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地村 幹; 渡邉 和彦*; 高橋 博樹; 平野 耕一郎; 神藤 勝啓; 北村 遼; 川瀬 雅人*; 鈴木 隆洋*; 森下 卓俊
Proceedings of 22nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.709 - 713, 2026/03
大強度加速器施設J-PARCでは、加速器最上流部にあたる初段加速器とその周辺装置の性能確認をオフラインで行うため、初段加速器試験装置が設けられている。本装置には、使用に係る安全対策として人員保護システムが構築され、作業を行う人員の安全が保証されている。J-PARC加速器がさらなる高稼働率運転や性能向上を達成するために、今後は本装置を用いたより多様な調整を実施する必要があり、人員保護システムはそれらに適合できるように高い保守性を持つことが要求される。そこで 今回、本システムに混在していた配線や制御機器等のハードウェア構成を役割に応じて独立させることによって誤操作を防止するなどを実施し、健全性を担保しつつ保守性を向上させた。本発表では、J-PARC初段加速器試験装置における人員保護システムの高度化について、変更の方針や結果等について報告する。
近藤 恭弘; 地村 幹; Cicek, E.*; 福井 佑治*; 二ツ川 健太*; 不破 康裕; 後藤 陸斗*; 平野 耕一郎; 石川 将樹*; 伊藤 崇; et al.
Proceedings of 22nd Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.124 - 129, 2026/03
J-PARCリニアックではさまざまなアップグレード計画が進行中であり、その中でも繰り返し周波数倍増計画は最も重要なものである。現在、リニアックは400MeVの負水素イオンビームを、3GeVシンクロトロン(RCS)へ25Hzの繰り返し周波数で供給している。しかし、RCSと計画中の陽子ビーム照射施設の両方に同時にビームを供給するためには、繰り返し周波数を25Hzから50Hzに引き上げる必要がある。照射施設へのビームライン建設に先立ち、2025年5月に現状可能な範囲でのリニアック機器の50Hz動作検証を実施した。また、J-PARC加速器における最も重要な安全装置の一つである粒子数カウンターシステムについても、50Hz動作の検証を行った。その結果、重大な問題は確認されず、今後予定されている50Hzビーム加速実証に向けた準備が整った。本論文では、J-PARCリニアックにおけるビーム加速を伴わない50Hz動作実証の詳細について述べる。
Liu, Y.*; 大谷 将士*; 宮尾 智章*; 中沢 雄河*; 柴田 崇統*; 南茂 今朝雄*; Fang, Z.*; 二ツ川 健太*; 福井 佑治*; 溝端 仁志*; et al.
Proceedings of 16th International Particle Accelerator Conference (IPAC25) (Internet), p.855 - 857, 2025/11
The Japan Proton Accelerator Research Complex (J-PARC) has achieved stable 1 MW operation on its neutron target and is advancing toward higher power levels of 1.5 MW to support high-power MR operations and a second target station. This progression presents challenges, including increased intra-beam stripping (IBSt) of negative hydrogen ions, chop leakage from higher beam currents and emittance, low-energy beam loss due to halo formation, frontend fluctuations affecting beam transmission, and RF phase and amplitude fluctuations. To address these issues, a redesigned lattice mitigates IBSt, a new MEBT1 improves chopping and collimation, and machine learning-based compensation schemes manage frontend and RF fluctuations. Additionally, longitudinal and transverse matching schemes enhance beam quality, validated through benchmarked longitudinal measurements. Results from studies at 50 mA and 60 mA beam currents demonstrate significant progress in overcoming these challenges.
