則*; 岩沢 美佐子*; 大沼 敏治*; 園田 健*; 安永 和史*; 松村 晶*; 安田 和弘*; et al.
Proceedings of 2006 International Meeting on LWR Fuel Performance (TopFuel 2006) (CD-ROM), p.248 - 254, 2006/10
ニュー・クロスオーバー・プロジェクト(NXO)は、核燃料物質に対する核分裂放射線照射の影響を大学,国立・私立の研究所に渡る横断的な協力研究により検討している。加速器照射実験及び計算科学的手法を使用して、高燃焼度軽水炉燃料ペレットでリム構造を構成する機構を解明するためのシミュレーション研究が実施されている。加速器照射,高エネルギー電子線照射,核分裂エネルギー粒子線及び希ガス原子のイオン注入等が実施されている。照射試料としては、CeOを核燃料の模擬物質として使用した。最初の成果として、高エネルギー電子照射による平面構造形成、及び、高線量の高エネルギー粒子放射による結晶粒微細化に似た表面改質が観察された。第一原理及び分子動力学(MD)計算を用いた解析を実施し、UO
とCeO
の点欠陥形成エネルギー及び点欠陥を伴ったXe原子の相互作用についての情報が得られた。
鈴土 知明; 蕪木 英雄; 板倉 充洋; 福田 由佳*; 木下 幹康
no journal, ,
高燃焼度燃料の周辺領域では、1ミクロン程度の気泡が多数発生すると同時に、結晶粒の細粒化が起きる。これはリム組織化と呼ばれ核燃料材料の劣化を引き起こす。そこでわれわれは、このような微細構造がどのようなメカニズムによって形成されるのかを研究するため、モンテカルロ法などによるモデリングを行っている。発表ではシミュレーション結果を、実際のリム組織形成の実験データ、及びリム組織化の模擬実験として行われた加速器によってXeイオン照射されたCeOの細粒化の実験データと比較しモデルの有効性を議論する。
木下 幹康; Chen, Y.*; 金田 保則*; Geng, H. Y.*; 岩沢 美佐子*; 大沼 敏治*; 一宮 尚志*; 西浦 廉政*; 板倉 充洋; 中村 仁一; et al.
no journal, ,
軽水炉燃料においては約70GWd/tの燃焼度で結晶粒が50200nmに変化する細粒化が観察されている。新クロスオーバ研究では加速器実験と計算科学的手法により、その主要なプロセスのシミュレーションが行われている。加速器照射においては、模擬燃料セリア(CeO
)における、結晶の細粒化が部分的に再現された。TEM観察によると主要なプロセスは細粒化であり異なるスケールの酸素原子の欠陥と板状のクラスターが重要な役割を担っていることが示された。一方、第一原理,分子動力学,モンテカルロ法,メゾスケールのセルオートマトン法等の計算科学的研究も現在実施している。計算科学的研究の骨子は核分裂片トラックによる加熱とクエンチの繰り返しの理解がもとになっている。これらにより原子は高エネルギーの準安定位置と構造に置かれる。多くの実験観察をもとに目標とするプロセスの核心に解析が近づいている。
Chen, Y.*; 金田 保則*; Geng, H. Y.*; 木下 幹康; 岩沢 美佐子*; 大沼 敏治*; 中村 仁一
no journal, ,
重照射下でのUOの欠陥構造やその回復過程を理解するために、UO
と加速器実験で模擬燃料材とするCeO
について、核分裂生成物であるXeを含む種々の点欠陥に関する第一原理計算を行った。その結果、いずれの系においても、酸素点欠陥のふるまい・特徴は異なるものの添加されたXe原子の挙動や熱力学的特性は同じ傾向を示した。また、非化学量論状態にある2つの系における酸素クラスターの安定性について計算を行い、実効的な酸素クラスター相互作用エネルギーを求め、イオン結晶と金属結晶の間の相互作用の違いを明らかにした。
木下 幹康
no journal, ,
The development of nuclear fuel had been following very conservative and step by step process. The new cross-over (NXO) project is aiming at clearing this situation, with combination of computer science and accelerator irradiation, focusing into very specific subject, the high burnup restructuring of fuel material. The key strategy for the new development scheme is to find a material testing procedure, not doing total integral test, not doing separate test, but other approach which is effective for complex system. We call it the domain test here. The domain means part of the total system with certain scale range, and it is defined by locally controlled functions. One example is material behavior of less than 100 nm scale. NXO project is focusing in such local scale and trying to clarify trans-domain process which includes planar fault formation and grain sub-division.