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*
Journal of Physics; Conference Series, 2687(7), p.072006_1 - 072006_6, 2024/01
被引用回数:0 パーセンタイル:0.00(Physics, Atomic, Molecular & Chemical)大強度陽子ビームを計測するビームモニタにおいて熱負荷の緩和は重要な課題の一つである。近年、大強度陽子加速器施設(J-PARC)のフロントエンドでは、バンチシェイプモニタの標的プローブに高配向熱分解グラファイト(HOPG)材料が使用した。HOPGは熱伝導率が高いため、高熱負荷条件下でのビームプロファイルの測定に適している。HOPGの応用として、例えば、ワイヤスキャナモニタなどの横方向プロファイルモニタのターゲットワイヤの代替材料として、薄いHOPGを使用することが考えられる。ビームプロファイルモニタ用HOPGターゲットの可能性についてテストスタンドでの3MeV負水素イオンビームを用いた実験結果の一部から考察する。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 森下 卓俊; 根本 康雄*; 小栗 英知
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 26(3), p.032802_1 - 032802_12, 2023/03
被引用回数:6 パーセンタイル:63.11(Physics, Nuclear)バンチシェイプモニター(BSM)はビーム輸送中にある地点での縦方向位相分布を測定して、縦方向ビームチューニングを行う際に有用な装置である。低エネルギー負水素(H
)イオンビームの縦方向位相分布を測定するために、大強度ビーム負荷による熱負荷を軽減できるよう2次電子を放出する標的に高配向性グラファイト(HOPG)が採用した。このHOPGターゲットにより、50mA程度の高いピーク電流を持つ3MeV H
イオンビームの中心部で縦方向位相分布の測定が可能となった。テストスタンドでHOPG-BSMを用いて縦方向のバンチ幅を測定したところ、ビームシミュレーションと一致した。HOPG-BSMを用いて、ビーム横方向と縦方向の相関測定を実証した。HOPG-BSMを用いて、縦方向Qスキャン法により縦方向Twissとエミッタンスを測定した。
岡部 晃大; Liu, Y.*; 大谷 将士*; 守屋 克洋; 宮尾 智章*; 北村 遼; 平野 耕一郎; 小栗 英知; 金正 倫計
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.885 - 888, 2023/01
J-PARC線形加速器では、RFQとDTLの間にビームライン(MEBT1)を設けている。MEBT1には後段の円形加速器(RCS)に整合するように縦方向のビーム形状を整形するためのRFビームチョッパーシステムなどが設置されている。既設MEBT1にはチョッパーシステムと下流DTLにビームの縦方向形状を整合させることを目的としてバンチャー空洞が2台設置されているが、原理的にはチョッパーシステムに1台、DTLとのビーム形状整合に2台と合計3台のバンチャーが必要となる。そのため、MEBT1にバンチャーを1台追加した新MEBT1の設計について長く議論がなされてきた。一方、MEBT1では空間電荷効果が非常に強く顕在化することに加えて、DTLセクション内でビームモニタ類の設置が難しいこともあり、数値シミュレーションを用いて現状の実験結果を明らかにすることが難しい状況にある。そこで、まずは系統的なビーム実験を行い、MEBT1にバンチャーを追加することで、どの程度ビームの質の向上が見込めるかを調査した。ビーム実験結果とMEBT1を作り変えることにより発生するリスクとの兼ね合いを検討した結果、J-PARC加速器における1MW強のビームパワーの達成を目標とする上で、新MEBT1設置のメリットは少なく、現行のMEBT1で十分対応可能であると判断した。本講演ではMEBT1に関するビーム実験結果と新MEBT1の検討過程について報告する。
北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 宮尾 智章*; 三浦 昭彦; 森下 卓俊
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.212 - 214, 2023/01
大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは出射ビームの横エミッタンス低減等ビーム品質の向上に向けて、フロントエンドでの縦方向分布を精度良くかつ迅速に測定するためのバンチシェイプモニタ(BSM)を開発している。大強度ビームからの熱負荷を克服するため、熱耐久性の高いグラファイト製標的を導入したことに伴い、BSM分解能への影響を評価した。BSMによる縦方向測定結果からエミッタンスを評価するためには、空間電荷効果の影響を考慮できる3D PICコードであるIMPACTを用いた。ビーム試験を通して評価したBSMの不確かさを計算に考慮することで、より厳密にエミッタンスを評価する手法を開発した。本講演では一連の測定結果、開発したビーム評価手法、及びビームシミュレーションとの比較検討結果について報告する。
伊藤 崇; 森下 卓俊; 平野 耕一郎; 北村 遼; 小林 史憲; 新井 宇宙; 南茂 今朝雄*; 根本 康雄*; 小坂 知史*
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.193 - 196, 2023/01
J-PARCリニアックの主要加速器であるSDTLでは、一部のSDTLに対し、運転電力付近で反射電力が増加するためSDTL空洞内に電力を正常に供給できない不具合が発生していた。空洞内部の調査やシミュレーションを行った結果、その原因は空洞内壁面で発生しているマルチパクタであることが判明した。この問題を解決するため、我々はSDTL空洞に対しいくつかの対策を実施してきたが、最も効果的な対策は空洞の内部洗浄であった。空洞の洗浄にはアセトン,希硫酸,希塩酸を用い、これまで6空洞に対し実施し、とりわけ不具合の状態が酷かった2空洞を含め、不具合をほぼ解消することができた。本稿では、これまでに実施したSDTL空洞の内部洗浄の詳細について報告する。
ビーム用バンチシェイプモニタを用いたビーム計測手法に関する研究北村 遼; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊
Proceedings of 19th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.330 - 332, 2023/01
大強度陽子加速器施設J-PARCリニアックでは、フロントエンドの大強度・低速H
ビームを測定するためにビーム熱負荷への耐久性を向上させた改良型バンチシェイプモニタ(BSM)を開発している。ビームと相互作用させるプローブに新素材であるグラファイト製標的を導入することで、これまで不可能であった大強度ビーム中心領域でのプロファイル測定を実現した。改良型BSMではビーム全体のプロファイルが測定可能になったため、BSMの特徴を生かした応用的なビーム診断手法を提案する。本講演では、二次電子計測による横プロファイル測定、横プロファイルからのビーム電流測定等、BSM本来の目的である縦方向測定の枠組みを超えてBSMの多様な運用可能性について議論する。
近藤 恭弘; 北村 遼; 不破 康裕; 森下 卓俊; 守屋 克洋; 高柳 智弘; 大谷 将士*; Cicek, E.*; 恵郷 博文*; 深尾 祥紀*; et al.
Proceedings of 31st International Linear Accelerator Conference (LINAC 2022) (Internet), p.636 - 641, 2022/09
J-PARCにおいて、現代の素粒子物理学で最も重要な課題の一つである、ミューオン異常磁気モーメント、電気双極子モーメントを精密測定する実験のためのミューオンリニアック計画が進行中である。J-PARCミューオン施設からのミューオンはいったん室温まで冷却され、212MeVまで加速される。横エミッタンスは1.5
mm mradであり、運動量分散は1%である。高速で規格化した粒子の速度で0.01から0.94におよぶ広い範囲で効率よく加速するため、4種類の加速構造が用いられる。計画は建設段階に移行しつつあり、初段の高周波四重極リニアックによるミューオン再加速はすでに2017年に実証済である。次段の交差櫛形Hモードドリフトチューブリニアックのプロトタイプによる大電力試験が完了し、ディスクアンドワッシャ型結合セルリニアックの第一モジュールの製作が進行中である。さらに円盤装荷型加速管の設計もほぼ終了した。本論文ではこれらミューオンリニアックの最近の進捗について述べる。
beam with 3 MeV by the bunch-shape monitor北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
JPS Conference Proceedings (Internet), 33, p.011012_1 - 011012_6, 2021/03
J-PARCリニアックフロントエンドの大強度3MeV H
のバンチ幅を測定するためには、新たなバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。カーボンナノチューブワイヤーとグラフェンスティックは大強度ビームを測定するために十分な強度を持つ素材であるため、BSMの標的ワイヤーの良い候補である。しかしながらBSMではワイヤーに数kV以上の負極性高電圧を印加するために放電抑制が課題であった。ワイヤーからの放電による影響を調査するための高電圧試験の後、グラフェンスティックを用いてピーク電流55mAでビーム中心部における信号検出に初めて成功した。本講演ではバンチ幅測定のプレリミナリーな結果を報告する。
北村 遼; Bae, S.*; Choi, S.*; 深尾 祥紀*; 飯沼 裕美*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; Kim, B.*; 近藤 恭弘; 三部 勉*; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 24(3), p.033403_1 - 033403_9, 2021/03
被引用回数:3 パーセンタイル:28.83(Physics, Nuclear)低エネルギーミューオン源としてアルミニウム薄膜標的を用いた負ミューオニウムイオン(Mu
)源を開発した。Mu
イオン源の性能評価のためMu-イオンを生成する実験を行った。Mu
イオンの測定強度は入射ミューオン強度