園田 健*; 石川 法人; 左高 正雄; 大久保 成彰; 安永 和史*; 安田 和弘*; 椎山 謙一*; 松村 晶*; 岩瀬 彰宏*; 木下 幹康
no journal, ,
新クロスオーバー研究として実施した研究で、高エネルギーイオン(210MeV Xe)を照射したCeOのイオントラック重畳による微細組織変化の解明,高エネルギーイオン(210MeV Xe)を照射したUO
中に発生するイオントラックの特徴について報告する。高エネルギーイオン(210MeV Xe)を照射したCeO
内部では照射前にはなかった粒径(1-2
m)が観測され、多くの結晶粒界が見られた。高エネルギーイオンによる高密度電子励起効果の結果として照射欠陥の集積,粒界形成を促進する可能性があることが示された。5-8
10
ions/cm
まで照射したUO
の気泡表面に照射前にはなかった凸凹状変形が発生した。同様の形状変化は、高エネルギーイオン(210MeV Xe)を照射したCeO
においても観測されており、CeO
とUO
の照射効果の類似点を確認できた。
安永 和史*; 園田 健*; 安田 和弘*; 椎山 謙一*; 松村 晶*; 左高 正雄; 石川 法人; 知見 康弘; 木下 幹康
no journal, ,
高燃焼度時に軽水炉燃料に形成されるリム組織の機構解明を目的として、新クロスオーバー研究として以下の研究を行った。軽水炉燃焼と同じ蛍石型構造のCeOに対して、高濃度原子を注入した試料が高エネルギー重イオン照射場環境でどのような損傷を形成するかを調べた。つまり、イオン注入と高エネルギー重イオン照射を重ね合わせた効果を検証した。具体的には、CuとXeの2種類のイオンを注入した試料をさらに高エネルギーイオン照射した試料の微細構造を観察し比較した。20dpaまでCuを注入して高密度に転位を導入した試料を高エネルギー重イオン(210MeV Xe)照射した場合、結晶粒界だけでなく結晶粒内にも亜粒界粒の形成が確認された。Xeを注入した場合には、結晶粒表面にのみ亜粒界粒が観測されたのと対照的である。注入されたXeは、高エネルギー重イオン照射中の転位の移動を抑制していると説明できる。Xe注入の場合にバブルが観測されないことも、その仮説を支持している。
岩瀬 彰宏*; 大野 裕隆*; 石川 法人; 松村 大樹; 西畑 保雄; 水木 純一郎; 馬場 祐治; 平尾 法恵; 園田 健*; 木下 幹康
no journal, ,
新クロスオーバー研究として軽水炉核燃料の高燃焼度化によるリム組織形成の機構解明を目的として、CeOに高速重イオン照射を行い、特に照射場での酸素の挙動をXPS, EXAFSといった放射光を用いた分光法により評価した。200MeV Xeを照射したCeO
では、Ceの一部が4価から3価に価数が変化した。Ce原子周りのOの配位数が減少することなどの結果から、高速重イオン照射により酸素原子が不安定となり、高照射量では結晶の乱れに至ることを示唆された。
一宮 尚志*; 西浦 廉政*; 板倉 充洋; 木下 幹康
no journal, ,
二酸化ウラン中の酸素格子欠陥の挙動に対して、ウラン原子の欠損、及びXeに代表される反応生成物がどのような影響を与えるか温度加速動力学法を用いたシミュレーションにより調べた。まずU欠損が他の格子欠陥に対してどのような影響を与えるかを調べた。U欠損は酸素原子に比べて非常に動きにくく、シミュレーションの結果もU欠損の移動はほとんどない。さらにU欠損のある結晶中に酸素欠損を導入すると、酸素欠損はU欠損とペアを作って安定化する。このペアを壊すために必要な励起エネルギーは0.76eVであった。このことから、U欠損が存在する場合には酸素欠損はUにトラップされて非常に動きにくくなることがわかった。
玉田 太郎; 木下 誉富*; 山田 貢; 栗原 和男; 大原 高志; 安達 基泰; 多田 俊治*; 黒木 良太
no journal, ,
エラスターゼは、蛋白質の立体構造に基づく薬物設計(SBDD)研究の代表的な題材として用いられてきたセリンプロテアーゼである。エラスターゼの全原子構造情報取得によってセリンプロテアーゼの触媒機構解明を目指すとともに、SBDD研究に供するため、ブタ膵臓由来のエラスターゼ(PPE)の単独及び阻害剤複合体での中性子結晶構造解析を実施した。中性子回折実験はJRR3に設置された生体高分子用回折計BIX-3において実施し、同一結晶を用いた取得したX線回折データを相補的に用いた構造精密化により高精度の全原子構造情報を取得した。PPE単独(1.9分解能)、及びエラスターゼの基質を模倣したペプチド様の阻害剤との複合体状態(1.65
分解能)での中性子構造解析に成功した。今回取得した阻害剤結合前・後の水素原子を含む全原子構造情報は、これまでにセリンプロテアーゼの触媒機構において議論されてきた反応開始時の活性化制御機構や遷移状態における低障壁水素結合の存在や酸素陰イオンホールの形成について重要な知見を与えると同時に、活性部位の水和構造の変化についても重要な知見を与えた。
中村 仁一; 天谷 政樹; 本田 順一; 畠山 祐一; 更田 豊志; 木下 幹康*
no journal, ,
高燃焼度燃料ペレット(燃焼度4060GWd/t)の結晶格子歪,結晶子径(結晶子の粒径)及び結晶粒間に生じる不均一歪を測定することにより、燃焼に伴うペレット内部の結晶組織変化状態を調べ、組織変化に及ぼす照射の影響を検討した。
松村 晶*; 安田 和弘*; 安永 和史*; 椎山 謙一*; 園田 健*; 阿部 弘亨*; 岩井 岳夫*; 左高 正雄; 石川 法人; 知見 康弘; et al.
no journal, ,
文部科学省受託研究である新クロスオーバー研究「照射・高線量領域の材料挙動制御のための新しいエンジニアリング」の進捗状況と今後の計画に関するシリーズ発表の一つとして「燃料模擬物質の照射組織の微細観察と分析」についての発表を行う。軽水炉燃料の模擬材料としてのセリアへのイオン・電子線照射を行い、電子顕微鏡及び分光分析から微細組織変化に及ぼすさまざまな照射効果(照射欠陥蓄積過程,高密度電子励起過程,重畳効果、等)について検討を進めた結果について発表する。
中村 仁一; 金田 保則*; Chen, Y.*; Geng, H.*; 岩沢 美佐子*; 大沼 敏治*; 木下 幹康
no journal, ,
照射環境下で核燃料内に発生するさまざまな欠陥構造の理論的解明には、分子動力学法を用いた解析が有効である。特に面状欠陥の発生に着目し、この計算による再現を目標とした、UO並びに模擬物質としてのCeO
の原子間ポテンシャルの開発・特性解析の現状について述べる。