/sに対して
Mu
/sであった。アルミニウム標的上での入射ミューオンに対するMu
イオンの比である生成効率は
であった。このMu
イオン源はミューオン加速器の開発を促し、比較的簡便な装置による低エネルギーミューオン源の実用性を実証した。
北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 近藤 恭弘; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 根本 康雄*; 森下 卓俊; 小栗 英知
Proceedings of 17th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.251 - 253, 2020/09
大強度・低エミッタンスな陽子ビーム加速を実現するため、空間電荷効果の影響が大きい低エネルギー領域での縦方向分布モニター(バンチシェイプモニター: BSM)の運用試験を進めている。BSM内部でビームを受ける二次電子生成標的に熱負荷耐性の良い高配向性グラファイト(HOPG)を導入したことで、既存のタングステン製標的で問題となっていた標的破損による計測中断が無くなり、安定した計測が可能となった。しかしHOPGを導入したBSMで初めて測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションによる予想より広がっており、改善の余地がある。J-PARCリニアック棟テストスタンドのビームを利用して、BSMの応答特性を調査した。この試験ではBSMを構成する電子増倍管,偏向電磁石及びRFデフレクタの各パラメータの応答特性を調査・調整した。調整後に測定した縦方向バンチ位相分布はシミュレーションの予想分布と一致した。
樽田 泰宜; 柳原 敏*; 橋本 敬*; 小林 重人*; 井口 幸弘; 北村 高一; 香田 有哉; 友田 光一
Proceedings of 2020 International Conference on Nuclear Engineering (ICONE 2020) (Internet), 8 Pages, 2020/08
廃止措置は長期的なプロジェクトであり、完遂までには世代交代が予想される。そのため、知識と技術を次世代に適切に継承する必要がある。近年、廃止措置の世界では、知識マネジメントや仮想現実の活用など高度な技術を適用する試みが行われている。本研究では廃止措置における知識マネジメントとデジタルツインの関係について論じる。
須江 祐貴*; 四塚 麻衣*; 二ツ川 健太*; 長谷川 和男; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 居波 賢二*; 石田 勝彦*; 河村 成肇*; 北村 遼; et al.
Physical Review Accelerators and Beams (Internet), 23(2), p.022804_1 - 022804_7, 2020/02
被引用回数:2 パーセンタイル:17.13(Physics, Nuclear)低エネルギー、低インテンシティーミューオンビームのビーム進行方向のバンチ幅を測定するための破壊的モニターを開発した。このバンチ幅モニター(BWM)は、1つずつのミューオンを高い分解能で測定するためにマイクロチャンネルプレートを用いている。それに加え、タイミングウオークを抑制するために、コンスタントフラクションディスクリミネータ回路を用いている。時間分解能は精密パルスレーザーを用いて65psと測定された。この分解能は、J-PARC E34実験で要求される性能を満たしている。我々は、このBWMを用いて、高周波四重極リニアックによって加速された負ミューオニウムイオンのバンチ幅を測定した。バンチ幅54
11nsと測定することに成功した。
大谷 将士*; 深尾 祥紀*; 二ツ川 健太*; 河村 成肇*; 的場 史朗*; 三部 勉*; 三宅 康博*; 下村 浩一郎*; 山崎 高幸*; 長谷川 和男; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012067_1 - 012067_6, 2019/12
被引用回数:3 パーセンタイル:75.83(Physics, Particles & Fields)負ミューオニウムはそのユニークな性質から様々な科学の分野で応用される可能性がある。1980年代に真空中で初めて生成されて以来、仕事関数の低い物質を用いて負ミューオニウム生成効率を高めることが議論されてきた。アルミナセメントの構成物質であるC12A7は良く知られた絶縁体であるが、電子をドープすることで導体として振舞うことが近年発見された。このC12A7エレクトライドは2.9eVという比較的低い仕事関数を持ち、負イオン生成効率を示すと期待されている。本論文では、従来用いていたアルミニウム、C12A7エレクトライド、さらにステンレスターゲット用いた負ミューオニウムイオン生成効率の比較について述べる。測定された生成率は10
/sであり、現状セットアップではエレクトライドにおいても大きな生成率向上は確認されず、表面状態をより注意深く整える必要であることが推定される。また、生成された負ミューオニウムの平均エネルギーに材質依存はなく、0.2
0.1keVであった。
近藤 恭弘; 平野 耕一郎; 伊藤 崇; 菊澤 信宏; 北村 遼; 森下 卓俊; 小栗 英知; 大越 清紀; 篠崎 信一; 神藤 勝啓; et al.
Journal of Physics; Conference Series, 1350, p.012077_1 - 012077_7, 2019/12
被引用回数:3 パーセンタイル:75.83(Physics, Particles & Fields)J-PARC加速器の要素技術試験に必要な3MeV H
リニアックを高度化した。イオン源にはJ-PARCリニアックと同じものを用い、RFQは、J-PARCリニアックで2014年まで使用した30mA RFQに代わり新たに製作した50mA RFQを設置した。したがって、このシステムはエネルギー3MeV、ビーム電流50mAとなる。このリニアックの本来の目的は、このRFQの試験であるが、J-PARC加速器の運転維持に必要な様々な機器の試験を行うことができる。加速器は既に試運転が終了しており、測定プログラムが開始されつつある。この論文では、この3MeV加速器の現状について報告する。
ビーム用バンチシェイプモニター北村 遼; 二ツ川 健太*; 林 直樹; 平野 耕一郎; 小坂 知史*; 宮尾 智章*; 守屋 克洋; 根本 康雄*; 小栗 英知
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.51 - 54, 2019/07
J-PARCリニアックにおいてピーク電流60mAを超える大強度H
ビームを供給する場合、高周波四重極リニアック(RFQ)後のビーム輸送系における縦方向測定と調整はビームロスとエミッタンス増大の削減のために重要である。大強度3MeVのH
ビームのバンチ幅測定にはエネルギー損失が小さくかつ高温耐性のあるカーボンナノチューブ(CNT)ワイヤーを用いた新しいバンチシェイプモニター(BSM)が必要である。しかし二次電子を引き出すためCNTワイヤーに高圧印加すると、放電が電圧印加の妨げとなる。それゆえ安定したバンチ幅測定のためには放電を抑制する必要がある。エミッタとしてのCNTの特性を考慮してワイヤー長を短くしたところ、-10kV高圧がワイヤーに印加できた。本講演ではこのBSMの最新の開発状況と将来の展望を報告する。
須江 祐貴*; 飯嶋 徹*; 居波 賢二*; 四塚 麻衣*; 飯沼 裕美*; 中沢 雄河*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 下村 浩一郎*; 二ツ川 健太*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.55 - 60, 2019/07
本論文では、RFQによって89keVまで加速されたミューオンのバンチ長測定について述べる。ミューオンの性質の詳細測定のための、4種類の加速構造を持つリニアックがJ-PARCにおいて開発中である。2017年に、RFQを用いたミューオン加速の実証と横方向プロファイル測定が行われた。次の課題は、次段の加速器のアクセプタンスとビーム整合するために必要な縦方向のビームモニタである。このために、マイクロチャンネルプレートを用いた新しい縦方向ビームモニタを開発中である。このモニタは加速周波数324MHzの1%に相当する時間分解能である30から40psを目標にしている。2018年10月に、RFQによって89keVまで加速された負ミューオニウムイオンのバンチ長測定に成功した。測定されたバンチ長は、0.54
0.13nsであった。
四塚 麻衣*; 飯嶋 徹*; 飯沼 裕美*; 居波 賢二*; 大谷 将士*; 河村 成肇*; 北村 遼; 近藤 恭弘; 齊藤 直人; 下村 浩一郎*; et al.
Proceedings of 16th Annual Meeting of Particle Accelerator Society of Japan (インターネット), p.814 - 817, 2019/07
ミューオンの異常磁気能率(g-2)は新物理の兆候が期待されている物理量であり、実験値と標準理論の予測値の間には現在3
以上の乖離が確認されている。J-PARC E34実験では独自の手法による精密測定を目指しており、主要な系統誤差を削減するために低エミッタンスビームを使用する。これは、熱エネルギーまで冷却したミューオンを、速度に応じた複数段階の線形加速器を用い212MeVまで再加速することによって生成する。実験の要求から加速中のエミッタンス成長を抑える必要があるため設計値実現には異なる加速器間でのビームマッチングが重要であり、実際のビームプロファイル測定に基づいて行われる必要がある。時間方向の測定に使用するモニターには、加速位相の1%である30
40psに相当する精度が要求されている。また、イオン源開発初期のビーム強度が低い段階でも使用可能でなければならないため、ミューオン1つに対して感度を持つ必要がある。この2つの要求を満たすため、高い感度を持つマイクロチャンネルプレートと、波高依存性の削減により高時間分解能の達成が可能であるCFD回路を用いたモニターの開発を行った。また、性能評価のためにテストベンチの構築を行い、ピコ秒パルスレーザーをMCP表面に照射した際に起こる光電効果によって生成した光電子を用い、時間分解能65psの評価値を得た。本発表では、テストベンチによるモニターの性能評価結果を報告する。